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18.愛しているから……★
しおりを挟むイザベラは毎朝、フェルナンドの腕の中で、裸で目覚める。
もう結婚式の日から一週間は経った。この日から彼は王宮に出仕しなければならないと聞いている。
それなのに、妻が起きたと知った彼の手は、イザベラの胸の尖りを弄り、その男根を太ももの間で行き来させる。
秘部に擦れるそれが、イザベラに快感をもたらしてくる。
「も、今日は……んっ」
「まだ足りなかったのに、あなたが眠いと言うから朝まで我慢したんです。ああ。もうしっかり濡れていますよ?」
「や、あっ、入れたらっ、んんっ」
彼はイザベラの膣内に自分自身を差し込みながら、彼女をうつ伏せにさせた。
イザベラはシーツに縋りつきながら、何度も喘ぐ。
「あ、やぁ、あなたの顔が、見たいのに……っ」
「……また昨夜のようにされては困りますから……」
イザベラは熱に浮かされながら、昨夜何か悪いことをしただろうかと考えた。
イザベラがしたのは、彼の真似だけだ。
数日前から感じてしまうようになった乳首を彼が執拗に刺激するので、彼の隙をついて同じことをした。
ついでに可愛らしい顔を見たくなって、彼のものを手で扱いた。
彼も顔を赤らめて気持ちよさそうにしていたのに、どちらも途中でやめさせられてしまった。
「なぜあなたが私にすることを、私がしてはいけないの?」
「……長く保たないからですよ!」
彼はそう言うなり、イザベラの腰を持ち上げて、後ろから彼女の中を穿った。
「あぁっ、フェルナンドっ、あ、それ、きもちいいのっ」
「ええ。たくさんして差し上げます」
「あ、あんっ、あ、奥、へん、やぁあ!」
「んっ、そんなに締めたらっ、……っ!」
二人で達して、しばらくそのまま抱き合っていたら、扉が何度か叩かれた。
「もう時間だわ……」
「……まだ離れたくないな」
フェルナンドはそう言いながらも、自分自身をイザベラの中から抜くと、手早くガウンを羽織り、起き上がれないイザベラには掛け布をかぶせてくれる。
彼が声をかけると、訳知り顔のメイドたちがイザベラの世話を焼いてくれる。
恥ずかしいのでやめて欲しいけれど、本当に体が動かせないから、こればかりは仕方がない。
侍女からメイドと呼び方は変わったものの、三人はイザベラのことをよく分かってくれているので気は楽だ。
この別棟では、食事も侯爵家の本邸とは別に作られているから、安心して食べられる。
ユペール侯爵には本邸に用事がある時にフェルナンドと共に挨拶する程度でいいように話をしてくれているらしい。
もちろんフェルナンドは、ユペール侯爵からの報告を受けるアーロンらに、いかにイザベラが大人しく閉じ込められているか印象付けてもいるのだろう。
フェルナンドが着替えを済ませて戻って来た時、イザベラはようやく起き上がって、部屋着を着終えたところだった。
そして、この日から王宮へ出仕しなければならないフェルナンドがイザベラの両手を握りながら、うるさいほど注意をしてくる。
「私がこの別棟に配置した人間以外は信用しないようにしてください」
「分かっているわ。何度同じことを言うのかしら」
「心配なんです。もしあなたに何かあったらと」
イザベラは少々口うるさい夫が、困ったような、あの可愛い顔をしてくれたものだから、彼に軽く口づけて、「分かったわ」と素直に答える。
彼はほっとした顔をした。
少し離れたところで何か言いたげに微笑んでいるメイドたちのことは、このような時は無視することにしている。
「もう出掛けなければならないのではなくて?」
「ええ。玄関まで見送っていただいても?」
「もちろん構わないわ」
イザベラは、言うことを聞かなくなりがちな足腰を叱咤する。
それと同時に彼の腕に手を絡め、支えにしながら、なんとか玄関まで辿り着いた。
イザベラも彼を見送りたかったのだ。
「あなたを見送る言葉を考えていたのだけれど」
「どんな言葉ですか?」
イザベラは少し離れた所にいる執事やメイドたちに聞こえないように、彼の耳元で言った。
「早く帰ってきて。愛しているから」
彼は、あの困ったような可愛いらしい顔でイザベラに口づけてくれた。
名残り惜しそうな彼に手を振って笑顔で馬車を見送った後は、イザベラはすぐさま自分の個人の寝室に行ってベッドに倒れ込んだ。
メイドたちに「何とおっしゃったのです?」「若旦那様があのようなお顔をなさるなんて」と言うけれど、これは二人だけの秘密だ。
だから、イザベラは「教えてあげないわ」と微笑む。
メイドたちは文句を言いながらも、イザベラにかいがいしく食事をさせ、「ごゆっくりお休みください」と言って部屋を出て行った。
イザベラはとても満ち足りた気分で微睡んだ。
ここは温かくて、優しくて、心地のいい場所だった。
フェルナンドが帰って来た時にも出迎えよう、その時は何と言おうか、などと考えながら、イザベラはゆっくりと眠りに落ちていったのだった。
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