自殺しそうになった美少女を止めたら、殺されそうなくらい愛される日常が始まった件

晃矢 琉仁

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歪む日常

自己紹介

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しかしこちらに向いてくると思われた視線は思いの外、向かなかった。
それも全く、誰一人として振り向かなかった


一体、どういうことだ?

唯一この教室の朝の会の直前までの状況を知らない先生も
この異様な状況に気付いているか目を向けたが
立っていながら眠そうにしていやがる

多分、こんなにも静かな教室は初めてで
いつも眠そうな担任にとっては睡魔との激闘の時間に今こそなっているのかもしれない。

そうこう周りの異変を見ているうちに黒田さんが教壇に立った
誰も顔を上げようとしない


「皆さん、聞いてください!」

その一声で一斉にクラスメイト全員が顔を上げた
まるで彼女は指揮官だ。


「私は今までずっと保健室通いでした!」

いきなりのカミングアウトにこちらがヒヤッとした。
自分の隠れ家を晒したようなものだ
今は躁だから良いが、後を考えると...
そんなこちらの心配を他所に彼女のカミングアウトは留まることを知らない。


「教室に来るのが嫌だったからです!
 なぜなら、イジメという不毛で下劣な災難を被る可能性が高かったから!
 そして結局!
 保健室で静かに過ごしていただけなのに、
 私の成績の良さを僻んで上履きの中には画鋲が入れられていました!!」


そう特に力強く叫んだ被害の告白と共に
彼女はポケットから、その入れられていたと思われる画鋲が高々と掲げた。
それは自分が入れられた画鋲と同じものに見えた

一瞬であったことと
小さくい上にこの教室では一番遠い席から見えただけに確証はないが


「これで私の足は怪我を負うところでした!
 軽傷済むところではあるでしょう、痛がる素振りを見せなければ分からないような
 怪我かもしれません!
 しかし!
 これによって血は流れ、傷は痛み、心は疑心暗鬼でいっぱいになって
 苦しみを伴うのです!!
 犯人は分かっています! この中に複数人いることも!!」


その瞬間、遂に教室が一斉にザワザワし始めた

しかしそれも一瞬


「静かに!!」

彼女の一声で水を打ったかのように静まり返った。


「そしてこの被害を私の他に受けてしまった人もこの中にいます!」

まさか...


「そう、渡辺 浬くんです!!」

言ってしまったか...
薄々この話題が上がった時点で少し予測していたが現実になるとは...
まあ、ただでさえ居心地の悪くなってしまったクラスだ。
今にそれを言われて哀れることもないだろう...

それどころか今周りから向けられている何人かの視線は睨みに近い。
一体なんなんだ?

「彼は私と違って画鋲から傷を受けてしまいました!
 彼の心身に一生残るほどの傷を与えたかもしれません!!
 これは許されざる問題です!!
 はぁ...
 そのため...心当たりのある方は正直に先生たちにでも良いので
 自白することを勧めます...
 黒田 奈々でした、これからよろしく...」

最後の主要であった自己紹介を吐き捨てるように済ますと
緊迫した空気の中を堂々と歩き、
俺に笑いかけてから彼女は自分の席に着いた。


「...あ、では朝の会を終わらせます...日直」

「き、起立、礼、ちゃ、着席」


何も無かったように終わりの流れを担任が催促し、震えた声で日直が終わらせた

俺も周りも茫然として
朝の会が形だけは無事に終わった。
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