37 / 50
歪む日常
凍てつく時間
しおりを挟む
朝の会は終わったというのに教室を立ち去ったのは担任だけで
他の誰も動かない。
どうしたんだ...?
まるでダルマさんがころんだをしているかのように
何者かに監視されているように
誰も体をピクリとも動かさない
「ねぇ」
そして急に聞こえた一声に多くの人間の肩がビクッと動いた
その黒田さんの声掛けをされた自分もその内の一人だ
「変だね、もう休憩時間に入ってるっていうのに」
...なんだって?
それを俺に聞いてどうするんだ...?
どう答えたものか、
と悩んでいると止まった時が動き出したかのように
クラスメイト達が話し合ったり席を立ったりし始めた。
しかしどことなく皆ぎこちない
「良かった~...びっくりしたね、カイリ」
驚いたのは間違いなく俺の方だ。
一体全体俺のいない間に何があったのか...?
その疑問の解決の糸口もまるで見つからないまま、
午前の授業は過ぎ去っていった。
そうして至福のお弁当タイムも
「一緒に食べようよ」
という黒田さんの一声によって教室に食べることになったが、
一旦トイレに行って帰って来ると
廊下は喧噪に溢れているというのに、
また教室は凍り付いたように静寂に包まれていた。
「こっちこっち~」
そう俺を呼ぶ黒田さんは
もう俺と彼女の席を突き合わせて待っていた。
それからも教室内で声を発して話すことを許されたのは俺と彼女だけであるように、
教室は静かなままだ。
そんな中で食べる昼食など美味いはずもなく、
「はい、あ~ん」
という夢の様なシュチュエーションも俺は恥ずかしさで熱くなることもなく、
冷めた感じで彼女に餌付けされ続けた。
その場の空気も俺の冷えた態度も彼女だけは知らん顔で嬉しそうだった。
そうして今日一日、休憩時間だけは皆がいつも通りを装い、
それ以外の時間は全員がルールでも決めたように静かだった。
俺は一番居心地が良いようで悪いようになってしまった薄気味悪い教室を、
帰りの会が終わると一目散に出ようとした
しかし
「カ~イリ、一緒に帰ろう」
伸ばされた手を握らないわけにもいかなかった。
彼女の手はやはり冷たかった
彼女に引っ張られているように帰っているのに
道は俺がいつも歩く通学路であった。
もうそこで自分は震えが、
握られた手にだけは伝わらないようにすることで必死だった。
ようやく俺の家のすぐ近くの交差点で解放され、
「バイバ~イ」
と満面の笑みで手を振る彼女に、
引きつった笑顔で俺は手を小さく振ることしか出来なかった
多分、まるで上手く笑えていなかったと思う。
そうして意識も確かでないまま
うちに帰ってからはもう何をしたかも覚えていない。
他の誰も動かない。
どうしたんだ...?
まるでダルマさんがころんだをしているかのように
何者かに監視されているように
誰も体をピクリとも動かさない
「ねぇ」
そして急に聞こえた一声に多くの人間の肩がビクッと動いた
その黒田さんの声掛けをされた自分もその内の一人だ
「変だね、もう休憩時間に入ってるっていうのに」
...なんだって?
それを俺に聞いてどうするんだ...?
どう答えたものか、
と悩んでいると止まった時が動き出したかのように
クラスメイト達が話し合ったり席を立ったりし始めた。
しかしどことなく皆ぎこちない
「良かった~...びっくりしたね、カイリ」
驚いたのは間違いなく俺の方だ。
一体全体俺のいない間に何があったのか...?
その疑問の解決の糸口もまるで見つからないまま、
午前の授業は過ぎ去っていった。
そうして至福のお弁当タイムも
「一緒に食べようよ」
という黒田さんの一声によって教室に食べることになったが、
一旦トイレに行って帰って来ると
廊下は喧噪に溢れているというのに、
また教室は凍り付いたように静寂に包まれていた。
「こっちこっち~」
そう俺を呼ぶ黒田さんは
もう俺と彼女の席を突き合わせて待っていた。
それからも教室内で声を発して話すことを許されたのは俺と彼女だけであるように、
教室は静かなままだ。
そんな中で食べる昼食など美味いはずもなく、
「はい、あ~ん」
という夢の様なシュチュエーションも俺は恥ずかしさで熱くなることもなく、
冷めた感じで彼女に餌付けされ続けた。
その場の空気も俺の冷えた態度も彼女だけは知らん顔で嬉しそうだった。
そうして今日一日、休憩時間だけは皆がいつも通りを装い、
それ以外の時間は全員がルールでも決めたように静かだった。
俺は一番居心地が良いようで悪いようになってしまった薄気味悪い教室を、
帰りの会が終わると一目散に出ようとした
しかし
「カ~イリ、一緒に帰ろう」
伸ばされた手を握らないわけにもいかなかった。
彼女の手はやはり冷たかった
彼女に引っ張られているように帰っているのに
道は俺がいつも歩く通学路であった。
もうそこで自分は震えが、
握られた手にだけは伝わらないようにすることで必死だった。
ようやく俺の家のすぐ近くの交差点で解放され、
「バイバ~イ」
と満面の笑みで手を振る彼女に、
引きつった笑顔で俺は手を小さく振ることしか出来なかった
多分、まるで上手く笑えていなかったと思う。
そうして意識も確かでないまま
うちに帰ってからはもう何をしたかも覚えていない。
0
あなたにおすすめの小説
ヤクザのお嬢は25人の婚約者に迫られてるけど若頭が好き!
タタミ
恋愛
関東最大の極道組織・大蛇組組長の一人娘である大蛇姫子は、18歳の誕生日に父から「今年中に必ず結婚しろ」と命じられる。
姫子の抵抗虚しく、次から次へと夫候補の婚約者(仮)が現れては姫子と見合いをしていくことに。
しかし、姫子には子どもの頃からお目付け役として世話をしてくれている組員・望月大和に淡い恋心を抱き続けていて──?
全25人の婚約者から真実の愛を見つけることはできるのか!?今、抗争より熱い戦いの幕が上がる……!!
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜
具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、
前世の記憶を取り戻す。
前世は日本の女子学生。
家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、
息苦しい毎日を過ごしていた。
ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。
転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。
女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。
だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、
横暴さを誇るのが「普通」だった。
けれどベアトリーチェは違う。
前世で身につけた「空気を読む力」と、
本を愛する静かな心を持っていた。
そんな彼女には二人の婚約者がいる。
――父違いの、血を分けた兄たち。
彼らは溺愛どころではなく、
「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。
ベアトリーチェは戸惑いながらも、
この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。
※表紙はAI画像です
一条さん結婚したんですか⁉︎
あさとよる
恋愛
みんなの憧れハイスペックエリートサラリーマン『一条 美郷(※超イケメン)』が、結婚してしまった⁉︎
嫁ラブの旦那様と毒舌地味嫁(花ちゃん)....とっ!その他大勢でお送りしますっ♡
((残念なイケメンの一途過ぎる溺愛♡))のはじまりはじまり〜
⭐︎本編は完結しております⭐︎
⭐︎番外編更新中⭐︎
転生したら4人のヤンデレ彼氏に溺愛される日々が待っていた。
aika
恋愛
主人公まゆは冴えないOL。
ある日ちょっとした事故で命を落とし転生したら・・・
4人のイケメン俳優たちと同棲するという神展開が待っていた。
それぞれタイプの違うイケメンたちに囲まれながら、
生活することになったまゆだが、彼らはまゆを溺愛するあまり
どんどんヤンデレ男になっていき・・・・
ヤンデレ、溺愛、執着、取り合い・・・♡
何でもありのドタバタ恋愛逆ハーレムコメディです。
幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない
ラム猫
恋愛
幼い頃に、セレフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セレフィアはそれを喜んで受け入れた。
その後、十年以上彼と再会することはなかった。
三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セレフィアはその場を離れた。
しかし治療師として働いているセレフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。
それどころか、シルヴァードはセレフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。
「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」
「お願い、セレフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」
※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
三年間片思いしていた同級生に振られたら、年上の綺麗なお姉さんにロックオンされた話
羽瀬川ルフレ
恋愛
高校三年間、ずっと一人の女の子に片思いをしていた主人公・汐見颯太は、高校卒業を目前にして片思いの相手である同級生の神戸花音に二回目の告白をする。しかし、花音の答えは二年前と同じく「ごめんなさい」。
今回の告白もうまくいかなかったら今度こそ花音のことを諦めるつもりだった颯太は、今度こそ彼女に対する未練を完全に断ち切ることにする。
そして数か月後、大学生になった颯太は人生初のアルバイトもはじめ、充実した毎日を過ごしていた。そんな彼はアルバイト先で出会った常連客の大鳥居彩華と少しずつ仲良くなり、いつの間にか九歳も年上の彩華を恋愛対象として意識し始めていた。
自分なんかを相手にしてくれるはずがないと思いながらもダメ元で彩華をデートに誘ってみた颯太は、意外にもあっさりとOKの返事をもらって嬉しさに舞い上がる。
楽しかった彩華との初デートが終わり、いよいよ彩華への正式な告白のタイミングを検討しはじめた颯太のところに、予想外の人物からのメッセージが届いていた。メッセージの送り主は颯太と同じ大学に進学したものの、ほとんど顔を合わせることもなくなっていた花音だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる