異世界転生興国記

青井群青

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シエラの周辺の地形探査報告

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それからヒロキは砦に戻って自分の部屋に戻ると疲れてその日はすぐに寝た。寝る前に町の顔役達には車両やシエラのことは簡単に伝えておいた。皆は最初とても驚いていたが特に問題は無いらしい。
 
 シエラは町の周辺に警戒も兼ねて探索に行ってくれていた。より詳細に植生や山で産出できる鉱石等がないか周辺地図の作成までこなすらしい。あと、原料さえあれば大抵の物は製造もできるらしい。出発する前にヒロキの頭に触れて記憶や知識を共有していったので成果はかなり期待できそうだ。


 翌朝ヒロキは目が覚めて起きるとシエラがベッドの前で待機していた。ヒロキは伸びをしてからシエラに向き直ると報告を促した。

「おかえり、では調査結果をお願い。」
「はい、報告します。まずは地形から共有いたします。周辺の地形から送ります。」
シエラがそう言ってヒロキの額に手をかざすと情報が頭に入ってきた。まずこの砦を起点に北には険しい山脈がありこの町自体は山に三方から囲まれていた。更に範囲を広げるとこの国自体は小さな島国らしい。主だった都市は海に面した王都とこの町だけだった。王都までの距離は山を越えられれば一日もかからなそうだ。ただ今の交通手段だと馬か徒歩なので大回りをしなければならず、馬なら三日徒歩なら一週間かかるというのは納得である。あとは少し気になったのが町からほど近い山脈の中腹に赤い点があったところだ。
「シエラ、この赤い点は何?」
「敵性勢力です。簡単に言うと恐らく野盗の類と思われます。過去にこの町も被害にあっていると思われます。ご命令とあらば即座に排除殲滅いたしますが如何されますか?」
「殲滅って・・・即座に殺したらまずいでしょ。できれば無力化した後に生け捕りにしたい。一応事情も聞きたいし。人数はわかる?」
「はい、人数は20人ほどですね。すでにこの町が復興していることも察知されています。近いうちに襲撃される公算が高いですね。」
「なるほど・・・。王都に行っている間に襲撃されたら目も当てられないな。よし!俺とシエラ二人で先手を打とう。町の衛兵のベリル達には後続で来てもらって生け捕りを手伝ってもらおう。」
「かしこまりました。ではそのように手配いたします。」
「簡単な作戦も練りたいので、一応シエラの武装についても確認したいから教えてもらえる?」
「かしこまりました。まず肩部と大腿部に20ミリマイクロミサイルが30発、着脱式ですが右腕に三連砲身の7.62ミリ機銃、左腕にショットガンと任意でグレネードランチャーに換装が可能です。」
「・・・。誰と戦争するの?とりあえずショットガンは使用禁止。弾頭もゴム弾若しくは電撃弾を使用すること。グレネードに関しては閃光か音響のスタングレネードにすること。マイクロミサイルも非常時を除いて使用禁止でよろしく。」
シエラは少し考える素振りを見せた後了承した。野盗も凶悪な連中ではないことを願うばかりだ。1時間後ヒロキたちは衛兵を伴って夜盗の拠点に向かって出発した。
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