異世界転生興国記

青井群青

文字の大きさ
44 / 44

take off!!

しおりを挟む
ヒロキはそれから艦載機である垂直離着陸機やらその他魔改造されたA10のような機体のシミュレーター訓練を1週間程、シエラや元イーグルドライバーのオザワの監督下でこなしていよいよ本日初めて実機で離陸を迎えようとしていた。各種シミュレーションの結果としてはオザワの評価が概ね良好であったので実機で訓練となった。オザワ曰く。

「とりあえず、センスはあると思う。視力も良いし、何よりも空間認識能力が高いと思う。これなら機位を見失って墜落ってことは無いだろうし、操縦操作はゲームパッドでやるからすぐに慣れるはずだし、過信は禁物だけど自信はある程度持って良いと思うな。機動飛行を除いて一番難問の着陸は自動化されているし高度制限も上下設定できるから機体そのものに重大な欠陥が無ければ大丈夫じゃないか?」

「ありがとうございます!」

「それにしても本当に至れり尽くせりな機体だよな?火器管制も簡単だし、弾薬も実体弾の他に魔力弾や対地兵装も豊富で爆装もなんでもござれ・・・本物と違って航続距離も長いし機体やコクピットにかかるGもかなり軽減できるみたいだしね。これでコクピットに与圧も入っていれば言うことなしだな!」

「あるみたいですよ?与圧。」

「お?マジで?飲みながら操縦できるじゃん!」

「オザワさん?まさか・・・・・」

「ははは・・・まさかやらないよ?飲酒運転はしません!でも・・・二日酔いくらいなら・・・ね?」

「ほう?」

 ヒロキが割と真顔で迫る。

「冗談だよ冗談!でもそれくらい装備が贅沢だな。それにしてもヒロキは酒飲まないからパイロット向きだな!俺はストレスで酒に逃げた結果、地上勤務になったようなものだし・・・アラート待機とかスクランブルとか・・・」

 オザワは昔を思い出したのか遠い目をしてそう言った。その後すぐに真顔に戻るとヒロキに向き直る。

「よし!行くぞ!乗機!エンジン始動!」

「了解!」

 二人は機体に乗り込むとエンジンを始動して格納庫をタキシングして艦内エレベーターに順番に機体を乗せて甲板上に出る。
 甲板上にはウィスキー達が既に控えており、機体の外部チェックを始める。艦内フライトデッキにはシエラとマイクが待機して甲板上のカメラでモニタリングしてくれている。
 二人はオザワが作製したチェックリストを読み上げ、ウィスキー達の合図に合わせてエンジン出力チェックやフラップ、ラダーの動作確認を行う。因みにコールサインはそれぞれの苗字からオザワがオスカー1、ヒロキがオスカー2である。

「オスカー1よりフライトデッキ!各部チェック終了!異常なし!リクエスト・テイクオフ」

「フライトデッキよりオスカー1!クリアード・フォー・テイクオフ」

「離陸する!」

 オザワの機体が甲板上を急加速疾駆して発艦した。この機体は垂直離陸も可能だが今回はオザワだけテストも兼ねてランニングテイクオフを実行した。
 続いていよいよヒロキも離陸する。

「オスカー2からフライトデッキ!各部チェック終了!異常なし!リクエスト・テイクオフ」

「フライトデッキよりオスカー2!クリアード・フォー・テイクオフ」

「了解!離陸する!」

 ヒロキの機体は垂直離陸をする。ランニングテイクオフに比べれば若干魔力消費が大きいが、安全に離陸できる。機体側面のサブエンジンスラスターを展開しメインエンジンを垂直に向け出力全開で上昇を開始し、高度100Mでやや機首を上向きにしてメインエンジンを水平に戻して加速して発艦完了である。
 ヒロキの発艦後にシエラからの通信が入る。

「FDよりオスカー2。高度3000Mまで上昇後オスカー1の追尾モードに移行してください」

「オスカー2了解!高度3000Mまで上昇後オスカー1の追尾を開始する」

 ヒロキはシエラの指示に従い高度3000Mに上昇後機内操作パネルでオスカー1ことオザワの機を追尾モードをONにした。




しおりを挟む
感想 5

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(5件)

春あけ冬
2017.11.21 春あけ冬

最初の異世界の設定なのですが、重力が1/100なので力と速さが100倍は少し無理がある気がします。
別に代替案がある訳では無いのですが…
申し訳ありません。
更新楽しみに待ってます!

解除
ブウちゃん
2017.11.09 ブウちゃん

転生後からの疑問何ですが、管理者から時空魔法を貰ってアイテムボックスが使える筈なのに便利なのに何故使わないのでしょうか?使えば荷物の持ち運びやら色々と便利何ですから。もしかして忘れてます?アイテムボックスで車を収納したりマウンテンバイクを収納したりって最初から活用出来る場面が多かったんですけど。今後の展開の為なら仕方がないのでしょうが、使わないのは宝の持ち腐れでしかないと思います。

2017.11.10 青井群青

ご指摘ありがとうございます。どちらにするか迷ったのですが、作者も過去に輸送業に従事していたので流通や輸送の苦労にリアリティを持たせたかったので敢えてアイテムボックスは登場させませんでした。意図が伝わり辛くて申し訳ありません。でも便利ですよね~アイテムボックス。とても魅力的ではあります。今後の展開次第では・・・まだ未定ですね。

解除
八十八夜
2016.11.12 八十八夜

お大事に
更新楽しみにしています。

2016.11.12 青井群青

ありがとうございます。がんばります。

解除

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。