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王都再びその2
しおりを挟む「それで・・・僕はこの世界で何を手伝えば良いの?オダ君?」
キタムラは店を中抜けさせてもらいヒロキと前世の口約束を果たしつつ今後のことについて少し早めの昼食を王都の食堂で食べていた。皿には固いバゲットパンにベーコンのような肉に申し訳程度にレタスのような葉物野菜がはさんであった。お値段二人で20ボッチ(銀貨2枚)結構高い。食べながらヒロキは少し考えてから答えた。
「そうですね。キタムラさんには俺が今いる町で服を作って欲しいです。場所と紡績機や機織り機とミシン等はこちらで用意させてもらいますよ?・・・て、あれ?そういえば手伝って欲しいって言いましたっけ?俺」
「ああ、そうだったね。実はこの世界に行く前にあの世?のような場所で次の転生先を決める順番待ちをしていたのだけど、そこでこの世界に来るならある程度の特典が付くのでオダ君を手伝って欲しいと頼まれたんだよ。特典は魔法と染物の技術と縫製技術だね。あとは服なんかは一度見せてもらえば型を作らなくても材料さえあれば複製量産ができるよ」
「そうなんですね!服の量産とかすごいですね!以前自分の服の店を持ちたいと言っていたのでよかったです。それと特典なのですが、その・・・わわわ、若返りとかは望まなかったのですか?」
ヒロキはキタムラの頭に目線を移しながら聞いてみた。キタムラの頭は前世と同じ落ち武者のようなヘアスタイルでス〇ーピーのようにも見えるくらいハゲていた。
「髪のこと?ハハハ!もう気にするのはとっくにやめているから大丈夫!それに少しぐらい若返ってもまた無くなっちゃうしね。髪は無くなってからよりも減っていく過程のほうが辛いからさ。それに良い目印になったでしょう?会ってからすぐに認識できるくらいにはさ」
そう言ってキタムラは少しおどけてみせた。大人の対応である。ヒロキは聞いてしまった自分に少し嫌悪感を抱きながら改めてキタムラに尊敬した。
「さて、けっこう時間が経ってしまったね。そろそろ僕はお店に戻って旅の準備をしてくるよ。荷物は少ないからすぐに出られるから。お店はもともと知り合いが迎えに来たらお暇させてくれる約束になっているから心配ない」
「じゃあ、準備が出来次第、南門に車と連れの人?アンドロイドのシエラがいますから向かってください。俺はもう一人王都に来ているはずの人を捜して来ますので。だけど、すぐに見つかるかわからないのでそんなに急がなくても大丈夫ですから」
「南門だね?わかったよ。ならのんびり向かうから。もし見つからなかったら一緒に捜すの手伝うからね」
「ありがとうございます。その時はよろしくお願いします」
ヒロキとキタムラはそれぞれの目的のため一旦解散した。ヒロキは管理者からの情報に従い酒場に向かうことにしたが少しだけ後悔した。道行く人に尋ねたところ、王都に酒場は20軒近く存在しているとのことだった。城がある北部地区を除いて東西南の地区にそれぞれ同じだけあるらしい。ただし、どの酒場も昼間から営業しているのがせめてもの救いであった。
「手伝ってもらおうかな・・・キタムラさんに」
ヒロキはそう呟きながら歩いていた。
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何とか二日連続であげられました。
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