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あなたといっしょに
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昨日、昼飯を食べていると携帯の着信音が鳴った。
「めぐりの捜索願を出そうと思う。」
画面に白井の文字を確認してから、携帯を耳に押し当てると、力が抜けてしまう弱い声がした。娘の居場所がわからないことをあいつなりに心配しているんだろう。白井自身が警察署に出向くように伝え、自分が署にいる時間を教える。出来るだけ内密にしておきたいなら、俺が対応する方がいいと考えたからだ。あいつはまだ、ただの家出だと思っているのだろうか。
もうそろそろ、白井が来る頃だろう。約束の時間だ。入り口を時折覗きながら仕事をする。
「山口さん、今大丈夫ですか。」
事務担当の人に声をかけられ、その先を見ると若い男が立っていた。先日見かけた青年だが、名前を思い出せない。
「先日はどうも。白井さんは後10分ほどで到着いたします。先に説明を伺ってもよろしいでしょうか。」
「説明。」
白井はなんでこいつを寄越したんだ。いくら秘書だといってもこんな若い奴を信頼できるのか。
「はい、どのように捜索して頂けるのか、など教えていただければと思います。」
「まぁ、警察全体としては、娘さんの家出から捜査を始めることになるか。もう少し詳しい話を聞かないことにはわからんがな。」
男は口元を手で隠し、少し考える様子で黙り込んだ。すると、黒いカバンの中から手帳を取り出し、書かれていることを読み上げ始めた。
「めぐりさんは、白井さん宛に1枚の手紙を残しています。そこには友人宅に泊まりに行くという主旨の内容と先月26日の日付が添えられていました。ですが、めぐりさんの携帯は繋がらず、泊まっておられる先の連絡先は書いて有りませんでした。その週、白井さんはお仕事で家を空けており、家政婦らの話によると、22日以降めぐりさんの姿は見かけていないとのことです。さらに以前めぐりさんが泊まられた友人宅に連絡したところ、めぐりさんが訪れた様子はなく、夏休みに入って以降連絡も取れていないとのことでした。それからは、めぐりさんの携帯は繋がらないまま、それ以外変わった連絡もないままです。」
淡々とめぐりさんが居なくなった経緯を説明する。内容だけ聞いていれば、手紙と外出の日付のズレから家出の途中でなんらかの事件に巻き込まれていそうだ。だが、なんだ。この男には違和感を感じる。若いからとか、見た目の割にしっかりしているとか言うことではなく、もっと何か他の。
「悪いな、山口。」
「いや、話はだいたい聞いた。」
遅れてきた白石は前にあった時より幾分か窶れていた。無理もないだろう娘が行方不明になのだから。
「捜索願だけ書いて帰る。」
「ああ、大体の話は聴いたが、お前の話も聞かせてもらう。」
「春樹から聞いたんだろ。」
「そうだが、」
「俺よりもこいつの方がよく知っている。悪いが仕事が立て込んでいるんだ。」
こいつはまた、仕事なのか。少しは娘の心配をしているのかと思えば。
「お前、娘のことが心配じゃないのか。」
荒っぽい言い方になってしまう。
「心配しているが、私にもやる事があるんだ。」
「わかってるのか、事件性があるんだぞ。居なくなってから時間が経ってる。お前の娘は、もう」
この先は言えなかった。白井は分かっていない、これが命に関わることだと言うことを。俺はなんでこいつにこんなに怒っているんだ。
「済まない。」
気付くと白井の胸倉を掴んでいたので、手を離して座り直す。白井は動じることもなく、必要なことだけ話して進めていく。こいつはいつからこうなった。白井が動かすペンの音が嫌に耳に残った。
「めぐりの捜索願を出そうと思う。」
画面に白井の文字を確認してから、携帯を耳に押し当てると、力が抜けてしまう弱い声がした。娘の居場所がわからないことをあいつなりに心配しているんだろう。白井自身が警察署に出向くように伝え、自分が署にいる時間を教える。出来るだけ内密にしておきたいなら、俺が対応する方がいいと考えたからだ。あいつはまだ、ただの家出だと思っているのだろうか。
もうそろそろ、白井が来る頃だろう。約束の時間だ。入り口を時折覗きながら仕事をする。
「山口さん、今大丈夫ですか。」
事務担当の人に声をかけられ、その先を見ると若い男が立っていた。先日見かけた青年だが、名前を思い出せない。
「先日はどうも。白井さんは後10分ほどで到着いたします。先に説明を伺ってもよろしいでしょうか。」
「説明。」
白井はなんでこいつを寄越したんだ。いくら秘書だといってもこんな若い奴を信頼できるのか。
「はい、どのように捜索して頂けるのか、など教えていただければと思います。」
「まぁ、警察全体としては、娘さんの家出から捜査を始めることになるか。もう少し詳しい話を聞かないことにはわからんがな。」
男は口元を手で隠し、少し考える様子で黙り込んだ。すると、黒いカバンの中から手帳を取り出し、書かれていることを読み上げ始めた。
「めぐりさんは、白井さん宛に1枚の手紙を残しています。そこには友人宅に泊まりに行くという主旨の内容と先月26日の日付が添えられていました。ですが、めぐりさんの携帯は繋がらず、泊まっておられる先の連絡先は書いて有りませんでした。その週、白井さんはお仕事で家を空けており、家政婦らの話によると、22日以降めぐりさんの姿は見かけていないとのことです。さらに以前めぐりさんが泊まられた友人宅に連絡したところ、めぐりさんが訪れた様子はなく、夏休みに入って以降連絡も取れていないとのことでした。それからは、めぐりさんの携帯は繋がらないまま、それ以外変わった連絡もないままです。」
淡々とめぐりさんが居なくなった経緯を説明する。内容だけ聞いていれば、手紙と外出の日付のズレから家出の途中でなんらかの事件に巻き込まれていそうだ。だが、なんだ。この男には違和感を感じる。若いからとか、見た目の割にしっかりしているとか言うことではなく、もっと何か他の。
「悪いな、山口。」
「いや、話はだいたい聞いた。」
遅れてきた白石は前にあった時より幾分か窶れていた。無理もないだろう娘が行方不明になのだから。
「捜索願だけ書いて帰る。」
「ああ、大体の話は聴いたが、お前の話も聞かせてもらう。」
「春樹から聞いたんだろ。」
「そうだが、」
「俺よりもこいつの方がよく知っている。悪いが仕事が立て込んでいるんだ。」
こいつはまた、仕事なのか。少しは娘の心配をしているのかと思えば。
「お前、娘のことが心配じゃないのか。」
荒っぽい言い方になってしまう。
「心配しているが、私にもやる事があるんだ。」
「わかってるのか、事件性があるんだぞ。居なくなってから時間が経ってる。お前の娘は、もう」
この先は言えなかった。白井は分かっていない、これが命に関わることだと言うことを。俺はなんでこいつにこんなに怒っているんだ。
「済まない。」
気付くと白井の胸倉を掴んでいたので、手を離して座り直す。白井は動じることもなく、必要なことだけ話して進めていく。こいつはいつからこうなった。白井が動かすペンの音が嫌に耳に残った。
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