上 下
3 / 14

入学式が続きます

しおりを挟む
 入学式が終わったー。と、思ったのもつかの間で、式の後僕らはそのまま教室に戻りオリエンテーションに入った。年間行事の説明がされ、さらに委員会等の役員決めが始まった。
「クラス委員やってくれる人ー」
もうさっさと終わらせてくれ。
「先生ー、城山さんがいいと思います。」
誰だ、僕を推薦するのは。とにかく誰にも関わらず、静かな学校生活を送りたいんだ。
「城山やってくれるか?」
教室の視線が集まる。
「えーと、あー、い」
「頼んだぞ。」
「いや、そのっ」
「他にやりたい人いるかー」
なんでそうなるんだよ!僕の何事も起こらない学校生活は期待できそうにない。
 現在教室に女子は僕ひとり。どう転んでももう1人の委員は男子になる。
「じゃ、田中頼んだ!」
決まってしまった。
「城山、田中前に出て残りの進行頼むわ。」
それだけ言って自分は横に下がった。なんてやる気のない担任なんだ。まず、僕はやりたいなんて一言も言っていないのに。
 仕方なく前に出れば、担任は僕を期待の目で見てくるし、怖いよ。
「城山さん、次決めましょう。」
もう1人クラス委員がサポートはしてくれているけど、正直全部君にやって貰いたい。
「城山さん、全て決まりましたよ。」
本当に仕事できるな!
「では、今日はこれで終わります。
起立、礼。」
 このままでは先が思いやられる。早く寮に帰って部屋の整理をしよう。量は多くないが届いた荷物の片付けがまだ済んでいない。
「ねぇ、みさちゃんだよね。覚えてる?」
なんか可愛い子に声をかけられてしまいました。
しおりを挟む

処理中です...