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私、王子様に気に入られちゃった!?

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私はレオンハルトに連れられて、朝食の会場に向かった。会場は広くて華やかで、たくさんの人が集まっていた。彼らは皆、レオンハルトの誕生日を祝うために来ているのだろう。私はレオンハルトの手を握っていることに気づいて、恥ずかしくなった。私は彼の手をそっと離そうとしたが、彼は強く握り返してきた。

「大丈夫、エリザベス。僕が守ってあげるから」

彼は私に優しく囁いた。私は彼の顔を見て、目が合った。彼の瞳は真剣で優しかった。私は思わず見惚れてしまった。

「レオン…」

私はつい彼の名前を呼んでしまった。すると、彼は嬉しそうに笑って言った。

「エリザベス…」

彼は私の名前を呼んで、顔を近づけてきた。私は彼の唇が自分の唇に触れるのを感じた。私は驚いて目を見開いた。

「え!?」

私は反射的に彼から顔をそらした。すると、周りからざわめきが起こった。

「おお!王子様とエリザベス様がキスした!」

「なんて素敵な光景なんだ!」

「二人は幼なじみだからね。やっぱりお似合いだよ」

「でも、王子様はアリシア様と婚約されているんじゃなかったか?」

「え?本当?それは困ったな」

「アリシア様はどこにいるんだろう?」

私は周りの声に動揺した。そうだ、レオンハルトはアリシアと婚約されているんだ。私は彼とキスしてしまった。私は彼女に申し訳ないと思った。私はレオンハルトに謝ろうとしたが、彼は私を抱きしめて言った。

「ごめんね、エリザベス。僕が我慢できなくて…でも、僕は君が好きだよ」

「レオンハルト様…」

私は彼の言葉に驚いた。彼は私が好きだと言った。本当なのか?それとも冗談なのか?それとも物語の展開なのか?私はわからなかった。

「レオンハルト様!エリザベス様!」

その時、明るい声が聞こえてきた。私は声の主を見つけた。そこにいたのは、物語の主人公であるアリシア・フォン・ローズだった。彼女は金髪碧眼で白肌で可愛らしい容姿をしていた。彼女は貧乏令嬢だが、レオンハルトに見初められて婚約されるという運命にある。彼女はレオンハルトに笑顔で近づいてきた。

「お誕生日おめでとうございます、レオンハルト様」

彼女はレオンハルトに花束を渡した。レオンハルトは彼女に礼を言って、花束を受け取った。

「ありがとう、アリシア。君もおはよう」

彼は彼女に優しく微笑んだ。私は彼らのやりとりに嫉妬した。私はレオンハルトのことが好きだった。でも、彼はアリシアと婚約されているんだ。私は彼らの間に入る権利がないんだ。

「エリザベス様もおはようございます」

アリシアは私にも笑顔で挨拶した。私は彼女に冷たく返した。

「おはようございます、アリシア様」

私は敬称をつけて、わざと距離を置いた。私はエリザベスとしての役割を果たそうとした。私はアリシアを嫌っているんだ。私は彼女に敵対するんだ。私は彼女をいじめるんだ。

でも、本当はそんなことをしたくなかった。私はアリシアを憎む理由がなかった。彼女は何も悪くなかった。彼女はただレオンハルトに愛されているだけだった。私は彼女に申し訳ないと思った。

「エリザベス様、今日はレオンハルト様の誕生日ですから、仲良くしましょう」

アリシアは私に和やかに言った。私は彼女の言葉に腹が立った。彼女は何様だと思っているのだろう。彼女はレオンハルトの婚約者であって、私の友達ではない。彼女は私に仲良くする権利がない。

「仲良くする必要はありませんよ、アリシア様」

私は冷ややかに言った。アリシアは少し驚いたように目を見開いたが、すぐに笑顔を取り戻した。

「そうですか…残念です」

彼女は残念そうに言ったが、本当に残念だと思っているのかどうかわからなかった。私は彼女の笑顔が偽物だと思った。

「さあ、皆さん、朝食の時間です」

その時、司会者が声をかけてきた。私はレオンハルトとアリシアの間から抜け出そうとしたが、レオンハルトが私の手を引き止めた。

「エリザベス、どこに行くの?」

彼は不思議そうに私を見た。私は困って言った。

「あの…ちょっと用事があって…」

「用事?何の用事?」

「えっと…それは…」

私は言い訳が思いつかなかった。レオンハルトは納得しなさそうに言った。

「僕と一緒に朝食を食べてくれよ」

彼は強引に私を引っ張って、テーブルへと連れて行った。私は抵抗できなかった。







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