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第20話 祖母の記憶がつないだ縁
その日の水篝館は、朝からどこか光がやわらかかった。
昨夜の雨を引きずるような重さはもうなく、空は薄い雲をいくつか浮かべながら高く晴れている。川の水はいつもより少しだけ明るく、石に当たるたび白い飛沫を細く返した。風は冷たくない。けれど春の匂いだけではなく、山の奥のまだ少し湿った土の匂いも混ざっていて、吸い込むたび胸の内側が静かに洗われるようだった。
朝の支度をひととおり手伝い、帳場で今日の予約表を確認し、客室の小さな不備を二つ直したあと、澄乃は湯上がり処の棚へ新しい茶菓子を補充していた。小さな籠の中へ個包装の焼き菓子を並べ替え、札の向きを揃える。些細な仕事だ。けれど、その些細さがいまは心地よかった。大きなことを成し遂げるより前に、目の前の小さな整えが確実に誰かの居心地へつながる。そういう仕事の呼吸が、ようやく体へ馴染み始めていた。
廊下の向こうから、ゆっくりした足音が近づいてきた。
軽くも重くもない、杖は使っていないが、急ぐ気もない歩幅。年配の人だろうと思って顔を上げると、湯上がり処の入口に、白髪の品のいい婦人が立っていた。七十代の後半か、八十に近いだろうか。薄鼠色の上品な着物地の羽織をゆるく重ね、髪はきちんと結い上げられている。背筋が崩れていない。けれど目元には年齢相応のやわらかな皺があり、その皺の刻まれ方が、よく笑い、よく人を見てきた人のものだと分かる顔だった。
婦人は、澄乃を見るなり少しだけ目を細めた。
ただ見ているというより、記憶の中のどこかと目の前の顔を重ねているような見方だった。
「……あら」
小さく漏れたその声に、澄乃は姿勢を正した。
「いかがなさいましたか」
婦人はすぐには答えなかった。二歩ほど近づいて、さらに澄乃の顔を見つめる。無礼な視線ではない。懐かしいものを見つけた時、人はしばらく言葉を忘れることがある。そんな沈黙だった。
「あなた」
ようやく婦人が言った。
「もしかして、杠さんのお孫さんじゃないかしら」
その一言に、澄乃の胸が小さく揺れた。
杠さん。祖母のことだ。ここで祖母をそう呼ぶ人がまだいるのかと思うだけで、喉の奥が少し熱くなる。
「はい」
澄乃は静かに答えた。
「祖母の孫の、澄乃です」
婦人の顔が、花が開くみたいにほころんだ。
「やっぱり。まあ、やっぱりそうなのね。目元がよく似てると思ったの」
その言葉に、澄乃は思わず息を詰めた。祖母に似ていると言われたのはいつぶりだろう。結婚してからは、髪型や所作を見て「久世の若奥さまらしい」と言われることはあっても、誰かに似ていると、しかも祖母に似ていると、こうして懐かしそうに言われることはほとんどなかった。
「祖母をご存じなんですか」
「ええ、よく知っているわ」
婦人は笑う。
「私、ここの常連なの。年に何度か来るから、もうずいぶん長いお付き合いになるわね。あなたのお祖母さまがこちらで過ごしていた頃も、何度かご一緒したのよ」
澄乃の胸の奥へ、じわりと温かいものがひろがる。
祖母がここにいた時間を、自分以外の誰かも覚えている。そのことが、不思議なほどありがたかった。祖母の晩年は静かで、家族の中だけの時間のように感じていたからだ。けれど祖母はここで、ちゃんと他人の記憶の中にも生きていたのだと思う。
「お話、よくしてくださったんですか」
「ええ。とても静かな方だったけれど、話しかけると面白いことをおっしゃる方でね」
婦人は湯上がり処の椅子へゆっくり腰を下ろした。澄乃も、勧められる前に勝手に座るのは違うと思いながら、少しだけ近くへ膝を折るように立ったままでいる。
「最初にお会いした時、私が窓の外の川を見て『毎日見ていると飽きませんか』って聞いたことがあるのよ」
婦人は懐かしそうに笑った。
「そうしたら、お祖母さまが『毎日見ているから飽きないのよ。川のほうが、同じ顔をしてくれないもの』って」
澄乃は思わず口元を押さえた。
祖母らしい言い方だと思った。少し皮肉で、少し詩的で、でも気取っていない。そういうことを、ぽつりと真顔で言う人だった。自分の祖母だと知っているからなおさら、その場の光景が目に浮かぶ。
「それで、私、可笑しくなってしまって」
婦人は続ける。
「それから、お茶の時間が一緒になると少しずつお話しするようになったの。あなたのこともよく覚えているわ。若くて細くて、髪をきちんと結んでいてね。いつも忙しそうにしているのに、お祖母さまの前へ座る時だけ、ちゃんと顔をやわらかくしていた」
その言葉に、澄乃の胸の奥がまた揺れた。
若くて細くて、髪をきちんと結んでいて。
そんな自分が、たしかにいたのだ。久世家の妻になる前に。誰かの嫁ではなく、ただ祖母に付き添って、少しでも居心地よく過ごしてほしいと願っていた頃の自分が。
「あなた、あの時からよく働いていたわよね」
婦人は穏やかに言った。
「お祖母さまの湯上がりの時間を見て、先に部屋の座布団を直していたり、お食事の時に食べやすい位置へ小鉢を寄せたり。ここの方が困っていると、黙って手を貸していたでしょう」
澄乃は言葉を返せなかった。
そんな細かなことまで、誰かに見られていたとは思わなかった。祖母の前では気を抜いていたつもりでも、誰かの目はちゃんとその時間を覚えている。そう思うと、胸の奥に静かな熱がたまっていく。
「お祖母さま、とても嬉しそうだったわ」
婦人の声が少しだけやわらかく沈む。
「口にはあまり出さなかったけれど、あなたがいる時の顔が違ったもの。安心している顔というのかしら。自分が弱っていくところを見せるのは、本当はあまり好きではなかったのでしょうけれど、あなたの前ではちょっとだけ甘えていたわね」
甘えていた。
その言葉に、澄乃は目を伏せた。
たしかに祖母は、家族の中でも弱音をあまり見せない人だった。痛いとも苦しいとも簡単には言わない。だが、ここにいた頃の祖母は、それでも少しだけ呼吸が楽そうだった。湯が合っていたのか、川の音が好きだったのか、あるいは「気遣われすぎない静けさ」がよかったのかもしれない。澄乃はただ、祖母が少しでも穏やかでいられるならと思って動いていた。あれが自分にとっても救いだったのだと、今になって分かる。
「お祖母さま、最後の春をここで過ごせてよかったのよ」
婦人がそう言った時、澄乃の胸の奥で何かがそっとほどけた。
最後の春。
その言い方が、ひどく綺麗で、少し苦しかった。祖母がこの宿で過ごした時間を、自分はずっと「療養中の一時期」として思い出していた。だがそうではないのかもしれない。穏やかな最期の季節。そう言ってもらえるだけで、あの時間の色が少し変わる。
「あなたも、ずいぶん一生懸命だった」
婦人は続ける。
「若いのに、本当によく気がつく子だと思って見ていたの。あの頃から変わっていないのね」
その言葉に、澄乃はようやく小さく首を横に振った。
「変わってしまったところも、たくさんあると思います」
「そうかしら」
婦人は首を傾げる。
「人は誰でも変わるけれど、目の置きどころみたいなものはそう簡単に変わらないわよ。あなた、いまも人の手元や顔色を見る時の目が、あの頃と同じだもの」
澄乃はそこで、どうしようもなく胸が熱くなった。
自分は誰かの妻になる前から、ちゃんとここにいたのだ。
その事実が、今さらのように輪郭を持って胸へ落ちる。
久世家へ入ってからの年月は長かった。長くて、濃くて、自分のほとんどをそこへ置いてきたような気がしていた。だから家を出た時、どこか空っぽになったような感覚があった。けれど違うのかもしれない。空っぽになったのではなく、元からあった自分の輪郭が、長いこと役割の下に隠れていただけなのかもしれない。
「……ありがとうございます」
ようやく出た声は、少し掠れていた。
「祖母のことを覚えていてくださって、嬉しいです」
「私のほうこそ」
婦人は笑った。
「またお会いできると思っていなかったもの。あなたのお名前、澄乃さんだったわね」
「はい」
「いいお名前ね。お祖母さま、あなたのことを話す時、その名前をとても大事そうに呼んでいたわ」
その一言に、澄乃は目を閉じたくなった。
祖母が自分の名前を呼ぶ声を、耳の奥ではっきり思い出せる。少し低くて、抑えめで、けれどどこか凛とした響きのある声。結婚してからも、その声だけは変わらず「澄乃」と呼んでくれた。そのことに、いまさら救われる。
「お祖母さま、きっと喜ぶわ」
婦人はゆっくり立ち上がりながら言った。
「あなたが、またここに立っているのを見たら」
その言葉を最後に、婦人は「朝のお茶、とてもおいしかったわ」と笑って湯上がり処を出ていった。足取りはゆっくりだが、背はまっすぐだった。廊下の向こうへ姿が消えるまで、澄乃はその場から動けなかった。
胸の中に、何かあたたかくて痛いものが満ちている。
泣きたいわけではない。けれど、喉の奥が少しだけ狭い。湯上がり処の窓から入る風はやわらかく、川の音は相変わらず低い。何も変わっていないのに、自分の中だけが少しずつ位置を変えていく感じがする。
「……ここにいたんだ」
声に出してみると、それは確かに本心だった。
自分は久世家の妻になる前から、ここにいた。祖母のそばで、少しでも楽に過ごしてほしいと願って、客室の座布団を直し、茶を淹れ、廊下の花を見て、宿の人の手伝いまでしていた。誰かに命じられたからではなく、自分がそうしたかったから。そういう自分が、たしかにいたのだ。
それは思っていた以上に大きな救いだった。
澄乃はしばらく窓の外の川を見てから、湯上がり処の棚へ置いていた茶菓子の籠を静かに整え直した。さっきまでと同じ動作なのに、指先の感覚が少し違う。自分の手が、自分の意志でここへ触れている。そんな当たり前のことが、妙に鮮明だった。
その時、背後で足音が止まった。
「何かあったか」
伊織の声だった。
振り向くと、廊下の角に立ってこちらを見ている。さっきの婦人が出ていくところを、少し離れた場所で見ていたのだろう。視線は静かで、探るような色はない。ただ、いまの澄乃の顔が少し違うことに気づいている眼差しだった。
「いえ……」
澄乃は一度だけ言葉を探して、それから小さく笑った。
「古い常連の方が、祖母のことを覚えていてくださって」
伊織の目が、ほんの少しだけやわらぐ。
「ああ、森本さんか」
「ご存じなんですね」
「長いからな。昔から、うちのことも客のこともよく見てる」
それだけ言って、伊織はそれ以上踏み込まなかった。どんな話をしたのか、何を言われたのか、細かくは聞かない。聞かないが、聞いてもいいなら聞くという距離で立っている。
澄乃はその距離に、ふと心地よさを覚えた。
「祖母が、ここで穏やかに過ごしていたことを」
少しだけ、話したくなった。
「私以外の方も覚えていてくださったのが、嬉しくて」
伊織は黙って聞いている。促さない。ただ、急がない。
「私、久世家へ行く前から、ちゃんとここにいたんですね」
自分でも少しおかしくなるような言い方だった。けれど、それがいまの気持ちに一番近かった。
「当然だろ」
伊織は迷いなく言った。
「杠さんは、その頃から杠さんだった」
その言葉に、澄乃は息を止めた。
当然だろ。
そんなふうに言われるだけで、胸の奥へすっと光が差すようだった。久世家での時間が長かった分だけ、自分のそれ以前が薄くなっていた。けれど伊織にとっては、澄乃は「その頃から」ここにいた人なのだ。特別に慰めるわけでもなく、過去を美化するわけでもなく、ただ事実としてそう言う。
そのまっすぐさが、ひどくありがたかった。
伊織は少しだけ視線を外し、湯上がり処の窓の外を見た。川は光っている。春の水は、深いのにやわらかい。
「おばあさんのこと、俺も覚えてる」
ぽつりと、そんなことを言った。
「静かだったけど、たまに妙に鋭いこと言う人だった」
澄乃は思わず笑ってしまう。
「祖母らしいです」
「川の音が好きだって言ってた」
「はい」
「澄乃さんも、あの時からずっと同じように動いてた」
伊織はそこで一度だけ、澄乃のほうを見た。
「誰かに言われる前に、ちょっとしたこと先に整えて」
その言葉に、澄乃の胸がまた熱くなる。昔の自分を見ていた人が、いまここにいる。その事実は思っていた以上に力があった。
「だから別に、今さら急に来た感じはしない」
伊織は静かに言う。
「戻ってきたな、って感じだ」
その一言に、澄乃は本当に泣きそうになった。
戻ってきた。
逃げ込んだのではなく。
追われて転がり込んだのでもなく。
戻ってきた、と。
そう言ってもらえることが、こんなにも嬉しいとは思わなかった。
「……ありがとうございます」
それしか言えない。
伊織はやはり大げさに何も返さず、「礼はいらない」とも「気にするな」とも言わなかった。ただ、いつものように短く頷くだけだった。その仕草の奥に、澄乃の過去にも今にも、静かな敬意があるのを、なぜだかはっきり感じた。
恋と呼ぶにはまだ早い。
そんな言葉さえまだ浮かばない。けれど、目の前のこの人が、自分の過去を削らず、今の自分を哀れまず、ただ一続きのものとして受け止めてくれている。そのことが、胸の内で深いところへ届く。
熱烈な感情ではない。むしろ静かで、重みのあるものだ。
まだ芽吹いたばかりの根のように、土の中でそっと形を持ち始めるもの。
澄乃はその感覚を、言葉にしないまま胸の中に置いた。
伊織もまた、何も言わない。けれどその沈黙には、ただの無愛想以上のものが混じっていた。昔から知っていた人間が、またここに戻ってきて、自分の場所を少しずつ作り直している。その姿への敬意。あるいは、それを見守りたいという気持ちに近いもの。
窓の外では、川が変わらず流れている。
祖母が好きだと言った、同じ顔をしない水だ。澄乃はその水をしばらく見つめた。ここにいた時間は、結婚に飲み込まれて消えたわけではなかった。ちゃんと誰かの記憶に残り、自分の中にも残り、いまこうして今の自分へつながっている。
それが分かっただけで、今日の空は少しだけ違って見えた。
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