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第27話 好きになってはいけない人
夜の帳場は、昼間よりずっと音が少ない。
それでも完全な静寂にはならないところが、旅館という場所らしかった。遠くの食事処で片づけられる器の乾いた触れ合い、遅い時間の風呂場から戻る客の足音、廊下の行灯が風に揺れるわずかな気配。川の音は昼より低く深くなって、建物の奥まで静かに入り込んでくる。夜が深まるほど、その音だけが宿の土台みたいに残っていく。
澄乃は帳場の脇の小机へ向かい、予約台帳と新しい案内文の下書きを並べていた。
昼間のうちに終えるつもりだった細かな手直しが、結局ここまでずれ込んでしまったのだ。来月から試しに出す記念日プランの文面。季節膳の紹介文。貸切風呂の案内札の表現の統一。どれも急ぎではないようで、実際には放っておくと明日へ滲んでいく種類の仕事だった。
夜の仕事は嫌いではなかった。
客の出入りが落ち着き、昼の熱が抜けたあとで紙と向き合う時間には、どこか呼吸の深さがある。昼間は目の前の流れへ身体ごと入っていくぶん、考えを整える暇が少ない。夜は違う。湯気と足音の名残がある中で、言葉や順番だけをゆっくり整えられる。
そういう静かな時間を、澄乃は少しずつ好きになり始めていた。
好きになっているものは、それだけではなかったけれど。
湯呑みの中の茶はもう半分ほど冷めている。さっき篠田が置いてくれたもので、煎の浅いほうじ茶のやわらかな香りがまだ少し残っていた。紙へ視線を落とし、文言を一つ消して、別の言葉を書く。
『大切な方と過ごす一夜に』
そこまで書いて、澄乃は筆先を止めた。
大切な方。
その言い回しは、今の水篝館には合っている。夫婦でも、恋人でも、母娘でも、友人でもいい。関係に名前を与えすぎないやわらかさがある。だから文としては間違っていない。だが、自分の胸の奥へ置くと、その言葉は少しだけ温度を持ちすぎた。
帳場の奥で、誰かが引き戸を閉める音がした。
その音だけで、澄乃は誰か分かるようになっていた。篠田の閉め方はもっとやわらかく、若い仲居たちはもう少し勢いがある。いまの静かで、だがためらいのない閉め方は伊織だ。音の種類で分かることに気づくたび、澄乃は自分の心が思った以上にそちらへ向いていることを知る。
好きになってはいけない人。
その言葉が、最近よく胸の中へ浮かぶようになっていた。
好きになってはいけない、と誰かに言われたわけではない。伊織は何も言わないし、誰もそんなことを示唆しない。ただ、澄乃の中にだけ、その言葉がある。
離婚が成立して、書類の上でもようやく区切りがついた。
久世という戸籍から外れ、あの家と正式に切れた。それは安堵だった。痛みよりも、息ができるという感覚のほうが大きかった。けれど、それで全部が癒えたわけではないことも、自分でよく分かっている。長い間、役割の中で立っていた身体は、そう簡単には元へ戻らない。誰かの気配に合わせて呼吸を変える癖も、自分の疲れに名前をつけられない鈍さも、まだ深いところに残っている。
そんな途中で、また誰かへ寄りかかるのは、怖かった。
寄りかかってしまったと気づいた時に、今度こそ立ち上がれなくなるような気がする。好きという感情は、甘やかであるぶん、足場を奪うこともある。そういうことを、澄乃はもう身をもって知っていた。
だから、伊織への感情に名前をつけないままでいる。
優しいと思うたびに、そこで止める。
助けられたと感じるたびに、それ以上深く潜らないよう気をつける。
夜の帳場で、ふいに彼の足音を聞き分けられることも。
客の前で名前を呼ばれただけで、胸の内がひどく静かになることも。
重い荷物を黙って受け取られた時、ありがとうのあとにもう一つ言葉を足したくなることも。
全部、きっと今の自分には危ない。
そう思っているのに、気持ちは少しずつ揺れる。
そこが、一番厄介だった。
「まだやってるのか」
低い声が、すぐ後ろからした。
澄乃はびくりとはしなかったが、持っていたペンの先が紙へ小さく震えた。振り向くと、やはり伊織だった。食事処と帳場の最後の確認を終えたところらしく、作務衣の袖を少しだけ捲っている。髪はいつもより少し乱れていて、目元には夜の疲れがわずかに残っていた。だが、その疲れ方は投げやりではなく、最後まで仕事を見届けた人間の静かな疲れだ。
「あと少しだけです」
「その『あと少し』、信用してない」
そう言いながら、伊織は澄乃の机の横へ小さな盆を置いた。湯気の立つ湯呑みと、小皿に載った焼き菓子が一つ。茶はいつものほうじ茶ではなく、生姜の香りが少し立っている。
澄乃は一瞬、それを見て言葉を失った。
「……ありがとうございます」
「夜は冷えるから」
それだけ言って、伊織は帳場の記録簿を手に取る。大げさに優しくするつもりはないのだろう。気遣いの意味を膨らませすぎないために、理由を一つだけ置いていく。そのやり方が、毎回少しだけずるいと思う。
湯呑みを持つ。掌へ熱が移る。生姜の匂いが、やわらかく鼻へ入る。ほんの少しだけ甘みもある。飲む前から、体の芯へ届く感じが分かる。
「生姜湯ですか」
「ほうじ茶に少し落としただけ」
「だから優しい味なんですね」
伊織は返事をしない。ただ帳場の明かりの下で記録簿をめくる横顔が、ほんの少しだけ緩んだ気がした。
こういうことが、いけないのだと澄乃は思う。
倒れる前に止めること。
夜更けの帳場に温かい飲み物を置くこと。
荷物を黙って持つこと。
客の前で、提案の手柄を自分に返してくれること。
特別な甘い言葉より、よほど深く心へ入ってくる。だから困る。
以前なら、好きになる相手はもっと分かりやすかったはずだ。選ばれたと感じさせてくれる言葉があって、目に見える優しさがあり、こちらの心を揺らすための熱があった。伊織には、それがない。ないのに、いや、ないからこそ、気づけば心の深いところへ届いている。
寄りかかってはいけない。
そう思いながら、生姜湯を一口飲む。やわらかな熱が喉を通り、胸の中へ落ちる。今日の夜は少し冷えていたから、その温かさは余計に沁みた。
「文、詰まってるのか」
伊織が帳面から目を離さずに訊いた。
澄乃は机の上の紙へ視線を落とした。
「少しだけ」
「どこ」
「記念日プランの最初の一文です」
「見せて」
差し出すと、伊織は紙を受け取って黙って読む。その横顔を見ているだけで、澄乃は胸の奥がひどく落ち着かなくなる。自分の言葉をこの人に見られるのは、仕事のことなのに少しだけ怖い。けれど、見てほしいとも思う。
「悪くない」
しばらくしてから伊織が言う。
「でも、きれいすぎるかもな」
「きれいすぎる」
「うち、そこまで甘くないだろ」
その指摘に、澄乃ははっとした。
たしかにそうだ。文章としては整っている。けれど、水篝館の空気より少しだけ飾りすぎている。誰かに喜んでもらいたい気持ちが先に立つと、つい言葉は華やかになってしまう。
「……たしかに」
澄乃は紙を見つめ直す。
「じゃあ、もう少し素朴に」
「『大切な人と静かに過ごす一夜に』くらいでいいんじゃないか」
伊織はそう言って紙を返した。
ほんのわずかな違いだ。けれど、その一語で宿の空気がぐっと合う感じがする。澄乃は思わず小さく笑った。
「そちらのほうが、水篝館らしいです」
「だろ」
会話はそれだけで終わるはずだった。だが、帳場の引き戸が開き、夜更けに散策から戻った女性客が二人、少し冷えた頬をして入ってきた。
「ただいま戻りました」
若い女性たちだ。二人とも浴衣の上に羽織を重ね、手には灯籠まつりの小さな案内札を持っている。笑ってはいるが、少し歩き疲れたらしい。
「おかえりなさいませ」
澄乃が立ち上がるより早く、伊織が自然に半歩引いた。前へ出ろという意味だとすぐ分かる立ち方だった。
「お足元、お冷えではありませんか。温かいお茶をお部屋へお持ちします」
そう言うと、女性の一人がぱっと顔を明るくする。
「嬉しいです。ちょっと風が冷たくなってきて」
「川辺、すごくきれいでした」
もう一人が続ける。
「あと、案内が分かりやすかったです。橋のところで迷わなくて助かりました」
その言葉に、澄乃はほんの少しだけ目を見開いた。すると伊織が、横から当たり前のように言う。
「それ、澄乃さんが整えてくれたんです」
何でもない顔で。
気負いもなく。
だがはっきりと。
女性二人の視線が澄乃へ向く。
「そうなんですか。すごくよかったです」
「記念の写真を撮る場所も、あそこ教えてもらって助かりました」
褒め言葉そのものより、その横で伊織が何の迷いもなく「澄乃さんが」と言ったことに、澄乃の胸は揺れた。客前では必ず自分を立てる。自分の仕事であるかのように吸い込まず、自然にこちらへ返してくる。その積み重ねが、どれほど深く沁みるかを、伊織はどこまで分かっているのだろう。
「ありがとうございます」
澄乃は客へ向けて頭を下げる。
「そう言っていただけると嬉しいです。お部屋へお茶をお持ちしますね」
女性客が去ったあと、帳場にはまた夜の静けさが戻った。だが澄乃の胸の中だけは、さっきまでよりずっと落ち着かない。
「……どうして毎回、そうなんですか」
気づけば、そんな言葉が出ていた。
伊織が記録簿を閉じる手を止める。
「何が」
「私がしたことを、ちゃんと私のものとして返すところです」
言ってから、少しだけ恥ずかしくなる。責めているわけではない。むしろ逆だ。ありがたい。ありがたすぎて困る。その気持ちを、どう言えばいいのか分からないまま口にしてしまっただけだ。
伊織は少しだけ眉を寄せたが、不思議そうでもあった。
「当たり前だろ」
「そうかもしれません。でも」
「でも?」
澄乃は少し黙った。
言えば、きっと余計に心が揺れる。けれど、もう隠しきれないところまで来ている気もした。
「……当たり前じゃない場所に、長くいたので」
小さくそう言うと、帳場の空気が一瞬だけ静かに沈む。
伊織はそれに対して、安い慰めを返さなかった。「そうか」とも「もう大丈夫だ」とも言わない。ただ、記録簿の上へ手を置いたまま、まっすぐ澄乃を見る。その視線に同情はない。ただ、聞いたことを軽くしない静けさだけがあった。
「こっちでは、当たり前にする」
少ししてから、伊織がそう言った。
澄乃は返事ができなかった。
当たり前にする。
その言葉の強さに、胸の奥がひどく柔らかくなる。何かを特別に与えるわけではなく、ただそれを「当たり前」にしてくれると言う。その響きが、どこまでも深く心へ沈んでいく。
好きになってはいけない人。
その言葉がまた、胸の中へ浮かぶ。
けれど同時に、どうしていけないのかと自分へ問い返したくもなる。まだ再生の途中だから。誰かへ寄りかかるのが怖いから。そうだ。全部、本当だ。今の自分はまだ完全ではない。いつかこの宿を離れることになるかもしれないし、ここにいられる時間が永遠だとも思っていない。
それでも、気持ちは少しずつ揺れてしまう。
温かい飲み物を置かれるたび。
重い箱を黙って受け取られるたび。
客前で名前と仕事を自分へ返されるたび。
その揺れは、止めようと思って止まるものではなくなり始めていた。
「今日はもうやめろ」
伊織が紙束を軽く指で叩く。
「一文で詰まる日は、そこから先もろくな文にならない」
「ひどい言い方ですね」
「本当のことだろ」
澄乃は思わず笑ってしまった。胸の中はまだざわついているのに、口元だけは自然にほどける。そのことが、また少し困る。
「では、ここまでにします」
「そうしろ」
伊織が先に帳場の灯りを一つ落とす。夜の帳場は少しだけ暗くなり、川の音が近づいたように感じる。澄乃は紙を揃え、机の端へ置いた湯呑みを持った。まだ少し温かい。生姜の香りは、さっきよりやわらかくなっている。
帰る支度をしながら、澄乃はふと思う。
好きになってはいけない人だと、自分へ言い聞かせるたび、逆にその輪郭がくっきりしていく。避けようとすればするほど、足音も、声も、置かれた湯呑みの熱も、はっきり感じてしまう。
まだ恋と認めるつもりはない。
認めたくもない。
けれど、その手前にある深い揺れまで、なかったことにはできなかった。
帳場を出る時、伊織が何気なく澄乃の横に並んだ。廊下の端に、まだ片づけきれていない木箱が一つ置かれている。澄乃が自然に手を伸ばしかけるより早く、伊織がそれをひょいと持ち上げた。
「それくらい自分で持てます」
「今日は持たなくていい」
「でも」
「今日は」
その言い方が少しだけ強い。だが嫌な強さではない。休ませると決めた相手へ、それ以上の理屈を許さない時の強さだ。澄乃はそこで言い返すのをやめた。
廊下を二人で歩く。木箱を持つ伊織の横顔を見ないようにしながら、それでも気配だけは近く感じる。灯りは落とされていて、障子の向こうの川の気配だけが白くにじんでいた。
好きになってはいけない人。
けれど、そう思うだけではもう足りないところまで来ているのかもしれない。
そのことを認めるには、まだ少しだけ夜が浅すぎた。
澄乃は何も言わず、ただ自分の部屋の前まで黙って歩いた。伊織もまた、何も言わない。ただ、重い木箱を持ったまま、澄乃が襖の前で立ち止まるまで自然に隣にいた。
「おやすみなさい」
先に澄乃が言う。
「おやすみ」
短い返事。
それだけなのに、胸の中がひどく揺れる。
襖を閉め、背中を預けたあとも、その揺れはすぐには静まらなかった。温かい飲み物の残り香と、夜の川の音と、伊織の足音の記憶だけが、やわらかく心の内側へ残っていた。
寄りかかるのは怖い。
でも、誰かの優しさを受け取ることまで、もう拒まなくてもいいのかもしれない。
そう思ってしまった自分に、澄乃はまだ名前をつけられずにいた。
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