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第35話 譲ったのは座だけです
水篝館へ「投資」の話を持ち込んできた日から、数日、昌親は表立って姿を見せなかった。
それで諦めたのだと、澄乃は思わなかった。あの人が引き下がる時は、納得したからではなく、その場で理屈が立たなくなった時だけだと、もう分かっている。灯籠まつりの夜もそうだった。水篝館を揺さぶろうとした時もそうだ。表向きの体裁が崩れた時だけ、一度退く。だが、退いたまま終わるわけではない。別の言葉、別の顔、別の理屈を用意して、また境界へ手をかけてくる。
だから澄乃は、姿が見えなくなった数日のあいだも、どこかで気を抜ききれずにいた。
怯えているわけではない。以前のように、何か一つで呼吸が崩れることもない。けれど、自分の人生の中へ一度深く入り込んだ人間が、完全に何もせずに終わるはずがないという種類の警戒は残っている。それはもう、恋や執着とは別の、長く降った雨のあとの地面みたいなものだった。表面は乾いていても、奥のほうにはまだ水気が残る。
その日、澄乃は午後の買い足しを終えて、温泉街の坂道をゆっくり上っていた。
夕方にはまだ少し早い時刻だったが、陽射しは昼の鋭さを失い始めている。川の上を渡ってくる風には、若葉の青い匂いと、水の冷たさが少し混ざっていた。旅館へ戻るまでにある小さな和菓子屋で、記念日プラン用の試し菓子を二つ受け取り、紙袋を腕へかけて歩く。石畳の道は日にあたってまだ少し温かい。温泉街の午後は、旅館の中にいる時とは違う時間の流れ方をする。地元の人間が店先を掃き、観光客が地図を見ながら立ち止まり、子どもが川のほうへ駆けていく。音はあるのに、どこか静かだ。
水篝館まであと少し、というところで、前方の柳の陰に人影が立っているのが見えた。
背筋の通った立ち方。
濃い色のスーツ。
待ち構えるように、だが通行人の邪魔にならない位置を計算した立ち位置。
昌親だった。
澄乃は足を止めなかった。止めれば、待っていた相手の思う形になる気がしたからだ。歩幅を変えず、そのまま近づく。ただ、胸の内側だけが一度だけ冷たく引き締まる。
昌親は、澄乃が完全に目の前へ来たところで、ようやく口を開いた。
「少し話せ」
命令の形をしているようでいて、以前よりわずかに自信が薄い。その薄さが、かえってみっともなかった。
澄乃は立ち止まった。だが距離は取る。腕の中の紙袋を持ち直し、すぐに通りへ出られる側へ半歩だけ身体をずらす。その一つ一つが、もう癖になりつつある。自分のための退路を先に確保する癖。
「ここでなら」
短くそう言うと、昌親の眉がわずかに寄った。
「またその態度か」
「態度、ではありません」
澄乃は落ち着いて返す。
「必要な距離です」
通りを挟んだ向こう側では、旅館の送迎車が一台、ゆっくり坂を下りていく。道端の紫陽花はまだ色づき始めたばかりで、青にも紫にもなりきらない蕾を重たく抱えていた。季節は少しずつ移っている。自分の中の時間も、もう以前とは違う方向へ進んでいる。それだけが、澄乃の胸を静かに支えていた。
昌親は数秒、澄乃を見た。
あの灯籠まつりの夜のような、玄関先の明かりはない。昼の名残の薄い光の中で見る昌親の顔は、前より疲れて見えた。目の下にはわずかな影があり、口元の硬さも隠せていない。だが、その疲れに同情は湧かなかった。疲れていることと、何をしに来たかは別だ。
「水篝館の件は、感情的になりすぎた」
昌親が先に言った。
澄乃は何も返さない。言い訳の前置きだと分かったからだ。
「買うつもりだったわけじゃない」
「そうですか」
澄乃はただそう返す。
「でも、ああいう形で来るべきじゃなかったことは、分かってる」
分かっている。
その言い方にも、澄乃は心の中で小さく首を振った。本当に分かっている人は、こうしてまた道で待ち伏せしたりしない。理解したふりをして、少しだけ体裁を整え直しただけだ。
「それで?」
澄乃が続きを促すと、昌親は喉の奥で言葉を探すみたいに一度息を止めた。
「……お前、今のままでいいと思ってるのか」
その一言に、澄乃はほんのわずかに目を細めた。
今のままでいいのか。
何を言い出すのだろうと思う。自分がどれほど不利な立場にいるか分かっていないのか、将来が不安ではないのか、そんな話をしたいのだろうか。あまりにも予想通りで、逆に胸の中が静かになった。
「今のまま、とは」
「旅館で働いて」
昌親の声に、焦りが混じり始める。
「一時的にうまくいってるだけかもしれないだろ。老舗旅館だって、この先どうなるか分からない。地方の小さな宿だぞ」
やはりそうだ。
ここへ来たのは、心配しているからでも、謝るためでもない。水篝館という澄乃の居場所の価値を、自分の知っている物差しで小さく見積もって、その上で「もっとまともな場所へ戻れ」と言いたいのだ。
あまりにも、変わっていない。
「俺のところへ戻れば」
昌親が続ける。
「少なくとも、お前はもっとちゃんとした生活ができる。あんなところで働いて、何年もいられると思ってるのか」
その瞬間、澄乃の中で何かが、ひどく静かに切り替わった。
怒りではない。
呆れでもない。
もう本当に、何も共有できないのだという、冷たい理解。
「……ちゃんとした生活」
澄乃は小さく繰り返した。
「それが、久世家のことを言っているなら」
紙袋を持つ指先へ、少しだけ力が入る。
「私には二度と必要ありません」
昌親の表情がわずかに動く。予想していた拒絶ではあっても、その言い方の硬さが気に入らないのだろう。
「いつまで意地を張るつもりだ」
「意地ではありません」
「だったら何だ」
その問いに、澄乃はようやく、胸の奥へ長く置いていた言葉を、はっきりと外へ出す気になった。
「私が譲ったのは」
一語ずつ、落ち着いて言う。
「妻の座だけです」
昌親が目を見開く。
澄乃はその反応を見たまま、続けた。
「人生まで渡した覚えはありません」
その言葉が、午後の通りの空気を一段深く静めた気がした。
坂の下から、観光客の笑い声が遠く聞こえる。川の音も変わらない。なのに、この一角だけがひどくはっきり切り取られたようだった。
昌親は、すぐには何も言えなかった。
たぶん、その言葉の意味がすぐに飲み込めなかったのだろう。妻の座を譲った。そこまでは、昌親の中にもまだ整理のつく話だったはずだ。愛人へ場所が移る。形式が替わる。名目が変わる。だが人生まで渡した覚えはない。そこまで言われると、彼の中にあった前提そのものが揺らぐ。
「……何を」
ようやく出た声は、少しかすれていた。
「何を言ってる」
「そのままです」
澄乃はまっすぐ言い返す。
「私は、瑠璃花さんに妻の座を譲りました。そう言われて、そう答えた」
あの日の光景が、今も目の前へ浮かぶ。久世家の応接間。勝者みたいな顔で座る女。止めるでもなく黙っていた夫。小さく微笑んで、「ええ、かまいません」と答えた自分。
「あの時、譲ったのは座だけです」
澄乃は繰り返す。
「あなたの隣という名目と、久世家の妻という役割。それだけです」
そこから先の声は、静かなのに、妙にはっきりしていた。
「家を回していたのは、私の技術でした」
昌親の喉が小さく動く。
「朝食を整えることも、義父母の体調や予定を把握することも、茶会の席順を組むことも、会食先の地雷を避けることも、贈答の履歴を覚えることも。全部、私の時間で、私の頭で、私の手でしていたことです」
一つ一つ、言葉にしていくたび、胸の中の何かが真っ直ぐ立っていく。
「会社の受付花も、見舞い品も、慶弔の色も、会食で誰に何を言わないかも、私は全部、自分で考えて整えていました」
通りの向こうで、店先の風鈴がひとつだけ鳴る。
「それを、ただの妻の役目だから当然だと見なして、価値を見なかったのはそちらの勝手です」
澄乃はそこで、ほんの少しだけ目を細めた。
「でも、価値がなかったわけではありません」
その言葉に、昌親の顔がはっきり歪む。
否定したいのだろう。あるいは、そんなふうに大げさに言うな、と言いたいのかもしれない。だが何をどう否定すればいいのか、今の彼にはたぶん分からない。実際に家も会社も崩れ始め、困っているのは自分たちなのだから。
「失って困るなら」
澄乃は静かに言った。
「最初から軽んじるべきではなかったんです」
その一文は、自分でも驚くほどすんなり口から出た。
恨みでも皮肉でもない。あまりにも当然の結論として。たぶんそれが、この物語の核なのだと、澄乃はその瞬間に知った。譲ったのは座だけ。人生まで渡していない。だから、自分の技術も時間も、尊厳も、全部を久世家へ永続的に明け渡したことにはならない。
それを勝手に「妻だから当然」と思い込んでいたほうが、おかしいのだ。
昌親は返す言葉を失っていた。
沈黙が落ちる。
以前なら、そこで澄乃が空気を和らげたかもしれない。言いすぎたかと思って、どこかで言葉を柔らかくしたかもしれない。今はしない。
「お前は」
昌親がようやく口を開く。
「そんなふうに考えてたのか」
「ずっと前からではありません」
澄乃は正直に答えた。
「でも、水篝館へ来て、ようやく言葉にできるようになりました」
「旅館で少し働いたくらいで」
その一言に、昌親の小ささがすべて出ていた。
澄乃は、逆に静かになった。
「少し働いたくらい、ではありません」
やわらかくも冷たい声で言う。
「自分の名前で呼ばれて、自分の仕事が自分のものとして返ってくる場所で、初めて分かったんです」
胸の奥に、水篝館の時間がいくつも浮かぶ。名前で呼ばれた日。休んでいいと言われた夜。祖母の記憶が自分をつないだ日。満室の夜に「お前がいたからここまで来た」と言われたこと。どれも、久世家では決して得られなかった種類の手触りだった。
「私は、あの家にいた頃」
澄乃は言葉を選びながら続けた。
「自分が何をしているのか、うまく見えなくなっていました。やっていることはたくさんあるのに、全部が『妻だから』『嫁だから』でまとめられて、失敗した時だけ輪郭が出る」
その感覚を、今さらながら言葉へすると苦い。
「だから、価値がないように感じていたんです。自分でも」
昌親の目が、わずかに揺れる。
「でも違いました。価値を見なかったのは、そちらです」
澄乃は一歩も引かない。
「私は、譲ったのは座だけです。家を回す技術も、会社の体裁を守る力も、人生そのものも、全部そちらへ渡したつもりはありません」
そう言い切った瞬間、胸の奥にあった最後の曖昧さまできれいに剥がれ落ちた気がした。
これでいいのだと、体の芯まで静かに納得する。もう「出ていった」のではなく「終わらせた」のだという感覚ともつながる。妻という座は譲った。だが、それだけだ。そこに自分の人生までひもづけられる理由はない。
「……だから」
最後に、澄乃はほんの少しだけ声を低くした。
「もう、私の生き方まで取り返したつもりにならないでください」
それは、昌親の執着へ向けた最後の拒絶だった。
昌親は本当に何も言えなくなった。
怒ることもできない。嘲ることもできない。否定したいのに、そのための言葉が出てこない。家も会社も、実際に崩れている。困っているのは事実だ。しかも、それが「妻の役目」ではなく「澄乃の技術」だったのだと、目の前で言い切られてしまった。そこへ今さら「そんなはずはない」と返せば、自分がどれほど鈍く人を使っていたかを認めることになる。
「……俺は」
やっと漏れた声は、ひどく弱かった。
だが、その先が続かない。
謝るのか。
弁明するのか。
取り戻したいとでも言うのか。
どれも、もうこの場では薄っぺらい。昌親自身がそれを分かってしまっている顔だった。
通りの向こうから、誰かが「すみません」と地図を片手に呼びかける声がした。旅館街で道に迷った観光客らしい。澄乃は反射的にそちらへ視線を向けた。昌親はその一瞬、自分がもう澄乃の世界の中心にいないことを、はっきり見せつけられた気がしたのだろう。顔色がさらに沈む。
「失礼します」
澄乃はそう言って、小さく頭を下げた。
その仕草は、客へ向ける礼に近かった。私情を閉じ、会話を終えるための礼。
昌親はもう、引き止めなかった。
引き止められないのだろう。いや、引き止めても何にもならないと、さすがに分かったのかもしれない。目の前にいる澄乃は、もう久世家の応接間で「ええ、かまいません」と微笑んでいた女ではない。譲ったのは座だけだと、人生は渡していないと、まっすぐ言える人間になっている。
澄乃はそのまま踵を返した。
紙袋が腕に当たって、和菓子の箱が小さく揺れる。水篝館へ戻る坂道は、さっきより少しだけ日陰が増えていた。川の音が近づく。空気はまだ明るいのに、胸の中だけが不思議なくらい静かだった。
背後に、昌親の気配はまだある。だがもう、振り返る理由はない。
譲ったのは、妻の座だけ。
その言葉が、心の中で何度も澄んでいく。
自分の時間も、技術も、尊厳も、人生そのものも、あの家へ置いてきたわけではない。失ったと思い込まされていただけで、ずっと自分の中にあったのだ。そしていまは、水篝館という場所で、それらがちゃんと自分の名前で息をし始めている。
坂道の先に、水篝館の屋根が見えた。
昼の光を受けた瓦は静かで、庭木の緑は濃い。そこにあるだけで落ち着く景色だ。自分が戻る場所は、もうはっきりしている。誰かの隣の名目ではなく、自分の足で帰っていく場所として。
玄関へ入ると、帳場の奥から篠田が顔を上げた。
「お帰りなさい。和菓子、受け取れましたか」
「はい」
澄乃は答える。
「それと」
そこで一度だけ言葉を切った。胸の中へ、まだ熱の名残はある。けれどそれは痛みではなく、言い切れた後の静かな余韻だった。
「少しだけ、寄り道をしてしまいました」
篠田は何も聞かなかった。ただ、澄乃の顔を見て、小さく頷く。
「お茶、淹れますね」
それだけで十分だった。
澄乃は帳場の横へ紙袋を置き、そっと息を吐いた。
失って困るなら、最初から軽んじるべきではなかった。
そう言えたことが、今日は何より大きかった。もう、自分の人生の価値を他人の都合で測らせなくていいのだと、胸の深いところでようやく信じられた気がした。
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