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第二章 異世界でも流行りますか?
第七話 …………えっ?
しおりを挟む私は、この数年努力を重ね、念入りに下準備を進めてきた。帝国内にいる限り、私の権限はたかが知れている。属国に嫁ぐ皇女に権力なんて無い。
一年間、外界と隔絶された生活を送らなければならない。どんな事にも対処できるように、色々と根まわししてきた。
神官長は、私を神像のもとに案内した。やっぱり、男性の神様だ。私は、『神の花嫁』として神殿で生活する。
一年後、隣国の王ジュンイチロウ=エルネスト=クロダに嫁ぐのだ。
そこからが勝負だ。アキツムラクモ国を、ジュンイチロウ様と帝国と肩を並べる強国に発展させて、独立するのだ!
女神様、待っててね。必ず、『奴隷解放宣言』してみせるから!
突然、身体が光に包まれた!
そして、目の前に女神がいた。あの小さな身体は、普通の大人サイズになって、後光まで射してまばゆい光に包まれている。何というか、神様なのだから当たり前だが、神々しい……。
『翔音。ごめんなさい。もう、十分です。ありがとうございました』
神々しい女神様が、頭を下げて、更に下げて、土下座をした。
「な! 立って下さい! 一体どうしたのですか? なにがどうして、どうなったのか、説明プリーズ!」
私は、パニックを起こした。
『翔音は、とても良くやってくれたわ。でも、これ以上は、もう、……別の意味で世界の危機まっしぐらなの!』
「えっ? 私、まだ何の成果も出してないよ?」
『翔音のいた帝国では、起きていないの。だけど、他の国で『女神信仰』が広がって、何処の国の女神が本当に正しい姿なのか? 些細なことで戦争になって、戦乱が広がっているの』
それは、いわゆる宗教戦争? 宗派の違いの小競り合いが国家間の戦争になっているの?
「ど、どうして?」
『翔音は、私の事どう思っている?』
「?? 私の異能と異世界転生をさせられた理由を知っている、唯一私の事情を知っている存在です」
『……それだけ?』
等身大になった女神様は、とても美しく、真剣な表情で見つめられて、思わず赤面してしまった。
「う、言わなきゃダメ?」
『大事なことですよ』
「出来れば、助けてあげたい。友人のような気持ちがあると、思います。だから、女神信仰が復活すれば、いいと思っていました」
『ありがとうございます。だけど、これ以上はいけません。『女神信仰』が原因で世界の崩壊など本末転倒です!』
「えっ! そんなにヤバいの? 『奴隷解放宣言』は?」
『奴隷制度への嫌悪感は、少しづつ広がりをみせています。これをうまく『女神信仰』と結びつけて導けば、『奴隷解放宣言』も可能でしょう』
「それは、良かったです!」
『ええ、翔音。ありがとうございました』
何故だか、女神様は、頭を下げて、更に下げて、再び土下座をした。
「な! 何をしているのですか?! 頭を上げて下さい! 立って下さい!」
キラキラ度が増して神々しい女神様の土下座は、されてる私に天罰が下りそうなくらい畏れ多いものだった。勘弁して!
『翔音、もうこの世界は大丈夫です。ですから、どうか、他の異世界に転生して下さい』
「…………えっ?」
これが、私が異世界転生させられた理由。
……………… 其の二。
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