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暗躍編
犬神遣い鵯透子の邪悪なる奉仕 2
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翌日の、三時間目の休み時間。
黒板の上に貼られた短冊の中でも、一際異彩を放つ一枚を涌井は眺めていた。
【硬派一筋】。
マジックペンで綴られた、力強い四文字。
二学期の最初に書かされた目標だ。周囲に、他の生徒のものも掲示されている。
目標の傍らには、諸見沢嵐星(もろみざわ‐らんせい)の署名がある。
学校に来たり来なかったりする、反体制的な態度を取る男子だ。
近づきがたい雰囲気を発し、気に入らないことがあれば相手が誰であろうと突っかかる。
かといって勉強ができないわけでなく、むしろ強羅などよりよほど成績が良い。
その諸見沢の目標を書いた短冊を涌井が眺めているのは、先の休み時間に理由がある。
涌井は、社会科の提出物やノートを職員室の担当教師に届ける係になっている。
二時間目が社会で、ワークブックの提出があった。
クラス全員分ともなると、それなりの重さと高さになる。
休み時間、それを持って階段を降りていたところ、涌井は腕に衝撃を感じた。何のことはない、鬼ごっこをしていた女子と、すれ違いざまに互いの腕をぶつけたのだ。
「ごめん」の一言を、去り際に相手の女子が発して遠ざかっていった。
謝罪は軽かったが、ワークブックの山は涌井には重かった。
形が崩れ、散らばりそうになるワークブックを涌井は慌てて捕まえようとする。
すぐ横を、ぶつかった女子を追って男子が駆けていった。涌井のことなど、一顧だにせず。
無情にもワークブックは宙を舞い、涌井は階段を踏み外してしまう。
ああ。
私の人生って、ずっとこうなんだろうな。
絶望的な気持ちになりながら、階段を転げ落ちる痛みに備えようとしたとき。
階下から猛然と駆けあがってくる、一人の男子がいた。
諸見沢嵐星、その人だった。
着地点へと滑り込むと、諸見沢は眉一つ動かさずに涌井をその胸に受け止めた。
涌井を抱きかかえるその腕の逞しさ、胸板の厚み。不安定な足場で、微動だにしない強靭な足腰。
「……怪我はないか」
「ひゃ、ひゃいっ」
思いっきり返事を噛んだ涌井を、諸見沢はからかいもせずにただ立たせてくれた。
頭が真っ白になっている涌井をよそに、諸見沢はしゃがんでワークブックを拾い集める。
「俺がやる」
我に返った涌井が自分も拾おうとするも、諸見沢はそれをぴしゃりと制するのだった。
「蟻本の所へ持っていけばいいか」
社会科教師の名を呼び捨てにして、諸見沢は訊ねた。
「う、うん。でも、もう大丈夫。自分で持っていくよ」
「そうか」
諸見沢は、ワークブックを三冊だけ涌井に渡すと、さっさと階段を下りだした。
「俺がいるときは、手伝うから言え」
「……ありがとう」
もう夏は過ぎたというのに、涌井は制服に滲むほど腋に汗をかいていた。
そんなことがあったものだから、涌井は諸見沢の短冊をうっとりと見つめていたのだった。
当の諸見沢はというと、一緒に職員室へワークブックを届けるとどこへともなく消えた。
「かっこよかったなぁ」
抱き留められた記憶を、感触を何度も反芻し、涌井はひとりごちる。
ちなみに涌井の短冊には【予習、復習をする】とある。
意識が高いようで、毎日とか全教科といった具体性もなく、あまり確かめようのないものだ。
いじめに繋がると考えているのか、授業中に指された涌井が答えられなくても、教師から目標をあげつらわれたこともない。
一度も遅刻したことのない男子が【遅刻をしない】などと書いているので、そういうものだ。
その中での【硬派一筋】だ。
涌井にとっては、夜空に輝く一番星にも等しかった。
「おい、大変だ! 諸見沢のヤツ、ついにやりやがった!」
もろみざわ、の五音に敏感になっている涌井はすぐに反応した。
教室に飛び込んで来た男子の口ぶりは、明らかに悪い知らせだ。
どうしたんだ、と先を促す言葉がクラスから発せられる。
やめて、聞きたくない。
胸を締め付けられる思いがしたが、とはいえ涌井も聞かずにはいられない。
聞かないことは、諸見沢の窮地を無視することと同義だからだ。
「強羅と揉めて、強羅を怪我させたんだよ!」
にわかにざわつきだす教室。
場所はどこだ、と知らせて来た男子について教室を出ていく数人の生徒。
逡巡の後、涌井もそれに加わり現場へと走った。
黒山の人だかりができていた。
階段から見下ろす形で、涌井は状況を把握した。
北校舎と中央校舎間の連絡通路、それを開閉する引き戸のガラスが割れて散らばっている。
そのすぐ下に、血だまりがあった。
ガラスで切ったのだろう。
倒れているのは、顔を、手を、胸を血で染めた強羅だ。
諸見沢は目の前の光景に圧倒されたのか、歳相応の少年らしくただ立ち尽くすだけ。
強羅の友人が激して詰め寄っても、諸見沢はされるがままだ。
殴られてもやり返さない。しかし、野次馬は盛り上がる。それに興奮した強羅の友人が、二発、三発と諸見沢を殴り、蹴る。
諸見沢がケンカの果て、強羅を窓に叩きつけて血まみれにした。
鉄錆の匂い孕む空気には、そういう共通認識が溶け込んでいた。
本当に、諸見沢がそんなことをしたのだろうか。
涌井も、先のことがなければ疑いもしなかっただろう。
だけど、今となっては鵜呑みにできない。信じたくない。
事情も聞かずに、一方的に諸見沢を責める流れが涌井は恐ろしかった。
けれど、諸見沢を殴る強羅の友人も運動部の男子だ。
割って入って暴力を止めさせる胆力など、涌井にはない。
一方、血だまりに沈む強羅には幾人かの女子が寄り添っている。
そうあってほしい、という集団の合意が如実に滲み出ていた。
「やめなさい!」
叫びと共に野次馬をかきわけるのは、クラス担任。
教師の介入により、強羅の友人らは忌々しそうな顔をしつつも、諸見沢への暴力を止めた。
良かった、と涌井は安堵した。
けれど、その場に崩れ落ちた諸見沢と目が合って、涌井は心臓が止まりかけた。
一瞬、諸見沢の目が見開かれ、そしてすぐに彼が目を伏せたからだ。
いるなら止めて欲しかった、だろうか。お前も俺が悪いと思ったのか、だろうか。
弱った諸見沢の、しかしそれを恥じたのか彼が隠してしまった感情。
涌井は打ちのめされた。
自分が自分であるがゆえに、諸見沢を傷つけてしまったことに。
担任に続いてやってきた来栖が、強羅を介抱し、保健室へと連れて行くのが見えた。
地味で、臆病な自分は、当事者になれない。介入する勇気すら、ない。
私って、すべてにおいて疎外されるだけなの?
涌井の心に、暗く重いものが降り積もって澱となり、気分を沈ませた。
「はい、教室に戻りなさい! 戻りなさーい!」
始業のチャイムが鳴り、応援で来た教師に野次馬は散らされる。
仕方なく涌井も教室へと戻るが走って戻るほどの真面目さも、無関心さすらも装うことはできなかった。
涌井が戻った頃には既に授業がある程度進んでおり、教師に叱られた。
諸見沢と強羅の欠けた教室に、連立方程式の解説が朗々と響く。
「強羅君の怪我、涌井さんも見に行ってたの?」
「あ、うん」
同じ四班の女子、鮫島瑞智(さめじま‐みずち)から訪ねられ、涌井は曖昧な返しをした。
心配だったのは諸見沢だ、とはクラスの空気的に言いにくい。
「いい気味よね」
「えっ」
予想外の返事に、涌井はしどろもどろになる。
「私の物にならないなら、死んじゃえばいい。一緒に諸見沢も消えれば、学校が綺麗になる」
ほの暗い情念の籠った言葉が恐ろしかったのもあり、涌井は「そうかもね」と返すのが精一杯だった。
「ホント、私もそう思う」
もう一人の女子班員、鵯透子(ひよどり‐とうこ)が首を突っ込んで来た。
切れ長の目、通った鼻筋、彫りの深い顔立ち。
童顔教師の来栖とは反対に大人びていて、また西洋人寄りのルックスだがハーフではないという。
口数は少なくミステリアスな雰囲気なのだが、今のように陰口を聞くときはニヤニヤしている。
口さがない生徒は鵯のことを、妖怪、化け猫、魔女などと呼ぶし、涌井もその一人だ。
同じ班になったと知らされたときは、うんざりした。
陰口を楽しみたいオーラを出す鵯だったが、涌井は無視を決め込み、授業に集中することにした。
涌井とてカラッと明るい人間だ、などとは自らを評価していない。
とはいえ、他人を腐す話題なら相手が誰でも大歓迎、というほど堕落もしていない自負がある。
だから鵯の暗く陰湿な一面は、今の涌井には輪をかけて不快だった。
鮫島のように諸見沢を嫌うのは、まだ理解ができる。
諸見沢はいつでもどこでも誰かを助けている博愛と奉仕の人、ではないのだから。
でも、下卑た嗤いを立てながらこき下ろして、日頃の溜飲を下げる輪には加わりたくなかった。
暗い情念を燃やしていた鮫島も、興を削がれたのだろう。
陰口の続きが涌井の耳に入ることなく、数学の授業が終わった。
諸見沢はこの日、教室に姿を現さなかった。
給食の時間の前に、強羅も諸見沢も早退したことが担任の口から告げられた。
黒板の上に貼られた短冊の中でも、一際異彩を放つ一枚を涌井は眺めていた。
【硬派一筋】。
マジックペンで綴られた、力強い四文字。
二学期の最初に書かされた目標だ。周囲に、他の生徒のものも掲示されている。
目標の傍らには、諸見沢嵐星(もろみざわ‐らんせい)の署名がある。
学校に来たり来なかったりする、反体制的な態度を取る男子だ。
近づきがたい雰囲気を発し、気に入らないことがあれば相手が誰であろうと突っかかる。
かといって勉強ができないわけでなく、むしろ強羅などよりよほど成績が良い。
その諸見沢の目標を書いた短冊を涌井が眺めているのは、先の休み時間に理由がある。
涌井は、社会科の提出物やノートを職員室の担当教師に届ける係になっている。
二時間目が社会で、ワークブックの提出があった。
クラス全員分ともなると、それなりの重さと高さになる。
休み時間、それを持って階段を降りていたところ、涌井は腕に衝撃を感じた。何のことはない、鬼ごっこをしていた女子と、すれ違いざまに互いの腕をぶつけたのだ。
「ごめん」の一言を、去り際に相手の女子が発して遠ざかっていった。
謝罪は軽かったが、ワークブックの山は涌井には重かった。
形が崩れ、散らばりそうになるワークブックを涌井は慌てて捕まえようとする。
すぐ横を、ぶつかった女子を追って男子が駆けていった。涌井のことなど、一顧だにせず。
無情にもワークブックは宙を舞い、涌井は階段を踏み外してしまう。
ああ。
私の人生って、ずっとこうなんだろうな。
絶望的な気持ちになりながら、階段を転げ落ちる痛みに備えようとしたとき。
階下から猛然と駆けあがってくる、一人の男子がいた。
諸見沢嵐星、その人だった。
着地点へと滑り込むと、諸見沢は眉一つ動かさずに涌井をその胸に受け止めた。
涌井を抱きかかえるその腕の逞しさ、胸板の厚み。不安定な足場で、微動だにしない強靭な足腰。
「……怪我はないか」
「ひゃ、ひゃいっ」
思いっきり返事を噛んだ涌井を、諸見沢はからかいもせずにただ立たせてくれた。
頭が真っ白になっている涌井をよそに、諸見沢はしゃがんでワークブックを拾い集める。
「俺がやる」
我に返った涌井が自分も拾おうとするも、諸見沢はそれをぴしゃりと制するのだった。
「蟻本の所へ持っていけばいいか」
社会科教師の名を呼び捨てにして、諸見沢は訊ねた。
「う、うん。でも、もう大丈夫。自分で持っていくよ」
「そうか」
諸見沢は、ワークブックを三冊だけ涌井に渡すと、さっさと階段を下りだした。
「俺がいるときは、手伝うから言え」
「……ありがとう」
もう夏は過ぎたというのに、涌井は制服に滲むほど腋に汗をかいていた。
そんなことがあったものだから、涌井は諸見沢の短冊をうっとりと見つめていたのだった。
当の諸見沢はというと、一緒に職員室へワークブックを届けるとどこへともなく消えた。
「かっこよかったなぁ」
抱き留められた記憶を、感触を何度も反芻し、涌井はひとりごちる。
ちなみに涌井の短冊には【予習、復習をする】とある。
意識が高いようで、毎日とか全教科といった具体性もなく、あまり確かめようのないものだ。
いじめに繋がると考えているのか、授業中に指された涌井が答えられなくても、教師から目標をあげつらわれたこともない。
一度も遅刻したことのない男子が【遅刻をしない】などと書いているので、そういうものだ。
その中での【硬派一筋】だ。
涌井にとっては、夜空に輝く一番星にも等しかった。
「おい、大変だ! 諸見沢のヤツ、ついにやりやがった!」
もろみざわ、の五音に敏感になっている涌井はすぐに反応した。
教室に飛び込んで来た男子の口ぶりは、明らかに悪い知らせだ。
どうしたんだ、と先を促す言葉がクラスから発せられる。
やめて、聞きたくない。
胸を締め付けられる思いがしたが、とはいえ涌井も聞かずにはいられない。
聞かないことは、諸見沢の窮地を無視することと同義だからだ。
「強羅と揉めて、強羅を怪我させたんだよ!」
にわかにざわつきだす教室。
場所はどこだ、と知らせて来た男子について教室を出ていく数人の生徒。
逡巡の後、涌井もそれに加わり現場へと走った。
黒山の人だかりができていた。
階段から見下ろす形で、涌井は状況を把握した。
北校舎と中央校舎間の連絡通路、それを開閉する引き戸のガラスが割れて散らばっている。
そのすぐ下に、血だまりがあった。
ガラスで切ったのだろう。
倒れているのは、顔を、手を、胸を血で染めた強羅だ。
諸見沢は目の前の光景に圧倒されたのか、歳相応の少年らしくただ立ち尽くすだけ。
強羅の友人が激して詰め寄っても、諸見沢はされるがままだ。
殴られてもやり返さない。しかし、野次馬は盛り上がる。それに興奮した強羅の友人が、二発、三発と諸見沢を殴り、蹴る。
諸見沢がケンカの果て、強羅を窓に叩きつけて血まみれにした。
鉄錆の匂い孕む空気には、そういう共通認識が溶け込んでいた。
本当に、諸見沢がそんなことをしたのだろうか。
涌井も、先のことがなければ疑いもしなかっただろう。
だけど、今となっては鵜呑みにできない。信じたくない。
事情も聞かずに、一方的に諸見沢を責める流れが涌井は恐ろしかった。
けれど、諸見沢を殴る強羅の友人も運動部の男子だ。
割って入って暴力を止めさせる胆力など、涌井にはない。
一方、血だまりに沈む強羅には幾人かの女子が寄り添っている。
そうあってほしい、という集団の合意が如実に滲み出ていた。
「やめなさい!」
叫びと共に野次馬をかきわけるのは、クラス担任。
教師の介入により、強羅の友人らは忌々しそうな顔をしつつも、諸見沢への暴力を止めた。
良かった、と涌井は安堵した。
けれど、その場に崩れ落ちた諸見沢と目が合って、涌井は心臓が止まりかけた。
一瞬、諸見沢の目が見開かれ、そしてすぐに彼が目を伏せたからだ。
いるなら止めて欲しかった、だろうか。お前も俺が悪いと思ったのか、だろうか。
弱った諸見沢の、しかしそれを恥じたのか彼が隠してしまった感情。
涌井は打ちのめされた。
自分が自分であるがゆえに、諸見沢を傷つけてしまったことに。
担任に続いてやってきた来栖が、強羅を介抱し、保健室へと連れて行くのが見えた。
地味で、臆病な自分は、当事者になれない。介入する勇気すら、ない。
私って、すべてにおいて疎外されるだけなの?
涌井の心に、暗く重いものが降り積もって澱となり、気分を沈ませた。
「はい、教室に戻りなさい! 戻りなさーい!」
始業のチャイムが鳴り、応援で来た教師に野次馬は散らされる。
仕方なく涌井も教室へと戻るが走って戻るほどの真面目さも、無関心さすらも装うことはできなかった。
涌井が戻った頃には既に授業がある程度進んでおり、教師に叱られた。
諸見沢と強羅の欠けた教室に、連立方程式の解説が朗々と響く。
「強羅君の怪我、涌井さんも見に行ってたの?」
「あ、うん」
同じ四班の女子、鮫島瑞智(さめじま‐みずち)から訪ねられ、涌井は曖昧な返しをした。
心配だったのは諸見沢だ、とはクラスの空気的に言いにくい。
「いい気味よね」
「えっ」
予想外の返事に、涌井はしどろもどろになる。
「私の物にならないなら、死んじゃえばいい。一緒に諸見沢も消えれば、学校が綺麗になる」
ほの暗い情念の籠った言葉が恐ろしかったのもあり、涌井は「そうかもね」と返すのが精一杯だった。
「ホント、私もそう思う」
もう一人の女子班員、鵯透子(ひよどり‐とうこ)が首を突っ込んで来た。
切れ長の目、通った鼻筋、彫りの深い顔立ち。
童顔教師の来栖とは反対に大人びていて、また西洋人寄りのルックスだがハーフではないという。
口数は少なくミステリアスな雰囲気なのだが、今のように陰口を聞くときはニヤニヤしている。
口さがない生徒は鵯のことを、妖怪、化け猫、魔女などと呼ぶし、涌井もその一人だ。
同じ班になったと知らされたときは、うんざりした。
陰口を楽しみたいオーラを出す鵯だったが、涌井は無視を決め込み、授業に集中することにした。
涌井とてカラッと明るい人間だ、などとは自らを評価していない。
とはいえ、他人を腐す話題なら相手が誰でも大歓迎、というほど堕落もしていない自負がある。
だから鵯の暗く陰湿な一面は、今の涌井には輪をかけて不快だった。
鮫島のように諸見沢を嫌うのは、まだ理解ができる。
諸見沢はいつでもどこでも誰かを助けている博愛と奉仕の人、ではないのだから。
でも、下卑た嗤いを立てながらこき下ろして、日頃の溜飲を下げる輪には加わりたくなかった。
暗い情念を燃やしていた鮫島も、興を削がれたのだろう。
陰口の続きが涌井の耳に入ることなく、数学の授業が終わった。
諸見沢はこの日、教室に姿を現さなかった。
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