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第3章答え合わせ編
第52話夏の狩猟大会…最初クリストファー視点
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★★★クリストファー視点★★★
「あんな子、間違って矢に当たればいいのに!」
王族のテントから出てきた少女が、何やら不穏なことを叫んでから足早に去って行った。
「何だ、今の?」
見覚えがある少女だ。ということは学園の生徒か。
「学園の生徒みたいだけれど、ステファンが知らないところを見ると、三年生ではないんだな」
「そうだね。同じ学年の女子ならば、全員と顔見知りになったからね」
「女子限定か」
「男子を覚える意味がわからないな。でも、アンネちゃんの一言で、ちょっと考え方を変えたんだよね」
君もか。
彼女の媚びのない言葉は、真実をズバリと言い表すから、けっこうグサリと刺さるんだ。
「本当、彼女を国に連れて帰りたいな。ルチアナの話し相手にピッタリだよ。しかも、ルチアナを意地の悪い貴族達から守ってくれそうじゃないか」
「止めてやって。うちの弟の唯一なんだから」
「君達、それよく言うよね。唯一って、つまりは側室を持たない宣言みたいな感じ?」
呪いの存在は王家の機密事項だし、他国の王族には特に話せないことだ。
「そうだね。王族は一夫多妻制だけれど、それでも唯一を定めることで妃の地位を上げてるみたいな感じだな」
一応、当たり障りのない用意されている返答をする。
「そうか……。沢山の妻を持つことがステータスだったり、政略の一環だったりするけど、そこをあえて一人に定めることで……。なるほどねぇ」
ステファンは、僕の返事にそれなりに納得したようだった。
王族のテントを覗くと、姉と義姉に挟まれたアンネが、女子トーク真っ最中だった。どうやら、エドとの馴れ初めを聞かれているらしく、頬を染めながらも口を尖らせて、エドの初対面の印象の悪さをアピールしていた。多分本人は気がついていないんだろうな。「エドったら酷いんですよ!」って言いながら、ふとした時に愛情のこもった表情が漏れていることに。
「あ、クリスお兄様」
僕の存在に気がついたカナリアが、笑顔をこちらに向けて手を振ってきた。僕も手を振り返し、ステファンを促して茶会の空いている席についた。
★★★アンネ視点に戻ります★★★
「あなた達、随分と帰ってくるの早いわね」
「まぁね。それなりに狩りは楽しめたし、大叔父様やエドが、片っ端から獲物を猟ってしまうから、なかなか大物には巡り会えないんだよ」
「じゃあ、大会の一位は二人のどちらか?」
「多分ね」
エドって、剣だけじゃなくて弓も得意だったんだな。剣を振るっているところは見たことはあるけれど、弓は見たことがなかった。多分格好良いんだろうな……と、弓を引いている姿を想像してみる。
うん、体型から言っても似合うよね。弓を引いた時の上腕三頭筋の盛り上がりや、僧帽筋が寄った感じ。しかも、騎乗しながら射るんでしょう?体幹がしっかりしているエドなら、速度も落とさずに連射もできるかもしれない。
流行りの筋肉なんかないヒョロヒョロな体型の人達(ミカエルみたいなね)じゃ、一匹も仕留められないに違いない。
「あの二人のせいで戦意喪失した人達は、獲物を一匹でも仕留めたら早々に戻ってきているよ。今年は、狩猟よりも茶会が大盛況みたいだ。今年は量は諦めて、質を自慢する人達が広場で獲物自慢していたよ」
「獲物自慢って、みな死んでいるんでしょう?可哀想だわ」
カナリア様が眉を寄せて言う。そんな表情も可愛らしい……と、キュンキュンしてしまう。
「弓で射たり、剣で切ったような獲物はそうですね。でも、中にはトラップを仕掛けて狩りをしている者もいるから、無傷の動物もいますよ。兎とかリスみたいな小型の動物は比較的そうですね」
ステファン様が優しげにカナリア様に話しかけ、視線を合わせて微笑まれると、ステファン様のその美貌にカナリア様は真っ赤になってしまう。
こんな小さな子まで誑かすとか、さすがチャラ男。いや、ステファン様の愛しの婚約者は十歳くらいだった筈だから、逆にカナリア様が射程圏内ど真ん中なのか?
駄目だ、ステファン様の魔の手からカナリア様を守らねば。
「リスは好きですか?広場に見に行ってみますか?」
「行きたい!アイラお姉様、行ってきてもいいでしょう?メリルお義姉様、お願い」
ステファン様に誘われて、カナリア様は二人の保護者に行きたいアピールをする。お願いポーズは、誰だって頷きたくなる可愛さだった。
「もうすぐお母様も戻ってくるしねぇ。すぐに戻ってくるのよ?クリス、あなたも付き合ってあげて」
「ああ、いいよ。アンネ嬢、君も行くかい?」
「行く、行きます。カナリア様、私と行きましょう」
カナリア様のところに行き手を差し出すと、小さな手を繋いでくれた。
椅子からピョンと飛び降りたカナリア様は、「早く、早く」と私の手を引いてテントから出た。その後ろをクリストファー様とステファン様もついてくる。
「カナリア様、ステファン様には婚約者ちゃんがいますからね。あの笑顔に騙されたら駄目ですよ」
カナリア様は私の手にしがみつくように歩きながら、カナリア様は大仰に頷いてみせる。
「私、知ってるわ。クリスお兄様みたいな人を女誑しって言うのよね。お姉様は女の敵とも言っていたわ。ステファン様もクリスお兄様と同じ女の敵なのね。お姉様達も、クリスお兄様みたいな男の人には近寄ったらいけないって言ってたし」
「それは正しいですね」
正しい知識ですと肯定してみせると、後ろにいた男性陣はなんとも言えない表情になる。
「少なくとも、僕は今は誰とも付き合ってはいないけどね。ステファンとは違って」
「いやいや、僕だってお付き合いしている人はいませんよ。ちょっと側室になってくれる子を探した時期もありましたが、今は考え方を改めましたしね」
へえ、意外にも二人共真面目に生活しているらしい。そうじゃなくても、純真な少女の前で多股してますとは豪語できないだろうけれど。一夫多妻制が認められている王族だから、必ずしも駄目なことではないとしてもだ。
そんな会話をしているうちに、大会中央広場についた。そこでは、捕まえてきた獣の品評会や、弓当てや輪投げなどの簡単なゲーム、楽団の演奏などが行われていた。
「こっちに、トラップにかかった小型の動物がいますね」
罠に入ったまま置かれている獣達のところにくると、小さいリスや鼠は罠の中を走り回り、兎などはジッとしていた。猪なども罠にかかったらしく、紐に繋がれて木に縛られていた。
「動物園みたい!」
はしゃぐカナリア様の後にステファン様がついてくれ、私はクリストファー様に誘われて、的当てをしてみたり、演奏を聞いたりしていたが、エドが仕留めたという獲物が運ばれてきたと聞いて、それを見き行くことにした。
獲物には誰が獲ったかわかるようにタグがつけてあり、一番大きな獲物はエドが、数はロイドお父様が勝っているようだった。
「これ……熊ですよね」
「熊だね」
熊って、かなり危険な動物じゃなかったっけ?
「これをエドが一人で?」
「そのようだね」
大きくて鹿くらいの獲物が並ぶ中、熊がドーンと横たわっているのは異質感が半端なかった。
「王都の森に熊いるんだ……」
「基本いないよ。管理されてるから。出たら討伐の対象になる。ただ、森は仕切れないからね、どうしても冬とかは山から降りて来ちゃうんだ。夏に出てくるのは稀なんだけど、あいつもしかしたら山まで狩猟域を広げているかもしれないな」
「いいんですか、それ」
「駄目ではないよね。ただ、危険なだけで」
「危険……」
エドが熊に勝っちゃうくらい強いのはわかるけれど、心配しない理由にはならない。
「心配?」
「そりゃ心配しますよ。私も鬼じゃありませんからね。一位になるよりも、身の安全が一番じゃないですか」
「うん。危険な目に合っても、一番になって君に獲物をプレゼントしたいんだろうね。だから、あいつが戻ってきたら、凄いねって誉めてあげて欲しいな」
「そうですね、怪我しないで戻ってきたら誉めてあげてもいいですけど」
「そう……危ない!」
クリストファー様が私の腕を強く引き、私はクリストファー様の方に向かって倒れ込んだ。
女性の「キャーッ!」という悲鳴と、腕に衝撃が……。
え?何?何かぶつかった?痛い?熱い?
「あんな子、間違って矢に当たればいいのに!」
王族のテントから出てきた少女が、何やら不穏なことを叫んでから足早に去って行った。
「何だ、今の?」
見覚えがある少女だ。ということは学園の生徒か。
「学園の生徒みたいだけれど、ステファンが知らないところを見ると、三年生ではないんだな」
「そうだね。同じ学年の女子ならば、全員と顔見知りになったからね」
「女子限定か」
「男子を覚える意味がわからないな。でも、アンネちゃんの一言で、ちょっと考え方を変えたんだよね」
君もか。
彼女の媚びのない言葉は、真実をズバリと言い表すから、けっこうグサリと刺さるんだ。
「本当、彼女を国に連れて帰りたいな。ルチアナの話し相手にピッタリだよ。しかも、ルチアナを意地の悪い貴族達から守ってくれそうじゃないか」
「止めてやって。うちの弟の唯一なんだから」
「君達、それよく言うよね。唯一って、つまりは側室を持たない宣言みたいな感じ?」
呪いの存在は王家の機密事項だし、他国の王族には特に話せないことだ。
「そうだね。王族は一夫多妻制だけれど、それでも唯一を定めることで妃の地位を上げてるみたいな感じだな」
一応、当たり障りのない用意されている返答をする。
「そうか……。沢山の妻を持つことがステータスだったり、政略の一環だったりするけど、そこをあえて一人に定めることで……。なるほどねぇ」
ステファンは、僕の返事にそれなりに納得したようだった。
王族のテントを覗くと、姉と義姉に挟まれたアンネが、女子トーク真っ最中だった。どうやら、エドとの馴れ初めを聞かれているらしく、頬を染めながらも口を尖らせて、エドの初対面の印象の悪さをアピールしていた。多分本人は気がついていないんだろうな。「エドったら酷いんですよ!」って言いながら、ふとした時に愛情のこもった表情が漏れていることに。
「あ、クリスお兄様」
僕の存在に気がついたカナリアが、笑顔をこちらに向けて手を振ってきた。僕も手を振り返し、ステファンを促して茶会の空いている席についた。
★★★アンネ視点に戻ります★★★
「あなた達、随分と帰ってくるの早いわね」
「まぁね。それなりに狩りは楽しめたし、大叔父様やエドが、片っ端から獲物を猟ってしまうから、なかなか大物には巡り会えないんだよ」
「じゃあ、大会の一位は二人のどちらか?」
「多分ね」
エドって、剣だけじゃなくて弓も得意だったんだな。剣を振るっているところは見たことはあるけれど、弓は見たことがなかった。多分格好良いんだろうな……と、弓を引いている姿を想像してみる。
うん、体型から言っても似合うよね。弓を引いた時の上腕三頭筋の盛り上がりや、僧帽筋が寄った感じ。しかも、騎乗しながら射るんでしょう?体幹がしっかりしているエドなら、速度も落とさずに連射もできるかもしれない。
流行りの筋肉なんかないヒョロヒョロな体型の人達(ミカエルみたいなね)じゃ、一匹も仕留められないに違いない。
「あの二人のせいで戦意喪失した人達は、獲物を一匹でも仕留めたら早々に戻ってきているよ。今年は、狩猟よりも茶会が大盛況みたいだ。今年は量は諦めて、質を自慢する人達が広場で獲物自慢していたよ」
「獲物自慢って、みな死んでいるんでしょう?可哀想だわ」
カナリア様が眉を寄せて言う。そんな表情も可愛らしい……と、キュンキュンしてしまう。
「弓で射たり、剣で切ったような獲物はそうですね。でも、中にはトラップを仕掛けて狩りをしている者もいるから、無傷の動物もいますよ。兎とかリスみたいな小型の動物は比較的そうですね」
ステファン様が優しげにカナリア様に話しかけ、視線を合わせて微笑まれると、ステファン様のその美貌にカナリア様は真っ赤になってしまう。
こんな小さな子まで誑かすとか、さすがチャラ男。いや、ステファン様の愛しの婚約者は十歳くらいだった筈だから、逆にカナリア様が射程圏内ど真ん中なのか?
駄目だ、ステファン様の魔の手からカナリア様を守らねば。
「リスは好きですか?広場に見に行ってみますか?」
「行きたい!アイラお姉様、行ってきてもいいでしょう?メリルお義姉様、お願い」
ステファン様に誘われて、カナリア様は二人の保護者に行きたいアピールをする。お願いポーズは、誰だって頷きたくなる可愛さだった。
「もうすぐお母様も戻ってくるしねぇ。すぐに戻ってくるのよ?クリス、あなたも付き合ってあげて」
「ああ、いいよ。アンネ嬢、君も行くかい?」
「行く、行きます。カナリア様、私と行きましょう」
カナリア様のところに行き手を差し出すと、小さな手を繋いでくれた。
椅子からピョンと飛び降りたカナリア様は、「早く、早く」と私の手を引いてテントから出た。その後ろをクリストファー様とステファン様もついてくる。
「カナリア様、ステファン様には婚約者ちゃんがいますからね。あの笑顔に騙されたら駄目ですよ」
カナリア様は私の手にしがみつくように歩きながら、カナリア様は大仰に頷いてみせる。
「私、知ってるわ。クリスお兄様みたいな人を女誑しって言うのよね。お姉様は女の敵とも言っていたわ。ステファン様もクリスお兄様と同じ女の敵なのね。お姉様達も、クリスお兄様みたいな男の人には近寄ったらいけないって言ってたし」
「それは正しいですね」
正しい知識ですと肯定してみせると、後ろにいた男性陣はなんとも言えない表情になる。
「少なくとも、僕は今は誰とも付き合ってはいないけどね。ステファンとは違って」
「いやいや、僕だってお付き合いしている人はいませんよ。ちょっと側室になってくれる子を探した時期もありましたが、今は考え方を改めましたしね」
へえ、意外にも二人共真面目に生活しているらしい。そうじゃなくても、純真な少女の前で多股してますとは豪語できないだろうけれど。一夫多妻制が認められている王族だから、必ずしも駄目なことではないとしてもだ。
そんな会話をしているうちに、大会中央広場についた。そこでは、捕まえてきた獣の品評会や、弓当てや輪投げなどの簡単なゲーム、楽団の演奏などが行われていた。
「こっちに、トラップにかかった小型の動物がいますね」
罠に入ったまま置かれている獣達のところにくると、小さいリスや鼠は罠の中を走り回り、兎などはジッとしていた。猪なども罠にかかったらしく、紐に繋がれて木に縛られていた。
「動物園みたい!」
はしゃぐカナリア様の後にステファン様がついてくれ、私はクリストファー様に誘われて、的当てをしてみたり、演奏を聞いたりしていたが、エドが仕留めたという獲物が運ばれてきたと聞いて、それを見き行くことにした。
獲物には誰が獲ったかわかるようにタグがつけてあり、一番大きな獲物はエドが、数はロイドお父様が勝っているようだった。
「これ……熊ですよね」
「熊だね」
熊って、かなり危険な動物じゃなかったっけ?
「これをエドが一人で?」
「そのようだね」
大きくて鹿くらいの獲物が並ぶ中、熊がドーンと横たわっているのは異質感が半端なかった。
「王都の森に熊いるんだ……」
「基本いないよ。管理されてるから。出たら討伐の対象になる。ただ、森は仕切れないからね、どうしても冬とかは山から降りて来ちゃうんだ。夏に出てくるのは稀なんだけど、あいつもしかしたら山まで狩猟域を広げているかもしれないな」
「いいんですか、それ」
「駄目ではないよね。ただ、危険なだけで」
「危険……」
エドが熊に勝っちゃうくらい強いのはわかるけれど、心配しない理由にはならない。
「心配?」
「そりゃ心配しますよ。私も鬼じゃありませんからね。一位になるよりも、身の安全が一番じゃないですか」
「うん。危険な目に合っても、一番になって君に獲物をプレゼントしたいんだろうね。だから、あいつが戻ってきたら、凄いねって誉めてあげて欲しいな」
「そうですね、怪我しないで戻ってきたら誉めてあげてもいいですけど」
「そう……危ない!」
クリストファー様が私の腕を強く引き、私はクリストファー様の方に向かって倒れ込んだ。
女性の「キャーッ!」という悲鳴と、腕に衝撃が……。
え?何?何かぶつかった?痛い?熱い?
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