51 / 64
第3章答え合わせ編
第51話夏の狩猟大会…後半ビビアン視点
しおりを挟む
狩猟大会が始まり、私は女性達のお茶会に顔を出していた。
右側にエドのお姉さんでもあり公爵夫人であるアイラ様、左側に王太子妃であるメリル様、アイラ様の横には次女であり末っ子のカナリア様。一応円卓ではあるけれど、何でほぼ私が真ん中なのかな?
しかも、迫力のある美貌のアイラ様と透明感があって儚げな美貌のメリル様に挟まれた私は、より地味さが際立つんだけど。
王妃様と取り巻きの夫人達は、他の貴族達の茶会を回っているから、王族のテントは私達だけだった。
「変なのに絡まれないようにって、エドも大概過保護よね。今はほぼ女子しかいないじゃないね」
「あら、アンネさんは可愛らしいから、エド君も心配なんですよ」
「そうねぇ。これだけ可愛いと、カナリアレベルで心配になるのはわかるけど、うちの男達の愛情は激重だから、アンネが音を上げないといいんだけど」
お二人共、そんなに麗しいご尊顔で冗談も過ぎますよ。カナリア様は、国民的美少女コンテストがあれば確実に一位間違いなし、なんで主人公がカナリア様じゃないのか不思議になるレベルの美少女ですけれど。
「私もアンネお姉様のこと、全力でお守りしますわ」
やだ、可愛過ぎる。お持ち帰りしていいかな?
クッキーを食べていた手を止め、両手で拳を握って言うカナリア様は、ピンクブロンドの髪の毛をポニーテールにしており、後れ毛がクルクルと顔の周りを彩り、可愛らしい顔がさらに可愛らしく見えていた。
「アンネ様、こんにちは」
アイラ様の席に挨拶に来たのは、多分学園の誰かだ。制服じゃないし、きちんとお化粧してドレスを着ているから、誰が誰だかわからない。乗馬服が多い中、こうしてドレスを着ている令嬢もチラホラいて、彼女らは明らかにお茶会のみを楽しみに来たのだろう。
「こんにちわ」
伯爵令嬢であるビビアン・マクガイアさん、子爵令嬢のカサリナ・グレイズさん、子爵令嬢のイライザ・ベルさん、カースト上位令嬢ズだったのだが、誰だかわかっていない私は、普通に挨拶しか返せない。
アイラ様達に紹介して欲しい彼女らは、ただニコニコと立ち尽くして、早く紹介してよというような視線を私に向けてくる。
「アイラ様、メリル様、こちらの方々は……学園の同級生?です」
疑問系の私の紹介にイライラしたのか、正面に立っていた一番派手目の少女が自分から自己紹介をした。
「ビビアン・マクガイアでございます。後ろの二人はカサリナ・グレイズとイライザ・ベル。アンネ様とは同じクラスの学友です」
「ああ!」
思わず、あなた達ね!と手を叩きそうになり、上げた手でクッキーを摘んでなんとか誤魔化す。いや、誤魔化せてないか。アイラ様が苦笑していたから。
「なかなかお茶会のお誘いに応じていただけないから、こうしてご一緒できる機会があって嬉しいですわ」
そういえば、しつこくお茶会の誘いが来ていたのを思い出す。ほぼ無視していたけれど。
多分、椅子を勧めて欲しいんだろうが、面倒くさいから私からは勧めなかった。第一、ご一緒できてと、勝手に招かれた体で話しているけれど、彼女達は勝手にやってきたのだから、本来は挨拶したらすぐに退出するべきだ。
「何かと忙しくてごめんなさいね」
「本当に忙しそうよね。私のお茶会の誘いも断るくらいだもの」
メリル様が私への助け舟のつもりでニコニコしながら言ったのだが、カースト上位令嬢ズは、王太子妃のお茶会まで断っているのかとギョッとした表情になる。
「あれは、本当にタイミングが悪くて、試験の前日だったんですよ。次はお邪魔させていただきます」
「じゃあ、カナリアのお茶会にもいらして、アンネお姉様。たまにメリルお姉様をお招きして、私のお庭でお茶会ごっこをしているの」
お茶会ごっこ……想像するだけでなんて可愛らしいの?!天使がここにいる!もちろん、何を置いても行きますとも。
「もちろんよ、カナリア様。招待状、お待ちしてますね」
「アンネ様、私達のお茶会にも、ぜひいらしてくださいね。そうだ、今日の狩猟大会にあの子がきているのはご存知ですか?」
カナリア様の可愛らしさに浸る間もなく、ビビアンさんの意地悪気な声が響く。
それにしても、席を勧められなかったら、挨拶だけで去りなさいって合図なのに、立ったまま話し続けるとか、図太い神経をしているな。
「どの子のことを言っているのかわからないけど」
「アン・バンズですよ。ミカエル様にくっついて来たみたいですけど、学園の男子達に『私の為に獲物を仕留めて来て』って、誰彼構わず言っているみたいですよ」
ミカエルのパートナーとして会場入りしといてその態度では、ミカエルの体面も保てないだろうに、アンの節操なさに呆れるばかりだ。
「ああ、大会で五位までに入賞すると、壇上で自分が射止めた獲物を指定した人にプレゼントできるのよ。その子は、それを狙っているんでしょうね。壇上に上がれるなんて、ちょっとした名誉だから」
そう、それでロイドお父様は私を壇上に上げて自分の娘だと公式発表するつもりだと言っていたし、エドはそこで私にプロポーズして、なし崩しにロイドお父様に認めさせたいと考えているようだ。
「アン・バンズは、学園の男子だけじゃなく、手当り次第声をかけていましたわ。数打てば当たる作戦でょうね。イライザ、あなたの婚約者もアンに手を握られてお願いされて、ニマニマしながらOKしてましたしね」
「は?ビビアン様、なんでそのことを私に教えてくださらなかったの?!」
「あら、あなたも見ていたと思っていたのよ。婚約者を差し置いて、あの娘を指名したりしたら物笑いになるのはあなたなのに、随分婚約者に寛大なのねと思っていたけれど」
お友達かと思いきや、この三人の関係もけっこうドロドロしていそうだ。
「酷いわ!私、ニールのところへ行ってまいります。失礼いたします」
「ちょっとイライザ、待って」
イライザさんが踵を返して去って行くと、カサリナさんもその後を慌てて追いかけて行った。ビビアンさんだけは、そんな二人の後ろ姿を楽しそうに見ていた。
「お友達は行ってしまったけれど、あなたは追いかけなくていいの?」
「お友達……というか、ただのクラスメイトですし」
怖っ!クラスでは、常に一緒に行動している姿を見かけるんだけど。あれがただのクラスメイトで、私のことを学友とか言う、ビビアンさんの友達基準がわからなさ過ぎる。
「アンネ様、私、立ちっぱなしで少々疲れましたわ」
「そう、お疲れ様。自分のテントに戻ってゆっくりしてね」
ビビアンさんはイラッとした表情を出しつつ、アイラ様達には挨拶をして、私達のテントから出て行った。
★★★ビビアン視点★★★
本当ナニ様よ?
元は私と同じ伯爵令嬢じゃないの。貧相な体して、顔だって普通で、それなのにミカエル様みたいな超美男子を婚約者がいて。
婚約破棄されてザマァって思っていたら、王子様を誑かして公爵令嬢?王族の親族?意味がわからないから。
一度は平民堕ちしたくせに、偉そうに何よ!
「あんな子、間違って矢に当たればいいのに!」
思わず、口に出ていた。
つぶやいたつもりが、思ったよりも大きな声が出てしまい、ハッとして口を押さえ、愛想笑いをして辺りを見回す。周りに人はいたけれど、「あんな子」が誰かなんて誰にもわからないからセーフよね。
テントの外で狩猟場へ乗り込もうとしているイライザと、そんなイライザを宥めているカサリナを見つけ、このイライラをぶつけるべき、二人の元へ向かった。
右側にエドのお姉さんでもあり公爵夫人であるアイラ様、左側に王太子妃であるメリル様、アイラ様の横には次女であり末っ子のカナリア様。一応円卓ではあるけれど、何でほぼ私が真ん中なのかな?
しかも、迫力のある美貌のアイラ様と透明感があって儚げな美貌のメリル様に挟まれた私は、より地味さが際立つんだけど。
王妃様と取り巻きの夫人達は、他の貴族達の茶会を回っているから、王族のテントは私達だけだった。
「変なのに絡まれないようにって、エドも大概過保護よね。今はほぼ女子しかいないじゃないね」
「あら、アンネさんは可愛らしいから、エド君も心配なんですよ」
「そうねぇ。これだけ可愛いと、カナリアレベルで心配になるのはわかるけど、うちの男達の愛情は激重だから、アンネが音を上げないといいんだけど」
お二人共、そんなに麗しいご尊顔で冗談も過ぎますよ。カナリア様は、国民的美少女コンテストがあれば確実に一位間違いなし、なんで主人公がカナリア様じゃないのか不思議になるレベルの美少女ですけれど。
「私もアンネお姉様のこと、全力でお守りしますわ」
やだ、可愛過ぎる。お持ち帰りしていいかな?
クッキーを食べていた手を止め、両手で拳を握って言うカナリア様は、ピンクブロンドの髪の毛をポニーテールにしており、後れ毛がクルクルと顔の周りを彩り、可愛らしい顔がさらに可愛らしく見えていた。
「アンネ様、こんにちは」
アイラ様の席に挨拶に来たのは、多分学園の誰かだ。制服じゃないし、きちんとお化粧してドレスを着ているから、誰が誰だかわからない。乗馬服が多い中、こうしてドレスを着ている令嬢もチラホラいて、彼女らは明らかにお茶会のみを楽しみに来たのだろう。
「こんにちわ」
伯爵令嬢であるビビアン・マクガイアさん、子爵令嬢のカサリナ・グレイズさん、子爵令嬢のイライザ・ベルさん、カースト上位令嬢ズだったのだが、誰だかわかっていない私は、普通に挨拶しか返せない。
アイラ様達に紹介して欲しい彼女らは、ただニコニコと立ち尽くして、早く紹介してよというような視線を私に向けてくる。
「アイラ様、メリル様、こちらの方々は……学園の同級生?です」
疑問系の私の紹介にイライラしたのか、正面に立っていた一番派手目の少女が自分から自己紹介をした。
「ビビアン・マクガイアでございます。後ろの二人はカサリナ・グレイズとイライザ・ベル。アンネ様とは同じクラスの学友です」
「ああ!」
思わず、あなた達ね!と手を叩きそうになり、上げた手でクッキーを摘んでなんとか誤魔化す。いや、誤魔化せてないか。アイラ様が苦笑していたから。
「なかなかお茶会のお誘いに応じていただけないから、こうしてご一緒できる機会があって嬉しいですわ」
そういえば、しつこくお茶会の誘いが来ていたのを思い出す。ほぼ無視していたけれど。
多分、椅子を勧めて欲しいんだろうが、面倒くさいから私からは勧めなかった。第一、ご一緒できてと、勝手に招かれた体で話しているけれど、彼女達は勝手にやってきたのだから、本来は挨拶したらすぐに退出するべきだ。
「何かと忙しくてごめんなさいね」
「本当に忙しそうよね。私のお茶会の誘いも断るくらいだもの」
メリル様が私への助け舟のつもりでニコニコしながら言ったのだが、カースト上位令嬢ズは、王太子妃のお茶会まで断っているのかとギョッとした表情になる。
「あれは、本当にタイミングが悪くて、試験の前日だったんですよ。次はお邪魔させていただきます」
「じゃあ、カナリアのお茶会にもいらして、アンネお姉様。たまにメリルお姉様をお招きして、私のお庭でお茶会ごっこをしているの」
お茶会ごっこ……想像するだけでなんて可愛らしいの?!天使がここにいる!もちろん、何を置いても行きますとも。
「もちろんよ、カナリア様。招待状、お待ちしてますね」
「アンネ様、私達のお茶会にも、ぜひいらしてくださいね。そうだ、今日の狩猟大会にあの子がきているのはご存知ですか?」
カナリア様の可愛らしさに浸る間もなく、ビビアンさんの意地悪気な声が響く。
それにしても、席を勧められなかったら、挨拶だけで去りなさいって合図なのに、立ったまま話し続けるとか、図太い神経をしているな。
「どの子のことを言っているのかわからないけど」
「アン・バンズですよ。ミカエル様にくっついて来たみたいですけど、学園の男子達に『私の為に獲物を仕留めて来て』って、誰彼構わず言っているみたいですよ」
ミカエルのパートナーとして会場入りしといてその態度では、ミカエルの体面も保てないだろうに、アンの節操なさに呆れるばかりだ。
「ああ、大会で五位までに入賞すると、壇上で自分が射止めた獲物を指定した人にプレゼントできるのよ。その子は、それを狙っているんでしょうね。壇上に上がれるなんて、ちょっとした名誉だから」
そう、それでロイドお父様は私を壇上に上げて自分の娘だと公式発表するつもりだと言っていたし、エドはそこで私にプロポーズして、なし崩しにロイドお父様に認めさせたいと考えているようだ。
「アン・バンズは、学園の男子だけじゃなく、手当り次第声をかけていましたわ。数打てば当たる作戦でょうね。イライザ、あなたの婚約者もアンに手を握られてお願いされて、ニマニマしながらOKしてましたしね」
「は?ビビアン様、なんでそのことを私に教えてくださらなかったの?!」
「あら、あなたも見ていたと思っていたのよ。婚約者を差し置いて、あの娘を指名したりしたら物笑いになるのはあなたなのに、随分婚約者に寛大なのねと思っていたけれど」
お友達かと思いきや、この三人の関係もけっこうドロドロしていそうだ。
「酷いわ!私、ニールのところへ行ってまいります。失礼いたします」
「ちょっとイライザ、待って」
イライザさんが踵を返して去って行くと、カサリナさんもその後を慌てて追いかけて行った。ビビアンさんだけは、そんな二人の後ろ姿を楽しそうに見ていた。
「お友達は行ってしまったけれど、あなたは追いかけなくていいの?」
「お友達……というか、ただのクラスメイトですし」
怖っ!クラスでは、常に一緒に行動している姿を見かけるんだけど。あれがただのクラスメイトで、私のことを学友とか言う、ビビアンさんの友達基準がわからなさ過ぎる。
「アンネ様、私、立ちっぱなしで少々疲れましたわ」
「そう、お疲れ様。自分のテントに戻ってゆっくりしてね」
ビビアンさんはイラッとした表情を出しつつ、アイラ様達には挨拶をして、私達のテントから出て行った。
★★★ビビアン視点★★★
本当ナニ様よ?
元は私と同じ伯爵令嬢じゃないの。貧相な体して、顔だって普通で、それなのにミカエル様みたいな超美男子を婚約者がいて。
婚約破棄されてザマァって思っていたら、王子様を誑かして公爵令嬢?王族の親族?意味がわからないから。
一度は平民堕ちしたくせに、偉そうに何よ!
「あんな子、間違って矢に当たればいいのに!」
思わず、口に出ていた。
つぶやいたつもりが、思ったよりも大きな声が出てしまい、ハッとして口を押さえ、愛想笑いをして辺りを見回す。周りに人はいたけれど、「あんな子」が誰かなんて誰にもわからないからセーフよね。
テントの外で狩猟場へ乗り込もうとしているイライザと、そんなイライザを宥めているカサリナを見つけ、このイライラをぶつけるべき、二人の元へ向かった。
615
あなたにおすすめの小説
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒―
私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。
「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」
その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。
※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる