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第二十三話第二王子の葛藤
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「戦争……になったりするのかな」
ルチアは、サミュエルの執務室にあるソファーにノイアーと並んで座っていた。
「やはり心配か?」
「そりゃ……ね」
今ではノイアーに殺されるとは思わないけれど、今までそうだったようにノイアーが意図しない出来事が起こるかもしれないじゃない。
全ての人生において、ルチアの死に関わっている主要人物はノイアーとアレキサンダーだ。そして戦争がトリガーになっていた。
「大丈夫だ。万が一戦になっても、ルチアの家族は保護するし、領民を攻撃することもない。戦いは先手必勝、一気に王城を落とすから、国民が気が付いた時には勝敗はついているさ」
「うん。ノイアーなら、一瞬で勝てると私も思う。ゴールドフロントの軍隊は実戦の経験はないし、正直お話にならないくらい弱いもの」
一番最初の前世の時はまさにそれで、一気に国を駆け抜けてきたプラタニア軍が、城門を閉める隙も与えないくらい素早く城に攻め入り、あっという間に王家の居住域まだ入り込んできたことを思い出す。
あの時、黒い甲冑を身に着け、ルチアくらいの長さの大剣を片手で軽々と振り回すノイアーの姿は、敵ながら見惚れるほど雄々しくて、もしかするとあの時すでにノイアーに恋に堕ちていたのかもしれない。その後二回も死んでやっと気がつくとか、どれだけ鈍いんだって話だけどね。
「まあ、ライザ王女殿下の虚言なんだから、戦争が起こる筈はないがな」
「全部嘘だったら良かったんだけど……」
「どういうことだ?」
ルチアは、ノイアーの方へ向きなおった。
「あの場所で、私とアレキサンダー殿下の密会を見たのは嘘。アレキサンダー殿下が私に言われてライザ王女殿下を襲ったのも嘘。でも、アレキサンダー殿下がライザ王女殿下に手を出したという事実だけなら本当かもしれない。今日ではないみたいですけど」
ノイアーの眉間に皺が寄る。
「つまり、王女殿下とゴールドフロントの王太子は関係を持ったと?」
ルチアは「うーん」と唸る。
ぶっちゃけ、最後までしたかどうかはわからない。アレキサンダーの言う味見が、どこまでを差すのかわからないから。なにせ、二回目の人生でアレキサンダーの暴挙を未遂で防いだのは、当時王太子妃だったルチアだった。アレキサンダーは下半身丸出し、ライザにいたっては全裸の状態で、まさに挿入直前だったにもかかわらず、その時のアレキサンダーの言い訳が、「まだ何もしていない」だったのだ。
あの状態で何もしていないのならば、どこまでしたら味見になるのか?ちょっと怖くて考えたくない。
「そこまではなんとも。いくらアレキサンダー殿下でも、一国の王女に手を出すほど愚かじゃないと思いたいけど、王女殿下との関係を匂わすことを言っていたし……」
「……」
ライザからアレキサンダーを誘ったとは思えないから、アレキサンダーがうまいこと言いくるめたのか、よほどの抵抗をしなければ、本気で嫌がってないと判断し、半ば強引にことを進めたのか……。
「ルチアには、ゴールドフロントの王太子には気をつけろと言われていたのに、こんなことになるとはな」
「全くだ」
ノックもなく扉が開き、サミュエルが執務室に入ってきた。
「ああ、座ったままで」
立ち上がろうとしたルチアを片手で制し、サミュエルはルチア達の目の前に座った。以前会った時は、胡散臭い笑顔の王子だなとルチアは思ったが、今はその笑顔も消えていた。
「サミュエル殿下、ルチアは王女殿下が言うようなことはしていない」
ノイアーがきっぱりと断言する。その姿勢からは、もしルチアが冤罪で罪に問われることになれば、自分も国を相手に戦う意思があると告げていた。
「うん、わかっているよ。ライザは本当に馬鹿なことを考えたものだ。ルチアちゃんがゴールドフロントの王太子と会えば、ルチアちゃんが国に帰ると思い込んでいたようだ。ルチアちゃんさえいなくなれば、自分がノイアーと婚姻できると信じたんだね。あいつは自業自得にせよ、国としてはそうもいかなくて……」
そう言いながらも、サミュエルは妹が傷ついたことに心を痛めているようで、深い溜め息をついて額に手を当てて言葉を続けた。
「どんな理由があるにせよ、婚姻の約束もなく、王女の純潔を汚す……もしくはそれに準じる行為をされたのならば、国をもって抗議しなければならない。たとえ戦になっても」
「それは、さっきの王女殿下の言葉を信じてということか」
ノイアーの眉間の皺が深くなる。
「……すまない」
すまない?
ルチアは何に対して謝られているのか、そもそも誰に対しての謝罪なのかわからず、キョロキョロと辺りを見回した。しかし、この部屋にいるのは三人だけで、しかもサミュエルの視線はルチアに向いている。
(私!?私に王族が頭を下げているということ?)
問題は何に対しての謝罪かってことで、この話の流れからすると、やっぱりあれだよね。
冤罪かけちゃうけどごめんね……ってこと!?いやいや、ごめんねですむ話じゃないからね?
「それはどういう意味の謝罪だ」
相手は第二王子だというのに、ノイアーは威圧的に言った。
「……こちらとしては、ライザがゴールドフロントの王太子に乱暴された事実のみを公表し、ゴールドフロントの対応如何では、戦争も辞さないつもりだ」
「つまり、ライザ王女殿下の虚言を正すことなく、ゴールドフロントのみを断罪するということだな」
その虚言の中には、ルチアがアレキサンダーと共謀したという、でまかせも入っているのだが、まさかそれが真実として公表されるということだろうか?
隣からは、見るまでもなくノイアーが怒気を発していて、それはルチアに向けられた物でないにしろ、一瞬にして鳥肌が立つくらいだった。目の前を見ると、サミュエルは鳥肌が立つどころか、顔面蒼白になってガタガタ震えていた。気絶しなかっただけ、流石と言うべきか。
「ノイアー、その覇気はちょっとばかり健康に悪いよ。ほら、ルチアちゃんだって気絶……しそうにはないね。さすがノイアーの婚約者、凄い胆力だ」
サミュエルは、さりげなく視線をルチアに合わせ、ノイアーの覇気を直に浴びないように工夫しつつ、ルチアが平然としている様子に驚いたようだった。別に、ルチアもノイアーの覇気を感じていない訳ではなかった。
「でも、ほら、鳥肌は凄いですよ」
腕まくりしてサミュエルに鳥肌を見せようとしたら、ノイアーに止められた。他の男に見せるなってことだよね?こんな状況だけれど、ヤキモチをやいてくれたのかと、ルチアはついニマニマしてしまう。
「ノイアー、これだと話せない。僕を睨みつけるのは止めてくれないか」
ノイアーが深く息を吐いて覇気を抑えると、サミュエルはぐったりしたように椅子に寄りかかった。
「ノイアーが女性に執着するようになるなんて、想像もしていなかったよ。いや、もちろん良い誤算だよ。それで、ルチアちゃんのことだけど、別に罪を着せようってことじゃないんだ。ただ、ルチアちゃんのことに言及してしまうと、ライザからゴールドフロントの王太子に接触したことを暴露しないといけなくなる」
「それがいけないんですか?」
サミュエルは苦虫を噛み潰したような表情になった。
「誘われたから関係を持っただけだと主張されたら、それを否定できる証拠はない。王女の過失になりそうな要素を、公にする訳にはいかないんだ。ただし、あくまでも主張するのはゴールドフロントの王太子のしたことについてのみで、ルチアちゃんのことは箝口令を敷く予定で……」
ノイアーが拳で机を叩き……、その凄まじい音でサミュエルは言葉を失い、ルチアは机に視線が釘付けになった。いかにも高級そうな一枚板のぶ厚い木の机が、ノイアーの一撃で折れてしまっていたからだ。机の上でルチアが何回ジャンプしようがびくともしそうにない、しっかりとした机だったのに。しかも、せっかく抑えた覇気もよりパワーアップして、髪の毛が逆立つんじゃないかというくらい空気まで震えた。
「サミュエル、ふざけたことをぬかすな」
(敬称がどっかいっちゃったよ)
「もちろん、ルチアちゃんに罪がいかないように、僕もフォローは入れるつもりだ」
「罪?なんの罪もないのに、そんな心配が必要になるようなことをするつもりだと受け取るが良いか」
ノイアーが怒る気持ちもわかるし、ルチアだって身に覚えのない罪をかぶりたくはない。しかし、前世で王太子妃教育を受けたこともあるから、国としての立場も理解できた。
「ノイアー、落ち着いて。国同士の交渉になるんだから、そりゃ付け入る隙を作らないようにするのはわかるよ。特に、ゴールドフロント王は、あの王太子の父親とは思えないくらい、頭が回る方だから」
アレキサンダーを下げているのか、ゴールドフロント王を上げているのかわからない発言になる。
「そうなんだよね。で、本当に申し訳ないんだけど、この件が落ち着くまで、ルチアちゃんに監視を……って、ノイアー!なんで剣に手をかけているのかな?話は最後まで聞こうか」
ここで剣を振り回されて、つい、誤ってルチアにグサリ!……なんてことになったら困るから、ルチアも慌ててノイアーの手を押さえて、抜剣を阻止する。
「ノイアー、私の前で絶対に剣は抜かないで!できれば矢にも触らないで欲しい」
「矢?」
(あ、つい前世の死因まで付け足しちゃった)
「いや、それより私に監視って?もしかして、アレキサンダー殿下みたいに軟禁とかですか?」
「そうじゃないよ。ルチアちゃんはいつも通り、エムナール邸で過ごしてもらってていいんだけど、屋敷の周りに兵を置かせてもらうのと、外出時は監視をつけさせてもらうかな。あと、手紙とかは申し訳ないけど、検閲させてもらうと思う」
「ああ、別に誰に手紙を書くとかないから大丈夫です。外出も特にする予定はないし」
それならば、ほぼいつもと変わらない日常が送れそうだ。
「エムナール邸を監視……いや警備する人材は、ノイアーが選出してくれてかまわない。あと、ノイアーはしばらく自宅勤務だね。名目はルチアちゃんの監視だけど」
「自宅勤務!?」
ルチアの声が弾んでしまう。
(それって、ノイアーと朝から晩まで一緒にいられるってことかな。監視、万歳なんだけど)
「アハハ、嬉しそうなところ悪いけど、自宅で仕事だから。エムナール邸で会議することもあるからね。僕もちょくちょくお邪魔すると思うよ」
それでも、朝昼晩と一緒にご飯が食べられるに違いない!
エムナール邸が仮軍大将本部になったことで、屋敷の中は軍人で溢れ返り、サミュエルはちょくちょくというか毎日エムナール邸を訪れるようになった。しかも、唯一二人っきりの朝食にまで乱入され……。もちろん、昼食も夕食も一緒にとることは叶わなかった。
★★★
ルチアは南向きのテラスでお茶をしながら、恨めしそうに西側にある仮大将軍本部を眺めていた。
ノイアーの指示により、ルチアと軍関係者達の動線は分けられ、ノイアーとルチアの私室がある東側には軍関係者の立ち入りを禁じ、逆にルチアは仮軍本部とした西側には近付かないようにと言われた。
「……同じ屋敷にいるのに会えない」
「お嬢様、伯爵様はお仕事をなさっているのですから、仕方がありませんよ」
アンがお茶のお代わりを淹れてくれながら、わがままは駄目ですよと釘を刺す。
「だって、家でお仕事だから、いってらっしゃいのハグも、お帰りなさいのチューもできないのよ」
「それなら、おはようのハグにおやすみなさいのチューでもいいじゃないですか」
それはそれ、これはこれだ。それに、せっかくの二人の時間も邪魔者(サミュエル)が入るようになったから、ルチアのストレスもマックスなのだ。
「やあ、ルチアちゃん」
ストレスの元凶がやって来た。毎日ノイアーに大量の仕事を持ってくるサミュエルは、本人は暇なのか、毎朝朝食に乱入、ちょいちょい仕事したり、王城を往復したりして、午後のお茶の時間にたまにルチアの元に顔を出し(ノイアーは仕事漬けなのに!)、日が沈んだ頃に王城へ帰って行く。ノイアーよりも頻繁にサミュエルに会うのが納得いかなかった。
「なんの用ですか」
ルチアがブスッとして答えると、サミュエルは勧めてもいないのに、ルチアの目の前に座った。アンは無言でサミュエルにお茶を出し、ルチアの後ろに控えて気配を消すように立った。
「ルチアちゃんの気晴らしに」
「別に殿下に会ったからって、気晴らしにはなりませんよ」
「酷いな。これでも、令嬢方にはウケがいいんだよ」
ルチアはゲンナリした表情を隠さない。素が出せるくらいには、サミュエルと親しくなったのかもしれないが、良くも悪くも思われたいとは思わない相手なので、正直どうでも良い。ノイアーの仕事を減らしてくれたら、笑顔の一つでもサービスするのかもしれないが、ノイアーを仕事漬けにしている元凶だから、塩対応くらいが丁度良いのだ。
「それは、その令嬢達が殿下のことか好きだからでしょう。好きでもなんでもない異性なんて鬱陶しいだけです」
「酷いなぁ。せっかくルチアちゃんにお土産持ってきたのに」
「食べ物ならいただきます」
笑顔もないままちゃっかり手を出すルチアに、サミュエルは楽しそうに笑った。
「本当、ルチアちゃんは面白いよ。まあ、これだけがお土産じゃないけど、良かったら食べてみて。」
サミュエルは紙袋をアンに手渡すと、中身をテーブルに並べるように言った。袋の中身はプチカップケーキで、色とりどりのケーキは目にも楽しめた。
「で、私に何かお話でも?」
ルチアは、カップケーキをパクパク食べながら聞いた。
「実はね、ルチアちゃんにゴールドフロントに行って来て欲しいんだよね」
「それは……国に帰れということですか!」
カップケーキに罪はないのに、ルチアは力いっぱいフォークを突き刺してしまった。
「違う違う。うちからの国書を届けて欲しいんだ。ついでに、あっちの王太子を送り返して欲しい。これ以上うちにいられても、ただの無駄飯食いにしかならないし、侍女にも手を出すから困っているんだよ」
自分の立場も理解できないくらい阿呆だったのかと、ルチアは額に手を当てて低く呻く。
「全く……懲りないわね。でも、国に帰してしまって、知らぬ存ぜぬでしらばっくれられたりしたらどうするんです?」
サミュエルはニッと笑う。
「それこそ戦争を仕掛けるきっかけになるよね。彼の身柄を拘束した状態で条約を結んでも、人質を取られていたからとか、後でごねられても困るし」
国書を渡せと言ってはいるが、そこには相手がごねるだろう無理難題しか書いていないに違いない。ノイアーがこれだけ忙しくなったのは、先の戦争の後始末だけではなく、これから起きるだろうゴールドフロントとの戦争を見据えてのことだろうから。国書を届けることが開戦の合図となり、届けた相手がプラタニアの使者であれば、人質にとられたり殺されたりする可能性があるから、ゴールドフロントの民であるルチアが使者に選ばれたということなんだろう。
つまり、国書を届けた後、戻ってこられなくなる可能性が高い。
ルチアは、不敬とはわかってはいてもサミュエルを睨みつける。
「それに、私の拒否権はないんですよね」
「うん?ないかなぁ。でも、護衛にノイアーをつけるよ。ゴールドフロントとの交渉はノイアーに任せることになったし。それにほら、婚約者だし、君のご両親にも挨拶してないでしょ。ちょうどいいから、挨拶もしてくればいいんじゃないかな」
「それは……ノイアーはともかく、アレキサンダー殿下も連れて実家に行けということですか?」
無茶振りも酷くない?国書を届けてからだと、実家に行く余裕なんかなくなるだろうし、そうするとゴールドフロントの王城に行く途中に立ち寄れば……といいう話になるじゃないか。
「あはは、そうなるのかな」
ルチアは軽薄に笑うサミュエルにブチッと切れそうになる。
「大丈夫だ。中隊をゴールドフロントの王太子の護衛につけて、あっちは馬車で移動することにした。俺達は騎馬で先に行く」
「ノイアー!」
テラスにノイアーが現れ、ルチアの後ろからルチアの肩に手を置いた。振り返ったルチアの頭にキスを落とすと、サミュエルには不機嫌そうな顔を向ける。
「なになに、二人っきりで先に行くって、婚前旅行みたいじゃん」
「シンドルフ領で合流するから、何も問題はない」
ノイアーがシンドルフ領に顔を出したら、気の弱い父親は卒倒するんじゃないだろうか?
心配の種は尽きないが、ルチアがイエスと答える前に、すでにルチアのゴールドフロント行きは決定事項になっているようだった。
ルチアは、サミュエルの執務室にあるソファーにノイアーと並んで座っていた。
「やはり心配か?」
「そりゃ……ね」
今ではノイアーに殺されるとは思わないけれど、今までそうだったようにノイアーが意図しない出来事が起こるかもしれないじゃない。
全ての人生において、ルチアの死に関わっている主要人物はノイアーとアレキサンダーだ。そして戦争がトリガーになっていた。
「大丈夫だ。万が一戦になっても、ルチアの家族は保護するし、領民を攻撃することもない。戦いは先手必勝、一気に王城を落とすから、国民が気が付いた時には勝敗はついているさ」
「うん。ノイアーなら、一瞬で勝てると私も思う。ゴールドフロントの軍隊は実戦の経験はないし、正直お話にならないくらい弱いもの」
一番最初の前世の時はまさにそれで、一気に国を駆け抜けてきたプラタニア軍が、城門を閉める隙も与えないくらい素早く城に攻め入り、あっという間に王家の居住域まだ入り込んできたことを思い出す。
あの時、黒い甲冑を身に着け、ルチアくらいの長さの大剣を片手で軽々と振り回すノイアーの姿は、敵ながら見惚れるほど雄々しくて、もしかするとあの時すでにノイアーに恋に堕ちていたのかもしれない。その後二回も死んでやっと気がつくとか、どれだけ鈍いんだって話だけどね。
「まあ、ライザ王女殿下の虚言なんだから、戦争が起こる筈はないがな」
「全部嘘だったら良かったんだけど……」
「どういうことだ?」
ルチアは、ノイアーの方へ向きなおった。
「あの場所で、私とアレキサンダー殿下の密会を見たのは嘘。アレキサンダー殿下が私に言われてライザ王女殿下を襲ったのも嘘。でも、アレキサンダー殿下がライザ王女殿下に手を出したという事実だけなら本当かもしれない。今日ではないみたいですけど」
ノイアーの眉間に皺が寄る。
「つまり、王女殿下とゴールドフロントの王太子は関係を持ったと?」
ルチアは「うーん」と唸る。
ぶっちゃけ、最後までしたかどうかはわからない。アレキサンダーの言う味見が、どこまでを差すのかわからないから。なにせ、二回目の人生でアレキサンダーの暴挙を未遂で防いだのは、当時王太子妃だったルチアだった。アレキサンダーは下半身丸出し、ライザにいたっては全裸の状態で、まさに挿入直前だったにもかかわらず、その時のアレキサンダーの言い訳が、「まだ何もしていない」だったのだ。
あの状態で何もしていないのならば、どこまでしたら味見になるのか?ちょっと怖くて考えたくない。
「そこまではなんとも。いくらアレキサンダー殿下でも、一国の王女に手を出すほど愚かじゃないと思いたいけど、王女殿下との関係を匂わすことを言っていたし……」
「……」
ライザからアレキサンダーを誘ったとは思えないから、アレキサンダーがうまいこと言いくるめたのか、よほどの抵抗をしなければ、本気で嫌がってないと判断し、半ば強引にことを進めたのか……。
「ルチアには、ゴールドフロントの王太子には気をつけろと言われていたのに、こんなことになるとはな」
「全くだ」
ノックもなく扉が開き、サミュエルが執務室に入ってきた。
「ああ、座ったままで」
立ち上がろうとしたルチアを片手で制し、サミュエルはルチア達の目の前に座った。以前会った時は、胡散臭い笑顔の王子だなとルチアは思ったが、今はその笑顔も消えていた。
「サミュエル殿下、ルチアは王女殿下が言うようなことはしていない」
ノイアーがきっぱりと断言する。その姿勢からは、もしルチアが冤罪で罪に問われることになれば、自分も国を相手に戦う意思があると告げていた。
「うん、わかっているよ。ライザは本当に馬鹿なことを考えたものだ。ルチアちゃんがゴールドフロントの王太子と会えば、ルチアちゃんが国に帰ると思い込んでいたようだ。ルチアちゃんさえいなくなれば、自分がノイアーと婚姻できると信じたんだね。あいつは自業自得にせよ、国としてはそうもいかなくて……」
そう言いながらも、サミュエルは妹が傷ついたことに心を痛めているようで、深い溜め息をついて額に手を当てて言葉を続けた。
「どんな理由があるにせよ、婚姻の約束もなく、王女の純潔を汚す……もしくはそれに準じる行為をされたのならば、国をもって抗議しなければならない。たとえ戦になっても」
「それは、さっきの王女殿下の言葉を信じてということか」
ノイアーの眉間の皺が深くなる。
「……すまない」
すまない?
ルチアは何に対して謝られているのか、そもそも誰に対しての謝罪なのかわからず、キョロキョロと辺りを見回した。しかし、この部屋にいるのは三人だけで、しかもサミュエルの視線はルチアに向いている。
(私!?私に王族が頭を下げているということ?)
問題は何に対しての謝罪かってことで、この話の流れからすると、やっぱりあれだよね。
冤罪かけちゃうけどごめんね……ってこと!?いやいや、ごめんねですむ話じゃないからね?
「それはどういう意味の謝罪だ」
相手は第二王子だというのに、ノイアーは威圧的に言った。
「……こちらとしては、ライザがゴールドフロントの王太子に乱暴された事実のみを公表し、ゴールドフロントの対応如何では、戦争も辞さないつもりだ」
「つまり、ライザ王女殿下の虚言を正すことなく、ゴールドフロントのみを断罪するということだな」
その虚言の中には、ルチアがアレキサンダーと共謀したという、でまかせも入っているのだが、まさかそれが真実として公表されるということだろうか?
隣からは、見るまでもなくノイアーが怒気を発していて、それはルチアに向けられた物でないにしろ、一瞬にして鳥肌が立つくらいだった。目の前を見ると、サミュエルは鳥肌が立つどころか、顔面蒼白になってガタガタ震えていた。気絶しなかっただけ、流石と言うべきか。
「ノイアー、その覇気はちょっとばかり健康に悪いよ。ほら、ルチアちゃんだって気絶……しそうにはないね。さすがノイアーの婚約者、凄い胆力だ」
サミュエルは、さりげなく視線をルチアに合わせ、ノイアーの覇気を直に浴びないように工夫しつつ、ルチアが平然としている様子に驚いたようだった。別に、ルチアもノイアーの覇気を感じていない訳ではなかった。
「でも、ほら、鳥肌は凄いですよ」
腕まくりしてサミュエルに鳥肌を見せようとしたら、ノイアーに止められた。他の男に見せるなってことだよね?こんな状況だけれど、ヤキモチをやいてくれたのかと、ルチアはついニマニマしてしまう。
「ノイアー、これだと話せない。僕を睨みつけるのは止めてくれないか」
ノイアーが深く息を吐いて覇気を抑えると、サミュエルはぐったりしたように椅子に寄りかかった。
「ノイアーが女性に執着するようになるなんて、想像もしていなかったよ。いや、もちろん良い誤算だよ。それで、ルチアちゃんのことだけど、別に罪を着せようってことじゃないんだ。ただ、ルチアちゃんのことに言及してしまうと、ライザからゴールドフロントの王太子に接触したことを暴露しないといけなくなる」
「それがいけないんですか?」
サミュエルは苦虫を噛み潰したような表情になった。
「誘われたから関係を持っただけだと主張されたら、それを否定できる証拠はない。王女の過失になりそうな要素を、公にする訳にはいかないんだ。ただし、あくまでも主張するのはゴールドフロントの王太子のしたことについてのみで、ルチアちゃんのことは箝口令を敷く予定で……」
ノイアーが拳で机を叩き……、その凄まじい音でサミュエルは言葉を失い、ルチアは机に視線が釘付けになった。いかにも高級そうな一枚板のぶ厚い木の机が、ノイアーの一撃で折れてしまっていたからだ。机の上でルチアが何回ジャンプしようがびくともしそうにない、しっかりとした机だったのに。しかも、せっかく抑えた覇気もよりパワーアップして、髪の毛が逆立つんじゃないかというくらい空気まで震えた。
「サミュエル、ふざけたことをぬかすな」
(敬称がどっかいっちゃったよ)
「もちろん、ルチアちゃんに罪がいかないように、僕もフォローは入れるつもりだ」
「罪?なんの罪もないのに、そんな心配が必要になるようなことをするつもりだと受け取るが良いか」
ノイアーが怒る気持ちもわかるし、ルチアだって身に覚えのない罪をかぶりたくはない。しかし、前世で王太子妃教育を受けたこともあるから、国としての立場も理解できた。
「ノイアー、落ち着いて。国同士の交渉になるんだから、そりゃ付け入る隙を作らないようにするのはわかるよ。特に、ゴールドフロント王は、あの王太子の父親とは思えないくらい、頭が回る方だから」
アレキサンダーを下げているのか、ゴールドフロント王を上げているのかわからない発言になる。
「そうなんだよね。で、本当に申し訳ないんだけど、この件が落ち着くまで、ルチアちゃんに監視を……って、ノイアー!なんで剣に手をかけているのかな?話は最後まで聞こうか」
ここで剣を振り回されて、つい、誤ってルチアにグサリ!……なんてことになったら困るから、ルチアも慌ててノイアーの手を押さえて、抜剣を阻止する。
「ノイアー、私の前で絶対に剣は抜かないで!できれば矢にも触らないで欲しい」
「矢?」
(あ、つい前世の死因まで付け足しちゃった)
「いや、それより私に監視って?もしかして、アレキサンダー殿下みたいに軟禁とかですか?」
「そうじゃないよ。ルチアちゃんはいつも通り、エムナール邸で過ごしてもらってていいんだけど、屋敷の周りに兵を置かせてもらうのと、外出時は監視をつけさせてもらうかな。あと、手紙とかは申し訳ないけど、検閲させてもらうと思う」
「ああ、別に誰に手紙を書くとかないから大丈夫です。外出も特にする予定はないし」
それならば、ほぼいつもと変わらない日常が送れそうだ。
「エムナール邸を監視……いや警備する人材は、ノイアーが選出してくれてかまわない。あと、ノイアーはしばらく自宅勤務だね。名目はルチアちゃんの監視だけど」
「自宅勤務!?」
ルチアの声が弾んでしまう。
(それって、ノイアーと朝から晩まで一緒にいられるってことかな。監視、万歳なんだけど)
「アハハ、嬉しそうなところ悪いけど、自宅で仕事だから。エムナール邸で会議することもあるからね。僕もちょくちょくお邪魔すると思うよ」
それでも、朝昼晩と一緒にご飯が食べられるに違いない!
エムナール邸が仮軍大将本部になったことで、屋敷の中は軍人で溢れ返り、サミュエルはちょくちょくというか毎日エムナール邸を訪れるようになった。しかも、唯一二人っきりの朝食にまで乱入され……。もちろん、昼食も夕食も一緒にとることは叶わなかった。
★★★
ルチアは南向きのテラスでお茶をしながら、恨めしそうに西側にある仮大将軍本部を眺めていた。
ノイアーの指示により、ルチアと軍関係者達の動線は分けられ、ノイアーとルチアの私室がある東側には軍関係者の立ち入りを禁じ、逆にルチアは仮軍本部とした西側には近付かないようにと言われた。
「……同じ屋敷にいるのに会えない」
「お嬢様、伯爵様はお仕事をなさっているのですから、仕方がありませんよ」
アンがお茶のお代わりを淹れてくれながら、わがままは駄目ですよと釘を刺す。
「だって、家でお仕事だから、いってらっしゃいのハグも、お帰りなさいのチューもできないのよ」
「それなら、おはようのハグにおやすみなさいのチューでもいいじゃないですか」
それはそれ、これはこれだ。それに、せっかくの二人の時間も邪魔者(サミュエル)が入るようになったから、ルチアのストレスもマックスなのだ。
「やあ、ルチアちゃん」
ストレスの元凶がやって来た。毎日ノイアーに大量の仕事を持ってくるサミュエルは、本人は暇なのか、毎朝朝食に乱入、ちょいちょい仕事したり、王城を往復したりして、午後のお茶の時間にたまにルチアの元に顔を出し(ノイアーは仕事漬けなのに!)、日が沈んだ頃に王城へ帰って行く。ノイアーよりも頻繁にサミュエルに会うのが納得いかなかった。
「なんの用ですか」
ルチアがブスッとして答えると、サミュエルは勧めてもいないのに、ルチアの目の前に座った。アンは無言でサミュエルにお茶を出し、ルチアの後ろに控えて気配を消すように立った。
「ルチアちゃんの気晴らしに」
「別に殿下に会ったからって、気晴らしにはなりませんよ」
「酷いな。これでも、令嬢方にはウケがいいんだよ」
ルチアはゲンナリした表情を隠さない。素が出せるくらいには、サミュエルと親しくなったのかもしれないが、良くも悪くも思われたいとは思わない相手なので、正直どうでも良い。ノイアーの仕事を減らしてくれたら、笑顔の一つでもサービスするのかもしれないが、ノイアーを仕事漬けにしている元凶だから、塩対応くらいが丁度良いのだ。
「それは、その令嬢達が殿下のことか好きだからでしょう。好きでもなんでもない異性なんて鬱陶しいだけです」
「酷いなぁ。せっかくルチアちゃんにお土産持ってきたのに」
「食べ物ならいただきます」
笑顔もないままちゃっかり手を出すルチアに、サミュエルは楽しそうに笑った。
「本当、ルチアちゃんは面白いよ。まあ、これだけがお土産じゃないけど、良かったら食べてみて。」
サミュエルは紙袋をアンに手渡すと、中身をテーブルに並べるように言った。袋の中身はプチカップケーキで、色とりどりのケーキは目にも楽しめた。
「で、私に何かお話でも?」
ルチアは、カップケーキをパクパク食べながら聞いた。
「実はね、ルチアちゃんにゴールドフロントに行って来て欲しいんだよね」
「それは……国に帰れということですか!」
カップケーキに罪はないのに、ルチアは力いっぱいフォークを突き刺してしまった。
「違う違う。うちからの国書を届けて欲しいんだ。ついでに、あっちの王太子を送り返して欲しい。これ以上うちにいられても、ただの無駄飯食いにしかならないし、侍女にも手を出すから困っているんだよ」
自分の立場も理解できないくらい阿呆だったのかと、ルチアは額に手を当てて低く呻く。
「全く……懲りないわね。でも、国に帰してしまって、知らぬ存ぜぬでしらばっくれられたりしたらどうするんです?」
サミュエルはニッと笑う。
「それこそ戦争を仕掛けるきっかけになるよね。彼の身柄を拘束した状態で条約を結んでも、人質を取られていたからとか、後でごねられても困るし」
国書を渡せと言ってはいるが、そこには相手がごねるだろう無理難題しか書いていないに違いない。ノイアーがこれだけ忙しくなったのは、先の戦争の後始末だけではなく、これから起きるだろうゴールドフロントとの戦争を見据えてのことだろうから。国書を届けることが開戦の合図となり、届けた相手がプラタニアの使者であれば、人質にとられたり殺されたりする可能性があるから、ゴールドフロントの民であるルチアが使者に選ばれたということなんだろう。
つまり、国書を届けた後、戻ってこられなくなる可能性が高い。
ルチアは、不敬とはわかってはいてもサミュエルを睨みつける。
「それに、私の拒否権はないんですよね」
「うん?ないかなぁ。でも、護衛にノイアーをつけるよ。ゴールドフロントとの交渉はノイアーに任せることになったし。それにほら、婚約者だし、君のご両親にも挨拶してないでしょ。ちょうどいいから、挨拶もしてくればいいんじゃないかな」
「それは……ノイアーはともかく、アレキサンダー殿下も連れて実家に行けということですか?」
無茶振りも酷くない?国書を届けてからだと、実家に行く余裕なんかなくなるだろうし、そうするとゴールドフロントの王城に行く途中に立ち寄れば……といいう話になるじゃないか。
「あはは、そうなるのかな」
ルチアは軽薄に笑うサミュエルにブチッと切れそうになる。
「大丈夫だ。中隊をゴールドフロントの王太子の護衛につけて、あっちは馬車で移動することにした。俺達は騎馬で先に行く」
「ノイアー!」
テラスにノイアーが現れ、ルチアの後ろからルチアの肩に手を置いた。振り返ったルチアの頭にキスを落とすと、サミュエルには不機嫌そうな顔を向ける。
「なになに、二人っきりで先に行くって、婚前旅行みたいじゃん」
「シンドルフ領で合流するから、何も問題はない」
ノイアーがシンドルフ領に顔を出したら、気の弱い父親は卒倒するんじゃないだろうか?
心配の種は尽きないが、ルチアがイエスと答える前に、すでにルチアのゴールドフロント行きは決定事項になっているようだった。
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