のじゃロリ吸血鬼さんはチューチューしたい3

かま猫

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学園祭艶話 その4

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「ええ、それでは見事ミス美大の栄冠に輝いたフレイラさんの前途を祝してぇ…乾杯!」
 広場に目を移すと、ちょうど四回目の乾杯の音頭がとられていた。
「何回乾杯するんだよ!」
 独り言をぽつりとつぶやくと、突然背中にずっしりと重みを感じ倒れそうになって思わずよろけてしまう。
「なかなか楽しんでいるようじゃのぉ…」
 そして背後から聞こえたのはアルマの声だった。彼女はいつの間にか仙一郎の首に両手をまわし背中に乗っかっていたのだ。
「重いっ!重いって!」
 仙一郎がジタバタともがきながら文句を言うといつものゴスロリ服姿の少女は長い黒髪をフワリなびかせ地面に舞い降りると彼の目の前にずいっと近寄り不機嫌そうな顔で彼を見上げる。
「アルマ!何しに来たんだよ!」
「其方の様子を見にな!それでデェトは楽しかったか?」
「まあ…リザも楽しんでたみたいだし。」
「ほぉ、それは良かったのぉ…家にも帰ってこず、予の事を放っておいていい御身分じゃのぉ…」
「しょうがないだろ!学園祭、アルマは行きたくないって言ってたし。」
「それはそうじゃが、だからといって…」
 そこまで言うとアルマは口ごもり
「とにかく其方が悪い!悪いのじゃっ!」
 と声を荒げ両こぶしで仙一郎のお腹をポコポコと叩き始める。
「痛い!痛いって!」
 仙一郎は声を上げるがアルマはポコポコと叩き続ける。 
「ごめん!謝るから!」
 アルマはなおもポコポコと続ける。
「プチっとするプリン一週間分買うからさぁ…」
 仙一郎がそう言うとアルマはピタリと手を止め
「よかろう!」
 と言うとしてやったりといった顔をした。

「ええ、それでは見事…」
 広場からは五回目の乾杯の音頭が聞こえてくる。
「フレイラがミス美大か…当然じゃな。まあ予が出場してたら圧勝でミス美大になっておったろうがの!」
 アルマは仙一郎の隣で手すりから乗り出して広場を見下ろす。
「なら出れば良かったのに。」
 彼女が数百年生きている吸血鬼とはいっても見た目は小学生くらいの容姿なので仙一郎はちょっと皮肉っぽく言う。
「まあ、プロ野球選手が草野球で無双するみたいで大人げないからのぉ。」
「ははは…」
 アルマは彼の皮肉を気にもとめず既視感を覚えるセリフで答えたので思わず苦笑してしまう。
「リザのヤツから色々報告は受けておるが、フレイラを出場させたのは罰としてだけじゃじゃなく他の人間達と少しでも打ち解けさせようと言うのもあるのじゃろ?」
「まあね…なんとなく彼女…人を寄せ付けないようにしてるというか…何か一線を引いて人と深くかかわらないようにしてる気がして。

「なかなか鋭いではないか!」
 アルマは仙一郎の顔を覗き込みそう言うと広場のフレイラに目をうつした。
「あやつも…意思を持つ剣という複雑な出自のおかげで色々な経験を重ねてきておるからのぉ…その上、融通のきかない堅物ときておるから始末におえない…指輪を其方に渡したのも半分は警固のためじゃが、もう半分は其方ならあの子を何とかしてくれるのではというのもあったのじゃ。」
「ちょっと買い被りすぎだよ。」
「まあな…ミス美大に出場させたのはフレイラの水着姿が見たかったのもあったのではないか?」
「うっ…」
 仙一郎は言葉に詰まる。
「図星かっ!この助兵衛が!好き者が!戯れ男が!胸か?そんなに大きな胸が好きか?」
 アルマはふくれっ面で再び彼の腹をポコポコと叩く。
「だから痛いって…」
 仙一郎は後ろめたさもあって不平は言いつつ彼女を止めようとはしなかったので、しばらくポコポコと殴られ続けた。するとアルマは突如として手を止めた。
「よし!画学生!今日は家に帰ってこい!」
「え!でももうバス無いし…」
「問題ない。両手を出せ!」
 とりあえず言われるがまま仙一郎が両手を突きだすとアルマはその手を握る。
「は?何?」
「じっとしておれ!」
 彼がうろたえているとアルマの背中からコウモリのような羽が伸び彼女の身体はフワリと宙に浮く。仙一郎は呆気に取られその様子を見ていたが気づけば自分の身体も宙に浮いていた。
「飛んでいけば問題無かろう?」
「それってまさか…」
 仙一郎が訊ねる間もなくアルマは背中の羽をゆっくり羽ばたかせ空へと上昇し手をつないでいた彼の身体も高く舞い上がる。みるみるうちに地上の建物が小さくなり遠い街の灯りが見渡せるほどの高さに達する。
「あ!え?ええっ!」
「これ!暴れる出ない!」
 ジタバタと暴れる仙一郎を戒めるとアルマは翼を家の方へと向けた。
「ええ、それでは…」
 遙か地上からはちょうど六回目の乾杯の音頭が響いたところだった。
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