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桃川鈴加

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カイロスの古代財宝作戦

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「任せろ。俺様の長い人生で集めた古代の財宝なら、何か記憶を呼び起こすかもしれん」

カイロスは自信満々に胸を張ると、地下の宝物庫へと向かった。レオネス荘の地下には、カイロスが5000年の間に集めた貴重な宝物が眠っている。

「5000年分の宝物って、一体どれくらいの価値があるんだ?」

「計算不可能ね。骨董品としての価値だけでも数十億セルンは下らないでしょう」

メリサが電卓を叩きながら呟いている間に、カイロスが戻ってきた。その手には、見たこともないような美しい宝物が抱えられていた。

「見ろ、これが俺様の秘蔵コレクションだ」

テーブルの上に並べられたのは:

- 古代竜王の黄金の王冠(7つの龍の頭が彫刻された荘厳な逸品)
- 星の欠片で作られた首飾り(夜空の星座が浮かび上がる幻想的な装飾品)
- 1000年前の賢者が使った魔法の杖(先端に虹色の宝石が埋め込まれている)
- 幻の宝石「永遠のサファイア」(見る角度によって青から紫へと色が変わる)

「うわぁ...すげぇ...これ、全部本物かよ?」

レオが目を丸くしている間に、リリィの目がキラキラと輝いた。

「わあ!キラキラ~!とっても綺麗なのじゃ~!」

リリィは宝石の前にちょこんと座ると、うっとりとした表情で眺めている。

「これらは全て、古代から伝わる貴重な品だ。リリィ、何か思い出さないか?もしかしたら、お前も神として古代に関わりがあったかもしれん」

カイロスが期待を込めて尋ねると、リリィは永遠のサファイアを手に取った。

「うーん...綺麗だけど...あ!このサファイア、お風呂に浮かべたらお湯が青くなりそうじゃ!」

「ちょ、ちょっと待て!それは5000万セルンの...」

カイロスが慌てる間もなく、リリィは古代竜王の王冠を頭に乗せた。

「あ、この王冠、フリスビーみたいに投げて遊べそう!」

「それは2億セルンの歴史的遺産だぞ!」

しかしリリィは聞いていない。王冠を頭に乗せてくるくると回り始めた。

「お姫様ごっこじゃ~!カイロスお兄ちゃんも一緒に遊ぼう~!私が女王様で、カイロスお兄ちゃんが騎士さんなのじゃ!」

「俺様が騎士だと...?まあ、リリィの騎士なら...」

カイロスは照れながらも、リリィの前に膝をついた。

「女王陛下、何なりとご命令を」

「えへへ~!じゃあ、一緒にお茶会をするのじゃ!」

こうして、2億セルンの王冠を被った幼女と、5000歳の元竜王候補による優雅なお茶会が始まった。他のメンバーは呆れながらも微笑ましく見守っている。

30分ほど遊んだ後、カイロスが改めて尋ねた。

「リリィ、何か記憶は戻ったか?」

リリィは首をかしげて考えた後、にっこりと笑った。

「うーん...特に何も思い出さないけど、とっても楽しかったのじゃ!カイロスお兄ちゃんの宝物、どれも綺麗で素敵なのじゃ!」

レオがガクッと肩を落とした。

「全然ダメじゃねーか...」

カイロスも苦笑いを浮かべた。

「すまない...俺の宝物では記憶を呼び起こすことはできなかったようだ」

しかし、リリィは満面の笑みでカイロスにお礼を言った。

「でも楽しかったのじゃ!ありがとう、カイロスお兄ちゃん!今度また一緒に遊ぼうね!」

その無邪気な笑顔に、カイロスの表情が緩んだ。

「まあ、喜んでもらえたなら...それで十分だ」

元竜王候補の威厳はどこへやら、すっかりリリィに骨抜きにされているカイロスだった。

「次は私の番ね」

メリサが立ち上がると、自信ありげに眼鏡を光らせた。



メリサの魔法計算書作戦

「私の番ね。魔法と数学で記憶を呼び覚ましてみせるわ!」

メリサは書斎から分厚い魔法書と計算用具を山ほど持ってきた。元魔王軍四天王の彼女にとって、魔法理論と数学計算は最も得意とする分野だ。

「記憶というのは、脳の神経細胞に電気信号として蓄積される情報よ。それを魔法で刺激すれば、記憶を呼び覚ますことができるかもしれない」

メリサは黒板に複雑な数式を書き始めた。

「まず、記憶の保存量を X、魔法力を Y、時間の経過を Z とすると...」

数式がどんどん複雑になっていく。レオたちは数学が苦手なので、もはや何が何だかわからない。

「えーと...メリサ、俺たちにもわかるように説明してくれるか?」

「簡単に言うと、高次元魔法理論と借金計算式を組み合わせた特製の記憶覚醒術よ。理論上は可能な筈」

メリサは床に巨大な魔法陣を描き始めた。その上に、無数の数字と数式が踊っている。

「この魔法陣の中心に立って、私の計算式を見つめるの。『記憶の欠片×魔法力÷時間の流れ=記憶回復』という理論式に基づいて、リリィの記憶にアクセスしてみせるわ」

「すげぇ...メリサの本気モード、初めて見た」

レオが感心している間に、リリィが魔法陣の中心に立った。

「わあ...数字がいっぱいなのじゃ...なんだかクラクラするのじゃ...」

メリサが呪文を唱え始めると、魔法陣が光り始めた。しかし、その時だった。

「あわわわ...数字が...数字が襲ってくるのじゃ~!」

突然、リリィがふらふらと倒れそうになった。

「999億の借金が化け物になって追いかけてくるのじゃ~!月利15%の複利計算が頭の中でぐるぐる回ってるのじゃ~!」

リリィは半泣きで皆にしがみついた。

「やべぇ!メリサ、魔法陣を止めろ!」

「ちょっと待って!今いいところなのに...」

「リリィが泣いてるだろうが!」

レオが慌てて魔法陣から リリィを引っ張り出すと、魔法陣の光が消えた。

「はぁ、はぁ...数字が怖いのじゃ...」

リリィは震えながら レオにしがみついている。

「あら...計算が複雑すぎたかしら...」

メリサは眼鏡を外して困った顔をした。

「数字で記憶を呼び起こすなんて、無茶だったな」

リューナが苦笑いしながら言う。

「でも、メリサお姉ちゃんが一生懸命考えてくれたのはわかったのじゃ!とっても難しそうな計算だったけど、頑張ってくれてありがとうなのじゃ!」

リリィの優しい言葉に、メリサは複雑な表情を浮かべた。

「私の計算でも記憶には届かないのね...」

「まあ、記憶ってのは数字で表せないものかもしれないしな」

レオがフォローすると、メリサは小さく頷いた。

「そうね...感情や思い出は、確かに数値では測れないものかもしれない」

「今度は私の番ですわね」

エリカが優雅に立ち上がった。
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