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第11話
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「綺麗になーれ。綺麗になーれ。」
そんな独り言を呟きながら、セラフィーナは黙々と掃除をしていた。段々とコツが掴めてきた気がする。
セラフィーナは壁や窓の汚れが落ちていくのを見て、嬉しくなった。掃除って楽しい。こうやって、綺麗になっていくのを見ると達成感がある。
「よし!ここの廊下の窓ふきは終わったから後は…、」
バケツを持って、歩き出したその時だった。
「セラフィーナ?」
セラフィーナは呼ばれた声に下の階を見下ろした。見れば、丁度、階段の所にヴァルスの姿があった。
「あ、ヴァルス!お帰りなさい!」
「一体、何をしているんだ。」
ヴァルスはあまり表情は変わっていないが少し戸惑ったような呆れたような表情を浮かべていた。
「ヴァルスが留守の間に掃除でもしてお屋敷を綺麗にしようと思いまして…、」
「掃除?お前が?」
「はい!あ、でも、私だけじゃないですよ。フェル達も手伝ってくれたんです!」
「…聖女は掃除もするのが仕事なのか?」
「いえ!あたし、掃除は生まれてから一度もしたことなくて…、最初は失敗ばかりして、雑巾がけもできなかったんですけど…、でも、やっている内に段々コツが掴めた気がするんです!」
セラフィーナはニコッと笑った。
ヴァルスはじっとセラフィーナは見つめる。金色の瞳に見つめられ、セラフィーナはドキッとした。
「あ…、あの、何か?」
「いや…。聖女らしくないなと思っただけだ。特に今のその姿はな。」
セラフィーナはハッと自分の格好を見下ろした。今のセラフィーナは髪を結んで頭に頭巾を被り、エプロンをしてどこからどう見ても掃除係の下女にしか見えない。
「あ、こ、これは…!その…!掃除をするのにさっきの服だと汚れてしまうので…!」
「別に何を着ても構わない。お前の好きにするといい。」
慌てて言い訳をするセラフィーナに構わずヴァルスはそう言った。
セラフィーナはヴァルスの言葉にパッと顔を上げた。そんな事…、言われたの初めて…。
今までセラフィーナに自由は与えられなかった。聖女として、ふさわしい振る舞いを…、王太子の婚約者として恥ずかしくないように…、周囲からそう言われ、いつも気を張って生活していた。
必要とされるのは嬉しかった。でも、時々…、どうしようもなく息苦しくて、逃げ出したいと思ってしまった。
そうか。私は…、もう…、自由に生きてもいいのだ。ヴァルスの言葉でセラフィーナはそれに気付かされた。
ヴァルスは掃除をされた広間を見回し、呟いた。
「掃除をするなど考えたこともなかったな。」
「い、家が綺麗な方がヴァルスも落ち着くかなと思ったので…。その、私でも何かできることがあればと…、」
「…そんな事は気にする必要はない。お前がやりたいことをやればいい。だが…、感謝する。」
ヴァルスは無表情だがお礼を言ってくれた。セラフィーナはヴァルスの言葉にパッと表情を輝かせた。
「いえ…、そんな…。」
初めてだ…。聖女としてではない。ただのセラフィーナである私に対して…、初めてありがとうと言ってくれたのだ。その事がどうしようもなく嬉しかった。今まで聖女としてたくさんの人々に感謝をされた。
でも…、どうしてだろう。今までされた感謝よりも…、今日ヴァルスに感謝をされたことが一番嬉しかった。
無愛想な表情なのに…。笑って感謝をされた訳でもないのに。それなのに…、こんなにも嬉しいと感じてしまうなんて…。
セラフィーナはトクン、と胸が高鳴った。
「そういえば…、セラフィーナ。これを…。」
「?」
セラフィーナは差し出された袋を受け取る。中に入っていたのは着替えの服一式だった。
「女物の服はここにはないからな。適当に見繕ってきた。他にも足りない物があったら遠慮なく言え。」
「あ、ありがとうございます…!あの、でも…、本当に貰っていいのですか?」
「お前の為に用意した物だ。好きに使え。」
ヴァルスにそう言われ、セラフィーナは着替えの服をギュッと抱き締めた。大切に着よう。そう思った。
その時、バサバサと音を立てて、フェルがヴァルスの元にやってきた。鳴きながら何かをヴァルスに伝えている。
フェルが羽根でセラフィーナを指差した。ん?私の事について話している?
「何…?」
ヴァルスがフェルの言葉に目を細め、次いでセラフィーナに視線を向ける。
「こいつが川の水をお前が浄化したと言っているが…、それは本当か?」
「え…、あ。そ、そうでした!私ったら、すっかり忘れてて…、」
セラフィーナは掃除に夢中だった為、その事をすっかり忘れていた。
「えっと…、実は…、川に水を汲みに行ったんです。そしたら、穢れで川の水がかなり汚染されていたので…。それで、その…、浄化魔法をかければ元の綺麗な川に戻せるかもしれないと思って…、」
「…あの川に蔓延る穢れはかなり、強力なものだった。耐性がある俺達と違って人間が触れれば猛毒だ。」
「え…、そ、そうなんですか!?でも、私は別に何ともなかったのですが…、」
「言っただろう。聖女であったお前に瘴気の呪いは効いていない、と。
元とはいえ、聖女という位に就いていたのだから普通の軟な人間どもとは違う。
だから、平気なのだろう。普通なら、人間どもはこの森では生きていられない。瘴気を吸い続けていれば数日足らずで弱り、死に至る。
だが、害はないとはいえ、危険であることに変わりはない。それなのに、川を浄化するなど…、無謀としか言いようがない。」
「ご、ごめんなさい。そこまで深刻なものだと思わなくて…、確かに今まで見た中で一番強い穢れだなとは思ったんですけど…、少しでも浄化ができればと思って…、」
すると、ずっと黙っていたフェルがヴァルスにカアカア!と声を上げた。まるで彼を責めているかのような声だ。
「…いや。そうだな。それより、先に言うべきことがあったな。すまない。セラフィーナ。礼を言う。」
「い、いえ…。」
「お前を責めたつもりはない。ただ、そこまでする必要はないと言いたかったのだ。お前はこの俺の客人として迎えたのだ。だから、何かをしようとかそんな事を考える必要はない。」
「ヴァルス…。ありがとうございます…。」
ヴァルスの気遣いにセラフィーナは笑顔を向けた。やっぱり、優しい人だ…。言葉や態度は冷たく見えるがその裏には彼なりの優しさが見え隠れしている。セラフィーナはそう感じた。
そんな独り言を呟きながら、セラフィーナは黙々と掃除をしていた。段々とコツが掴めてきた気がする。
セラフィーナは壁や窓の汚れが落ちていくのを見て、嬉しくなった。掃除って楽しい。こうやって、綺麗になっていくのを見ると達成感がある。
「よし!ここの廊下の窓ふきは終わったから後は…、」
バケツを持って、歩き出したその時だった。
「セラフィーナ?」
セラフィーナは呼ばれた声に下の階を見下ろした。見れば、丁度、階段の所にヴァルスの姿があった。
「あ、ヴァルス!お帰りなさい!」
「一体、何をしているんだ。」
ヴァルスはあまり表情は変わっていないが少し戸惑ったような呆れたような表情を浮かべていた。
「ヴァルスが留守の間に掃除でもしてお屋敷を綺麗にしようと思いまして…、」
「掃除?お前が?」
「はい!あ、でも、私だけじゃないですよ。フェル達も手伝ってくれたんです!」
「…聖女は掃除もするのが仕事なのか?」
「いえ!あたし、掃除は生まれてから一度もしたことなくて…、最初は失敗ばかりして、雑巾がけもできなかったんですけど…、でも、やっている内に段々コツが掴めた気がするんです!」
セラフィーナはニコッと笑った。
ヴァルスはじっとセラフィーナは見つめる。金色の瞳に見つめられ、セラフィーナはドキッとした。
「あ…、あの、何か?」
「いや…。聖女らしくないなと思っただけだ。特に今のその姿はな。」
セラフィーナはハッと自分の格好を見下ろした。今のセラフィーナは髪を結んで頭に頭巾を被り、エプロンをしてどこからどう見ても掃除係の下女にしか見えない。
「あ、こ、これは…!その…!掃除をするのにさっきの服だと汚れてしまうので…!」
「別に何を着ても構わない。お前の好きにするといい。」
慌てて言い訳をするセラフィーナに構わずヴァルスはそう言った。
セラフィーナはヴァルスの言葉にパッと顔を上げた。そんな事…、言われたの初めて…。
今までセラフィーナに自由は与えられなかった。聖女として、ふさわしい振る舞いを…、王太子の婚約者として恥ずかしくないように…、周囲からそう言われ、いつも気を張って生活していた。
必要とされるのは嬉しかった。でも、時々…、どうしようもなく息苦しくて、逃げ出したいと思ってしまった。
そうか。私は…、もう…、自由に生きてもいいのだ。ヴァルスの言葉でセラフィーナはそれに気付かされた。
ヴァルスは掃除をされた広間を見回し、呟いた。
「掃除をするなど考えたこともなかったな。」
「い、家が綺麗な方がヴァルスも落ち着くかなと思ったので…。その、私でも何かできることがあればと…、」
「…そんな事は気にする必要はない。お前がやりたいことをやればいい。だが…、感謝する。」
ヴァルスは無表情だがお礼を言ってくれた。セラフィーナはヴァルスの言葉にパッと表情を輝かせた。
「いえ…、そんな…。」
初めてだ…。聖女としてではない。ただのセラフィーナである私に対して…、初めてありがとうと言ってくれたのだ。その事がどうしようもなく嬉しかった。今まで聖女としてたくさんの人々に感謝をされた。
でも…、どうしてだろう。今までされた感謝よりも…、今日ヴァルスに感謝をされたことが一番嬉しかった。
無愛想な表情なのに…。笑って感謝をされた訳でもないのに。それなのに…、こんなにも嬉しいと感じてしまうなんて…。
セラフィーナはトクン、と胸が高鳴った。
「そういえば…、セラフィーナ。これを…。」
「?」
セラフィーナは差し出された袋を受け取る。中に入っていたのは着替えの服一式だった。
「女物の服はここにはないからな。適当に見繕ってきた。他にも足りない物があったら遠慮なく言え。」
「あ、ありがとうございます…!あの、でも…、本当に貰っていいのですか?」
「お前の為に用意した物だ。好きに使え。」
ヴァルスにそう言われ、セラフィーナは着替えの服をギュッと抱き締めた。大切に着よう。そう思った。
その時、バサバサと音を立てて、フェルがヴァルスの元にやってきた。鳴きながら何かをヴァルスに伝えている。
フェルが羽根でセラフィーナを指差した。ん?私の事について話している?
「何…?」
ヴァルスがフェルの言葉に目を細め、次いでセラフィーナに視線を向ける。
「こいつが川の水をお前が浄化したと言っているが…、それは本当か?」
「え…、あ。そ、そうでした!私ったら、すっかり忘れてて…、」
セラフィーナは掃除に夢中だった為、その事をすっかり忘れていた。
「えっと…、実は…、川に水を汲みに行ったんです。そしたら、穢れで川の水がかなり汚染されていたので…。それで、その…、浄化魔法をかければ元の綺麗な川に戻せるかもしれないと思って…、」
「…あの川に蔓延る穢れはかなり、強力なものだった。耐性がある俺達と違って人間が触れれば猛毒だ。」
「え…、そ、そうなんですか!?でも、私は別に何ともなかったのですが…、」
「言っただろう。聖女であったお前に瘴気の呪いは効いていない、と。
元とはいえ、聖女という位に就いていたのだから普通の軟な人間どもとは違う。
だから、平気なのだろう。普通なら、人間どもはこの森では生きていられない。瘴気を吸い続けていれば数日足らずで弱り、死に至る。
だが、害はないとはいえ、危険であることに変わりはない。それなのに、川を浄化するなど…、無謀としか言いようがない。」
「ご、ごめんなさい。そこまで深刻なものだと思わなくて…、確かに今まで見た中で一番強い穢れだなとは思ったんですけど…、少しでも浄化ができればと思って…、」
すると、ずっと黙っていたフェルがヴァルスにカアカア!と声を上げた。まるで彼を責めているかのような声だ。
「…いや。そうだな。それより、先に言うべきことがあったな。すまない。セラフィーナ。礼を言う。」
「い、いえ…。」
「お前を責めたつもりはない。ただ、そこまでする必要はないと言いたかったのだ。お前はこの俺の客人として迎えたのだ。だから、何かをしようとかそんな事を考える必要はない。」
「ヴァルス…。ありがとうございます…。」
ヴァルスの気遣いにセラフィーナは笑顔を向けた。やっぱり、優しい人だ…。言葉や態度は冷たく見えるがその裏には彼なりの優しさが見え隠れしている。セラフィーナはそう感じた。
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