運命力ゼロの悪役令嬢

黒米

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第3章 王立ルミナス学院 2年目

第23話 責任と使命

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午後の鐘が鳴り、王立ルミナス学院の講堂には、2年生たちが整然と集まっていた。
高い天井に吊るされた銀の燭台が、冬の光を受けて静かに輝いている。

壇上には、学院長エルマー・グレイヴと副学院長マティルダ・クローネが並び、厳かな空気が漂っていた。

クラリスは、特別選抜クラスの一員として前列に座っていた。
隣にはレオニス、後方にはカイ、ミレーユ、ルーク、ゼノの姿も見える。

エルマーが一歩前に出ると、講堂が静まり返った。
「皆さん、今年度の課外演習について説明いたします」

彼の声は穏やかでありながら、重みを帯びていた。
「演習は、王都近郊の訓練区域にて、三日間にわたり実施されます。目的は、制度に基づく統率力・判断力・協調性の育成。皆さんには、模擬戦形式の演習を通じて、実践を体験していただきます」

ざわめきが広がる。

「模擬戦って、戦うの?」
「チーム分けみたいなことするの?」
「誰がリーダーやる?」

マティルダが前に出て、冷静な口調で続けた。
「特別選抜クラスの皆さんには、各班の指揮官役を務めていただきます。あなた方は制度の中核を担う者として、他の生徒を導く立場にあります。選ばれたものとしての役割を果たす、それが王国の伝統です。演習では、資源管理、地域防衛、遭遇戦対応、そして班の士気維持が求められます」

クラリスは、思わず背筋を伸ばした。
(選ばれた者として、責任を果たす。それが、私の役目)

マティルダが資料を掲げる。
「演習では、班ごとに異なる課題が与えられます。一部には、レクリエーション要素も含まれます。夜間の焚き火交流、班対抗の旗取り競技などを通じて、協調性と柔軟な判断力を養っていただきます」

ルークが小声で呟く。
「焚き火?遊びかよ……」

ミレーユは微笑みながら言った。
「でも、そういう場でこそ人間性が出るのよ。制度の外側も、見ておかないとね」

エルマーが締めくくる。
「課外演習は、指揮官となる方たちだけでなく、全員準備を怠らず、責任を持って臨んでください」

そうして、課外演習の説明会は終了した。生徒たちは胸に期待と不安を抱きながら、講堂を後にするのであった
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