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第2話 王太子ジョージ・ガーネット
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「ああ、君か」
ジョージ殿下はこちらを振り向いた。
相変わらず涼やかな声、爽やかな笑顔だ。私は思わず引き込まれてしまいそうになる気持ちを抑えた。
「花に興味があるのですか?」
「うん、まあ、ここの花壇は見事だね。王宮のものと比較しても遜色ないくらいだ。ものすごく手がかかっているのだろうね」
ランバート公爵領は元々、独立した国ではあったが、三代前からガーネット王国に編入され、今は王国の一部となっている。父はそのことをとても悔しく思っているのか、事あるごとに、王家に対して対抗意識を燃やすところがあった。
この花壇も庭園も、父が王宮にあるものに負けないくらい素晴らしいものをと、元々あったものに大分手を加えてできたものだった。
私のことについてもそうなのかもしれない。男児に恵まれなければ婿養子でもつれてくればいいのに、父がいちいち体面ばかりを気にしている結果、公爵家の後継息子として育てられてしまった。
そして今度は、妹のクレイアを王太子妃にして、ランバート家がガーネット王家を乗っ取ってやるなどと言っている。父の色々な行動や言動の全ては、王家に対してコンプレックスを抱いていることからくるものなのだろう。
「気に入っていただけて、大変光栄でございます」
まあ、殿下には関係ないか。
私は色々と考えるところはあったけれど、そのようなくだらない事情はおくびにも出さず、そつなく殿下に答えた。
「ははは、全然、気に入ってなんていないよ」
「え、そうなんですか?」
突然の王太子の発言に私はびっくりした。この花壇をすっかり気に入ってらっしゃると思っていたから。ジョージ殿下はイタズラっぽく笑いながらこう言った。
「人の手が入りすぎた花は嫌いなんだ。たくさん手がかかるくせに、放っておくとすぐにダメになる。見栄えだけ整えられているけれど、中身が伴っていない人間みたいなものだ。僕は野に咲く名もない一輪の花の方が好きだ。凛として誰にも媚びず、そして、どんなことにも負けず真っ直ぐにその美しさを誇っているんだ。その立ち姿を見ると思わず僕は心惹かれてしまうんだよ」
「ですが、誰にも見つからずに咲いていても、意味がないんじゃないですか? 花は人に愛でられてこそ、その美しさを誇ることができるのではないのでしょうか?」
「少なくとも僕はその価値を知っているよ」
はっとして、私は彼の顔を見た。
「だから、表面だけ飾り立てて、しかも、それがいかにも自分の価値のように振る舞うような、中身のないような人には興味がないんだ。いくら、他人がもてはやそうと、僕には関係ないね。だけど、公爵領にきたら、やたらと君の妹を僕の婚約者にしてくれとアピールされていてね。とても面倒だったからちょっと逃げてきてしまったんだ」
「父がどうもすみません」
私は父が妹をゴリ押していることを知っていたので、父の代わりに謝った。
「ごめんね。少し愚痴っただけなんだ。本当はパーシー公爵とは敵対したくないから、もう少し我慢すべきなんだろうけど、耐えきれなくてね。気を悪くしないでほしい」
「気を悪くはしていません。殿下の方こそ気を使わせてしまって、すいません」
「まあ、これ以上はやめよう。僕も君の父上や妹君の悪口なんて言いたくないから。でも、まあ、あれだよね。君の父上もそうだが、妹さんについても、君はきっと苦労しているんだろうね」
私が何かを言おうかどうか、迷っているうちに殿下は話を続けた。
「僕は確かに打算的な考えでこの公爵領を尋ねた。僕の国は今、隣国と戦争する間際まで来ているからね、なんとしてもパーシー公爵に協力をとりつけたかったんだ。この公爵領は元々僕らの国とは別の国だから、なおさらさ」
私は黙って聞いていた。
「でも、まさか来ていきなり、僕の結婚相手を斡旋してくれるとは思ってなかったよ。なかなか難しいよね。今の情勢じゃあ、公爵家を無碍にするわけにもいかないし」
ガーネット王国は隣国シャーリー王国との仲が再び険悪となっていた。度重なる戦争に国民同士は嫌気がさしているが、シャーリー国王は前回の対戦で負けたことを恨みに思っていて、雪辱する機会を虎視眈々と狙っていた。
この緊張感がある時期に、王太子が代わり新しくなった。しかも、ガーネット王は病弱であるので、とても情勢が不透明な時期だったのだ。
新王太子が就任してすぐに公爵領に出向いてくるというのは、よっぽどのことだったけれど、王国内の結束を高める上でやむを得ないことでもあった。
私はそのような情勢を、自分のために利用しようとしている父の姿に恥ずかしさを覚えた。
「かえすがえすも大変申し訳ありません」
「別にいいよ。君がそんなに謝り続ける必要はない。だって、君のせいではないんだから。でも、ここにきて良かったと思っているよ。収穫はあったから」
「収穫ですか?」
殿下は直接答えずに、にっこり笑うと逆にこちらに質問してきた。
「なんで君はパーティをすぐに退席したんだい?」
「え、いや、私が殿下を接待するより、父や妹の方が適任だと思っていたので失礼させていただきました。私は剣の修練に行っていたのです。でも、晩餐会には必ず出席します。大変失礼しました」
殿下は少しホッとした顔をしてこう言った。
「君に嫌われてないのがわかってよかった。実は君と仲良くなりたかったんだよ」
「え、本当ですか?」
私は驚いて殿下の顔を見た。
「嘘を言ってもしょうがないだろう。君は次期公爵でもあるし、剣の達人だとも聞いた。でもね、会ってみて分かったんだ。この人とはきっと分かり合えるんじゃないかなってね。意外と僕の直感は確かなんだ。だから、すぐに君がパーティからいなくなってしまってすごい寂しかったんだ。実のところ」
私はそう言ってもらえて、とても嬉しかった。
「僕と親友になってもらえないかな」
ジョージ殿下が右手を差し出してきた。私も右手を差し出しガッチリと握手をした。その手は意外にしっかりしていて、とても暖かかった。
「これで、今夜のパーティが楽しめそうだ。すぐにいなくならないでくれよ。そうだ、君には婚約者はいるかい?」
「いえ、いません」
「じゃあ、好きな人は?」
突然聞かれて私は動揺してしまった。
「い、いません」
「そうか、それなら一緒だね。絶対に抜け駆けしないでくれよ。僕は国の事情でしばらくは結婚しないつもりだ。だから、互いに好きな人ができたらちゃんと報告しあおう。僕がそいつのことを君に相応しいかどうか、ちゃんと評価しなくちゃね」
「ほ、報告しなくちゃならないんですか?」
「当たり前さ。だって僕たちは親友だろう」
夕陽が落ちて、周囲は薄暗くなってきた。もうすぐ晩餐会が始まろうとしている。
ジョージ殿下はこちらを振り向いた。
相変わらず涼やかな声、爽やかな笑顔だ。私は思わず引き込まれてしまいそうになる気持ちを抑えた。
「花に興味があるのですか?」
「うん、まあ、ここの花壇は見事だね。王宮のものと比較しても遜色ないくらいだ。ものすごく手がかかっているのだろうね」
ランバート公爵領は元々、独立した国ではあったが、三代前からガーネット王国に編入され、今は王国の一部となっている。父はそのことをとても悔しく思っているのか、事あるごとに、王家に対して対抗意識を燃やすところがあった。
この花壇も庭園も、父が王宮にあるものに負けないくらい素晴らしいものをと、元々あったものに大分手を加えてできたものだった。
私のことについてもそうなのかもしれない。男児に恵まれなければ婿養子でもつれてくればいいのに、父がいちいち体面ばかりを気にしている結果、公爵家の後継息子として育てられてしまった。
そして今度は、妹のクレイアを王太子妃にして、ランバート家がガーネット王家を乗っ取ってやるなどと言っている。父の色々な行動や言動の全ては、王家に対してコンプレックスを抱いていることからくるものなのだろう。
「気に入っていただけて、大変光栄でございます」
まあ、殿下には関係ないか。
私は色々と考えるところはあったけれど、そのようなくだらない事情はおくびにも出さず、そつなく殿下に答えた。
「ははは、全然、気に入ってなんていないよ」
「え、そうなんですか?」
突然の王太子の発言に私はびっくりした。この花壇をすっかり気に入ってらっしゃると思っていたから。ジョージ殿下はイタズラっぽく笑いながらこう言った。
「人の手が入りすぎた花は嫌いなんだ。たくさん手がかかるくせに、放っておくとすぐにダメになる。見栄えだけ整えられているけれど、中身が伴っていない人間みたいなものだ。僕は野に咲く名もない一輪の花の方が好きだ。凛として誰にも媚びず、そして、どんなことにも負けず真っ直ぐにその美しさを誇っているんだ。その立ち姿を見ると思わず僕は心惹かれてしまうんだよ」
「ですが、誰にも見つからずに咲いていても、意味がないんじゃないですか? 花は人に愛でられてこそ、その美しさを誇ることができるのではないのでしょうか?」
「少なくとも僕はその価値を知っているよ」
はっとして、私は彼の顔を見た。
「だから、表面だけ飾り立てて、しかも、それがいかにも自分の価値のように振る舞うような、中身のないような人には興味がないんだ。いくら、他人がもてはやそうと、僕には関係ないね。だけど、公爵領にきたら、やたらと君の妹を僕の婚約者にしてくれとアピールされていてね。とても面倒だったからちょっと逃げてきてしまったんだ」
「父がどうもすみません」
私は父が妹をゴリ押していることを知っていたので、父の代わりに謝った。
「ごめんね。少し愚痴っただけなんだ。本当はパーシー公爵とは敵対したくないから、もう少し我慢すべきなんだろうけど、耐えきれなくてね。気を悪くしないでほしい」
「気を悪くはしていません。殿下の方こそ気を使わせてしまって、すいません」
「まあ、これ以上はやめよう。僕も君の父上や妹君の悪口なんて言いたくないから。でも、まあ、あれだよね。君の父上もそうだが、妹さんについても、君はきっと苦労しているんだろうね」
私が何かを言おうかどうか、迷っているうちに殿下は話を続けた。
「僕は確かに打算的な考えでこの公爵領を尋ねた。僕の国は今、隣国と戦争する間際まで来ているからね、なんとしてもパーシー公爵に協力をとりつけたかったんだ。この公爵領は元々僕らの国とは別の国だから、なおさらさ」
私は黙って聞いていた。
「でも、まさか来ていきなり、僕の結婚相手を斡旋してくれるとは思ってなかったよ。なかなか難しいよね。今の情勢じゃあ、公爵家を無碍にするわけにもいかないし」
ガーネット王国は隣国シャーリー王国との仲が再び険悪となっていた。度重なる戦争に国民同士は嫌気がさしているが、シャーリー国王は前回の対戦で負けたことを恨みに思っていて、雪辱する機会を虎視眈々と狙っていた。
この緊張感がある時期に、王太子が代わり新しくなった。しかも、ガーネット王は病弱であるので、とても情勢が不透明な時期だったのだ。
新王太子が就任してすぐに公爵領に出向いてくるというのは、よっぽどのことだったけれど、王国内の結束を高める上でやむを得ないことでもあった。
私はそのような情勢を、自分のために利用しようとしている父の姿に恥ずかしさを覚えた。
「かえすがえすも大変申し訳ありません」
「別にいいよ。君がそんなに謝り続ける必要はない。だって、君のせいではないんだから。でも、ここにきて良かったと思っているよ。収穫はあったから」
「収穫ですか?」
殿下は直接答えずに、にっこり笑うと逆にこちらに質問してきた。
「なんで君はパーティをすぐに退席したんだい?」
「え、いや、私が殿下を接待するより、父や妹の方が適任だと思っていたので失礼させていただきました。私は剣の修練に行っていたのです。でも、晩餐会には必ず出席します。大変失礼しました」
殿下は少しホッとした顔をしてこう言った。
「君に嫌われてないのがわかってよかった。実は君と仲良くなりたかったんだよ」
「え、本当ですか?」
私は驚いて殿下の顔を見た。
「嘘を言ってもしょうがないだろう。君は次期公爵でもあるし、剣の達人だとも聞いた。でもね、会ってみて分かったんだ。この人とはきっと分かり合えるんじゃないかなってね。意外と僕の直感は確かなんだ。だから、すぐに君がパーティからいなくなってしまってすごい寂しかったんだ。実のところ」
私はそう言ってもらえて、とても嬉しかった。
「僕と親友になってもらえないかな」
ジョージ殿下が右手を差し出してきた。私も右手を差し出しガッチリと握手をした。その手は意外にしっかりしていて、とても暖かかった。
「これで、今夜のパーティが楽しめそうだ。すぐにいなくならないでくれよ。そうだ、君には婚約者はいるかい?」
「いえ、いません」
「じゃあ、好きな人は?」
突然聞かれて私は動揺してしまった。
「い、いません」
「そうか、それなら一緒だね。絶対に抜け駆けしないでくれよ。僕は国の事情でしばらくは結婚しないつもりだ。だから、互いに好きな人ができたらちゃんと報告しあおう。僕がそいつのことを君に相応しいかどうか、ちゃんと評価しなくちゃね」
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