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第五章―暴かれた正体と過去―
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しおりを挟む※ 十夜 side ※
今、小羽は庭に行っている。
僕はそれを二階の窓から見ていた。
小羽は逃げない。
それは彼らが大切だから。
……忌々しいな。
どうせここにいる限り彼らがどうなったかなんて分からないんだから、いっそのこと始末してしまおうか。
邪魔なことこの上ない。
庭を歩く小羽の顔に笑顔はもちろんない。
仕方ない、か。
そうさせたのは自分だ。
でも、そのことに言い知れぬ感情が沸いてくる。
こんな顔をさせたのは、他でもない、僕自身だってことに。
高揚感、とでもいうのかな。
……やっと手に入れた。
僕の小羽。
僕だけの。
「愛してるよ。小羽」
ずっとずっといつまでも。
未来永劫、ね?
小羽もいつかそう言ってくれるでしょう?
※ 十夜 side ※
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