9 / 22
第1部
08 ファーストキスの相手
しおりを挟む
日に日に寒さは増していき、もうすっかり冬本番といった様相になった。
俺は特に何をするでもなく、日の落ちかけた窓の外を見つめていた。
昼間見た雲の様子からすると、今晩辺り雪が降りだしてもおかしくない。
辺境では雪が降りだすと一気に積もるから、明日の朝には周り一面雪景色になるかもしれない。
ここ数日俺には大きな悩みがあった。
2回目の大きなトラブル――冒険者による凌辱未遂事件は、雪が積もってすぐの出来事だ。だから雪が降りだしてしまえば、いつ起こってもおかしくないのだ。
ナタリーとの仲がどれくらい進展しているのかは分からないけど、小説では事件を機にさらに仲が深まったのだ。失敗する訳にはいかない。
体を触られるくらいはがんばって我慢するとして、それ以上の事をされる前に助けに来てくれるのを祈るしかない。
覚悟はしたつもりだけど、実際にその日が近付いていると思うとどうしても憂鬱なのだ。
せめてファーストキスだけでも、好きなひとと出来たなら――
「……ふぅ」
「どうしたの、レイ。何か心配事?」
気遣わしげなギルの声に、俺は無意識に溜め息を吐いていた事に気付いた。
「いや、何でもないよ。それより、今日のご飯はなに?」
笑顔を作り明るく振舞うと、ギルはそれ以上踏み込まないでいてくれた。
今まで悩み事はなんだってギルに話してきたけど、こればっかりは言えない。ギルに心配をかけてしまうのは心苦しくもあるけど、嬉しくも思ってしまう。
そのことに少しの罪悪感を覚えつつ、食卓へ着いた。
「わぁ、美味しそう! いただきます!」
机の上には俺の好物ばかりが並んでいた。カトラリーを手に、食べ進める。しかし、すぐに胸がいっぱいになって食べられなくなってしまった。
「……ごちそうさま」
「それだけでいいの?」
「うん。もうお腹いっぱい。美味しかったよ」
本当にとても美味しかったのに、結局半分くらいは残してしまった。明日の朝に食べると伝え、冷蔵庫へしまう。ギルはそんな俺を心配そうに見つめていた。
片付けをしてくれると言うギルに感謝を述べて、俺はリビングのソファに座った。ひじ掛けにもたれながら窓に目を向ける。
「少し、痩せたかも」
黒いペンキで塗られたような窓には、冴えない俺の顔が映り込んでいた。ただでさえ華のない顔立ちなのに、辛気臭い表情は見せられたもんじゃない。無理やり口角を上げると、窓に映った俺はぎこちなく笑った。
「雪、降りそうだね」
キッチンから戻って来たギルは俺の隣に座ると、二つ持っていたマグカップのうち片方を手渡してきた。
それを両手で包み込むように受け取る。火傷しない程度に温かいマグカップには、ホットワインが入っていた。
この世界では18歳から飲酒可能だ。俺も今世ではようやく飲めるようになったばかりだから、体がお酒にあまり慣れてない。でも、ギルが作ってくれるこのホットワインは、スパイスの香りととワインの旨味が絶妙で初めて飲んだ時から気に入っていた。特に寒くなってきてからは、何度かねだって作ってもらっていた。
夕飯も、これも。俺が何かに悩んでいることを心配して、好物を用意してくれたんだ。
ツンと痛む鼻の奥を誤魔化すようにひとくち飲み下すと、ワインの熱がじんわりと体に染み渡る。気付かなかったけど、体は冷えていたらしい。
「あったかい……」
ギルは俺の頭を撫でると、サイドテーブルに置いてあった本を開いた。
マグカップに視線を戻し、ひとくち、またひとくちと飲み進める。ぽかぽかと体が温まってくると、心も少し軽くなった気がした。
食後、寝るまでの時間はいつもふたりでリビングで過ごす。話をする時もあれば、それぞれ違うことをする時も、何もせずにただ寄り添うだけの時もある。
華やかなことなどない。ただ穏やかに過ぎていく時間。この時間が、俺は何より好きだった。
読書をしているギルを邪魔しないよう、ちらりと盗み見る。
真剣な目元、それを縁取る長い睫毛、すっと通った鼻筋は最適なバランスで配置されており、その顔立ちは美しくも男らしい。
そして、艶やかに濡れたやわらかそうな薄桃色の唇――俺はそれから目が離せなかった。
触れたらどんな感触なんだろうか。マシュマロのように柔らかいんだろうか。
じっと見すぎていたか、ギルが俺の方に顔を傾けた。ギルの視線は俺の顔を通り過ぎ、後ろの窓を捉えた。
「あっ……」
小さく声を上げたギルの視線を辿った先、暗い窓の外には、はらりと舞う白いものが見えた。
「雪……」
数日のうちに、俺は凌辱未遂にあう。現実味を帯びてきた事件に小さく身震いすると、ギルは肩を抱き寄せ上着をかけてくれた。伝わる体温に、緊張していた体が緩んでいく。俺は深く息を吐いて、ギルの胸に頭を埋めた。
言葉は無い。
静かな部屋に、パチパチと弾ける暖炉の音だけが聞こえる。
まるで世界に二人きりのような、そんな錯覚を起こしそうだった。
「ギル……」
溢れそうな思いが、声となって空気を震わした。
顔を上げると、ギルはじっと俺を見つめていた。暖炉の炎がギルの美しい瞳に反射して怪しく揺らめく。その視線に、心臓が壊れそうなくらい早鐘を打った。
静かな薄暗い部屋。見つめ合う二人。まるで恋人同士のような距離感。
この雰囲気に、流されてはくれないだろうか。
俺は少し体を寄せ、ゆっくりと目を閉じた。
息を呑む気配の後、衣擦れの音がしたと思ったら、唇にふにっと何かが触れ、離れていった。
ハッとして目を開けると、至近距離にギルの青い瞳が見える。動けないまま凝視していると、ギルはふっと小さく笑って目を閉じた。近付く顔に俺もぎゅっと目を閉じる。2回、3回と触れるだけのキスを繰り返していくうちに、俺はいつしかギルに縋りついていた。
ただ皮膚を触れ合わせているだけなのに、どうしてこんなに心が満たされるんだろう。
暖かな腕の中で、俺の心はふわふわとした多幸感でいっぱいだった。
「レイ……」
至近距離で低く囁かれた名に、急速に頭が冷えてくる。
俺、今、何を――?
慌ててギルの腕の中から抜け出すと、自室に駆け込んだ。勢いよく扉を閉め、そのままベッドにダイブする。
「……俺、キスした……? ギルと……?」
合わせるだけの、優しい接触だったが、唇と唇が触れ合ったのは間違いない。
枕に顔を埋めて足をバタバタさせる。落ち着きたいのに、ドキドキが止まらなかった。
「うぅ……俺、今日眠れるかな……」
しばらくベッドの上で悶えていた俺だったが、いつの間にか寝入っていたらしく、次に気付いたときにはもう朝だった。
「……いさま!」
「…………」
「お兄様! 聞いてますの?」
耳元で聞こえた大声に、椅子から滑り落ちそうになるのをすんでのところで耐える。
顔を上げると、さっきまで向かいに座っていた筈のリリーがすぐ隣に立っていた。
あれから一晩明けた今日は、俺の休みに合わせてリリーが遊びにくる日だった。ギルは仕事だから、ふたりだけでのお茶会だ。
「えっ、あ、ええと、……なんだっけ」
「……もう、お兄様ったら。さっきからぼーっとしすぎですわよ」
リリーは席に戻ると、わざとらしくため息をついた。
「あいつ――ギルに何かされましたの?」
反射的に唇を触ると、途端にキスの感触が蘇って顔に熱が集まる。
「い、いや! 何もなかった!」
ブンブンと首を振る俺を、リリーはジトリと見ていた。
今朝、気まずい気持ちで目を覚ました俺だが、ギルは何事も無かったかのようにいつもと変わらなかった。
ギルにとってはあのキスに大した意味なんて無くて、きっと家族のじゃれあいの一環のようなものなんだろう。
「本当に、何もないんだよ」
キスを拒まれなかったから嫌われてはいないだろう。それは嬉しい事だけど、俺はそれだけでは満足出来ないようになってしまった。
こんなんで本当にギルの事を諦められるんだろうか。振られてもなお、意地汚く泣き縋ってしまいそうだ。
そうなればきっとギルは俺の事をうっとおしく思うようになるだろうから、きっぱり振ってもらえそうだし却って良いのかも。
思考が沈みそうになる俺に、リリーは眉を顰めると、俺から視線を外して腕を組んだ。
「お、お兄様っ! 私だって頭ごなしに反対する訳ではありませんのよ! ……お兄様が幸せだと思うのでしたら、悔しいですが……」
言葉を濁すリリーの様子に、俺はようやく理解した。リリーはギルのことが好きなんだ。でも、俺がギルを好きだとアピールしすぎていてこれまでそれを言えずにいたんだ。
「俺の幸せはリリーが幸せになってくれることだよ」
それは嘘偽りのない俺の気持ちだ。口に出せば、それはストンと胸の奥に落ちて来た。
この世界で俺の役割はあくまでモブで、主人公とヒロインを結びつける舞台装置でしかない。だから、俺がギルの心を手に入れることは絶対に出来ない。
それに。
作者として物語を成就させること以上に、ひとりの兄として妹の幸せを願わずにはいられなかった。
「もう……自分の幸せもちゃんと考えてくださいまし?」
「うん。わかってるよ」
顔を赤らめて微笑む姿は、とても愛らしい。俺のために身を引こうだなんて健気に言ってくれる心優しいリリーこそ、ギルに相応しいんだ。
頼りない兄だけど、頑張るから。
ギルとリリーの幸せの為なら、俺はなんでもするよ。
俺は特に何をするでもなく、日の落ちかけた窓の外を見つめていた。
昼間見た雲の様子からすると、今晩辺り雪が降りだしてもおかしくない。
辺境では雪が降りだすと一気に積もるから、明日の朝には周り一面雪景色になるかもしれない。
ここ数日俺には大きな悩みがあった。
2回目の大きなトラブル――冒険者による凌辱未遂事件は、雪が積もってすぐの出来事だ。だから雪が降りだしてしまえば、いつ起こってもおかしくないのだ。
ナタリーとの仲がどれくらい進展しているのかは分からないけど、小説では事件を機にさらに仲が深まったのだ。失敗する訳にはいかない。
体を触られるくらいはがんばって我慢するとして、それ以上の事をされる前に助けに来てくれるのを祈るしかない。
覚悟はしたつもりだけど、実際にその日が近付いていると思うとどうしても憂鬱なのだ。
せめてファーストキスだけでも、好きなひとと出来たなら――
「……ふぅ」
「どうしたの、レイ。何か心配事?」
気遣わしげなギルの声に、俺は無意識に溜め息を吐いていた事に気付いた。
「いや、何でもないよ。それより、今日のご飯はなに?」
笑顔を作り明るく振舞うと、ギルはそれ以上踏み込まないでいてくれた。
今まで悩み事はなんだってギルに話してきたけど、こればっかりは言えない。ギルに心配をかけてしまうのは心苦しくもあるけど、嬉しくも思ってしまう。
そのことに少しの罪悪感を覚えつつ、食卓へ着いた。
「わぁ、美味しそう! いただきます!」
机の上には俺の好物ばかりが並んでいた。カトラリーを手に、食べ進める。しかし、すぐに胸がいっぱいになって食べられなくなってしまった。
「……ごちそうさま」
「それだけでいいの?」
「うん。もうお腹いっぱい。美味しかったよ」
本当にとても美味しかったのに、結局半分くらいは残してしまった。明日の朝に食べると伝え、冷蔵庫へしまう。ギルはそんな俺を心配そうに見つめていた。
片付けをしてくれると言うギルに感謝を述べて、俺はリビングのソファに座った。ひじ掛けにもたれながら窓に目を向ける。
「少し、痩せたかも」
黒いペンキで塗られたような窓には、冴えない俺の顔が映り込んでいた。ただでさえ華のない顔立ちなのに、辛気臭い表情は見せられたもんじゃない。無理やり口角を上げると、窓に映った俺はぎこちなく笑った。
「雪、降りそうだね」
キッチンから戻って来たギルは俺の隣に座ると、二つ持っていたマグカップのうち片方を手渡してきた。
それを両手で包み込むように受け取る。火傷しない程度に温かいマグカップには、ホットワインが入っていた。
この世界では18歳から飲酒可能だ。俺も今世ではようやく飲めるようになったばかりだから、体がお酒にあまり慣れてない。でも、ギルが作ってくれるこのホットワインは、スパイスの香りととワインの旨味が絶妙で初めて飲んだ時から気に入っていた。特に寒くなってきてからは、何度かねだって作ってもらっていた。
夕飯も、これも。俺が何かに悩んでいることを心配して、好物を用意してくれたんだ。
ツンと痛む鼻の奥を誤魔化すようにひとくち飲み下すと、ワインの熱がじんわりと体に染み渡る。気付かなかったけど、体は冷えていたらしい。
「あったかい……」
ギルは俺の頭を撫でると、サイドテーブルに置いてあった本を開いた。
マグカップに視線を戻し、ひとくち、またひとくちと飲み進める。ぽかぽかと体が温まってくると、心も少し軽くなった気がした。
食後、寝るまでの時間はいつもふたりでリビングで過ごす。話をする時もあれば、それぞれ違うことをする時も、何もせずにただ寄り添うだけの時もある。
華やかなことなどない。ただ穏やかに過ぎていく時間。この時間が、俺は何より好きだった。
読書をしているギルを邪魔しないよう、ちらりと盗み見る。
真剣な目元、それを縁取る長い睫毛、すっと通った鼻筋は最適なバランスで配置されており、その顔立ちは美しくも男らしい。
そして、艶やかに濡れたやわらかそうな薄桃色の唇――俺はそれから目が離せなかった。
触れたらどんな感触なんだろうか。マシュマロのように柔らかいんだろうか。
じっと見すぎていたか、ギルが俺の方に顔を傾けた。ギルの視線は俺の顔を通り過ぎ、後ろの窓を捉えた。
「あっ……」
小さく声を上げたギルの視線を辿った先、暗い窓の外には、はらりと舞う白いものが見えた。
「雪……」
数日のうちに、俺は凌辱未遂にあう。現実味を帯びてきた事件に小さく身震いすると、ギルは肩を抱き寄せ上着をかけてくれた。伝わる体温に、緊張していた体が緩んでいく。俺は深く息を吐いて、ギルの胸に頭を埋めた。
言葉は無い。
静かな部屋に、パチパチと弾ける暖炉の音だけが聞こえる。
まるで世界に二人きりのような、そんな錯覚を起こしそうだった。
「ギル……」
溢れそうな思いが、声となって空気を震わした。
顔を上げると、ギルはじっと俺を見つめていた。暖炉の炎がギルの美しい瞳に反射して怪しく揺らめく。その視線に、心臓が壊れそうなくらい早鐘を打った。
静かな薄暗い部屋。見つめ合う二人。まるで恋人同士のような距離感。
この雰囲気に、流されてはくれないだろうか。
俺は少し体を寄せ、ゆっくりと目を閉じた。
息を呑む気配の後、衣擦れの音がしたと思ったら、唇にふにっと何かが触れ、離れていった。
ハッとして目を開けると、至近距離にギルの青い瞳が見える。動けないまま凝視していると、ギルはふっと小さく笑って目を閉じた。近付く顔に俺もぎゅっと目を閉じる。2回、3回と触れるだけのキスを繰り返していくうちに、俺はいつしかギルに縋りついていた。
ただ皮膚を触れ合わせているだけなのに、どうしてこんなに心が満たされるんだろう。
暖かな腕の中で、俺の心はふわふわとした多幸感でいっぱいだった。
「レイ……」
至近距離で低く囁かれた名に、急速に頭が冷えてくる。
俺、今、何を――?
慌ててギルの腕の中から抜け出すと、自室に駆け込んだ。勢いよく扉を閉め、そのままベッドにダイブする。
「……俺、キスした……? ギルと……?」
合わせるだけの、優しい接触だったが、唇と唇が触れ合ったのは間違いない。
枕に顔を埋めて足をバタバタさせる。落ち着きたいのに、ドキドキが止まらなかった。
「うぅ……俺、今日眠れるかな……」
しばらくベッドの上で悶えていた俺だったが、いつの間にか寝入っていたらしく、次に気付いたときにはもう朝だった。
「……いさま!」
「…………」
「お兄様! 聞いてますの?」
耳元で聞こえた大声に、椅子から滑り落ちそうになるのをすんでのところで耐える。
顔を上げると、さっきまで向かいに座っていた筈のリリーがすぐ隣に立っていた。
あれから一晩明けた今日は、俺の休みに合わせてリリーが遊びにくる日だった。ギルは仕事だから、ふたりだけでのお茶会だ。
「えっ、あ、ええと、……なんだっけ」
「……もう、お兄様ったら。さっきからぼーっとしすぎですわよ」
リリーは席に戻ると、わざとらしくため息をついた。
「あいつ――ギルに何かされましたの?」
反射的に唇を触ると、途端にキスの感触が蘇って顔に熱が集まる。
「い、いや! 何もなかった!」
ブンブンと首を振る俺を、リリーはジトリと見ていた。
今朝、気まずい気持ちで目を覚ました俺だが、ギルは何事も無かったかのようにいつもと変わらなかった。
ギルにとってはあのキスに大した意味なんて無くて、きっと家族のじゃれあいの一環のようなものなんだろう。
「本当に、何もないんだよ」
キスを拒まれなかったから嫌われてはいないだろう。それは嬉しい事だけど、俺はそれだけでは満足出来ないようになってしまった。
こんなんで本当にギルの事を諦められるんだろうか。振られてもなお、意地汚く泣き縋ってしまいそうだ。
そうなればきっとギルは俺の事をうっとおしく思うようになるだろうから、きっぱり振ってもらえそうだし却って良いのかも。
思考が沈みそうになる俺に、リリーは眉を顰めると、俺から視線を外して腕を組んだ。
「お、お兄様っ! 私だって頭ごなしに反対する訳ではありませんのよ! ……お兄様が幸せだと思うのでしたら、悔しいですが……」
言葉を濁すリリーの様子に、俺はようやく理解した。リリーはギルのことが好きなんだ。でも、俺がギルを好きだとアピールしすぎていてこれまでそれを言えずにいたんだ。
「俺の幸せはリリーが幸せになってくれることだよ」
それは嘘偽りのない俺の気持ちだ。口に出せば、それはストンと胸の奥に落ちて来た。
この世界で俺の役割はあくまでモブで、主人公とヒロインを結びつける舞台装置でしかない。だから、俺がギルの心を手に入れることは絶対に出来ない。
それに。
作者として物語を成就させること以上に、ひとりの兄として妹の幸せを願わずにはいられなかった。
「もう……自分の幸せもちゃんと考えてくださいまし?」
「うん。わかってるよ」
顔を赤らめて微笑む姿は、とても愛らしい。俺のために身を引こうだなんて健気に言ってくれる心優しいリリーこそ、ギルに相応しいんだ。
頼りない兄だけど、頑張るから。
ギルとリリーの幸せの為なら、俺はなんでもするよ。
69
あなたにおすすめの小説
弟がガチ勢すぎて愛が重い~魔王の座をささげられたんだけど、どうしたらいい?~
マツヲ。
BL
久しぶりに会った弟は、現魔王の長兄への謀反を企てた張本人だった。
王家を恨む弟の気持ちを知る主人公は死を覚悟するものの、なぜかその弟は王の座を捧げてきて……。
というヤンデレ弟×良識派の兄の話が読みたくて書いたものです。
この先はきっと弟にめっちゃ執着されて、おいしく食われるにちがいない。
異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載
シナリオ回避失敗して投獄された悪役令息は隊長様に抱かれました
無味無臭(不定期更新)
BL
悪役令嬢の道連れで従兄弟だった僕まで投獄されることになった。
前世持ちだが結局役に立たなかった。
そもそもシナリオに抗うなど無理なことだったのだ。
そんなことを思いながら収監された牢屋で眠りについた。
目を覚ますと僕は見知らぬ人に抱かれていた。
…あれ?
僕に風俗墜ちシナリオありましたっけ?
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
転生したらスパダリに囲われていました……え、違う?
米山のら
BL
王子悠里。苗字のせいで“王子さま”と呼ばれ、距離を置かれてきた、ぼっち新社会人。
ストーカーに追われ、車に轢かれ――気づけば豪奢なベッドで目を覚ましていた。
隣にいたのは、氷の騎士団長であり第二王子でもある、美しきスパダリ。
「愛してるよ、私のユリタン」
そう言って差し出されたのは、彼色の婚約指輪。
“最難関ルート”と恐れられる、甘さと狂気の狭間に立つ騎士団長。
成功すれば溺愛一直線、けれど一歩誤れば廃人コース。
怖いほどの執着と、甘すぎる愛の狭間で――悠里の新しい人生は、いったいどこへ向かうのか?
……え、違う?
性技Lv.99、努力Lv.10000、執着Lv.10000の勇者が攻めてきた!
モト
BL
異世界転生したら弱い悪魔になっていました。でも、異世界転生あるあるのスキル表を見る事が出来た俺は、自分にはとんでもない天性資質が備わっている事を知る。
その天性資質を使って、エルフちゃんと結婚したい。その為に旅に出て、強い魔物を退治していくうちに何故か魔王になってしまった。
魔王城で仕方なく引きこもり生活を送っていると、ある日勇者が攻めてきた。
その勇者のスキルは……え!? 性技Lv.99、努力Lv.10000、執着Lv.10000、愛情Max~~!?!?!?!?!?!
ムーンライトノベルズにも投稿しておりすがアルファ版のほうが長編になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる