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第1部
10 事件の行方は?
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研究所に着くと、時刻はもう昼に近かった。俺は昼食を手早く食べ終え、研究室に籠った。
特別な用事がない限り、午後は薬を作ったり薬草の加工をする事が多い。俺はその合間時間を利用して、ヘドロサーペント症候群の治療薬を作った。
作り方は難しくはない。材料を刻み小鍋で煮込む。全体が溶けたらくるくるとかき混ぜながら、仕上げに呪文を唱える。途端に液体の色が緑に変わった。粗熱を取って瓶3本に分けて詰めたら完成だ。
「受け取ってもらえると良いけど」
ストーリー通りに事件が起こってしまうなら、その時に渡せたらいい。この薬は服用した直後、一時的に病気の症状を緩和することが出来る。短時間でも正気に戻すことが出来たら、その隙に逃げるなり説得するなり出来るだろう。
ただ、症状を考えると素直に受け取ってもらえない可能性も高い。場合によっては無理やり飲ませることも覚悟しないと。相手の口に薬瓶を押し込むイメージトレーニングをしながら、俺は薬をポーチにしまった。
「レイ~! 旦那さんがお迎えだよ! エントランスでお待ちだ」
終業の鐘が鳴ると同時に、先輩が研究室に飛び込んできた。
「はいはい、今行きます」
俺は適当にあしらうと、薬草を棚にしまった。
先輩の言う『旦那さん』とはギルの事だ。何度言ってもこの呼び方を止めてくれないから、もう訂正する気も起きない。
「でもよく考えたら、ギルが『旦那さん』なら俺は『お嫁さん』ってこと……?」
漏れ出た呟きに思わず赤面してしまった顔を手のひらで冷やしてから、荷物を持って研究所のエントランスへ向かった。
「ギル! 待たせちゃった?」
「いや、俺が勝手に来ちゃっただけだし。レイの方こそ、急がせて悪かったね」
「大丈夫大丈夫。それより、何かあった?」
ギルが迎えに来ることはたまにあるが、いつもは朝に迎えに行くと伝えてくれる。行き違いが無いようにするためだ。だから今日みたいに予告なしで迎えに来てくれるのは初めてだった。
「何かあったのはレイの方でしょ」
ギルはムッと唇を結ぶと、俺の頭を撫でた。
「今日の朝、冒険者に絡まれたんだろう? でも大丈夫。そいつは捕まえたよ」
「えっ?」
ギルの話によると、あの後街中に出た冒険者は酒場の店先でトラブルを起こし、騎士団に拘束されたらしい。
「だからもう安心して良いよ」
大好きなギルの笑顔を尻目に、俺の胸中には複雑な思いが渦巻いていた。
あの人が捕まったのなら陵辱未遂事件は起こらないだろう。このまま事件を忘れて日常を過ごしても、何ら問題は無い。
だけど、事件があの人の本意でなく、病気のせいであるかもしれないと気付いてしまった以上、このまま放っておく事は出来なかった。
「ギル、今からその人に会えないかな?」
俺はポーチの中から薬瓶を取り出した。
「ヘドロサーペント症候群の可能性があるんだ。薬が用意してある。これを渡すだけで良いから……」
ギルは片眉を上げ、薬瓶ごと俺の手を取った。
「これは俺が明日渡しておくよ。今日は帰ってゆっくりしよう」
「治療はなるべく早い方が良いんだ。そうだな、ギルの手を煩わせるまでも無い。俺が今から騎士団の詰め所に行って――」
「レイ」
焦る俺を宥めるように、ギルは少し背をかがめて俺の目を見た。
「分かったよ。今から一緒に行こう」
俺が何度も頷くと、ギルは少し困ったように眉を下げた。
「団長さん!」
騎士団の詰め所に入ってすぐ、目的の人物に出会った。収監者の管理は騎士団長が責任者となっているため、まずは直談判に来たのだ。
「おお、レイ坊! 今日は災難だったな」
「そのことなんですけど、あの人はヘドロサーペント症候群かもしれません」
「冒険者ギルドのマスターからも連絡があった。医者に診てもらったが、可能性は高いそうだ。だが、治療薬が――」
「治療薬なら用意してあります。投与の許可をいただけませんか?」
団長さんは少し考えた後、俺の肩をポンと叩いた。
「ちょっと待ってろ。医者を呼んでくる」
「……確かに、ヘドロサーペント症候群の治療薬ですね」
薬瓶を検めていた医師が神妙に頷いた。
「しかし、これをどこで手にいれたのです?」
「作りました。俺は薬師なので」
「しかし、そう簡単に出来るものではないでしょう?」
「一般的なレシピなら、そうですね。ですが俺には『製薬』スキルがあるので」
前世を思い出してから、俺は『製薬』スキルの本当の使い方を理解した。作りたい薬の特徴を具体的にイメージすることで、そのイメージに合った薬のレシピが頭に浮かんでくる。それが『製薬』スキルの特徴だが、俺は最初に上手く薬のイメージを纏めることが出来ず、スキルを使いこなすことが出来なかった。しかし、プログラミングのように体系立ててイメージを組み立てるようにしてみたところ、スキルの精度が格段に上がったのだ。
薬の安全性が確認された為、さっそく患者に投与することに決まった。
「あの、もし出来れば俺も立ちあわせてくれませんか?」
「レイ、危ないよ」
「薬の効果がちゃんと出るのか、薬師としてこの目で確かめたいんだ」
作った薬の効果には自信はある。でも、初めて使う薬だから100%効果があるとは言い切れなかった。もし何か副作用が出てしまった場合、手持ちの薬草で処置を手伝えるかもしれない。
「顔が見えないようローブを深くかぶった上で、格子越しでなら許可しよう」
「そんな! 俺は反対です」
「大丈夫。だって、ギルがいるから」
ギルはハッとした目で俺を見た。
「守って、くれるんだろ?」
それはここ、辺境領に来たときにした最初の約束。ギルが俺と住むことになった理由でもある。今でも俺とギルは友人なんだから、この約束は有効だろう。
「勿論、何に代えても」
ギルが俺の手を取り、指先にそっと口付ける。
その様子をギルマスが呆れたような目で眺めていた事に、俺は気付かなかった。
団長さんの指示で警備中の騎士が地下牢の扉を開けると、中から怒号が聞こえた。
「俺を誰だと思ってんだ! 出せ!」
フードを深くかぶりなおして足を踏み入れる。そこにいた男は、独房の壁に固定された鎖で両手足を拘束されていた。
男は俺たちの姿を見つけると、大きく身を捩った。鎖がぶつかりガシャンと大きく音を立てる。手枷のはまった手首からは一筋、血が流れていた。
「正気じゃない……」
朝見たときより、病状はだいぶ進んでいるようだった。やっぱり、今日来て良かった。
男の刃物のような鋭い視線を感じ、思わずギルの背に隠れる。ギルは男から目を逸らさないまま、後ろ手に俺を支えてくれた。
緊迫する空気の中、男が届かないギリギリの位置に立ちながら、医師は冷静に診察していた。
「ふむ、経口投与は無理そうですね」
そう判断するや否や、医師は注射器で薬を吸い上げると素早く首筋に突き立てた。
「ぐ、あ……」
男はビクンと体を跳ねると、小さく呻きながら項垂れた。
「あ……ぁ……わ、たしは……なんて、ことを……ぐっ!」
男の眼に理性の光が灯る。薬は無事、効いているようだ。しかし男の苦しそうな様子に心配が募る。
その様子を間近で見ていながら、医者はあくまで冷静だった。
「薬が効いたようですね。聞こえますか? 治療のためにこの薬を飲んでください。経口投与の方が効き目が高いので」
そう言いながら薬瓶を男の口に押し付けた。
男は顔をしかめながらも嚥下すると、やがてぐったりと壁にもたれかり、ピクリとも動かなくなった。
「あの人、大丈夫かな」
「あいつの治療はいつも的確だ。やり方は少々荒いが、な」
茶化すような口ぶりだったが、団長さんの顔色は優れなかった。治療された時の事を思い出してしまったらしい。
「さあさあ。この人を運んでください」
医者はギルと団長さんに指示して男をベッドに寝かさせた。拘束具は付けたままだ。
「意識が戻った時に症状がぶり返すかもしれませんので、警戒は怠らないように」
医者の見立てでは、薬の効果を鑑みるとあと3日も治療を続ければ完治するらしいが、大事を取って1週間ほど治療を続けることになった。
その場を団長さんと医者に任せ、詰め所を出る。さっきは降っていなかったのに、いつの間にか激しい吹雪に変わっていた。
「おいで。雪避けのマント、持っていないだろ?」
呼ばれるままにギルのマントの中に潜り込む。吹雪の中でもふたりでくっついていれば、暖かかった。
「ギル、ありがと」
「いえいえ。俺もこっちの方があったかいから」
「マントもそうだけどさ、連れてきてくれて」
何だか気恥ずかしくなって、ギルの腕に顔を埋めた。
「きっと俺だけで行っても詰め所の中に入るだけで一苦労だったよ。ギルが居てくれたおかげで、こんなに早く処置が出来たんだ」
顔を上げられないままの俺の頭を、ギルの手が優しく撫でた。
「……レイは本当に優しいね。自分に乱暴した相手も助けようだなんて」
「そんなでもないよ」
俺は自分が助かる可能性を上げるために作っただけなんだから。それに薬師の端くれとして、薬で治る病気を抱える人を見過ごせないのは当たり前のことだ。
だから、ギルに褒められて嬉しくもあったが、騙すようで申し訳なくもあった。
かくして、凌辱未遂事件は起こらなかった。
ストレスから解放された安堵からか、俺は家に付いた途端に落ちるように寝入ってしまった。
特別な用事がない限り、午後は薬を作ったり薬草の加工をする事が多い。俺はその合間時間を利用して、ヘドロサーペント症候群の治療薬を作った。
作り方は難しくはない。材料を刻み小鍋で煮込む。全体が溶けたらくるくるとかき混ぜながら、仕上げに呪文を唱える。途端に液体の色が緑に変わった。粗熱を取って瓶3本に分けて詰めたら完成だ。
「受け取ってもらえると良いけど」
ストーリー通りに事件が起こってしまうなら、その時に渡せたらいい。この薬は服用した直後、一時的に病気の症状を緩和することが出来る。短時間でも正気に戻すことが出来たら、その隙に逃げるなり説得するなり出来るだろう。
ただ、症状を考えると素直に受け取ってもらえない可能性も高い。場合によっては無理やり飲ませることも覚悟しないと。相手の口に薬瓶を押し込むイメージトレーニングをしながら、俺は薬をポーチにしまった。
「レイ~! 旦那さんがお迎えだよ! エントランスでお待ちだ」
終業の鐘が鳴ると同時に、先輩が研究室に飛び込んできた。
「はいはい、今行きます」
俺は適当にあしらうと、薬草を棚にしまった。
先輩の言う『旦那さん』とはギルの事だ。何度言ってもこの呼び方を止めてくれないから、もう訂正する気も起きない。
「でもよく考えたら、ギルが『旦那さん』なら俺は『お嫁さん』ってこと……?」
漏れ出た呟きに思わず赤面してしまった顔を手のひらで冷やしてから、荷物を持って研究所のエントランスへ向かった。
「ギル! 待たせちゃった?」
「いや、俺が勝手に来ちゃっただけだし。レイの方こそ、急がせて悪かったね」
「大丈夫大丈夫。それより、何かあった?」
ギルが迎えに来ることはたまにあるが、いつもは朝に迎えに行くと伝えてくれる。行き違いが無いようにするためだ。だから今日みたいに予告なしで迎えに来てくれるのは初めてだった。
「何かあったのはレイの方でしょ」
ギルはムッと唇を結ぶと、俺の頭を撫でた。
「今日の朝、冒険者に絡まれたんだろう? でも大丈夫。そいつは捕まえたよ」
「えっ?」
ギルの話によると、あの後街中に出た冒険者は酒場の店先でトラブルを起こし、騎士団に拘束されたらしい。
「だからもう安心して良いよ」
大好きなギルの笑顔を尻目に、俺の胸中には複雑な思いが渦巻いていた。
あの人が捕まったのなら陵辱未遂事件は起こらないだろう。このまま事件を忘れて日常を過ごしても、何ら問題は無い。
だけど、事件があの人の本意でなく、病気のせいであるかもしれないと気付いてしまった以上、このまま放っておく事は出来なかった。
「ギル、今からその人に会えないかな?」
俺はポーチの中から薬瓶を取り出した。
「ヘドロサーペント症候群の可能性があるんだ。薬が用意してある。これを渡すだけで良いから……」
ギルは片眉を上げ、薬瓶ごと俺の手を取った。
「これは俺が明日渡しておくよ。今日は帰ってゆっくりしよう」
「治療はなるべく早い方が良いんだ。そうだな、ギルの手を煩わせるまでも無い。俺が今から騎士団の詰め所に行って――」
「レイ」
焦る俺を宥めるように、ギルは少し背をかがめて俺の目を見た。
「分かったよ。今から一緒に行こう」
俺が何度も頷くと、ギルは少し困ったように眉を下げた。
「団長さん!」
騎士団の詰め所に入ってすぐ、目的の人物に出会った。収監者の管理は騎士団長が責任者となっているため、まずは直談判に来たのだ。
「おお、レイ坊! 今日は災難だったな」
「そのことなんですけど、あの人はヘドロサーペント症候群かもしれません」
「冒険者ギルドのマスターからも連絡があった。医者に診てもらったが、可能性は高いそうだ。だが、治療薬が――」
「治療薬なら用意してあります。投与の許可をいただけませんか?」
団長さんは少し考えた後、俺の肩をポンと叩いた。
「ちょっと待ってろ。医者を呼んでくる」
「……確かに、ヘドロサーペント症候群の治療薬ですね」
薬瓶を検めていた医師が神妙に頷いた。
「しかし、これをどこで手にいれたのです?」
「作りました。俺は薬師なので」
「しかし、そう簡単に出来るものではないでしょう?」
「一般的なレシピなら、そうですね。ですが俺には『製薬』スキルがあるので」
前世を思い出してから、俺は『製薬』スキルの本当の使い方を理解した。作りたい薬の特徴を具体的にイメージすることで、そのイメージに合った薬のレシピが頭に浮かんでくる。それが『製薬』スキルの特徴だが、俺は最初に上手く薬のイメージを纏めることが出来ず、スキルを使いこなすことが出来なかった。しかし、プログラミングのように体系立ててイメージを組み立てるようにしてみたところ、スキルの精度が格段に上がったのだ。
薬の安全性が確認された為、さっそく患者に投与することに決まった。
「あの、もし出来れば俺も立ちあわせてくれませんか?」
「レイ、危ないよ」
「薬の効果がちゃんと出るのか、薬師としてこの目で確かめたいんだ」
作った薬の効果には自信はある。でも、初めて使う薬だから100%効果があるとは言い切れなかった。もし何か副作用が出てしまった場合、手持ちの薬草で処置を手伝えるかもしれない。
「顔が見えないようローブを深くかぶった上で、格子越しでなら許可しよう」
「そんな! 俺は反対です」
「大丈夫。だって、ギルがいるから」
ギルはハッとした目で俺を見た。
「守って、くれるんだろ?」
それはここ、辺境領に来たときにした最初の約束。ギルが俺と住むことになった理由でもある。今でも俺とギルは友人なんだから、この約束は有効だろう。
「勿論、何に代えても」
ギルが俺の手を取り、指先にそっと口付ける。
その様子をギルマスが呆れたような目で眺めていた事に、俺は気付かなかった。
団長さんの指示で警備中の騎士が地下牢の扉を開けると、中から怒号が聞こえた。
「俺を誰だと思ってんだ! 出せ!」
フードを深くかぶりなおして足を踏み入れる。そこにいた男は、独房の壁に固定された鎖で両手足を拘束されていた。
男は俺たちの姿を見つけると、大きく身を捩った。鎖がぶつかりガシャンと大きく音を立てる。手枷のはまった手首からは一筋、血が流れていた。
「正気じゃない……」
朝見たときより、病状はだいぶ進んでいるようだった。やっぱり、今日来て良かった。
男の刃物のような鋭い視線を感じ、思わずギルの背に隠れる。ギルは男から目を逸らさないまま、後ろ手に俺を支えてくれた。
緊迫する空気の中、男が届かないギリギリの位置に立ちながら、医師は冷静に診察していた。
「ふむ、経口投与は無理そうですね」
そう判断するや否や、医師は注射器で薬を吸い上げると素早く首筋に突き立てた。
「ぐ、あ……」
男はビクンと体を跳ねると、小さく呻きながら項垂れた。
「あ……ぁ……わ、たしは……なんて、ことを……ぐっ!」
男の眼に理性の光が灯る。薬は無事、効いているようだ。しかし男の苦しそうな様子に心配が募る。
その様子を間近で見ていながら、医者はあくまで冷静だった。
「薬が効いたようですね。聞こえますか? 治療のためにこの薬を飲んでください。経口投与の方が効き目が高いので」
そう言いながら薬瓶を男の口に押し付けた。
男は顔をしかめながらも嚥下すると、やがてぐったりと壁にもたれかり、ピクリとも動かなくなった。
「あの人、大丈夫かな」
「あいつの治療はいつも的確だ。やり方は少々荒いが、な」
茶化すような口ぶりだったが、団長さんの顔色は優れなかった。治療された時の事を思い出してしまったらしい。
「さあさあ。この人を運んでください」
医者はギルと団長さんに指示して男をベッドに寝かさせた。拘束具は付けたままだ。
「意識が戻った時に症状がぶり返すかもしれませんので、警戒は怠らないように」
医者の見立てでは、薬の効果を鑑みるとあと3日も治療を続ければ完治するらしいが、大事を取って1週間ほど治療を続けることになった。
その場を団長さんと医者に任せ、詰め所を出る。さっきは降っていなかったのに、いつの間にか激しい吹雪に変わっていた。
「おいで。雪避けのマント、持っていないだろ?」
呼ばれるままにギルのマントの中に潜り込む。吹雪の中でもふたりでくっついていれば、暖かかった。
「ギル、ありがと」
「いえいえ。俺もこっちの方があったかいから」
「マントもそうだけどさ、連れてきてくれて」
何だか気恥ずかしくなって、ギルの腕に顔を埋めた。
「きっと俺だけで行っても詰め所の中に入るだけで一苦労だったよ。ギルが居てくれたおかげで、こんなに早く処置が出来たんだ」
顔を上げられないままの俺の頭を、ギルの手が優しく撫でた。
「……レイは本当に優しいね。自分に乱暴した相手も助けようだなんて」
「そんなでもないよ」
俺は自分が助かる可能性を上げるために作っただけなんだから。それに薬師の端くれとして、薬で治る病気を抱える人を見過ごせないのは当たり前のことだ。
だから、ギルに褒められて嬉しくもあったが、騙すようで申し訳なくもあった。
かくして、凌辱未遂事件は起こらなかった。
ストレスから解放された安堵からか、俺は家に付いた途端に落ちるように寝入ってしまった。
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