【R18】勇者の契約にはルールが多い

香山

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日々のルーティーン

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朝、勇者の部屋に行き起こすのは契約者の役目だ。

「勇者殿、起きてください」
ちゅ、と触れるだけのキスをする。
これだけで起きる時もあるが、今日はそうはいかないらしい。
唇を舌で割り開き、先端で歯をノックすると、応えるように薄く開いた。
そこから口腔内に侵入し、舌で刺激する。
くちゅくちゅと音を立てて唾液を絡ませた。
ちゅぽんと音を立てて唇を離すと、勇者はとろりと目を開き、注いだ唾液を甘露のように飲み干した。

「おはよう、ユーリ。上達したね」

勇者はうっとりとした表情で、褒めてくれた。
練習すればこれくらい余裕だ。もう最初のような失態は晒すまい。

「でも、勇者じゃなくてウィルヘルムって呼んで欲しいな。ウィルでも良いよ」
「それはなりません。勇者殿は私の主ですから」

勇者の事を名前で呼ぶ奴なんて仲間にもいない。
ここで俺が名前で呼んだら不敬だと睨まれてしまうだろう。
俺がきっぱりと拒否すると、勇者は眉を下げて笑った。



午前中はたいてい砦の庭で鍛錬を積む。
俺も魔術師として、勇者の仲間にアドバイスをする。
たかが矮小な人間が多少力を付けたところで魔王にとっては全く脅威にならない為、素直に稽古をつけてやる。
魔族と違い素直に言うことを聞く人間に教えるのは悪くない。



昼食は仲間と食べる事もあるが、今日は勇者とふたりだ。

「はいユーリ、あーん」

ふたりきりの時、食事を食べさせ合うのも契約者として当然のルールだ。
口を開け、肉の塊を咀嚼する。今日の肉料理はソースが絶品だ。

「勇者殿も、あーん」

差し出したフォークに素直に口を開ける姿は雛鳥のようで微笑ましい。

「口の端にソースがついてるよ」

そういうや否やペロリと舐め取られた。

「あ、ありがとうございます……」

ソースをつけてしまうなんて、子供みたいで恥ずかしくて俯いた。



午後の予定は様々だ。
来客がある時もあれば魔物の討伐をする時もあるし、予定がなければ街へ出て住民と触れ合う事もある。
今日は魔物の討伐だ。
今日のメンバーは勇者と俺の他に剣士1人と治癒士1人の計4人のパーティーだ。
俺は後衛として魔術で援護する。
勇者も魔術が使えるが、俺が魔術師として動く事で剣に集中出来るらしく、この役割分担が定着している。
勇者の剣技は敵ながら圧巻のものだ。
単純に技術だけで比較するなら魔王以上かもしれない。
上級魔術を撃ち込みながら、周りの戦いぶりを観察する。
勇者の握る聖剣の切先から、キラキラと光の魔力が流れ出る。
その残滓を纏いながら、勇者は舞うように優雅に戦っていた。



危なげなく魔物を倒し、城へ帰る。
武器の手入れをし仲間と共に夕食を取った後は、風呂の時間だ。



勇者の手が、いつも通り兆してしまった私の中心を扱く。

「んっ……はぁ……きもちいい……っ!」

気持ち良さを伝えるのも契約者として常識だ。

「ユーリ、ここに手をついて」

浴槽の縁に手をかけると、尻を突き出すような体勢になる。
勇者の手が腰を掴み脚を閉じさせらると、股の間に熱い肉塊が差し込まれた。

「あっ…!あんっ!これっ、きもちいいっ!」

パンパンと強く腰を打ち付けられる度に勇者のものが俺のものをゴリゴリと擦り上げて気持ち良い。
より強い刺激が欲しくて、ぎゅっと脚を閉じる。
勇者の手が俺の腰をひと撫ですると、脇から前へ回り込み、胸の尖をきゅっと摘んだ。

「っあ!や!そこはだめぇ……!」

これまでの行為ですっかり赤く育ったそこは、言葉と裏腹に更なる刺激を期待しピンと主張していた。
くりゅくりゅと捏ねられ、時折爪で弾かれる。

「や!やだぁ!摘まないでぇ!」
「ユーリのここはもっと触ってほしいって言ってるよ」
「っはあぁ……!」

上と下、同時の快感にグズグズに溶かされ、浴槽にしがみついた。

「ほらみて、ユーリの顔、凄く気持ち良さそうだよ」

促されて横を向くと、洗い場に設置された大きな鏡が目に入る。
そこには尻を高く上げながらだらしなく口を開けて快楽を貪る自分の姿が映っていた。
白い太腿の間を出入りする赤黒い熱棒が見せつけるようにねっとりと動き、まるで体内なかに入っているような錯覚を起こした。

「ぅ、ああっ……はぁっ…!」

羞恥と興奮から体に力が入り、太腿をきゅっと締め付けた。
俺の絶頂が近いのを感じ取ったからか、勇者の動きが激しくなっていく。

「あっ!あっ!イク!イっちゃう!!」
「俺もイクよ!」

速まるリズムに翻弄されるがまま、俺は勢いよく射精した。
少し遅れて勇者も、グッと肉塊を膨らませ、大量の白濁を吐き出した。



スッキリした後は体を洗い、部屋へ戻るのだが、先程の行為で腰が抜けてしまい、力がうまく入らない。
勇者は甲斐甲斐しく俺の体を洗い、夜着を着せるとベッドへ運んだ。

「すみません、勇者殿……」
「別に良いんだよ。今日はここで寝よう」

ふたりでベッドに入ると、勇者はぎゅっと抱き込んでくる。
触れた胸からトクトクと鼓動が伝わった。

「おやすみ、ユーリ」

勇者の高い体温に眠気が襲ってくる。

「おやすみなさい……ウィル……」

意識を手放す直前、唇に温かいものが触れた気がした。
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