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幼少期編
9 公爵家のパーティー
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公爵家からのパーティーの誘いともなれば断るのは難しく、どうしても行かないといけないらしい。
記憶喪失である俺をいきなりパーティーに連れていくのは侯爵家として、家族として絶対に嫌だったらしいのだが、なんと公爵家当主本人がわざわざ招待状を持ってきてしまったので渋々了承したのだそうだ。…それで、あんなに嫌そうな顔をしてたのか。
「兄様、母様、俺は別に大丈夫ですよ?」
「ライからしてみればそうかもしれない。だけど、とても不安なんだ。もし、ライにまた何か起きてしまったらと思うと………」
「兄様……」
やはり、記憶喪失……俺がクライドになる前に何かあったのだろうか。だが、悪役キャラの過去背景などはゲームに表記されていなかったため、何があったのかは分からない。けど、流石に今はこの話に関して聞かない方が良い、ということは分かる。よし、話を逸らそう。
「ところで、その公爵家って何のパーティーをするんですか?」
「公爵家では、今年6歳を迎える次男がいてね。その誕生日パーティーなんだよ」
「ライも5歳の誕生日の時に、お披露目も兼ねて誕生日パーティーを開いたんだけど……覚えてない、よね…」
「…はい……」
少し沈んだ空気が流れ始めてしまった。これはちょっとまずいな。何か、もっと話を逸らせる話題は……あ、そうだ。
「あの、その……公爵家のパーティーで何かやるべきことはありますか?」
「やる事かい?それなら、基本的には公爵家当主とご子息たちにご挨拶をするだけで……その後ライは自由にしていいよ」
「ご挨拶ってどうやってするのですか?」
「お辞儀をしながら自己紹介をして、その後にお祝いの言葉を述べるんだ。この辺は後で教えてあげるからね」
大体のことは分かったし、このくらいで話はいいだろうと思ったその時。二人とも意図していなかったのであろうが、話し口から衝撃の情報が聞こえてきた。
「それにしても、”クロンディア公爵家”は一体何を考えているんでしょうか…」
「今のレヴェリクト侯爵家に直接招待状を渡しに来たということは、既にこちらの内情を知っているのでしょうけど……」
「……いえ、もしかしたら記憶喪失だということはまだ伝わっていないのかも知れません」
「でも、それを知らないとして一体何を……いえ、もしかしたら────」
その後も何か言っていたような気もするが、衝撃に貫かれた俺の頭には届いていなかった。
〖クロンディア公爵家〗
────それは、この国にある公爵家の1つで武術を得意とする者が多く、一族で代々騎士団長の地位を受け継いでいる家系でもある。そして、攻略対象者であり次期騎士団長でもある【リオネス・クロンディア】の生家なのだ。
(ちょっ!攻略対象者には必要最低限以上は関わらないって決意したばっかりだっのに!!どうして……)
あまりの衝撃に動揺していたまさにその時。ふと、思い出してしまったのだ。
「そ、そうだ……たしか、クライドって…!」
(このリオネス攻略の悪役じゃねぇか!!)
よりによって、クライドが悪役まっしぐらになる一番関わりたく無い相手である。だが、招待はもうすでに受けてしまっているので今更回避は出来ない。
(ど、どうしよう……!なんで今更こんな重要な事を思い出したんだ…!)
あまりの混乱具合に、俺は頭を抱えることしかできなかった。
記憶喪失である俺をいきなりパーティーに連れていくのは侯爵家として、家族として絶対に嫌だったらしいのだが、なんと公爵家当主本人がわざわざ招待状を持ってきてしまったので渋々了承したのだそうだ。…それで、あんなに嫌そうな顔をしてたのか。
「兄様、母様、俺は別に大丈夫ですよ?」
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「兄様……」
やはり、記憶喪失……俺がクライドになる前に何かあったのだろうか。だが、悪役キャラの過去背景などはゲームに表記されていなかったため、何があったのかは分からない。けど、流石に今はこの話に関して聞かない方が良い、ということは分かる。よし、話を逸らそう。
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「ライも5歳の誕生日の時に、お披露目も兼ねて誕生日パーティーを開いたんだけど……覚えてない、よね…」
「…はい……」
少し沈んだ空気が流れ始めてしまった。これはちょっとまずいな。何か、もっと話を逸らせる話題は……あ、そうだ。
「あの、その……公爵家のパーティーで何かやるべきことはありますか?」
「やる事かい?それなら、基本的には公爵家当主とご子息たちにご挨拶をするだけで……その後ライは自由にしていいよ」
「ご挨拶ってどうやってするのですか?」
「お辞儀をしながら自己紹介をして、その後にお祝いの言葉を述べるんだ。この辺は後で教えてあげるからね」
大体のことは分かったし、このくらいで話はいいだろうと思ったその時。二人とも意図していなかったのであろうが、話し口から衝撃の情報が聞こえてきた。
「それにしても、”クロンディア公爵家”は一体何を考えているんでしょうか…」
「今のレヴェリクト侯爵家に直接招待状を渡しに来たということは、既にこちらの内情を知っているのでしょうけど……」
「……いえ、もしかしたら記憶喪失だということはまだ伝わっていないのかも知れません」
「でも、それを知らないとして一体何を……いえ、もしかしたら────」
その後も何か言っていたような気もするが、衝撃に貫かれた俺の頭には届いていなかった。
〖クロンディア公爵家〗
────それは、この国にある公爵家の1つで武術を得意とする者が多く、一族で代々騎士団長の地位を受け継いでいる家系でもある。そして、攻略対象者であり次期騎士団長でもある【リオネス・クロンディア】の生家なのだ。
(ちょっ!攻略対象者には必要最低限以上は関わらないって決意したばっかりだっのに!!どうして……)
あまりの衝撃に動揺していたまさにその時。ふと、思い出してしまったのだ。
「そ、そうだ……たしか、クライドって…!」
(このリオネス攻略の悪役じゃねぇか!!)
よりによって、クライドが悪役まっしぐらになる一番関わりたく無い相手である。だが、招待はもうすでに受けてしまっているので今更回避は出来ない。
(ど、どうしよう……!なんで今更こんな重要な事を思い出したんだ…!)
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