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幼少期編
10-1 波乱のパーティー
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「はぁぁ~…」
もう、ため息しか出ない。一体どうしてこうなったんだ!?
…この事の元凶は、今から数日前まで遡る────
✄────────────
「母様、父様……ライが、ライが可愛すぎます!」
「兄様も素敵です!」
「まぁ、二人とも似合ってるわ!ねぇ、ルーク」
「あぁ、本当によく似合っている」
公爵家のパーティーに参加するための衣装に着替えると、家族皆が揃って褒めちぎってくれた。
俺の服装は、ヒラヒラした物が沢山付いた可愛らしい白色のブラウスを着込んでいて、ぶかっとしたハーフパンツと膝下の辺りまで履いた靴下は紺色で揃えられている。そして胸元には、黄色い宝石が中心に縫い付けられた大きな黒いリボンが飾りつけられている。俺も全身が見れる大きな鏡で見てみたのだが、クライドは顔が可愛いのもあって美少女と間違えられそうなビジュをしていたのだ。これには俺も驚いた。
「さぁ、そろそろ行こうか二人とも。ベルはライが馬車に乗るのを手伝ってやってくれ」
「勿論です、父様。さぁライ、おいで?」
「はい、兄様!」
差し出された兄様の手を握ると、馬車がある門前まで一緒に歩いて行ってくれた。その後、馬車に乗るための小さめな階段を兄様の手を借りつつ登り馬車に入ると、俺の後から父様、母様、兄様の順番で入ってきた。そして席に座ったのだが、なぜか俺は兄様の膝に座ることになってしまった。一体何故だ。…もしかして、シートベルトの代わりとかなのだろうか。この世界での小さい子供の馬車の乗り方は、これが普通なのかもしれない。
馬車の中では、つい時間を忘れて家族との会話に花を咲かせていた。だが暫くすると、ついに公爵家のパーティー会場に着いてしまった。
その後暫くして、主催者であるアバルシオ・クロンディア公爵によるパーティー開始の挨拶が始まると、今日は公爵夫人が体調不良のため欠席するとの旨が伝えられた。
そして乾杯が終わると、挨拶回りが始まった。
(あー、嫌だなぁ……挨拶したらすぐに離れよ…)
俺たちは侯爵家なので、挨拶は4番目に行う。1、2番目は他の公爵家が、3番目は俺たちとは別の侯爵家が行った。そして、とうとう俺たちの番が来てしまった。
「クロンディア公爵閣下。本日はご子息であるエニア殿のご生誕6年目、誠におめでとうございます」
「レヴェリクト侯爵家より、心よりお祝いを申し上げますわ」
「ハハハ!息災であったな侯爵、そしてクローネ侯爵夫人よ!だが、固くするな!私たちの仲だろう?なぁ、ルークよ」
「滅相もございません。アバルシオ公爵閣下」
「むぅ……まぁ、よい。積もる話は後でしよう。それより、本日誕生日を迎えた次男のエニアだ。そして、その横にいるのが長男のリオネス。二人とも、中々に腕の立つ子たちなのだ!」
「それはそれは…公爵家の未来が明るいようで何よりでございます」
「して、オルクス侯爵よ。後ろに控えているのは貴殿の子か?」
「はい。私どもの息子達でございます。…ほら、前においで、二人とも」
「「はい、父様」」
さすがは兄様と言うべきか、緊張する様子もなく堂々と前へ進んでいく。だが一方の俺は、それはもうめちゃくちゃに緊張していた。そのせいか、足が生まれたての子鹿並みに震えていた。威圧感が凄いからだろうか?この人、この国の騎士団長様だし。
頑張って兄様のブラウスの裾を掴みながらも前に出るが、5歳と言う体の年齢に精神が引っ張られているのか、兄様の背中から出ることができない。頑張って兄様の横に行こうとしても、体が拒否反応を示してしまう。
「ライ?ほら、怖く無いからこっちにおいで?」
ごめんなさい兄様。そんなこと言われても、体が全く言う事を聞かないんです。
「おぉ、すまんな。怖がらせてしまったか…」
「申し訳ございません。先日我が家で、少々厄介なことが起きておりまして…」
「…なるほど。それは申し訳なかった、オルクス侯爵。…少年よ、そこにいて良いから、自己紹介をしてはもらえないだろうか?」
俺が怖がっていると知るや否や、公爵は少し背を屈めて俺に尋ねてきた。
(あれ、この人思ってたよりも優しそう…)
「では先に私が。クロンディア公爵閣下、レヴェリクト侯爵家が長男、ベリオルと申します。そしてエニア様、本日はご生誕6年目、誠におめでとうございます」
「ありがとうございます。ベリオル殿」
さすが兄様。胸元に手を添えながら、綺麗な所作のままで挨拶とお祝いの言葉を終えた。だが、感動してばかりではいられない。次は俺の番なのだ。
「ライ、クロンディア公爵閣下達にご挨拶できる?」
「…は、い……」
やるしか無いんだ。頑張れ俺!!
「えっと…レヴェリクト侯爵家の次男の、クライド…です。…えっと…エニア様、ご生誕おめでとうございましゅっ!」
「「「……」」」
(…か、噛んじゃった……!!やばい、不敬だって怒られるかも…!)
だが、そんな俺の心配を吹き飛ばすかのように豪快な笑い声が響き渡った。
「ハハハッ!随分と可愛らしいご子息じゃないか!気に入った!」
「光栄にございます」
どうやら、最悪な事態は免れたようだった。よかった、怒られなくて。
だが、そんな感じで油断していたのが悪かったのだろうか。公爵からとんでもない提案をされた。
「どうだろうか、レヴェリクト侯爵子息たちよ。挨拶回りが済めば、我が息子たちの話し相手になっては貰えないだろうか?」
「……えっ?」
(…は、話し相手だって!?なにかの冗談だろ!?)
こうして、良からぬ前兆は生まれてしまったのだった。
もう、ため息しか出ない。一体どうしてこうなったんだ!?
…この事の元凶は、今から数日前まで遡る────
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「母様、父様……ライが、ライが可愛すぎます!」
「兄様も素敵です!」
「まぁ、二人とも似合ってるわ!ねぇ、ルーク」
「あぁ、本当によく似合っている」
公爵家のパーティーに参加するための衣装に着替えると、家族皆が揃って褒めちぎってくれた。
俺の服装は、ヒラヒラした物が沢山付いた可愛らしい白色のブラウスを着込んでいて、ぶかっとしたハーフパンツと膝下の辺りまで履いた靴下は紺色で揃えられている。そして胸元には、黄色い宝石が中心に縫い付けられた大きな黒いリボンが飾りつけられている。俺も全身が見れる大きな鏡で見てみたのだが、クライドは顔が可愛いのもあって美少女と間違えられそうなビジュをしていたのだ。これには俺も驚いた。
「さぁ、そろそろ行こうか二人とも。ベルはライが馬車に乗るのを手伝ってやってくれ」
「勿論です、父様。さぁライ、おいで?」
「はい、兄様!」
差し出された兄様の手を握ると、馬車がある門前まで一緒に歩いて行ってくれた。その後、馬車に乗るための小さめな階段を兄様の手を借りつつ登り馬車に入ると、俺の後から父様、母様、兄様の順番で入ってきた。そして席に座ったのだが、なぜか俺は兄様の膝に座ることになってしまった。一体何故だ。…もしかして、シートベルトの代わりとかなのだろうか。この世界での小さい子供の馬車の乗り方は、これが普通なのかもしれない。
馬車の中では、つい時間を忘れて家族との会話に花を咲かせていた。だが暫くすると、ついに公爵家のパーティー会場に着いてしまった。
その後暫くして、主催者であるアバルシオ・クロンディア公爵によるパーティー開始の挨拶が始まると、今日は公爵夫人が体調不良のため欠席するとの旨が伝えられた。
そして乾杯が終わると、挨拶回りが始まった。
(あー、嫌だなぁ……挨拶したらすぐに離れよ…)
俺たちは侯爵家なので、挨拶は4番目に行う。1、2番目は他の公爵家が、3番目は俺たちとは別の侯爵家が行った。そして、とうとう俺たちの番が来てしまった。
「クロンディア公爵閣下。本日はご子息であるエニア殿のご生誕6年目、誠におめでとうございます」
「レヴェリクト侯爵家より、心よりお祝いを申し上げますわ」
「ハハハ!息災であったな侯爵、そしてクローネ侯爵夫人よ!だが、固くするな!私たちの仲だろう?なぁ、ルークよ」
「滅相もございません。アバルシオ公爵閣下」
「むぅ……まぁ、よい。積もる話は後でしよう。それより、本日誕生日を迎えた次男のエニアだ。そして、その横にいるのが長男のリオネス。二人とも、中々に腕の立つ子たちなのだ!」
「それはそれは…公爵家の未来が明るいようで何よりでございます」
「して、オルクス侯爵よ。後ろに控えているのは貴殿の子か?」
「はい。私どもの息子達でございます。…ほら、前においで、二人とも」
「「はい、父様」」
さすがは兄様と言うべきか、緊張する様子もなく堂々と前へ進んでいく。だが一方の俺は、それはもうめちゃくちゃに緊張していた。そのせいか、足が生まれたての子鹿並みに震えていた。威圧感が凄いからだろうか?この人、この国の騎士団長様だし。
頑張って兄様のブラウスの裾を掴みながらも前に出るが、5歳と言う体の年齢に精神が引っ張られているのか、兄様の背中から出ることができない。頑張って兄様の横に行こうとしても、体が拒否反応を示してしまう。
「ライ?ほら、怖く無いからこっちにおいで?」
ごめんなさい兄様。そんなこと言われても、体が全く言う事を聞かないんです。
「おぉ、すまんな。怖がらせてしまったか…」
「申し訳ございません。先日我が家で、少々厄介なことが起きておりまして…」
「…なるほど。それは申し訳なかった、オルクス侯爵。…少年よ、そこにいて良いから、自己紹介をしてはもらえないだろうか?」
俺が怖がっていると知るや否や、公爵は少し背を屈めて俺に尋ねてきた。
(あれ、この人思ってたよりも優しそう…)
「では先に私が。クロンディア公爵閣下、レヴェリクト侯爵家が長男、ベリオルと申します。そしてエニア様、本日はご生誕6年目、誠におめでとうございます」
「ありがとうございます。ベリオル殿」
さすが兄様。胸元に手を添えながら、綺麗な所作のままで挨拶とお祝いの言葉を終えた。だが、感動してばかりではいられない。次は俺の番なのだ。
「ライ、クロンディア公爵閣下達にご挨拶できる?」
「…は、い……」
やるしか無いんだ。頑張れ俺!!
「えっと…レヴェリクト侯爵家の次男の、クライド…です。…えっと…エニア様、ご生誕おめでとうございましゅっ!」
「「「……」」」
(…か、噛んじゃった……!!やばい、不敬だって怒られるかも…!)
だが、そんな俺の心配を吹き飛ばすかのように豪快な笑い声が響き渡った。
「ハハハッ!随分と可愛らしいご子息じゃないか!気に入った!」
「光栄にございます」
どうやら、最悪な事態は免れたようだった。よかった、怒られなくて。
だが、そんな感じで油断していたのが悪かったのだろうか。公爵からとんでもない提案をされた。
「どうだろうか、レヴェリクト侯爵子息たちよ。挨拶回りが済めば、我が息子たちの話し相手になっては貰えないだろうか?」
「……えっ?」
(…は、話し相手だって!?なにかの冗談だろ!?)
こうして、良からぬ前兆は生まれてしまったのだった。
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