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107話 ダンジョンの宝
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「あーー、さっぱりしたーーーーー!」
ユキムラがゆったりとシャワーを浴び、着替えて出てくると扉の前でレンとヴァリィが睨み合っていた。
「ちっ……。あら~ユキムラちゃんよく似合うじゃないー」
「師匠。お疲れ様です。かっこいいですねその服。あとギルドのポストさんの使いがいらしてギルドへ来て欲しいそうです」
ユキムラの入浴を覗こうとした人間と、それを防いでいた人間の攻防があったことを、当人以外は誰も知ることはなかった。
ユキムラ用の服はいわゆる開襟シャツだ。この世界ではきっちりと襟をしめるタイプのシャツが殆どで、最初から開いている物は殆どない。ほぼ白なのだがほんのりと桃色がはいっている。
そこに黒のジャケットに黒のズボン。ズボンはサイドに赤いラインが一本入っている。
ちょっと間違えるとホストみたいになってしまうところを、ユキムラの色男っぷりとヴァリィのセンスによって上品なイメージさえ受ける。
目上の人と面会するときでもそれほど失礼に当たらないだろう。
このあたりはヴァリィの流石と言えるセンスだ。
動きやすく実用的なブラウンの、ミリタリーブーツに近い構造をしている、足元とのバランスもきちっと計算されている。
簡単に言えば絶世の色男が出来上がっているわけだ。
ユキムラはレンと一緒にギルドへと向かう。
ソーカはサナダ街の人間との打ち合わせと内政、訓練状況の報告など仕事が詰まっていた。
タロを癒やしに一緒に連れて行った。
ヴァリィはいろんなアイデアを形にしたいからと車の作業場に篭もるそうだ。
「ゆ、ユキムラ殿! よくぞいらしてくれた! ま、まぁ座ってもらいたい」
ギルドの応接間であったバルトールの街ギルドマスターであるポトスは妙に緊張していた。
「どうかなさったんですか? 何か、緊張なさっているような……?」
「あ、ああ。そうだな。少し落ち着こう」
用意されたお茶を一気に流し込む。熱いぞ絶対。
「はぁーーーーー、熱いなコレ。
でだ。今日お呼びだてしたのは、あなた方の持ち帰った宝のことについて、話したかったからなんです。結論から言うと、あまりに凄すぎた。ということです……」
ポストは落ち着きなく手を組んだり開いたり指を動かしたりしている。
「凄すぎた……ですか」
「今まで最下層なんて誰も行ったこと無いですからね、まさか30階あたりとあそこまでの差があるとは……いまこの街の領主は自ら王城へ増援要請に行っているほどです。ギルドからも連絡を入れていますが、さらに大規模を要求したいと昨日宝の概算が出ると飛び出して行きました」
「そこまでなんですか?」
流石に話が大きくなりすぎていて、レンも半信半疑だ。
「……はぁ。この国の年間予算、3年分になりそう、といえば事の重要性がわかりますか?」
「はぁ?」
ユキムラも思わず素っ頓狂な声をあげてしまう。
国家予算、しかも3年分、2015年度の日本の国家予算なら300兆円だ。
まぁ、この世界の生活様式でそんな金額になるとは思えないが、とてつもなく桁外れな金額ということはかろうじてわかる。
「正直、あまりに凄いもので値段の予想がつかないというのもある。これが品目になる」
それからポストは今回のユキムラたちが持ち帰ったものの品目が書かれた紙を出し説明してくれた。
ギルド所属の鑑定士の署名付きだ。
オリハルコン塊 2個
レインボーダイヤ
グラビストーン塊 2個
聖剣 グラムコピー
魔剣 ブラッドイーター
火炎剣 フレイムブレード
カドゥケウスの杖コピー
アイスシールド
亀紋の鎧
マジックプレート3体
力のガントレット
知力の冠
隠者のマント
知者の杖
エリクサー 3本
ヴァルハラの花 5本
神仙 スイレン 3本
宝石袋 20個
爆炎石 34個
豪水石 28個
暴風石 33個
山岩石 29個
光聖石 22個
影黒石 23個
マジカストーン塊 3個
ミスリル塊 11個
金剛鉄塊 20個
マジックバッグ 2個
ダンジョン宝箱 2個 (マジックボックス大き目と同じ効果)
その他希少植物、薬剤多数、低級魔石多数、鉱石多数。
「この中から少なくとも3点は「オリハルコン、レインボーダイヤ、グラビストーン!」取り分……」
「師匠即答していいんですか!? 伝説でしか聞かないような物もありますよ?」
「そうですよ、私なんて聖剣なんてものをこの目で見ることができるなんて……」
「いや、オリジナル神器なら少し考えるけど、今は素材だよ。ああ、これでまた作れるものが増える!
ほんとは上位属性魔石ももらいたい……」
「いや、たぶんこれらの武具をいらないというならそれも許可されるんじゃないですかね、本気で言っているんですよね?」
正直上位魔石なんてもらってもそれを加工できる職人がこの世界には極々少数しかいない。
「いやいやいや、鉱石大事ですよ! まだあんまり手に入るものじゃないし……」
ユキムラが目の前のおもちゃに夢中になって思わず口を滑らしそうになるのをレンが遮る。
「オッホン!!! まぁ、師匠の気が変わらないうちに渡してしまったほうがギルドとしてもお得なのでは?」
「あ、ああ……そういっていただけるなら……ただ、今回のことは王都の指示を受けないと我々では判断が付きかねるので確約はできません。申し訳ない……」
「初めてのことですから仕方ないですね。まぁ我々は基本的にはそれらを希望します!」
その後、王都からの護衛部隊が驚くことに大隊規模で用意され、宝と共に世界最大のオークションとなるのは間違いない会場、プラネテル城へと輸送される事になる。
ユキムラたちもその輸送隊と一緒に王都へと凱旋することになる。
結局バルトールの領主とは多忙によってすれ違いになってしまったが、重ね重ねの感謝を綴る文がユキムラの元へと届けられるのでありました。
ユキムラがゆったりとシャワーを浴び、着替えて出てくると扉の前でレンとヴァリィが睨み合っていた。
「ちっ……。あら~ユキムラちゃんよく似合うじゃないー」
「師匠。お疲れ様です。かっこいいですねその服。あとギルドのポストさんの使いがいらしてギルドへ来て欲しいそうです」
ユキムラの入浴を覗こうとした人間と、それを防いでいた人間の攻防があったことを、当人以外は誰も知ることはなかった。
ユキムラ用の服はいわゆる開襟シャツだ。この世界ではきっちりと襟をしめるタイプのシャツが殆どで、最初から開いている物は殆どない。ほぼ白なのだがほんのりと桃色がはいっている。
そこに黒のジャケットに黒のズボン。ズボンはサイドに赤いラインが一本入っている。
ちょっと間違えるとホストみたいになってしまうところを、ユキムラの色男っぷりとヴァリィのセンスによって上品なイメージさえ受ける。
目上の人と面会するときでもそれほど失礼に当たらないだろう。
このあたりはヴァリィの流石と言えるセンスだ。
動きやすく実用的なブラウンの、ミリタリーブーツに近い構造をしている、足元とのバランスもきちっと計算されている。
簡単に言えば絶世の色男が出来上がっているわけだ。
ユキムラはレンと一緒にギルドへと向かう。
ソーカはサナダ街の人間との打ち合わせと内政、訓練状況の報告など仕事が詰まっていた。
タロを癒やしに一緒に連れて行った。
ヴァリィはいろんなアイデアを形にしたいからと車の作業場に篭もるそうだ。
「ゆ、ユキムラ殿! よくぞいらしてくれた! ま、まぁ座ってもらいたい」
ギルドの応接間であったバルトールの街ギルドマスターであるポトスは妙に緊張していた。
「どうかなさったんですか? 何か、緊張なさっているような……?」
「あ、ああ。そうだな。少し落ち着こう」
用意されたお茶を一気に流し込む。熱いぞ絶対。
「はぁーーーーー、熱いなコレ。
でだ。今日お呼びだてしたのは、あなた方の持ち帰った宝のことについて、話したかったからなんです。結論から言うと、あまりに凄すぎた。ということです……」
ポストは落ち着きなく手を組んだり開いたり指を動かしたりしている。
「凄すぎた……ですか」
「今まで最下層なんて誰も行ったこと無いですからね、まさか30階あたりとあそこまでの差があるとは……いまこの街の領主は自ら王城へ増援要請に行っているほどです。ギルドからも連絡を入れていますが、さらに大規模を要求したいと昨日宝の概算が出ると飛び出して行きました」
「そこまでなんですか?」
流石に話が大きくなりすぎていて、レンも半信半疑だ。
「……はぁ。この国の年間予算、3年分になりそう、といえば事の重要性がわかりますか?」
「はぁ?」
ユキムラも思わず素っ頓狂な声をあげてしまう。
国家予算、しかも3年分、2015年度の日本の国家予算なら300兆円だ。
まぁ、この世界の生活様式でそんな金額になるとは思えないが、とてつもなく桁外れな金額ということはかろうじてわかる。
「正直、あまりに凄いもので値段の予想がつかないというのもある。これが品目になる」
それからポストは今回のユキムラたちが持ち帰ったものの品目が書かれた紙を出し説明してくれた。
ギルド所属の鑑定士の署名付きだ。
オリハルコン塊 2個
レインボーダイヤ
グラビストーン塊 2個
聖剣 グラムコピー
魔剣 ブラッドイーター
火炎剣 フレイムブレード
カドゥケウスの杖コピー
アイスシールド
亀紋の鎧
マジックプレート3体
力のガントレット
知力の冠
隠者のマント
知者の杖
エリクサー 3本
ヴァルハラの花 5本
神仙 スイレン 3本
宝石袋 20個
爆炎石 34個
豪水石 28個
暴風石 33個
山岩石 29個
光聖石 22個
影黒石 23個
マジカストーン塊 3個
ミスリル塊 11個
金剛鉄塊 20個
マジックバッグ 2個
ダンジョン宝箱 2個 (マジックボックス大き目と同じ効果)
その他希少植物、薬剤多数、低級魔石多数、鉱石多数。
「この中から少なくとも3点は「オリハルコン、レインボーダイヤ、グラビストーン!」取り分……」
「師匠即答していいんですか!? 伝説でしか聞かないような物もありますよ?」
「そうですよ、私なんて聖剣なんてものをこの目で見ることができるなんて……」
「いや、オリジナル神器なら少し考えるけど、今は素材だよ。ああ、これでまた作れるものが増える!
ほんとは上位属性魔石ももらいたい……」
「いや、たぶんこれらの武具をいらないというならそれも許可されるんじゃないですかね、本気で言っているんですよね?」
正直上位魔石なんてもらってもそれを加工できる職人がこの世界には極々少数しかいない。
「いやいやいや、鉱石大事ですよ! まだあんまり手に入るものじゃないし……」
ユキムラが目の前のおもちゃに夢中になって思わず口を滑らしそうになるのをレンが遮る。
「オッホン!!! まぁ、師匠の気が変わらないうちに渡してしまったほうがギルドとしてもお得なのでは?」
「あ、ああ……そういっていただけるなら……ただ、今回のことは王都の指示を受けないと我々では判断が付きかねるので確約はできません。申し訳ない……」
「初めてのことですから仕方ないですね。まぁ我々は基本的にはそれらを希望します!」
その後、王都からの護衛部隊が驚くことに大隊規模で用意され、宝と共に世界最大のオークションとなるのは間違いない会場、プラネテル城へと輸送される事になる。
ユキムラたちもその輸送隊と一緒に王都へと凱旋することになる。
結局バルトールの領主とは多忙によってすれ違いになってしまったが、重ね重ねの感謝を綴る文がユキムラの元へと届けられるのでありました。
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