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121話 ドラゴンステーキ
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転送装置で外へ出ると、最初に宝珠を捧げた祭壇の前へと転送されていた。
「ここに出るんだね。そしたら外へ出ようか」
白狼隊が階段を登り外へ出るとすっかり日が沈み夜の暗闇に包まれていた。
「確か昼過ぎに入って、12日間だから……真夜中ってことか……」
「どうしますか師匠?」
「うーん……悩むね。みんなお腹は……?」
「空いてます!!」
「あ、うん。はい。」
あまりに元気よくソーカが答えて少し引いてしまうユキムラだ。
ソーカの頭の中にはドラゴン肉のBBQでいっぱいなのだ。
「まぁ、眠くもないからなぁ……。
そしたら、ちょっと戻ったところで野営して、幻のドラゴン肉を食べて祝勝会しますか!」
「「「おおーーー!!」」」「わうん!!」
少しプラネテル王国側へ戻った荒野で車を止め、夜の帳の中で黙々とBBQの準備をする冒険者。
普通に考えれば不用心にも程がある。
死霊探知機のタロもいるし、しっかりと結界を張っていればそうそう問題は起きないし。
フィールドに現れるようなモンスターはすでにレベルで圧倒している。
今回の探索を終えて4人のレベルは、
ユキムラ Lv235
レン Lv228
ソーカ Lv231
ヴァリィ Lv179
かなりレベル差が近くなってきている。
それにしてもレベルの上がりが早すぎるなぁとユキムラは思っていた。
自分の実感だと139だったヴァリィが作ったMDなら敵のレベルは100~160くらいになるはずだから、確かにそれなりに戦闘はしたがここまでレベルが上がるものかな? と疑問に思った。
結局この疑問に対する答えはユキムラは手に入れることが出来なかった。
話はBBQへと戻る。
光り輝くドラゴンミート、一番美味しく食べる方法はなんだろうと悩んだが、単純に焼いて食べるが一番だろうとステーキにすることにする。
タロのお陰で5キロほど手に入っているお肉を、大胆にギリギリ焼ける厚さぐらいに切る。
流石に全ては使わない。5人分で半分ぐらいは豪快に使う。
ユキムラは久しぶりにミニゲームを前に緊張していた。
VOにおいて食事をする機会はそこまで多くないので、まぁ人間離れした精度でやれるが、他のミニゲームのように呼吸をするようにクリアするまでの自信はない。
まぁ、ユキムラが気合を入れてミニゲームをすれば、この世にこれ以上はない。
という完璧な、ドラゴンステーキ(神話級)が出来上がる。
「とりあえず、これを食べよう。他のは食べ終わってから考えよう、さぁ食べよう。すぐ食べよう」
「「「いただきます」」」「わーふ」
ドラゴンステーキ。
表面に絶妙な加減で焼き目が入り、肉全体にはうっすらと熱を入れることによって肉汁を完璧に封じ込めて切断面は鮮やかなピンク色。
極上の塩と胡椒だけの味わい。好みにより各種ソースも準備してある。
鼻をつかんで離さない肉の香り、脂が切断面から鉄板に溢れるたびに暴力的な香りが脳を刺激する。
ナイフを入れると、最初に少し抵抗がある。その抵抗を抜けた瞬間にスッと肉が切り開かれる。
驚きの柔らかさだ。一口大に切り分けられた肉からは少しでも押せば無限の肉汁が溢れ出しそうなほど瑞々しい。我慢できずに本能がソレを口に運んでしまう。歯が肉に触れる。ギュムっという歯ごたえ、噛みごたえがあるな? そう思った瞬間、肉がほどけて溶ける。歯ごたえからの不意打ちだ。
口の中で爆発したかのように旨味が暴走する。溢れんばかりの肉汁に含まれた旨味の暴力に舌を陵辱され脳が考えることを停止して隷属してしまう。ゴクリ、肉を食べているのにその豊富な肉汁を途中で飲み込まねばならないほどだ。口を動かすと溶けたと思われた肉がまた心地よい噛みごたえを提供して、そしてまた爆発する。たった一欠片で一体何度の感動を与えてくるのか、ドラゴンの生命力が全て詰まっているような肉だ。
旨すぎる。
誰一人言葉も発せないほどの旨さ。
食卓に恐ろしいほどの静寂が訪れる。そして脳が旨味の隷属から解かれると本能が次の肉を求めてしまう。そしてまた味わいの静寂。彼らは肉を食べているのではなかった。
肉に食べさせられていた。
皿の上の肉が全てなくなるまで誰一人言葉の一つも呼吸の音さえ聞こえない。
そんな食事の時間だった。
タロをしてその肉の魔力によって自らの意志と無関係に尻尾がヘリコプターのように回っていた。
「とんでもないね……」
「この食べ物は……危険です……」
「……」ソーカは涙を流していた。
「これは、ダメ。人を狂わせるわ……」
「わうん……」
「残りの肉は王へ献上する。これはいけない。俺達が持つと危険だ」
だれも異存を挟めない。それほどの味わいだった。
たぶん、煮込んでも、何をしてもこの肉の旨さは不可侵だと確信させる。
間違いなくこの世界における最高級の素材であると断言できた。
結局ユキムラ達はその日、ソレ以外の食材を口に入れるのが惜しくなり、そのまま汗を流し床につく。
いつまでも体が旨味に支配されている、そんな心地よさを感じながら驚くほどあっさりと眠りに落ちていくのであった。
「ここに出るんだね。そしたら外へ出ようか」
白狼隊が階段を登り外へ出るとすっかり日が沈み夜の暗闇に包まれていた。
「確か昼過ぎに入って、12日間だから……真夜中ってことか……」
「どうしますか師匠?」
「うーん……悩むね。みんなお腹は……?」
「空いてます!!」
「あ、うん。はい。」
あまりに元気よくソーカが答えて少し引いてしまうユキムラだ。
ソーカの頭の中にはドラゴン肉のBBQでいっぱいなのだ。
「まぁ、眠くもないからなぁ……。
そしたら、ちょっと戻ったところで野営して、幻のドラゴン肉を食べて祝勝会しますか!」
「「「おおーーー!!」」」「わうん!!」
少しプラネテル王国側へ戻った荒野で車を止め、夜の帳の中で黙々とBBQの準備をする冒険者。
普通に考えれば不用心にも程がある。
死霊探知機のタロもいるし、しっかりと結界を張っていればそうそう問題は起きないし。
フィールドに現れるようなモンスターはすでにレベルで圧倒している。
今回の探索を終えて4人のレベルは、
ユキムラ Lv235
レン Lv228
ソーカ Lv231
ヴァリィ Lv179
かなりレベル差が近くなってきている。
それにしてもレベルの上がりが早すぎるなぁとユキムラは思っていた。
自分の実感だと139だったヴァリィが作ったMDなら敵のレベルは100~160くらいになるはずだから、確かにそれなりに戦闘はしたがここまでレベルが上がるものかな? と疑問に思った。
結局この疑問に対する答えはユキムラは手に入れることが出来なかった。
話はBBQへと戻る。
光り輝くドラゴンミート、一番美味しく食べる方法はなんだろうと悩んだが、単純に焼いて食べるが一番だろうとステーキにすることにする。
タロのお陰で5キロほど手に入っているお肉を、大胆にギリギリ焼ける厚さぐらいに切る。
流石に全ては使わない。5人分で半分ぐらいは豪快に使う。
ユキムラは久しぶりにミニゲームを前に緊張していた。
VOにおいて食事をする機会はそこまで多くないので、まぁ人間離れした精度でやれるが、他のミニゲームのように呼吸をするようにクリアするまでの自信はない。
まぁ、ユキムラが気合を入れてミニゲームをすれば、この世にこれ以上はない。
という完璧な、ドラゴンステーキ(神話級)が出来上がる。
「とりあえず、これを食べよう。他のは食べ終わってから考えよう、さぁ食べよう。すぐ食べよう」
「「「いただきます」」」「わーふ」
ドラゴンステーキ。
表面に絶妙な加減で焼き目が入り、肉全体にはうっすらと熱を入れることによって肉汁を完璧に封じ込めて切断面は鮮やかなピンク色。
極上の塩と胡椒だけの味わい。好みにより各種ソースも準備してある。
鼻をつかんで離さない肉の香り、脂が切断面から鉄板に溢れるたびに暴力的な香りが脳を刺激する。
ナイフを入れると、最初に少し抵抗がある。その抵抗を抜けた瞬間にスッと肉が切り開かれる。
驚きの柔らかさだ。一口大に切り分けられた肉からは少しでも押せば無限の肉汁が溢れ出しそうなほど瑞々しい。我慢できずに本能がソレを口に運んでしまう。歯が肉に触れる。ギュムっという歯ごたえ、噛みごたえがあるな? そう思った瞬間、肉がほどけて溶ける。歯ごたえからの不意打ちだ。
口の中で爆発したかのように旨味が暴走する。溢れんばかりの肉汁に含まれた旨味の暴力に舌を陵辱され脳が考えることを停止して隷属してしまう。ゴクリ、肉を食べているのにその豊富な肉汁を途中で飲み込まねばならないほどだ。口を動かすと溶けたと思われた肉がまた心地よい噛みごたえを提供して、そしてまた爆発する。たった一欠片で一体何度の感動を与えてくるのか、ドラゴンの生命力が全て詰まっているような肉だ。
旨すぎる。
誰一人言葉も発せないほどの旨さ。
食卓に恐ろしいほどの静寂が訪れる。そして脳が旨味の隷属から解かれると本能が次の肉を求めてしまう。そしてまた味わいの静寂。彼らは肉を食べているのではなかった。
肉に食べさせられていた。
皿の上の肉が全てなくなるまで誰一人言葉の一つも呼吸の音さえ聞こえない。
そんな食事の時間だった。
タロをしてその肉の魔力によって自らの意志と無関係に尻尾がヘリコプターのように回っていた。
「とんでもないね……」
「この食べ物は……危険です……」
「……」ソーカは涙を流していた。
「これは、ダメ。人を狂わせるわ……」
「わうん……」
「残りの肉は王へ献上する。これはいけない。俺達が持つと危険だ」
だれも異存を挟めない。それほどの味わいだった。
たぶん、煮込んでも、何をしてもこの肉の旨さは不可侵だと確信させる。
間違いなくこの世界における最高級の素材であると断言できた。
結局ユキムラ達はその日、ソレ以外の食材を口に入れるのが惜しくなり、そのまま汗を流し床につく。
いつまでも体が旨味に支配されている、そんな心地よさを感じながら驚くほどあっさりと眠りに落ちていくのであった。
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