176 / 342
176話 準備準備
しおりを挟む
ユキムラは前日のディナーで少々人酔というか、慣れない人との会話でお酒を利用したので朝の鍛錬の時間には起きてこなかった。
ソーカはいつもどおりきちんと朝の稽古を行っており、朝の鍛錬に来ない理由もわかっていたためいつもより刀を握る力が強くなっていた。
今日はソーカの朝食当番日なので軽く汗を流して朝食の準備を行う。
イライラはしていたが、ユキムラたちのために胃に優しい朝食を作ってあげるソーカはとてもいい子なのだ。
「おはようございますユキムラさん。昨夜はお楽しみでしたね!」
ドンッと卓上に食事が置かれる。
野菜が細かく煮込まれたスープ。スクランブルエッグと白身魚のスパイス焼き、それにパンだ。
ユキムラが身支度をして食卓へ来るとわかりやすく不機嫌なソーカが朝食準備をしていた。
「れ、レン……どうしよ……」
コソコソとレンに相談するユキムラ。
それがまた怒らせるわよーとヴァリィは内心思っているが触れぬが仏。
夫婦喧嘩は犬も食わないのだ。もちろんタロも食べない。
「耳元で愛してるのは君だけだよって言えばいいんですよ」
昨晩散々ソーカの愚痴に付き合ったレンもややうんざり気味であった。
そして今の適当な助言を実行しようと立ち上がるユキムラを、慌てて止めるハメになる。
「じょ、冗談ですから師匠。とりあえずは約束してたデートに早めに誘ったほうがいいと思いますよ?」
ユキムラはデート? って顔してポカーンとしてたが、いつぞやの事を思い出して赤面してうつむいてしまう。
あ、この人あんな大事なことを忘れていたのか、そりゃソーカねーちゃんも怒るなぁとレンはココロの中でため息をつく。
それからユキムラは意を決したのか、ガバッと立ち上がってキッチンへと歩いていく。
手と足が一緒に出ているほどガチガチだ。
「ユキムラちゃんって変わってるわよねー、あの見た目ならもうそれこそ引く手あまたでしょうに……」
「師匠は人見知り凄いですからねぇ……」
しばらくして戻ってくる。耳まで真っ赤だ。
その後に、わかりやすくルンルンなソーカが皆の朝食を運んでくる。
ヴァリィとレンはヤレヤレと肩をすくめ合う。
そんな朝の一幕もあったが、各地の街への伝令が戻ってくるまでは内職主体になるので、ここでデートをしておくのが一番現実的だった。
伝令が戻ってきたら各街を高速で回りながらの旅とMD攻略というイベントが目白押しだ。
そんなわけでデートは二日後に予定されている。
あとで調整を入れるとは言えGUは雛形を作成していく。
一度完成していれば素材があればコピーはあっという間だ。
性能に合わせて難易度は上がるが、ユキムラにそんなことは関係ない。
「しかし、これらがあれば世界征服とかできそうですよね」
「本来の目的は自分の砦を守る対人兵器だからなー」
「え、ユキムラちゃんそれじゃぁ死人が出るでしょ……」
「うーん、何ていうか復活できるのが前提のゲーム的な試合的な?」
「ユキムラちゃんの世界は凄いのねぇ」
「師匠のいた世界……」
みんななんとなくユキムラが呼ばれた前の世界の話はしてこなかった。
ユキムラのもたらす不思議なスキルや様々な知識、技術はこの世界とは異質なものであることは気がついていた。しかし、自分たちも話を聞けば理解して実践できる。
来訪者であることに珍しさはあるが、同じ人間であることは疑いもしなかった。
なによりもレンにとっては大切な師匠、ヴァリィにとっては新しい扉を開けてくれた恩人なのだ。
「でも、ヴァリィの時に心の底から誰も死んでほしくないと痛感したよ。
そのためなら俺はこの世界の仕組みを変えてでも皆を守りたいと思った。
変な遠慮もしない、出来る限り、今打てる手は打っておきたい。後悔のないように……」
「お手伝いします! 師匠!!」
「私もできる限りの協力は惜しまないわ!」
「何の話で盛り上がっているんですかー?」
ソーカが買い出しから帰ってくる。
レンとヴァリィが可哀想なものを見るような目でソーカを温かく見つめている。
デート当日までは穏やかに採取に開発に作成と思うがまま内職に明け暮れていた。
しかしそのウラでヴァリィとレンによるデートハウトゥー講座が開催されていた。
だてに50過ぎまでまともに女性と話したことのない人間は慣れたとはいえ本質は変わっていないのだ。
基礎の基礎からしっかりと叩き込まれる。
「師匠は素直なのはいいんですが、いい方にも悪い方にも素直なので、一回考えましょう話す前に!」
「基本的に女の子は褒められて嫌な気持ちになる娘はいないわ、でも、大食いを褒めても喜ばないの!」
「む、難しい……」
「「……はぁ……」」
それでもユキムラなりにソーカに楽しんでもらえるように頑張って勉強していた。
地元の人に聞いて人気のスポットやお店など一生懸命頑張っていた。
ソーカに隠しているつもりだが、バレバレだったので、その事実だけでもソーカは幸せな気持ちになっていた。
そしてデート当日を向かえることになる。
ソーカはいつもどおりきちんと朝の稽古を行っており、朝の鍛錬に来ない理由もわかっていたためいつもより刀を握る力が強くなっていた。
今日はソーカの朝食当番日なので軽く汗を流して朝食の準備を行う。
イライラはしていたが、ユキムラたちのために胃に優しい朝食を作ってあげるソーカはとてもいい子なのだ。
「おはようございますユキムラさん。昨夜はお楽しみでしたね!」
ドンッと卓上に食事が置かれる。
野菜が細かく煮込まれたスープ。スクランブルエッグと白身魚のスパイス焼き、それにパンだ。
ユキムラが身支度をして食卓へ来るとわかりやすく不機嫌なソーカが朝食準備をしていた。
「れ、レン……どうしよ……」
コソコソとレンに相談するユキムラ。
それがまた怒らせるわよーとヴァリィは内心思っているが触れぬが仏。
夫婦喧嘩は犬も食わないのだ。もちろんタロも食べない。
「耳元で愛してるのは君だけだよって言えばいいんですよ」
昨晩散々ソーカの愚痴に付き合ったレンもややうんざり気味であった。
そして今の適当な助言を実行しようと立ち上がるユキムラを、慌てて止めるハメになる。
「じょ、冗談ですから師匠。とりあえずは約束してたデートに早めに誘ったほうがいいと思いますよ?」
ユキムラはデート? って顔してポカーンとしてたが、いつぞやの事を思い出して赤面してうつむいてしまう。
あ、この人あんな大事なことを忘れていたのか、そりゃソーカねーちゃんも怒るなぁとレンはココロの中でため息をつく。
それからユキムラは意を決したのか、ガバッと立ち上がってキッチンへと歩いていく。
手と足が一緒に出ているほどガチガチだ。
「ユキムラちゃんって変わってるわよねー、あの見た目ならもうそれこそ引く手あまたでしょうに……」
「師匠は人見知り凄いですからねぇ……」
しばらくして戻ってくる。耳まで真っ赤だ。
その後に、わかりやすくルンルンなソーカが皆の朝食を運んでくる。
ヴァリィとレンはヤレヤレと肩をすくめ合う。
そんな朝の一幕もあったが、各地の街への伝令が戻ってくるまでは内職主体になるので、ここでデートをしておくのが一番現実的だった。
伝令が戻ってきたら各街を高速で回りながらの旅とMD攻略というイベントが目白押しだ。
そんなわけでデートは二日後に予定されている。
あとで調整を入れるとは言えGUは雛形を作成していく。
一度完成していれば素材があればコピーはあっという間だ。
性能に合わせて難易度は上がるが、ユキムラにそんなことは関係ない。
「しかし、これらがあれば世界征服とかできそうですよね」
「本来の目的は自分の砦を守る対人兵器だからなー」
「え、ユキムラちゃんそれじゃぁ死人が出るでしょ……」
「うーん、何ていうか復活できるのが前提のゲーム的な試合的な?」
「ユキムラちゃんの世界は凄いのねぇ」
「師匠のいた世界……」
みんななんとなくユキムラが呼ばれた前の世界の話はしてこなかった。
ユキムラのもたらす不思議なスキルや様々な知識、技術はこの世界とは異質なものであることは気がついていた。しかし、自分たちも話を聞けば理解して実践できる。
来訪者であることに珍しさはあるが、同じ人間であることは疑いもしなかった。
なによりもレンにとっては大切な師匠、ヴァリィにとっては新しい扉を開けてくれた恩人なのだ。
「でも、ヴァリィの時に心の底から誰も死んでほしくないと痛感したよ。
そのためなら俺はこの世界の仕組みを変えてでも皆を守りたいと思った。
変な遠慮もしない、出来る限り、今打てる手は打っておきたい。後悔のないように……」
「お手伝いします! 師匠!!」
「私もできる限りの協力は惜しまないわ!」
「何の話で盛り上がっているんですかー?」
ソーカが買い出しから帰ってくる。
レンとヴァリィが可哀想なものを見るような目でソーカを温かく見つめている。
デート当日までは穏やかに採取に開発に作成と思うがまま内職に明け暮れていた。
しかしそのウラでヴァリィとレンによるデートハウトゥー講座が開催されていた。
だてに50過ぎまでまともに女性と話したことのない人間は慣れたとはいえ本質は変わっていないのだ。
基礎の基礎からしっかりと叩き込まれる。
「師匠は素直なのはいいんですが、いい方にも悪い方にも素直なので、一回考えましょう話す前に!」
「基本的に女の子は褒められて嫌な気持ちになる娘はいないわ、でも、大食いを褒めても喜ばないの!」
「む、難しい……」
「「……はぁ……」」
それでもユキムラなりにソーカに楽しんでもらえるように頑張って勉強していた。
地元の人に聞いて人気のスポットやお店など一生懸命頑張っていた。
ソーカに隠しているつもりだが、バレバレだったので、その事実だけでもソーカは幸せな気持ちになっていた。
そしてデート当日を向かえることになる。
10
あなたにおすすめの小説
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
社畜サラリーマン、異世界でパンと魔法の経営革命
yukataka
ファンタジー
過労死寸前の30代サラリーマン・佐藤健は、気づけば中世ヨーロッパ風の異世界に転生していた。与えられたのは「発酵魔法」という謎のスキルと、前世の経営知識。転生先は辺境の寒村ベルガルド――飢えと貧困にあえぐ、希望のない場所。「この世界にパンがない…だと?」健は決意する。美味しいパンで、人々を笑顔にしよう。ブラック企業で培った根性と、発酵魔法の可能性。そして何より、人を幸せにしたいという純粋な想い。小さなパン屋から始まった"食の革命"は、やがて王国を、大陸を、世界を変えていく――。笑いあり、涙あり、そして温かい人間ドラマ。仲間たちとの絆、恋の芽生え、強大な敵との戦い。パン一つで世界を救う、心温まる異世界経営ファンタジー。
神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由
瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。
神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~
於田縫紀
ファンタジー
図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。
その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる