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231話 門の守護者
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「「戦闘時はふざけたら帰ってもらうから、これは二回目はないから」」
レンとソーカにそれだけはしっかりと躾けてもらっている。
ユキムラの不興を買うことは間違いないからだ。
しかし、そんな心配はいらなかった。
里でも一目を置かれる武闘派の二人は戦闘になると驚くほど慎重、繊細な戦闘をする。
「あの二人、いいね。凄い好きな戦い方する」
ユキムラ好みの、相手に実力を出させずに、こちらが実力を出す。
そのための段取りを積んでいくタイプの戦闘スタイルだ。
レンもソーカもいい意味で期待を裏切られて、謎の寂しさを感じていた。
ほんの少し珍しいタイプの絡み方が楽しくもあったのはユキムラには内緒だ。
手のかかる弟や妹ができたような、そんな感じで二人は悪態をつきつつも、しょーがないなー的に楽しんでいたのだった。
「ソーカ殿左は拙者が!」
「任せた!」
「レン様~後衛の行動は抑えます、前衛の排除お願いします~」
「わかった! 師匠3番目の奴は潰します!」
「オッケー! 槍のやつよろしく! あのニンジャ殺る」
「わかったわぁ~」
「ワオーン!」
ユキムラの装備は短刀二刀流、防具も真っ黒な忍者装束。
ノリノリでロールプレイして楽しんでいる。
タロも忍犬のようにユキムラと飛び回る。
城下町で襲ってくる敵は人型の鎧武者、ニンジャ、法術士、陰陽師、そして鬼だ。
高レベルで相手もバランスの良いパーティであることが殆どで、戦闘は毎回気が抜けない歯ごたえがあって、ユキムラは最高にノリノリに楽しんでいた。
もちろんユキムラだけではない、殺陣の様に刀を結ぶ戦闘はソーカにも非常に魅力的で、自分が興奮しているのがわかっている。
新たな戦法を工夫しながら戦うことは、やや火力ぶっ放しのマンネリ気味な戦闘にスパイスを与えてくれて、久々に戦闘の楽しみをレンも感じている。
ヴァリィも自分の仕事をしっかりとこなさないとパーティ全体がうまく回らないギリギリの戦闘に大きなやりがいを見出している。
そしてゲストの二人は装備により進化した自分たちの能力、それに白狼隊の実力、一戦ごとに確実に強くなる自分たちの成長。その全てに酔いしれている。
「鬼気 爆昇斬撃!!」
「冥府より来たりし死神の声、怨嗟 呪怨 封殺陣!」
「ああ、禍々しいネーミング……いいねぇ!!
喰らえ! 忍法 影殺滅鬼刃嵐!!」
強大な敵たちもノリノリ状態の白狼隊を相手にするのは可哀想だ。
次々と粉微塵に粉砕されていく。
「あの鬼たちにこうも一方的に戦えるとは……」
「いや、鬼は強いよ。耐久と攻撃力は脅威だ。
ただ、状態異常耐性低いからね、忍者スタイルで弱点攻めればなんとかなる」
戦闘において弱点を攻めるのは定石、しかも今は妖怪の仲間が多く、鬼の弱点を攻めやすい。
「現われよ冥府の呪い華、迷苦弱狂華めくじゃっか」
妖狐の使う特殊技、黄泉の国の華が敵の足元に咲き乱れ様々な状態異常をばらまく。
デメリットは味方も影響を受けてしまうが、白狼隊の面々に状態異常など効くはずもない。
一方的に敵だけ大混乱状態に陥る。
「こういう状態異常をばらまく人うまい人間が一人いるだけで戦況はガラッと変わるんだよね……」
「でも師匠、耐性をしっかりと詰めばいいのでは?」
「それでも本当にうまいジャマーの人は、こちらの状態異常耐性を下げて穴をついてくる。
レン、それに皆も、装備はあくまでも道具でしか無い。それをうまく使えるかは知識勝負になる。
汎用性の高い装備は、結局器用貧乏でしか無いんだ。本気の戦闘は複数の装備を目まぐるしく戦闘中に入れ替えながら相手の思考を読んだばかしあいなんだよね」
みんな真剣な顔で聞いている。
とうとう戦いはそういうレベルに足を踏み入れ始めているのだ。
「ま、とにかく今はどんどん進もう!
まだまだ先は長いからね!」
「はい!」
その後も快進撃は続く。
途中の宝もレベル帯が1000に入ってきてまた一段と強化されている。
恒例のゲストがキャンプを張るときの設備の充実に驚くイベントも無事終了し、さっそくその都度手に入れた物を利用してリアルタイムに装備が刷新していく。
こんなダンジョン攻略をするパーティは白狼隊だけだろう。
装備もどんどんと強化されていくために素晴らしいペースで城郭の攻略は進んでいく。
そして、はじめての大門へとたどり着く。
「ここで一の丸が終わったってことかな?」
「いちのまる?」
「こういう城のつくりで区分けされたエリアを一の丸、二の丸、三の丸、本丸とか呼んだりするんだよ」
忘れがちだが、ユキムラの中身は50歳ちかいおじさんだ。
「つまり最初の関門的な場所ってことですね」
「そうだね、ほら、お出ましだ」
大門が開け放たれ巨大な鬼が現れた。
門番だろう、その鬼の背後で大門が重厚な音を立てながら閉められる。
身長は15mはあろうかという大鬼。
【我が名は羅刹……妖怪ども、怯えてガタガタと震えておれば良いものを……
まぁ、よい、この金棒! 血に飢えて退屈しておった!!】
巨大な金棒、イガイガと無数の棘が付いているが、そんなものは問題にならないほど巨大な質量。
【さぁ鬼棍棒よ! 好きなだけ血を啜れ!!】
振るう鬼棍棒は直撃すれば当然跡形はない、ただそれだけではなく、振るうだけで豪風が吹き荒れる。
「絶対に直撃はもらうなよ、この鎧でも防げない。
ついでに結界なども当てにしないように。細心の注意と、最大限の効率で戦おう」
ユキムラの号令で戦いが始まる!
レンとソーカにそれだけはしっかりと躾けてもらっている。
ユキムラの不興を買うことは間違いないからだ。
しかし、そんな心配はいらなかった。
里でも一目を置かれる武闘派の二人は戦闘になると驚くほど慎重、繊細な戦闘をする。
「あの二人、いいね。凄い好きな戦い方する」
ユキムラ好みの、相手に実力を出させずに、こちらが実力を出す。
そのための段取りを積んでいくタイプの戦闘スタイルだ。
レンもソーカもいい意味で期待を裏切られて、謎の寂しさを感じていた。
ほんの少し珍しいタイプの絡み方が楽しくもあったのはユキムラには内緒だ。
手のかかる弟や妹ができたような、そんな感じで二人は悪態をつきつつも、しょーがないなー的に楽しんでいたのだった。
「ソーカ殿左は拙者が!」
「任せた!」
「レン様~後衛の行動は抑えます、前衛の排除お願いします~」
「わかった! 師匠3番目の奴は潰します!」
「オッケー! 槍のやつよろしく! あのニンジャ殺る」
「わかったわぁ~」
「ワオーン!」
ユキムラの装備は短刀二刀流、防具も真っ黒な忍者装束。
ノリノリでロールプレイして楽しんでいる。
タロも忍犬のようにユキムラと飛び回る。
城下町で襲ってくる敵は人型の鎧武者、ニンジャ、法術士、陰陽師、そして鬼だ。
高レベルで相手もバランスの良いパーティであることが殆どで、戦闘は毎回気が抜けない歯ごたえがあって、ユキムラは最高にノリノリに楽しんでいた。
もちろんユキムラだけではない、殺陣の様に刀を結ぶ戦闘はソーカにも非常に魅力的で、自分が興奮しているのがわかっている。
新たな戦法を工夫しながら戦うことは、やや火力ぶっ放しのマンネリ気味な戦闘にスパイスを与えてくれて、久々に戦闘の楽しみをレンも感じている。
ヴァリィも自分の仕事をしっかりとこなさないとパーティ全体がうまく回らないギリギリの戦闘に大きなやりがいを見出している。
そしてゲストの二人は装備により進化した自分たちの能力、それに白狼隊の実力、一戦ごとに確実に強くなる自分たちの成長。その全てに酔いしれている。
「鬼気 爆昇斬撃!!」
「冥府より来たりし死神の声、怨嗟 呪怨 封殺陣!」
「ああ、禍々しいネーミング……いいねぇ!!
喰らえ! 忍法 影殺滅鬼刃嵐!!」
強大な敵たちもノリノリ状態の白狼隊を相手にするのは可哀想だ。
次々と粉微塵に粉砕されていく。
「あの鬼たちにこうも一方的に戦えるとは……」
「いや、鬼は強いよ。耐久と攻撃力は脅威だ。
ただ、状態異常耐性低いからね、忍者スタイルで弱点攻めればなんとかなる」
戦闘において弱点を攻めるのは定石、しかも今は妖怪の仲間が多く、鬼の弱点を攻めやすい。
「現われよ冥府の呪い華、迷苦弱狂華めくじゃっか」
妖狐の使う特殊技、黄泉の国の華が敵の足元に咲き乱れ様々な状態異常をばらまく。
デメリットは味方も影響を受けてしまうが、白狼隊の面々に状態異常など効くはずもない。
一方的に敵だけ大混乱状態に陥る。
「こういう状態異常をばらまく人うまい人間が一人いるだけで戦況はガラッと変わるんだよね……」
「でも師匠、耐性をしっかりと詰めばいいのでは?」
「それでも本当にうまいジャマーの人は、こちらの状態異常耐性を下げて穴をついてくる。
レン、それに皆も、装備はあくまでも道具でしか無い。それをうまく使えるかは知識勝負になる。
汎用性の高い装備は、結局器用貧乏でしか無いんだ。本気の戦闘は複数の装備を目まぐるしく戦闘中に入れ替えながら相手の思考を読んだばかしあいなんだよね」
みんな真剣な顔で聞いている。
とうとう戦いはそういうレベルに足を踏み入れ始めているのだ。
「ま、とにかく今はどんどん進もう!
まだまだ先は長いからね!」
「はい!」
その後も快進撃は続く。
途中の宝もレベル帯が1000に入ってきてまた一段と強化されている。
恒例のゲストがキャンプを張るときの設備の充実に驚くイベントも無事終了し、さっそくその都度手に入れた物を利用してリアルタイムに装備が刷新していく。
こんなダンジョン攻略をするパーティは白狼隊だけだろう。
装備もどんどんと強化されていくために素晴らしいペースで城郭の攻略は進んでいく。
そして、はじめての大門へとたどり着く。
「ここで一の丸が終わったってことかな?」
「いちのまる?」
「こういう城のつくりで区分けされたエリアを一の丸、二の丸、三の丸、本丸とか呼んだりするんだよ」
忘れがちだが、ユキムラの中身は50歳ちかいおじさんだ。
「つまり最初の関門的な場所ってことですね」
「そうだね、ほら、お出ましだ」
大門が開け放たれ巨大な鬼が現れた。
門番だろう、その鬼の背後で大門が重厚な音を立てながら閉められる。
身長は15mはあろうかという大鬼。
【我が名は羅刹……妖怪ども、怯えてガタガタと震えておれば良いものを……
まぁ、よい、この金棒! 血に飢えて退屈しておった!!】
巨大な金棒、イガイガと無数の棘が付いているが、そんなものは問題にならないほど巨大な質量。
【さぁ鬼棍棒よ! 好きなだけ血を啜れ!!】
振るう鬼棍棒は直撃すれば当然跡形はない、ただそれだけではなく、振るうだけで豪風が吹き荒れる。
「絶対に直撃はもらうなよ、この鎧でも防げない。
ついでに結界なども当てにしないように。細心の注意と、最大限の効率で戦おう」
ユキムラの号令で戦いが始まる!
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