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286話 供養
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「アオーーーーーーーーーーーーン!!」
バリバリと声に聖気を乗せたタロの雄叫びで空中でユキムラ達を嘲笑っていた死霊達の殆どが弾け飛ぶ。
地上にいるアンデッド達もじゅうじゅうと体表を焼かれ、その動きを鈍くする。
集団のボスと思われるエンシェントリッチは骸骨の顔からは読み取れないが不愉快そうな気がする。
しかし、流石にリッチの中でも上位種の魔物。
すぐに闇の波動をアンデッド達に走らせて強化と狂化させる。
タロの聖なるオーラに怯んでいた雑魚達も狂ったようにユキムラ達に殺到していく。
「不浄なる物達を阻む盾となれ、ホーリーウォール!」
「神よ、不浄を切り裂く力を我に! ホーリーブレス!!」
キーミッツとデリカが即座に戦闘態勢を整える。
このあたりは流石は歴戦の戦士と言える。
ユキムラ達を囲うように神聖な壁がアンデッド達の侵攻を防ぐ。
悍おぞましい魑魅魍魎達がバリバリと神聖な気に焼かれながらもどんどんと壁を打ち破ろうとする。
「くっ……この数ではもたん……」
「キーミッツ卿! ご無理をなさるな!」
聖騎士の特性である神聖な気を纏い、不浄なる相手との戦闘準備ができたデリカが叫ぶ。
「タロに任せっぱなしもアレですから我々も少し働きましょうか」
慌てるでもないユキムラの声が頼もしく聞こえる。
「アルティメットホーリーフィールド!」
ユキムラは地面に手をかざすと半径30mほどの魔法陣が地面に現れる。
魔法陣内を聖属性領域に変えて、味方には持続体力回復、魔法回復力増加、攻撃力上昇などのバフを与えて、闇や不浄系の敵には行動阻害、継続ダメージ、防御低下などのデバフを与える。
「なっ……!? 個人で、準備も触媒もなしに!?」
なるほどこれくらいの人間でなければ真なる聖騎士には選ばれないのだなと納得する二人。
スローモーションのように群がってくるアンデッドを、キーミッツは年齢を感じさせない体技で、デリカは見事な剣技で浄化させていく。
「これは!? 腕輪の力ですか!?」
きちんとした戦闘は実は初めてだが、自分が振るう力の増大に二人は戸惑ってしまう。
ユキムラ達はそんな二人の戸惑いを様子見しながら、一気に殲滅しない程度に敵の相手をしている。
普通の敵と違って、倒すとゴボゴボと腐肉と骨になって、しばらくするとリッチからの闇のオーラで受肉してくる。
「うーん、これは経験値入らなそうだね。殲滅しますか」
しばらく戦闘をしているとユキムラがちょっとがっかりした声で指示をする。
タロはすでに相手のリッチをボロボロにしていたが、一応ユキムラのゴーサインを待っていた。
そして、ユキムラのゴーサインが出てしまえば、一瞬で粉微塵に粉砕される。
「もう復活しないから、一気にやっちゃおう!」
すでに一方的だった戦闘は本当にあっという間に終わる。
驚くほどあっさりとだ。
「エンシェントリッチって事はレベル1000以上かぁ……デリカさんこのあたりってこんなにハイレベルな魔物が出るんですか?」
「へ? ゆ、ユキムラ殿、今レベルいくつとおっしゃいました……?」
「レベル1000ですね。多分ですけど……」
「せ、1000!? そ、そんな化物だったんですか!?」
「道中の魔物も100は超えてましたよ。
森で出会ったのがあれと同じレベルだったらコウ達は助からなかったね。
良かったよかった。
ん? どうかしましたか?」
「途中の皆さんにサクサクっとあしらわれていた魔物が……100レベルを超える魔物……?」
「ええ、まさかフィールドにそのレベルの魔物がいる洞窟が有るなんて驚いたので、この国では普通なのかな? って思いまして……」
「ふ、普通の訳がないじゃないですか!?
いや、100レベルの魔物なんて一体出ても聖騎士隊が決死の覚悟で挑みますよ!」
「少なくとも6大司教は招集されるレベルだと思います……」
「そうでしたか……早めに気がつけてよかったですね!」
ウーノの街の、むしろこの国の危機が今救われた事実に、二人は腰から砕けて座り込んでしまう。
二人の回復を待つ間、タロと一緒に祭殿周囲の浄化を執り行う。
「ユキムラちゃーん、こっちに別の通路があるわよー」
「念のために帰りはそっちを通って帰ろう」
調べた結果、この地下神殿は数百年前に大きな勢力を持った邪神信仰の一派が邪神復活の儀式を執り行っていた場所で、偶然厄介な悪霊を呼び出してしまい、激しい戦いで全員生き埋めになってしまい、地下で脈々と悪霊が成長をしていった結果だったことがわかった。
もう片方の通路は途中で信者によって爆破されており、完全に塞がっていた。
「生贄の穴もタロが完全に浄化してくれた。この洞窟も……埋めておこうか。
空間があると何か住み着いたり発生しても困るから」
「地表が沈没したりしませんかね?」
「ワンワン!」
「ん? なーにタロ? これをその穴に入れればいいの?」
タロが何かの種を渡してくる。
ユキムラは種を贄の穴へと投げ入れる。
「アオーーーーン!!」
再びタロが遠吠えを上げると、贄の穴からビシビシと蔦状の木の枝が伸びてくる。
「おお、凄いな……これが洞窟を埋め尽くすのか。それじゃぁ、皆、洞窟の外に出よう!」
驚きの連続なデリカとキーミッツも足早に洞窟から脱出する。
レベル100台の魔物がいつ襲ってくるかとビクビクしていたが、ユキムラ達がずんずんと歩いていってしまうので必死についていくしか無い。
「おお、外はもう真っ暗だね」
見上げると空は夕闇に包まれており、満天の星々が煌めいていた。
ユキムラ達が洞窟から脱出してしばらくすると、割れ目のような洞窟から蔦のような植物が溢れ出す。
周囲の枯れ木を巻き込みながら、周囲の地面からも蔦のような枝が湧き出していく。
「アンアン!」
「ちょっと離れた方が良い? 皆、森まで後退しよう」
タロの助言に従い森の境目まで後退する。
蔦のような枝は幾重にも折り重なりあい、巨大な巨大な木へと変貌していく。
まるで、この場で無念の死を遂げた動物や人間たちの墓標のような神々しい巨木へと姿を変える。
後にウーノの聖樹と呼ばれることになる巨木が誕生する。
この木から取れる葉は良質なポーションの材料になることも後に判明する。
巡礼スポットの一つとして後の世までたくさんの人々の信仰を集めることになりましたとさ。
バリバリと声に聖気を乗せたタロの雄叫びで空中でユキムラ達を嘲笑っていた死霊達の殆どが弾け飛ぶ。
地上にいるアンデッド達もじゅうじゅうと体表を焼かれ、その動きを鈍くする。
集団のボスと思われるエンシェントリッチは骸骨の顔からは読み取れないが不愉快そうな気がする。
しかし、流石にリッチの中でも上位種の魔物。
すぐに闇の波動をアンデッド達に走らせて強化と狂化させる。
タロの聖なるオーラに怯んでいた雑魚達も狂ったようにユキムラ達に殺到していく。
「不浄なる物達を阻む盾となれ、ホーリーウォール!」
「神よ、不浄を切り裂く力を我に! ホーリーブレス!!」
キーミッツとデリカが即座に戦闘態勢を整える。
このあたりは流石は歴戦の戦士と言える。
ユキムラ達を囲うように神聖な壁がアンデッド達の侵攻を防ぐ。
悍おぞましい魑魅魍魎達がバリバリと神聖な気に焼かれながらもどんどんと壁を打ち破ろうとする。
「くっ……この数ではもたん……」
「キーミッツ卿! ご無理をなさるな!」
聖騎士の特性である神聖な気を纏い、不浄なる相手との戦闘準備ができたデリカが叫ぶ。
「タロに任せっぱなしもアレですから我々も少し働きましょうか」
慌てるでもないユキムラの声が頼もしく聞こえる。
「アルティメットホーリーフィールド!」
ユキムラは地面に手をかざすと半径30mほどの魔法陣が地面に現れる。
魔法陣内を聖属性領域に変えて、味方には持続体力回復、魔法回復力増加、攻撃力上昇などのバフを与えて、闇や不浄系の敵には行動阻害、継続ダメージ、防御低下などのデバフを与える。
「なっ……!? 個人で、準備も触媒もなしに!?」
なるほどこれくらいの人間でなければ真なる聖騎士には選ばれないのだなと納得する二人。
スローモーションのように群がってくるアンデッドを、キーミッツは年齢を感じさせない体技で、デリカは見事な剣技で浄化させていく。
「これは!? 腕輪の力ですか!?」
きちんとした戦闘は実は初めてだが、自分が振るう力の増大に二人は戸惑ってしまう。
ユキムラ達はそんな二人の戸惑いを様子見しながら、一気に殲滅しない程度に敵の相手をしている。
普通の敵と違って、倒すとゴボゴボと腐肉と骨になって、しばらくするとリッチからの闇のオーラで受肉してくる。
「うーん、これは経験値入らなそうだね。殲滅しますか」
しばらく戦闘をしているとユキムラがちょっとがっかりした声で指示をする。
タロはすでに相手のリッチをボロボロにしていたが、一応ユキムラのゴーサインを待っていた。
そして、ユキムラのゴーサインが出てしまえば、一瞬で粉微塵に粉砕される。
「もう復活しないから、一気にやっちゃおう!」
すでに一方的だった戦闘は本当にあっという間に終わる。
驚くほどあっさりとだ。
「エンシェントリッチって事はレベル1000以上かぁ……デリカさんこのあたりってこんなにハイレベルな魔物が出るんですか?」
「へ? ゆ、ユキムラ殿、今レベルいくつとおっしゃいました……?」
「レベル1000ですね。多分ですけど……」
「せ、1000!? そ、そんな化物だったんですか!?」
「道中の魔物も100は超えてましたよ。
森で出会ったのがあれと同じレベルだったらコウ達は助からなかったね。
良かったよかった。
ん? どうかしましたか?」
「途中の皆さんにサクサクっとあしらわれていた魔物が……100レベルを超える魔物……?」
「ええ、まさかフィールドにそのレベルの魔物がいる洞窟が有るなんて驚いたので、この国では普通なのかな? って思いまして……」
「ふ、普通の訳がないじゃないですか!?
いや、100レベルの魔物なんて一体出ても聖騎士隊が決死の覚悟で挑みますよ!」
「少なくとも6大司教は招集されるレベルだと思います……」
「そうでしたか……早めに気がつけてよかったですね!」
ウーノの街の、むしろこの国の危機が今救われた事実に、二人は腰から砕けて座り込んでしまう。
二人の回復を待つ間、タロと一緒に祭殿周囲の浄化を執り行う。
「ユキムラちゃーん、こっちに別の通路があるわよー」
「念のために帰りはそっちを通って帰ろう」
調べた結果、この地下神殿は数百年前に大きな勢力を持った邪神信仰の一派が邪神復活の儀式を執り行っていた場所で、偶然厄介な悪霊を呼び出してしまい、激しい戦いで全員生き埋めになってしまい、地下で脈々と悪霊が成長をしていった結果だったことがわかった。
もう片方の通路は途中で信者によって爆破されており、完全に塞がっていた。
「生贄の穴もタロが完全に浄化してくれた。この洞窟も……埋めておこうか。
空間があると何か住み着いたり発生しても困るから」
「地表が沈没したりしませんかね?」
「ワンワン!」
「ん? なーにタロ? これをその穴に入れればいいの?」
タロが何かの種を渡してくる。
ユキムラは種を贄の穴へと投げ入れる。
「アオーーーーン!!」
再びタロが遠吠えを上げると、贄の穴からビシビシと蔦状の木の枝が伸びてくる。
「おお、凄いな……これが洞窟を埋め尽くすのか。それじゃぁ、皆、洞窟の外に出よう!」
驚きの連続なデリカとキーミッツも足早に洞窟から脱出する。
レベル100台の魔物がいつ襲ってくるかとビクビクしていたが、ユキムラ達がずんずんと歩いていってしまうので必死についていくしか無い。
「おお、外はもう真っ暗だね」
見上げると空は夕闇に包まれており、満天の星々が煌めいていた。
ユキムラ達が洞窟から脱出してしばらくすると、割れ目のような洞窟から蔦のような植物が溢れ出す。
周囲の枯れ木を巻き込みながら、周囲の地面からも蔦のような枝が湧き出していく。
「アンアン!」
「ちょっと離れた方が良い? 皆、森まで後退しよう」
タロの助言に従い森の境目まで後退する。
蔦のような枝は幾重にも折り重なりあい、巨大な巨大な木へと変貌していく。
まるで、この場で無念の死を遂げた動物や人間たちの墓標のような神々しい巨木へと姿を変える。
後にウーノの聖樹と呼ばれることになる巨木が誕生する。
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