上 下
160 / 409
*俺がお前の

分かってて、言ってる?

しおりを挟む
 でもね、でもね、でもね、温和はるまさっ。

「お願っ、お風呂っ」

 ゆっくりと足からショーツを抜き取られるのを感じながら、私はそう言わずにはいられない。

 スカートをはいたまま。
 ブラウスもブラも中途半端に身体に着せかけられたまま。

 なのに一番隠したい恥ずかしいところだけ剥き出しとか……そんなのってある?

 しかも……ショーツを脱がされる時、私、自分が恥ずかしいぐらい濡れてしまっていることに気付いてる。
 だから余計に恥ずかしいの。

「お願っ、見な、ぃでっ」

 出来れば自分の顔も両手で覆い隠してしまいたい。
 だけど温和はるまさの「じっと」の命令の効力は絶大で。

 私は顔を覆う代わりにギュッと目をつぶった。

 と、ヌルリ、とした温かい感触が下肢を這って、私はビクッと身体を震わせる。
 しかもあろうことかそれはそのまま――。

「き、汚いっ……からぁっ!」

 ダメとイヤが言えないから、そう言うので精一杯で。
 なのに温和はるまさは私の足の間に顔を埋めたまましれっと言うの。

「汚くねぇよ。けど、お前が気にするから――俺が綺麗にしてやるって言っただろ?」

 温和はるまさが喋るたび、秘部に彼の吐息が掠めて、嫌でも自分が今何をされているのかを思い知らされる。

「お願っ、お風呂にも入ってないのに……温和はるまさにそんなっ。は、恥ずかしすぎて……私、死んじゃいそうっ」

 一生懸命訴えるのに、温和はるまさは意に介した風もなく私の敏感なところをチュッと吸い上げてから言うの。

「俺がしたいって思うの、お前だけだから」

 って。
 ねぇ、それ、喜ぶべきなの?
 したくないって思われた方が、私、幸せなんじゃない?

「お前は、イヤか? 俺にこうされるのとか……その、俺のを同じようにするのとか」

 肉襞にくひだを左右に押し開かれるようにされて、中心いりぐち温和はるまさの舌が這う。
 そんなことをされながら問いかけられた言葉なんて、意味が入ってくるはず、ないっ。

 私の頭の中は一刻も早くこの恥ずかしい行為から逃れたい、の一点張りで。

温和はるまさぁ、お願っ、も、挿入れ、てっ」

 気が付いたら、通常なら恥ずかしくて絶対に言えないような言葉が、ポロリと口をついていた。

「お、音芽おとめ……お前っ」

 これにはさすがに温和はるまさも驚いたみたいで、私のそこから顔を上げると、私をじっと見つめてきた。

「分かってて、言ってる?」

 真剣な目をして問われたけれど、そんなの分かんないっ。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

男はエルフが常識?男女比1:1000の世界で100歳エルフが未来を選ぶ

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:234pt お気に入り:366

静寂の園

ミステリー / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:3

婚約破棄された! 幸せになった! ~さくっとな人生です~

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:8

eyes to me~私を見て

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:95

改稿版 婚約破棄の代償

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:1,483pt お気に入り:856

婚約者は聖女を愛している。……と、思っていたが何か違うようです。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:11,416pt お気に入り:9,135

悪役令嬢が死んだ後

恋愛 / 完結 24h.ポイント:2,209pt お気に入り:6,140

処理中です...