【完結】【R18】結婚相手を間違えました

鷹槻れん

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7.不安と違和感の中で*

結葉もその気になってくれているみたいでホッとした

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***


「あ、あの偉央いおさんっ⁉︎」

 偉央いおの問いかけに何の気なしに頷いたと同時、偉央いおに横抱きに抱え上げられた結葉ゆいはは、予期せぬことにオロオロと戸惑って。

 そもそも偉央いおの言いつけを守って、一糸まとわぬままにタオルだけ羽織っている身。

 偉央いお膝裏ひざうらをすくい上げた瞬間、タオルが緩みそうになって、結葉ゆいははドキッとさせられた。

 加えて、自分でも下肢を濡らしてしまっているのが分かっていたから、それを偉央いおに気付かれるんじゃないかと気が気じゃなくて。

 足の下に入れられた偉央いおの手が気になって仕方がない。

 結葉ゆいはを抱き上げる偉央いおも、風呂上がりで腰に一枚タオルを巻き付けただけという露出度の高い格好だ。
 意識しなくても偉央いおの体温が嫌と言うほど伝わってくる上、彼の剥き出しの胸元がすぐ目の前にある。男性経験のない結葉ゆいはには、刺激が強すぎた。

 プールでは何だかんだ言っても基本的には偉央いおは背後にいたから。
 こんな風にすぐ目の前に彼の裸の胸板がきて、結葉ゆいははどうしたらいいか分からない。

 瞳を逸らすようにしてみたものの、熱と偉央いおから漂ってくる石鹸の香りまでは遮断できなくて、心臓がバクバクと早鐘を打った。

 偉央いおのことを異性として意識すればするほど、結葉ゆいはのなかの情欲が煽られて、トロリと脚の間から蜜が溢れてくるのを感じる。

(恥ずかしいっ)

 自分がすごくはしたない女性になってしまったようで。

 偉央いおに触れられるたび、結葉ゆいはの中に今までの彼女が知らなかった〝愛欲〟が沸き起こってきてしまうことに、結葉ゆいはは物凄く戸惑った。


 結葉ゆいはは、せわしなく鼓動を刻む心臓のせいで、今にも倒れてしまいそう。

 ある意味女性も顔負けなほどに整った顔をしている偉央いおだ。
 そんな美貌の彼が、紛れもなく〝男性〟なのだと意識させられるのは、ギャップがあるからだろうか。ただひたすらに馴染めなくて照れ臭い。

 ましてやその対象が自分だなんて。

 偉央いおの逞しい二の腕の感触を背中と両腕、そうして脚に感じながら、自分は彼に比べると本当に線の細い非力な〝女性〟なのだと突きつけられて。
 それが結葉ゆいはの中に眠る被虐心をゆっくりと……、しかし確実にくすぐった。

 色んな思いが混ぜこぜになって、結葉ゆいはの中を去来する。

 目端が潤んで、身体が物凄く熱くなる。


「わ、私……自分で歩けます……」

 真っ赤になりながら懸命に言い募ってみたけれど、そうこうしているうちにベッドの上に下ろされていた。


結葉ゆいはになってくれてるみたいでホッとした」

 という言葉とともに。
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