【完結】【R18】結婚相手を間違えました

鷹槻れん

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21.想からの惜しみない愛

策士からの告白

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 そこでスッと手を伸ばして結葉ゆいはの頭をヨシヨシすると、「ちっさい頃から可愛がってる結葉ゆいはが少々何かやらかしたくらいじゃ、俺、お前を見捨てたりしねぇぞ?」と付け加えてくる。

「もぉ、そうちゃん、相変わらず私のこと子供扱いしすぎだよっ……?」

 そうが、今も変わらず自分のことを大切に思ってくれているんだと分かってホッとして。
 それと同時にほんのちょっと寂しい気持ちがしたのは昔感じていた恋心の名残なごりがくすぶっているんだろうか。

 そうの手を昔みたいに振り払おうとしたら、ギュッと手首を掴まれてドキッとしてしまう。


「言っとくけど俺、マトモに彼女がいたことも、誰かと同棲したこともねぇから」

 そこで正面からじっと顔を見据えられて、

「――何かずっと勘違いされてるみてぇだからこの際キッチリ訂正しとくけど……。ここだってそういう意図で借りた訳じゃねぇかんな?」

 ムスッとした様子でそうつぶやいたそうに、結葉ゆいはは「え?」と声を落として。
 あまりの衝撃に、手を握られたままなことにもマトモに反応出来なくなってしまう。

「……え? でも……。だって……。あの……き、公宣きみのぶさんが」

「ああ、まぁ……、昔、家まで来られちまったからな。……告白」

 そうはそこで「お前がまだ結婚してなかった頃の話だから、三年以上前のことになるか――」と前置きをして話し出した。




「二十六になった俺の誕生日の日にさ、あんまし話したことなかった高校時代の同級生が何の前触れもなく『誕生日おめでとう』っていきなり家に来たんだわ」

 そうの誕生日は四月三日だ。

 そのちょっと前の三月中旬に、高校時代の同窓会があって、そこで再会したのがきっかけだったんだと思う、とそうが言って。

 実際、そうにとってその同級生――朝沼あさぬま舞衣歌まいかの訪問は青天の霹靂へきれきだったらしい。

 同窓会でたまたま近くに座って、たまたまほんの少し話しただけのよく知らない女子。
 それが舞衣歌まいかに対するそうの評価の全てだったから。
 

「飲み食いしながら『、いま恋人いるの?』とか聞かれたからさ。『いねぇよ』って答えたりしたから。きっと……だったら丁度いいじゃん、とか思われちまったんだろうな」

 恋人がいるかいないかと、好きな女性やつがいるかどうかはまた別の話なのにな、と小さく付け加えたそうの表情がやけに色めいて見えて、結葉ゆいははドキッとしてしまう。

「それが結構策士な女子でさ。わざわざ家族が揃ってるような夕方に来て……親父とお袋が見てる目の前で『お誕生日おめでとう! 好きです!』ってやられちまったら恥かかせるわけにもいかねぇし、とりあえず一旦は『おう、有難う』って言うしかねーだろ?」


 それまでは〝山波やまなみくん〟だったのが、わざわざ親しげに〝そうくん〟と呼びかけてきたところにゾワリときた、とそうが苦笑して。


 結葉ゆいはの知る山波やまなみそうという幼なじみのお兄ちゃんは、見た目こそヤンチャで怖い印象を持たれがちだけれど、中身はとっても優しくて思いやりがある男だから。

 人前で女の子をそでにするという選択肢はなかったんだろうな、と思って。

 結葉ゆいはは「そうだね」と相槌あいづちを打ってうなずいた。
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