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21.想からの惜しみない愛
想ちゃんに迷惑を掛けるわけにはいかない
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それと同時、もしもその時、今みたいに自分が真実を知っていたならば、未来は変わっていたんじゃないかな?とか有り得ない「たられば」を考えてしまって。
(バカね、結葉。想ちゃん、好きな人居るって言ったじゃない。――もしそうだとしても私はきっと偉央さんと結婚してた)
そう。
想は付き纏う女性を牽制するために「好きな子がいる」と、本音でぶつかったと話していたのだ。
彼女がいた事が真実ではなかったにせよ、そこに結葉の入る余地なんて元からなかったではないか。
「ま、昔の話だ。今は静かなもんよ。――んなわけで、ここにお前が居ても何も問題ねぇってわけ。だから変に心配すんな? ――分かったな?」
想は、どうやら結葉にそれを伝えたくて、この話をしてくれたらしい。
「ん、分かった。……想ちゃん、有難うね」
言いながら、胸の奥に小さな棘が刺さったままなのを、結葉は紅茶をひとくち飲んで喉の奥に流し込んだ。
想は優しいから。
こんな風に言ってくれてはいるけれど、彼が好きな女の子と結ばれるためには、自分の存在が邪魔でしかないのは明白だ。
想の中では妹位置なのかもしれないけれど、世間一般に見れば結葉と想は赤の他人なのだから。
実妹の芹が想に甘えるのとはわけが違う。
(いつまでも想ちゃんに迷惑を掛けるわけにはいかない)
そう思った結葉だ。
そのためには、偉央とのことを一日でも早く決着を付けなければ、仕事を探す事ですらままならないと気がついた。
仕事が決まらなければ、生活の基盤が整わないから、ここを出て行くことすら叶わない。
(まずは自分のことと、ちゃんと向き合う勇気を出さなきゃ)
偉央とのことに決着をつけると言うことは、そういうことも含んでいる。
結葉はほうっと吐息を落とすと、居住まいを正して想をじっと見つめた。
想がこんな風に違う話をしてワンクッションあけてくれたのは、結葉を安心させるためだけじゃないのも、分かっているつもりだ。
きっと、想は他の話をして時間を稼ぐことで、結葉が気持ちに整理をつけて、せめて今日の事だけでもことの次第を話してくれる準備が整うのを待ってくれている。
「あのね、想ちゃん。驚かないで聞いてね――」
結葉がそう告げたら、想がスッと目を眇めて、背筋を伸ばしたのが分かった。
(バカね、結葉。想ちゃん、好きな人居るって言ったじゃない。――もしそうだとしても私はきっと偉央さんと結婚してた)
そう。
想は付き纏う女性を牽制するために「好きな子がいる」と、本音でぶつかったと話していたのだ。
彼女がいた事が真実ではなかったにせよ、そこに結葉の入る余地なんて元からなかったではないか。
「ま、昔の話だ。今は静かなもんよ。――んなわけで、ここにお前が居ても何も問題ねぇってわけ。だから変に心配すんな? ――分かったな?」
想は、どうやら結葉にそれを伝えたくて、この話をしてくれたらしい。
「ん、分かった。……想ちゃん、有難うね」
言いながら、胸の奥に小さな棘が刺さったままなのを、結葉は紅茶をひとくち飲んで喉の奥に流し込んだ。
想は優しいから。
こんな風に言ってくれてはいるけれど、彼が好きな女の子と結ばれるためには、自分の存在が邪魔でしかないのは明白だ。
想の中では妹位置なのかもしれないけれど、世間一般に見れば結葉と想は赤の他人なのだから。
実妹の芹が想に甘えるのとはわけが違う。
(いつまでも想ちゃんに迷惑を掛けるわけにはいかない)
そう思った結葉だ。
そのためには、偉央とのことを一日でも早く決着を付けなければ、仕事を探す事ですらままならないと気がついた。
仕事が決まらなければ、生活の基盤が整わないから、ここを出て行くことすら叶わない。
(まずは自分のことと、ちゃんと向き合う勇気を出さなきゃ)
偉央とのことに決着をつけると言うことは、そういうことも含んでいる。
結葉はほうっと吐息を落とすと、居住まいを正して想をじっと見つめた。
想がこんな風に違う話をしてワンクッションあけてくれたのは、結葉を安心させるためだけじゃないのも、分かっているつもりだ。
きっと、想は他の話をして時間を稼ぐことで、結葉が気持ちに整理をつけて、せめて今日の事だけでもことの次第を話してくれる準備が整うのを待ってくれている。
「あのね、想ちゃん。驚かないで聞いてね――」
結葉がそう告げたら、想がスッと目を眇めて、背筋を伸ばしたのが分かった。
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