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4-2.ハッピーハロウィン!―中編―

大人のハロウィンパーティーは子供らを寝かしつけてから

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 くるみが行こうとしていたのは、市内にある米軍基地内でもよおされるハロウィンイベントだった。

米軍基地ベースの従業員さんにうちのパンを贔屓ひいきにしてくださっているくれちょっちゃって方がいらっしゃるおっちゃってんですけど、その方、子供さんの人数が多いけぇハロウィンの夜、助っ人が欲しいっておっしゃって言うちゃって

 聞けば今時珍しい子沢山。
 上は小学校中学年児童から、下は一歳にも満たない乳幼児という、六人ものお子さんの親御さんらしい。

「五人目が出来た思うたら双子ちゃんじゃったらしいんです」

 結果、子供五人でも多いのに、六人の子持ちになられたんだとか。

「ちょっとうらやましいです、兄弟姉妹きょうだいがたくさん」

 一人っ子のくるみとしては、そんな風に思うらしい。

 だが実篤さねあつはそれよりも気になることがあった。


「えっと……もしかしてそれって子供だけがコスプレしたらええんじゃないん?」

 大人が一緒になって仮装するのは恥ずかしいんじゃなかろうか?と思ってしまった実篤さねあつだ。

 日本のイベントなら大人が仮装をしてワイワイ騒ぐのも結構あちこちであるし、大衆に紛れるならばそれもまたありだと思う。(それでも恥ずかしいことに変わりはないけれども)
 だが、本場ベース内の、となると話は別だ。

「大丈夫ですよ~。大人でも結構子供と一緒に仮装しちょる人いらっしゃるらしいおっちゃってみたいです。大人たちは子供らぁが寝静まってからアルコールやら飲んでクールに騒ぐんじゃそうです」

 うふふ、と笑うくるみに、実篤さねあつは「ほんで俺ら、それに参加する宛があるん?」と至極当然な問いかけをしてしまった。

「そんなんあるわけないじゃないですかぁー。だってそれはアメリカの方達のパーティーですけぇね。うちらにはちっともいっそも関係ないです」

 とか。

 正直どういうことなん!?と疑問符満載になった実篤さねあつだ。


だからほいじゃけ実篤さねあつさんも、ベースん中じゃあ狼男かわいいん隠しちょって下さいね。うちも着ちょる衣装、見えんようにコレ羽織っちょるんです」

 言ってロングコートをちょいちょいと引っ張って見せるくるみに、実篤さねあつは「俺、そんなん聞いちょらんよ!?」と思ってしまった。

「今の時期じゃけ、実篤さねあつさんも上着持ってらっしゃるちょってでしょう?」

 それはそうなのだが。

「それを着て、衣装隠しちょいて下さいね。大人のハロウィンパーティーは子供らを寝かしつけてからじゃけぇっ!」

 幸い明日はくるみも実篤さねあつも休みだ。
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