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迎え
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「……お前、本当素直じゃないよな」
苦笑しながら悲しげに微笑むその声は、パティスの知っている彼のものだった。
「ブレイズ?」
何が何だか分からなくて立ち尽くすパティスに、ブレイズがウィンクをしてみせる。
それから、パティスと同じように呆然と立ち尽くすマリーンに軽く頭を下げると
「すまなかった。だまして怖い思いをさせちまったな」
謝罪の言葉を述べた。
「どう……いう……意味?」
まだことの顛末が理解できないパティスが、恐る恐るそう切り出す。
そんなパティスの傍らに歩み寄ってきたマリーンも、パティスを守るように娘の肩をそっと抱いてブレイズを睨んだ。その瞳には、まだ彼のことを信じきってはいないのだという猜疑心《さいぎしん》が垣間見える。
「素直じゃないお前の性格から考えて、正攻法で攻めたって絶対落ちないって思ったんだよ」
大きな溜め息をつきながらそう言ったブレイズに、パティスが膨れっ面をする。
「私、いつも素直にしているつもりよ!?」
「あくまでもつもり、だろ?」
なおも苛烈な目をして自分を凝視するマリーンを、気の毒気に眉根を寄せて見つめると、ブレイズは言葉を続けた。
「お前、彼女のこと嫌いだって言う割に追い出そうとする方法がやけに子供じみててらしくないの、気付いてなかったのか?」
カエルを捕まえてくるだの、洗濯物を増やすだの、大人びたパティスにはおよそ似つかわしくない嫌がらせばかりだったじゃないかとブレイズが苦笑する。
パティスからその話を聞いて、本当は甘えたいのにできずにいるんだな、と悟ったのだという。
「そ、そんなことないもん!」
虚勢を張って言ってみたけれど、それが無駄なことはパティスが一番良く知っていた。
マリーンを追い出すための作戦について語ったとき、ブレイズが笑ったような気がしたのは気のせいではなかったのだ。
それに、無意識のうちにマリーンのことを「ママ」と呼んでしまった自分が居ることも今更否定できないし、彼女のことが好きだと認めてしまったのも取り消せないだろう。
「素直になれよ」
言われなくてもそうしたい。
うつむいて黙り込んでしまったパティスに、今まで後ろから肩を抱くようにしていたマリーンがパティスの前にしゃがみ込んだ。
そうして泣きそうな顔をして唇を噛み締めるパティスを、しっかりと抱きしめる。
苦笑しながら悲しげに微笑むその声は、パティスの知っている彼のものだった。
「ブレイズ?」
何が何だか分からなくて立ち尽くすパティスに、ブレイズがウィンクをしてみせる。
それから、パティスと同じように呆然と立ち尽くすマリーンに軽く頭を下げると
「すまなかった。だまして怖い思いをさせちまったな」
謝罪の言葉を述べた。
「どう……いう……意味?」
まだことの顛末が理解できないパティスが、恐る恐るそう切り出す。
そんなパティスの傍らに歩み寄ってきたマリーンも、パティスを守るように娘の肩をそっと抱いてブレイズを睨んだ。その瞳には、まだ彼のことを信じきってはいないのだという猜疑心《さいぎしん》が垣間見える。
「素直じゃないお前の性格から考えて、正攻法で攻めたって絶対落ちないって思ったんだよ」
大きな溜め息をつきながらそう言ったブレイズに、パティスが膨れっ面をする。
「私、いつも素直にしているつもりよ!?」
「あくまでもつもり、だろ?」
なおも苛烈な目をして自分を凝視するマリーンを、気の毒気に眉根を寄せて見つめると、ブレイズは言葉を続けた。
「お前、彼女のこと嫌いだって言う割に追い出そうとする方法がやけに子供じみててらしくないの、気付いてなかったのか?」
カエルを捕まえてくるだの、洗濯物を増やすだの、大人びたパティスにはおよそ似つかわしくない嫌がらせばかりだったじゃないかとブレイズが苦笑する。
パティスからその話を聞いて、本当は甘えたいのにできずにいるんだな、と悟ったのだという。
「そ、そんなことないもん!」
虚勢を張って言ってみたけれど、それが無駄なことはパティスが一番良く知っていた。
マリーンを追い出すための作戦について語ったとき、ブレイズが笑ったような気がしたのは気のせいではなかったのだ。
それに、無意識のうちにマリーンのことを「ママ」と呼んでしまった自分が居ることも今更否定できないし、彼女のことが好きだと認めてしまったのも取り消せないだろう。
「素直になれよ」
言われなくてもそうしたい。
うつむいて黙り込んでしまったパティスに、今まで後ろから肩を抱くようにしていたマリーンがパティスの前にしゃがみ込んだ。
そうして泣きそうな顔をして唇を噛み締めるパティスを、しっかりと抱きしめる。
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