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05.私の友達/written by 鷹槻れん
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さすが〝Ecco〟という名で読者モデルをやっているだけのことはある!
ちなみに、本名の「悦子」は今風じゃなくて嫌だからEccoにしたんだとか。
「萌々ちゃんみたいに可愛い名前だったら、そのまま使ってたと思うよ~?」
と言われたのをふと思い出した。
えっちゃんは、「悦子」と呼ばれるのを凄く嫌う。
***
「やっぱ女の子っていいよね~。悦子ちゃんが来た途端、華やかさが倍増したし!」
不意に神木くんからにこやかにそう言われて、私は慌てて振り返る。
えっちゃんも、「悦子ちゃん」と呼ばれて一瞬神木くんを睨んだけれど、気づいてなさそう? 彼、鈍いところあるからなぁ。
それにしても――。えっちゃんの登場ですっかり失念してしまっていた!
私、今日は2人と一緒に登校したんだった!
恐る恐る神木くんの背後を見ると、王子――じゃなくて久遠寺くんが眩しすぎるぐらい眩しいキラッキラの笑顔で私たちを見つめている。
神木くんみたいに何か言ってくれないのが逆に、その笑顔とは裏腹、めちゃくちゃ呆れられている証拠な気がして。
私は一気に赤面してしまう。
「あ、あのっ。久遠寺くん! で、電車ではありがとう! あ、あと……か、神木くんもっ! 今日は沢山話しかけてくれてありがとう。わ、私っ、ここからはえっちゃんと行くね」
耳まで熱くなっているのを感じながら、神木くんを睨んでいるえっちゃんの腕をぐいぐい引っ張って「さよなら!」と振り返りもせず捨て台詞を残して歩き出す。
本当は脱兎のごとく走り去りたいのをグッと堪えて早歩き。
「ちょ、萌々ちゃん、痛い、痛いっ」
数メートル行って、えっちゃんからのその声に慌てて手を離したら、
「萌々ちゃんってばまるでちっさなイノシシみたいだよ? そんな急がなくてもっ。――それに私、神木くんに悦子って言わないでって言いそびれちゃったじゃない」
えっちゃんがそう言ってプッと唇を尖らせた。
それに「ごめん」とつぶやきながら……。またしてもイノシシに例えられてしまった!と溜め息を落とす。
いや、でも……隆ちゃんのは〝赤ちゃん猪〟だっただけマシなのかも?
「そもそも久遠寺くんも神木くんも同じ学部だよ? わざわざあそこで別れなくても、そのまま一緒に歩いたんでよかったじゃない」
ちなみに、本名の「悦子」は今風じゃなくて嫌だからEccoにしたんだとか。
「萌々ちゃんみたいに可愛い名前だったら、そのまま使ってたと思うよ~?」
と言われたのをふと思い出した。
えっちゃんは、「悦子」と呼ばれるのを凄く嫌う。
***
「やっぱ女の子っていいよね~。悦子ちゃんが来た途端、華やかさが倍増したし!」
不意に神木くんからにこやかにそう言われて、私は慌てて振り返る。
えっちゃんも、「悦子ちゃん」と呼ばれて一瞬神木くんを睨んだけれど、気づいてなさそう? 彼、鈍いところあるからなぁ。
それにしても――。えっちゃんの登場ですっかり失念してしまっていた!
私、今日は2人と一緒に登校したんだった!
恐る恐る神木くんの背後を見ると、王子――じゃなくて久遠寺くんが眩しすぎるぐらい眩しいキラッキラの笑顔で私たちを見つめている。
神木くんみたいに何か言ってくれないのが逆に、その笑顔とは裏腹、めちゃくちゃ呆れられている証拠な気がして。
私は一気に赤面してしまう。
「あ、あのっ。久遠寺くん! で、電車ではありがとう! あ、あと……か、神木くんもっ! 今日は沢山話しかけてくれてありがとう。わ、私っ、ここからはえっちゃんと行くね」
耳まで熱くなっているのを感じながら、神木くんを睨んでいるえっちゃんの腕をぐいぐい引っ張って「さよなら!」と振り返りもせず捨て台詞を残して歩き出す。
本当は脱兎のごとく走り去りたいのをグッと堪えて早歩き。
「ちょ、萌々ちゃん、痛い、痛いっ」
数メートル行って、えっちゃんからのその声に慌てて手を離したら、
「萌々ちゃんってばまるでちっさなイノシシみたいだよ? そんな急がなくてもっ。――それに私、神木くんに悦子って言わないでって言いそびれちゃったじゃない」
えっちゃんがそう言ってプッと唇を尖らせた。
それに「ごめん」とつぶやきながら……。またしてもイノシシに例えられてしまった!と溜め息を落とす。
いや、でも……隆ちゃんのは〝赤ちゃん猪〟だっただけマシなのかも?
「そもそも久遠寺くんも神木くんも同じ学部だよ? わざわざあそこで別れなくても、そのまま一緒に歩いたんでよかったじゃない」
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