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30.夫婦茶碗的な
確かに僕らしいかもしれないですけどね
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「まさかお仕事中にこんなの探してらしたんですかっ?」
ドキドキしながら問いかけたら
「いくら何でもそんな不謹慎なことはしませんよ。昼休みにRed Roofでホットサンドを齧りながら、ね」
と心外そうな顔をなさる。
ごめんなさい。そりゃそうですよね。宗親さん、お仕事に対しては鬼のように真面目な方でした。
そういえば、普段から、宗親さんは片手でつまめるものを食べながらパソコンに向かっていらっしゃることが時々あって。
私、宗親さんにお弁当を作ってもいいものかどうか迷っているのは時折そう言う姿を拝見したことがあったから。
きっと内容がお仕事ではなかったから、今回は喫茶店まで出向いてスマートフォン片手にネットサーフィンをしていらしたんだろうな、と思ったら何だか可笑しくなってしまった。
だってだって……きっと傍目に見たら真剣なお顔をしてお仕事をしていらっしゃるように見えたでしょうけれど、実際見てらした画面はこれなんですよ?
自分だけが、宗親さんの素敵な秘密を知ったみたいに思えて嬉しくて。
思わず笑ったら、即座に宗親さんから「春凪、今夜もベッドで朝まで泣かされたいですか?」と声を低められてしまう。
「いっ、いえっ。あっ、ああいうのは週末だけでっ! でないと宗親さんも私もきっと身が持ちません!」
思わず条件反射。考えなしに言ったら、一瞬キョトンとした宗親さんが、次の瞬間には「週末なら良いの? それはとても楽しみです」と極上の腹黒スマイルを浮かべていらした。
きゃーっ! 私の馬鹿っ。
ぼ、墓穴掘っちゃったじゃない!
しかも実際はそうなることが嫌じゃないと思っている自分がいるのも確かで。
どんどん自分がエッチになっていくのを感じてちょっぴり怖いです。
***
「で、どの組み合わせにしますか?」
画面を指さされて、私は「う~」と真剣に悩む。
自分のはどれでもいい気がして決めづらいけれど、何故か宗親さんには「これしかない!」と思えるデザインがあって。
二人でそれに統一するのも変かなぁとかあれこれ思い悩んで迷いまくっていたら、業を煮やされたのかな?
宗親さんが「お互いに相手のイメージに似合うと思うのを選びっこするのはどうでしょう?」と提案していらした。
宗親さんにはこれだ!って言うのがビビッときていた私は、二つ返事でOKをして。
せーの!でお互いに何を選んだか指差したら、宗親さんは「小さくて愛らしいところが春凪っぽいので」とハムスターを選んで下さって。
私は――。
「まぁ確かに僕らしいかもしれないですけどね」
と宗親さんを苦笑させてしまいました。ごめんなさい。
結局、「せっかくだから」とイニシャルも入れてもらうように申し込んだので、届くまでに二週間かかるみたいです。
ドキドキしながら問いかけたら
「いくら何でもそんな不謹慎なことはしませんよ。昼休みにRed Roofでホットサンドを齧りながら、ね」
と心外そうな顔をなさる。
ごめんなさい。そりゃそうですよね。宗親さん、お仕事に対しては鬼のように真面目な方でした。
そういえば、普段から、宗親さんは片手でつまめるものを食べながらパソコンに向かっていらっしゃることが時々あって。
私、宗親さんにお弁当を作ってもいいものかどうか迷っているのは時折そう言う姿を拝見したことがあったから。
きっと内容がお仕事ではなかったから、今回は喫茶店まで出向いてスマートフォン片手にネットサーフィンをしていらしたんだろうな、と思ったら何だか可笑しくなってしまった。
だってだって……きっと傍目に見たら真剣なお顔をしてお仕事をしていらっしゃるように見えたでしょうけれど、実際見てらした画面はこれなんですよ?
自分だけが、宗親さんの素敵な秘密を知ったみたいに思えて嬉しくて。
思わず笑ったら、即座に宗親さんから「春凪、今夜もベッドで朝まで泣かされたいですか?」と声を低められてしまう。
「いっ、いえっ。あっ、ああいうのは週末だけでっ! でないと宗親さんも私もきっと身が持ちません!」
思わず条件反射。考えなしに言ったら、一瞬キョトンとした宗親さんが、次の瞬間には「週末なら良いの? それはとても楽しみです」と極上の腹黒スマイルを浮かべていらした。
きゃーっ! 私の馬鹿っ。
ぼ、墓穴掘っちゃったじゃない!
しかも実際はそうなることが嫌じゃないと思っている自分がいるのも確かで。
どんどん自分がエッチになっていくのを感じてちょっぴり怖いです。
***
「で、どの組み合わせにしますか?」
画面を指さされて、私は「う~」と真剣に悩む。
自分のはどれでもいい気がして決めづらいけれど、何故か宗親さんには「これしかない!」と思えるデザインがあって。
二人でそれに統一するのも変かなぁとかあれこれ思い悩んで迷いまくっていたら、業を煮やされたのかな?
宗親さんが「お互いに相手のイメージに似合うと思うのを選びっこするのはどうでしょう?」と提案していらした。
宗親さんにはこれだ!って言うのがビビッときていた私は、二つ返事でOKをして。
せーの!でお互いに何を選んだか指差したら、宗親さんは「小さくて愛らしいところが春凪っぽいので」とハムスターを選んで下さって。
私は――。
「まぁ確かに僕らしいかもしれないですけどね」
と宗親さんを苦笑させてしまいました。ごめんなさい。
結局、「せっかくだから」とイニシャルも入れてもらうように申し込んだので、届くまでに二週間かかるみたいです。
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