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2.同窓会
お前が来るって聞いたから
「はっ、羽住くんにはっ……いっ、いじめられた記憶しかないのですっ!」
学校帰りに待ち伏せされて追いかけ回された挙げ句、用水路に突き落とされたり、断っても断っても鞄を持ってやるとゴリ押しされて、結果荷物の取り合いになって中身が道端にぶちまけられてしまったり。
「私、羽住くんが苦手だったことを覚えています!」
――むしろそれしか覚えていないのですっ!
心の中でプンスカしながらそんな言葉を付け加えて、無意識に羽住から距離を取ったら、キョトンとされてしまった。
「ちょっ、藤原! 嘘だろ? 俺、今すげぇショック受けてんだけど」
仲良しだと思っていたはずの女の子に、そんな風に思われていたとか!
ぶつくさ言いながら、それでも日織のそばを離れようとしない羽住に、
「あのっ、私っ、あっちに行きますのでっ」
そちらが離れてくれないのなら自分が、と思ってその場を離れようとした日織だったのだけれど。
「待てよ。俺、今日はお前が来るって聞いたから来たんだから。――逃げんなよ」
ギュッと手を掴まれて、そんな風に言われてしまう。
「俺がガキ過ぎてデリカシーがなさ過ぎたっちゅーんなら謝るよ。なぁ、藤原。俺、ずっとお前に会いたかったんだって」
どちらも地元組。
未だ実家住まいの日織だ。
家に行けば会えるのは知っていたけれど、いざそうしようと思うと、何だか二の足を踏んでしまって行けなかったんだ、とボソリとつぶやかれて、日織は「え?」と思う。
あの強引だった羽住の言葉とは思えなかったからだ。
「あ、あのっ。今のって一斗さんのお話ですか?」
羽住とどこか似た面差しの、だけど始終柔らかな物言いで自分に接してくれていた年上の男の子を思い浮かべて恐る恐る聞けば「は? なんでそこで兄貴? どう聞いても俺の話だろ」と返されて、益々混乱してしまう。
「だって……羽住くんは」
――そんなキャラではなかったはずなのですっ。
そう続けようとしたけれど、じろりと恨めしそうな目で睨まれて、言えなかった日織だ。
「あのさぁ。なんで同級生の俺は〝羽住くん〟で、兄貴は名前呼びなわけ? 俺のことも十升って呼んで欲しいんだけど」
そんなことを言われても、日織にとって羽住くんは羽住くんだ。
それ以上でも以下でもない。
「羽住くんは羽住くんなのですっ」
学校帰りに待ち伏せされて追いかけ回された挙げ句、用水路に突き落とされたり、断っても断っても鞄を持ってやるとゴリ押しされて、結果荷物の取り合いになって中身が道端にぶちまけられてしまったり。
「私、羽住くんが苦手だったことを覚えています!」
――むしろそれしか覚えていないのですっ!
心の中でプンスカしながらそんな言葉を付け加えて、無意識に羽住から距離を取ったら、キョトンとされてしまった。
「ちょっ、藤原! 嘘だろ? 俺、今すげぇショック受けてんだけど」
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ぶつくさ言いながら、それでも日織のそばを離れようとしない羽住に、
「あのっ、私っ、あっちに行きますのでっ」
そちらが離れてくれないのなら自分が、と思ってその場を離れようとした日織だったのだけれど。
「待てよ。俺、今日はお前が来るって聞いたから来たんだから。――逃げんなよ」
ギュッと手を掴まれて、そんな風に言われてしまう。
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未だ実家住まいの日織だ。
家に行けば会えるのは知っていたけれど、いざそうしようと思うと、何だか二の足を踏んでしまって行けなかったんだ、とボソリとつぶやかれて、日織は「え?」と思う。
あの強引だった羽住の言葉とは思えなかったからだ。
「あ、あのっ。今のって一斗さんのお話ですか?」
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「だって……羽住くんは」
――そんなキャラではなかったはずなのですっ。
そう続けようとしたけれど、じろりと恨めしそうな目で睨まれて、言えなかった日織だ。
「あのさぁ。なんで同級生の俺は〝羽住くん〟で、兄貴は名前呼びなわけ? 俺のことも十升って呼んで欲しいんだけど」
そんなことを言われても、日織にとって羽住くんは羽住くんだ。
それ以上でも以下でもない。
「羽住くんは羽住くんなのですっ」
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