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2.同窓会
マスオさん状態?
日織が、握られたままの手をもう一方の手で払い除けようとしながら言ったら、「お前ってホント、相変わらず強情だよな」と、日織を握る手に力を込めながら羽住が苦笑した。
***
「――でな、今度俺んトコの蔵と、いくつかの蔵で集まって酒まつりをすることになってさ」
結局あの後、手を離してもらえないままにそばで話すうち、話題が自然日織も好きな日本酒の話になって。
「うちの『波澄』、藤原も飲んだことある?」
蔵の屋号である「羽住」を、文字違いとはいえ商標名に冠したそのお酒は、羽住酒造の看板商品だ。
「私、日本酒は大吟醸が特に好きなんですけど……羽住くんのところの『波澄』はどれも純米吟醸酒なので大吟醸以外も美味しいですっ。先日6割の吟醸酒をいただいたんですけど、キリッとした辛口で、お食事にすごく合いましたっ」
修太郎の言いつけを守って、会場で振る舞われるお酒は飲まないようにして、代わりにソフトドリンクを飲みながら。
バイキング形式になった料理の中からサラダやローストビーフなどを取り分けて食べていたら、羽住に「藤原、お前、酒、飲めねぇの?」と手元のウーロン茶を見つめられた。
「の、飲めないわけではないのです……」
ただ、会場に用意されたアルコールが、ビールやワインやカクテル系ばかりだったから、飲んではいけないと判断しただけ。
そう言ったら「ん? 何だったら飲めるわけ?」と聞かれた。
それで仕方なく「日本酒なら」と答えたら「何だそれ。特異体質かよ!」と驚かれて。「じゃあさ、うちの『波澄』は飲んだことある?」と聞かれたりして、その流れで日本酒談義になったのだ。
***
「私、日本酒だと不思議と酔わないのですっ。でも他のお酒はひと口でも結構……」
それで、「主人から日本酒以外は飲んではいけないよ、と釘を刺されているのです」と話したら、羽住が「主人……」とつぶやいて。
「えっと。ご主人とやらは藤原ん家でマスオさん状態?」
聞かれて「マスオさん?」と彼の顔を見たら「いや、だから……お前んトコの親御さんと同居してんのかなって」と返る。
「あっ。違うのですっ。修太郎さ……、あ、えっと。しゅ、主人はマンションに住んでて……」
「お前は実家なのに?」
即座に言われて日織はモゴモゴと口ごもる。
さっき、話の流れで自分は今も変わらず実家住まいだと言ってしまった手前、一緒に住んでいないことを誤魔化すのが困難に思えた。
***
「――でな、今度俺んトコの蔵と、いくつかの蔵で集まって酒まつりをすることになってさ」
結局あの後、手を離してもらえないままにそばで話すうち、話題が自然日織も好きな日本酒の話になって。
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蔵の屋号である「羽住」を、文字違いとはいえ商標名に冠したそのお酒は、羽住酒造の看板商品だ。
「私、日本酒は大吟醸が特に好きなんですけど……羽住くんのところの『波澄』はどれも純米吟醸酒なので大吟醸以外も美味しいですっ。先日6割の吟醸酒をいただいたんですけど、キリッとした辛口で、お食事にすごく合いましたっ」
修太郎の言いつけを守って、会場で振る舞われるお酒は飲まないようにして、代わりにソフトドリンクを飲みながら。
バイキング形式になった料理の中からサラダやローストビーフなどを取り分けて食べていたら、羽住に「藤原、お前、酒、飲めねぇの?」と手元のウーロン茶を見つめられた。
「の、飲めないわけではないのです……」
ただ、会場に用意されたアルコールが、ビールやワインやカクテル系ばかりだったから、飲んではいけないと判断しただけ。
そう言ったら「ん? 何だったら飲めるわけ?」と聞かれた。
それで仕方なく「日本酒なら」と答えたら「何だそれ。特異体質かよ!」と驚かれて。「じゃあさ、うちの『波澄』は飲んだことある?」と聞かれたりして、その流れで日本酒談義になったのだ。
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「私、日本酒だと不思議と酔わないのですっ。でも他のお酒はひと口でも結構……」
それで、「主人から日本酒以外は飲んではいけないよ、と釘を刺されているのです」と話したら、羽住が「主人……」とつぶやいて。
「えっと。ご主人とやらは藤原ん家でマスオさん状態?」
聞かれて「マスオさん?」と彼の顔を見たら「いや、だから……お前んトコの親御さんと同居してんのかなって」と返る。
「あっ。違うのですっ。修太郎さ……、あ、えっと。しゅ、主人はマンションに住んでて……」
「お前は実家なのに?」
即座に言われて日織はモゴモゴと口ごもる。
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