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4.君が羽住十升くんですか?
お迎えに上がるのが遅くなってしまいました
「あ、あのっ、羽住くんっ、こ、困りますっ! 返して下さいっ!」
日織が一生懸命電話を取り戻そうとするけれど、羽住はそれをかわしながら続ける。
「日織に案内状を送って同窓会に引っ張り出したのは俺なんで、ちょっとした責任があるんです。コイツ、昔っからクラスメイトと馴染むのが下手くそで気になってたんですよ。今日も一次会では緊張してたのか俺のそばにずっと居たし。まだみんなと殆ど友好を深められてないんです。なんで二次会にも連れて行きたいんですけど……。まさかダメとかおっしゃいませんよね?」
羽住の勝手な振る舞いに、とうとう日織の堪忍袋の緒が切れた。
「いい加減にして下さい! 私、今日はもう修太郎さんと帰るんですっ!」
貴重な修太郎さんとの時間を邪魔しないで下さい!と言わんばかりの剣幕に、さすがの羽住もたじろいで。
「何だよ。お前が旦那に遠慮して二次会行けねぇのかと思ったから俺……」
「要らないお世話なのですっ!」
口ごもる羽住に、日織がいつになく怖い顔でキッパリと言い切った。
その迫力に羽住がたじろいだ隙に、日織がサッとスマートフォンを取り返す。
「――もしもし、修太郎さん?」
急いで耳に押し当てて話しかけた時には、日織の健闘虚しく通話は切れていて。
ツーツー……と非情なビジートーンが聞こえるばかり。
日織は、修太郎が怒ってしまったのだと思って泣きたくなった。
今日、同窓会に来るのだって、本当は修太郎が乗り気じゃなかったことを、日織は知っている。
でもワガママを言って連れて来てもらったのだ。
なのに――。
切れてしまったスマートフォンをギュッと握りしめてしばし立ち尽くしてから。
グッと下唇を噛み締めるようにして、日織はもう1度発信履歴から修太郎の連絡先を呼び出して。
震える指で発信ボタンをタップしたと同時――。
すぐ近くでブーブーと言うバイブ音がして、後ろから唐突に力強く抱きしめられた。
背後からで手の主は見えなかったけれど、大好きなシプレ系の爽やかなコロンの香りに包まれて、日織はすぐに自分を抱きしめたのが誰か分かった。
「しゅーたろぉ、さん……」
「……ごめん、なさい、日織。お迎えに……上がるの、が遅くなってしまいました」
修太郎の呼吸は少し乱れていて。
きっとここまで大急ぎで駆けつけてくれたんだろうと分かった日織の胸はキュン、と甘く疼いた。
日織が一生懸命電話を取り戻そうとするけれど、羽住はそれをかわしながら続ける。
「日織に案内状を送って同窓会に引っ張り出したのは俺なんで、ちょっとした責任があるんです。コイツ、昔っからクラスメイトと馴染むのが下手くそで気になってたんですよ。今日も一次会では緊張してたのか俺のそばにずっと居たし。まだみんなと殆ど友好を深められてないんです。なんで二次会にも連れて行きたいんですけど……。まさかダメとかおっしゃいませんよね?」
羽住の勝手な振る舞いに、とうとう日織の堪忍袋の緒が切れた。
「いい加減にして下さい! 私、今日はもう修太郎さんと帰るんですっ!」
貴重な修太郎さんとの時間を邪魔しないで下さい!と言わんばかりの剣幕に、さすがの羽住もたじろいで。
「何だよ。お前が旦那に遠慮して二次会行けねぇのかと思ったから俺……」
「要らないお世話なのですっ!」
口ごもる羽住に、日織がいつになく怖い顔でキッパリと言い切った。
その迫力に羽住がたじろいだ隙に、日織がサッとスマートフォンを取り返す。
「――もしもし、修太郎さん?」
急いで耳に押し当てて話しかけた時には、日織の健闘虚しく通話は切れていて。
ツーツー……と非情なビジートーンが聞こえるばかり。
日織は、修太郎が怒ってしまったのだと思って泣きたくなった。
今日、同窓会に来るのだって、本当は修太郎が乗り気じゃなかったことを、日織は知っている。
でもワガママを言って連れて来てもらったのだ。
なのに――。
切れてしまったスマートフォンをギュッと握りしめてしばし立ち尽くしてから。
グッと下唇を噛み締めるようにして、日織はもう1度発信履歴から修太郎の連絡先を呼び出して。
震える指で発信ボタンをタップしたと同時――。
すぐ近くでブーブーと言うバイブ音がして、後ろから唐突に力強く抱きしめられた。
背後からで手の主は見えなかったけれど、大好きなシプレ系の爽やかなコロンの香りに包まれて、日織はすぐに自分を抱きしめたのが誰か分かった。
「しゅーたろぉ、さん……」
「……ごめん、なさい、日織。お迎えに……上がるの、が遅くなってしまいました」
修太郎の呼吸は少し乱れていて。
きっとここまで大急ぎで駆けつけてくれたんだろうと分かった日織の胸はキュン、と甘く疼いた。
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