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5.尋問の夜*
真実(ほんとう)なんですね?
「……はぁ、んっ、しゅ、うたろ、さっ……」
自分が何故突然こんな目に遭うのか分からないといった戸惑いの表情で瞳を潤ませて修太郎を見上げる日織の無意識の秋波。
怯えたようにも見えるそれがとても扇情的で、修太郎は己の中の加虐心がふつふつと煽られるのを奥歯を噛み締めてどうにか抑える。
先程の日織と同級生の男――羽住とか言ったか――のやり取りを見て、嫉妬で狂いそうなのは事実だけれど、まずは日織の話を聞いてからだ。
結婚前には、この激情で幾度となく日織に無体なことをしてきたという自覚がある。
だから、せめて夫婦となった今ぐらいは……ちゃんと妻からの言い分(言い訳?)を聞いて、その上で行動に移せる夫になりたいと、修太郎は切に乞い願っている。
願ってはいるのだけれど――。
よそ行き用に綺麗に整えた髪の毛を力づくで乱され、夫からいきなりぶつけられた情火に涙を浮かべた状態ですら、修太郎の妻は腹立たしいくらいに美しく蠱惑的なのだ。
客気に駆られるな、と言うほうが無理なのではないかと修太郎はへこたれそうになる。
「私……修太郎さんに何か悪いことを、してしまいしたか?」
小さくつぶやくようにそう言った日織が、ふるふると身体を小刻みに震わせているのは理不尽なキスへの怒りのためか、それとも痴情を堪えきれない修太郎への恐れのためか。
「僕が何を気にして、何に嫉妬しているかもお分かりにならない?」
腕の中の日織をじっと見下ろしながらそう言ったら、日織が一瞬大きく瞳を見開いた。
そうして修太郎の頬へそっと手を伸ばして触れてくる。
「修太郎さんがお妬きになられるようなことは、何ひとつしていないのです……」
日織の指先がひんやりと冷たいのは、彼女にいきなり激しいキスをして、驚かせてしまった自分のせいだろうか。
修太郎はそんなことを思って、頬に触れる日織の手をそっと包み込んだ。
「あの男は日織さんが自分のそばにずっといたと言いました。あれは嘘ですか?」
――「もちろん嘘に決まっているのですっ!」と言って欲しい。
そう願って問いかけた修太郎に、日織がほんのわずか、ピクッと指先を跳ねさせた。
触れられた頬と、包み込んだ手でその微かな変化を感じた修太郎は、グッと奥歯を噛み締める。
「……事実、なんですね?」
日織の手に載せた指先に我知らず力がこもった。
「修太郎さ、痛い、ですっ」
眉をしかめて日織が抗議の声を上げるけれど、修太郎は自分の感情をコントロール出来なくて、彼女の小さな手を解放してやることが出来ない。
「――何故?」
吐き出すように吐息ごと問えば、日織が怯えたように修太郎を見つめ返してきた。
「私っ、ただ……っ」
日織が何か言うのが怖くて、修太郎は彼女を腕に抱いたまま、何も言わずに立ち上がった。
自分が何故突然こんな目に遭うのか分からないといった戸惑いの表情で瞳を潤ませて修太郎を見上げる日織の無意識の秋波。
怯えたようにも見えるそれがとても扇情的で、修太郎は己の中の加虐心がふつふつと煽られるのを奥歯を噛み締めてどうにか抑える。
先程の日織と同級生の男――羽住とか言ったか――のやり取りを見て、嫉妬で狂いそうなのは事実だけれど、まずは日織の話を聞いてからだ。
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だから、せめて夫婦となった今ぐらいは……ちゃんと妻からの言い分(言い訳?)を聞いて、その上で行動に移せる夫になりたいと、修太郎は切に乞い願っている。
願ってはいるのだけれど――。
よそ行き用に綺麗に整えた髪の毛を力づくで乱され、夫からいきなりぶつけられた情火に涙を浮かべた状態ですら、修太郎の妻は腹立たしいくらいに美しく蠱惑的なのだ。
客気に駆られるな、と言うほうが無理なのではないかと修太郎はへこたれそうになる。
「私……修太郎さんに何か悪いことを、してしまいしたか?」
小さくつぶやくようにそう言った日織が、ふるふると身体を小刻みに震わせているのは理不尽なキスへの怒りのためか、それとも痴情を堪えきれない修太郎への恐れのためか。
「僕が何を気にして、何に嫉妬しているかもお分かりにならない?」
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そうして修太郎の頬へそっと手を伸ばして触れてくる。
「修太郎さんがお妬きになられるようなことは、何ひとつしていないのです……」
日織の指先がひんやりと冷たいのは、彼女にいきなり激しいキスをして、驚かせてしまった自分のせいだろうか。
修太郎はそんなことを思って、頬に触れる日織の手をそっと包み込んだ。
「あの男は日織さんが自分のそばにずっといたと言いました。あれは嘘ですか?」
――「もちろん嘘に決まっているのですっ!」と言って欲しい。
そう願って問いかけた修太郎に、日織がほんのわずか、ピクッと指先を跳ねさせた。
触れられた頬と、包み込んだ手でその微かな変化を感じた修太郎は、グッと奥歯を噛み締める。
「……事実、なんですね?」
日織の手に載せた指先に我知らず力がこもった。
「修太郎さ、痛い、ですっ」
眉をしかめて日織が抗議の声を上げるけれど、修太郎は自分の感情をコントロール出来なくて、彼女の小さな手を解放してやることが出来ない。
「――何故?」
吐き出すように吐息ごと問えば、日織が怯えたように修太郎を見つめ返してきた。
「私っ、ただ……っ」
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