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14.予測不能の猪突猛進娘
いけすかない和装眼鏡男
今日は結婚式の打ち合わせで式場に行くことになっている。
羽住酒造でのバイトが終わる十七時頃、修太郎がそれに合わせる形でほんの少し早めに仕事を切り上げて日織を迎えに来てくれた。
「修太郎さんっ!」
羽住酒造の駐車場に修太郎の愛車――黒のアルファード――が停まるなり、日織が嬉しそうに建物の中から走り出てきた。
その姿はまるで主人を待ちわびていた子犬のようで。
思わず運転席から外に出ると、修太郎は軽く両腕を広げて日織が飛び込んでくるのを待ち受ける。
そうしながらも、視線は日織がいま出てきたばかりの羽住酒造販売所入り口に立っている和装の眼鏡男をじっと捉えていた。
「あのっ、わざわざお迎えに来てくださってありがとうございますっ!」
「いえいえ、お安い御用です。それより日織さん、お仕事お疲れ様でした。今日も一日楽しく過ごされましたか?」
言いながら、腕の中の小柄な妻を外界から包み隠すようにギュッと抱きしめる。
「もちろんなのですっ。皆さんとても良くして下さるので、今日もすっごくすっごく楽しかったのです♥」
ハートが飛んでいるのが見えそうな上機嫌の日織の言葉を聞きながら、「日織さんのおっしゃる皆さんには、当然あの〝和装眼鏡男〟も含まれているんだろうな」と思ったら必然。やたらとモヤモヤしてしまった。
(あの男が前に日織さんが話していらした和装が似合うとかいう……?)
目が合ったので仕方なく会釈をしたら、それを受けたように向こうも柔和な笑みを浮かべて修太郎に軽く頭を下げてきた。
(外面は良さそうだけど、腹に一物も二物も抱えてそうな男だな)
自分のことを思いっきり棚上げして、そんなことを思ってしまった修太郎だ。
「あのっ! 一斗さーん! 今日は貴重なお酒を飲ませてくださって、どうも有難うございましたっ! 私、すっごくすっごく幸せだったのですっ♥」
修太郎らのやり取りに気付いた日織が、修太郎の胸元から顔を上げると、ニコッと笑って無意識に眼前の夫へ嫉妬の火種をまき散らす。
修太郎は〝一斗さん〟と呼ばれたいけすかない優男を見つめながら、腕の中の日織に「……お酒?」とつぶやいた。
以前、「僕のいないところで飲酒をなさってはいけませんよ?」と噛んで含めるように言い聞かせたはずなのに、どういうことでしょうね?と思わずにはいられない。
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「もちろんなのですっ。皆さんとても良くして下さるので、今日もすっごくすっごく楽しかったのです♥」
ハートが飛んでいるのが見えそうな上機嫌の日織の言葉を聞きながら、「日織さんのおっしゃる皆さんには、当然あの〝和装眼鏡男〟も含まれているんだろうな」と思ったら必然。やたらとモヤモヤしてしまった。
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自分のことを思いっきり棚上げして、そんなことを思ってしまった修太郎だ。
「あのっ! 一斗さーん! 今日は貴重なお酒を飲ませてくださって、どうも有難うございましたっ! 私、すっごくすっごく幸せだったのですっ♥」
修太郎らのやり取りに気付いた日織が、修太郎の胸元から顔を上げると、ニコッと笑って無意識に眼前の夫へ嫉妬の火種をまき散らす。
修太郎は〝一斗さん〟と呼ばれたいけすかない優男を見つめながら、腕の中の日織に「……お酒?」とつぶやいた。
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