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15.甘やかしと言う名のお仕置き*
弟夫婦に見せびらかしたい
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これ、先日佳穂とカフェで話したことで、彼女に対する対抗心が修太郎のなかでメラメラ燃え上がってしまったから、というのも大きかったりする。
(どう考えても佳穂よりうちの日織さんの方がドレス、似合いますからね)
要は出来上がった写真を健二と佳穂に見せびらかしたいのだ。
何せあちらは和装はしていないらしいし、その意味でも勝てる気しかしない修太郎だ。
実際のところそんなの張り合うことではないというのは分かっているけれど、〝ボンキュッボン〟の恨みは根深い。
日織は最初、突然洋装も……などと言い出した修太郎に、「もったいないのですっ」と大変恐縮していた様子だったけれど、「どうしても譲れません。何より僕が日織さんのドレス姿が見たいんです!」と力説して何とか納得してもらった。
そんな感じで、始めこそ予算的なことなどを考えて気後れしまくりだった日織だったが、そこはやはり女の子だ。
綺麗な衣装を見ているうちにどんどんテンションが上がってきて。
気が付けば色とりどりのドレスの間を、花畑を舞い飛ぶ蝶のようにひらひらと動き回っていた。
そうして、結局サーモンピンクのハイウエストになったドレスを選んだ日織だ。
腰元左サイドに大きめのリボンがあしらわれていて、そこから両脇を流れるように飾るフリルのお陰で、まるでスイートピーの花を連想させる可愛らしいドレスだった。 レース使いがとても上品で、お嬢様然とした日織の雰囲気に良く似合っていて。
「僕も日織さんのドレス姿が見られて物凄く幸せです」
本当は純白のウエディングドレスも着て欲しかった修太郎だが、「和装二着に加えて、ドレスまでそれはさすがに多すぎるのですっ」と、そこだけは固辞されてしまった。
余りしつこく勧めると、選んだはずのカラードレスもやめると言い出すかもしれないと思った修太郎は、純白はとりあえず白無垢だけで我慢することにした。
結婚後にも何だかんだ理由を付けて機会を設けられないわけじゃない。
いざとなればいくらだってやりようはあると思っていたりするのだが、修太郎がそんなことを目論んでいるだなんて露ほども思っていない日織だ。
着られないと思っていたドレスまで着せてもらえると分かって、それだけでただただルンルンで。
その様を見ているだけで目尻が下がりまくりの修太郎だった。
もちろん日織の洋装に合わせて自分もタキシードを着る羽目になったのだが、それはこの際どうでもいいとか思っている。
あくまでも〝修太郎にとっての主役は日織〟なので、自分は彼女の横に立って浮かなければそれで十分。
もっと言えば日織だけ単独で撮るんだって構わなかったくらいだ。
ワクワクルンルンの日織が言うままに適当に黒のタキシードを着ることになった修太郎だったけれど、日織の方はそうは思わなかったらしい。
「修太郎さんのタキシード姿! 本当にかっこよくて……私、どうにかなってしまいそうでしたっ!」
もじもじしながら自分を見上げてくる日織に、「貴女のその視線に僕の方がどうにかなってしまいそうです!」と修太郎は心の中で叫んだ。
(どう考えても佳穂よりうちの日織さんの方がドレス、似合いますからね)
要は出来上がった写真を健二と佳穂に見せびらかしたいのだ。
何せあちらは和装はしていないらしいし、その意味でも勝てる気しかしない修太郎だ。
実際のところそんなの張り合うことではないというのは分かっているけれど、〝ボンキュッボン〟の恨みは根深い。
日織は最初、突然洋装も……などと言い出した修太郎に、「もったいないのですっ」と大変恐縮していた様子だったけれど、「どうしても譲れません。何より僕が日織さんのドレス姿が見たいんです!」と力説して何とか納得してもらった。
そんな感じで、始めこそ予算的なことなどを考えて気後れしまくりだった日織だったが、そこはやはり女の子だ。
綺麗な衣装を見ているうちにどんどんテンションが上がってきて。
気が付けば色とりどりのドレスの間を、花畑を舞い飛ぶ蝶のようにひらひらと動き回っていた。
そうして、結局サーモンピンクのハイウエストになったドレスを選んだ日織だ。
腰元左サイドに大きめのリボンがあしらわれていて、そこから両脇を流れるように飾るフリルのお陰で、まるでスイートピーの花を連想させる可愛らしいドレスだった。 レース使いがとても上品で、お嬢様然とした日織の雰囲気に良く似合っていて。
「僕も日織さんのドレス姿が見られて物凄く幸せです」
本当は純白のウエディングドレスも着て欲しかった修太郎だが、「和装二着に加えて、ドレスまでそれはさすがに多すぎるのですっ」と、そこだけは固辞されてしまった。
余りしつこく勧めると、選んだはずのカラードレスもやめると言い出すかもしれないと思った修太郎は、純白はとりあえず白無垢だけで我慢することにした。
結婚後にも何だかんだ理由を付けて機会を設けられないわけじゃない。
いざとなればいくらだってやりようはあると思っていたりするのだが、修太郎がそんなことを目論んでいるだなんて露ほども思っていない日織だ。
着られないと思っていたドレスまで着せてもらえると分かって、それだけでただただルンルンで。
その様を見ているだけで目尻が下がりまくりの修太郎だった。
もちろん日織の洋装に合わせて自分もタキシードを着る羽目になったのだが、それはこの際どうでもいいとか思っている。
あくまでも〝修太郎にとっての主役は日織〟なので、自分は彼女の横に立って浮かなければそれで十分。
もっと言えば日織だけ単独で撮るんだって構わなかったくらいだ。
ワクワクルンルンの日織が言うままに適当に黒のタキシードを着ることになった修太郎だったけれど、日織の方はそうは思わなかったらしい。
「修太郎さんのタキシード姿! 本当にかっこよくて……私、どうにかなってしまいそうでしたっ!」
もじもじしながら自分を見上げてくる日織に、「貴女のその視線に僕の方がどうにかなってしまいそうです!」と修太郎は心の中で叫んだ。
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