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4。準備開始です!
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ウォルターを部屋から締め出した後、私はメイドを呼んで着替えを手伝ってもらった。
登城用の豪奢なドレスを脱ぎ、簡素なワンピースに編み上げブーツ、魔道士のローブに帽子を身につける。ローブの下には斜めがけの小さな革のバッグ。
これは私が魔法の訓練をするときの格好だ。ついでに髪もアップでまとめてもらった。
「今日は長めに訓練するから夕食は要りません。遅くなるだろうし湯あみも自分で済ませるから、みんなもう下がっていいわ」
「「「承知いたしました、お嬢様」」」
メイド達が声を揃えて部屋を辞したのを確認して、扉の鍵を閉める。
よし、これで当分誰にも邪魔されない。
マスターキーはお父様しか持っていない、“解錠魔法”を使ってきそうなお兄様も仕事中。
こちらの都合関係なく押し入ってきそうな妹も今日はお茶会だし、ウォルターは技術で開けられても私の許可がなければ入室することはない。
つまり、明日の朝までは時間が自由に使える。
貴族の家、それも公爵家の令嬢が急に一人で出掛ける、食事は抜き、湯あみの手伝いも不要だなんて普通だとありえないらしいけど、ここは魔術師の巣窟ラミレス家。
『魔法を極めるため』という理由があればなんだって許される。なんて便利。
まあ型破りな家に馴染めず、お母様はお家を飛び出されてしまったらしいけど……それはおいといて。
「さてっと。始めちゃいますか!」
始めるのはもちろん、家出の準備。
とりあえずクローゼットを開いて中の服をポンポン取り出し、床に積み上げる。
一番重要なのは宮廷魔道士の制服。これが結構な魔法効果が付与されている優れものなのだ。
防水・防汚・耐火・耐熱耐寒・自己修復機能に疲労軽減効果まで。
正直この一着で事足りるし、ドレスなんかは持っていったところで着る機会なんてないかも知れないけど。
ただ置いていったところで誰が着るわけでもないし、タンスの肥やしになるだけだったらとりあえず持って行こうかと。売っぱらえば旅費にはなるでしょ。
何より、たまには違う服も着たいもの! お洒落大事!
あとはお気に入りの杖を何本かと、宝石類はありったけ。外国でだってお金の代わりにできるし、魔法効果の付与には宝石が一番だからね。
化粧品……は要らないか。やり方も分からないし。あ、でも日焼け止めだけは入れておこう。
最後に机からペンと分厚い本を取り出す。
本の方は長年使い込んだ魔法の研究ノート。中には魔法陣とか魔道具のアイデア、古今東西の魔術のスペルがびっしり書いてある。
内容は大体覚えてるから不要っちゃ不要だけど、置いていったらマズいものナンバーワンだ。ちょーっと張り切りすぎて、悪用されたら国が何個滅びるか分からない危険アイテムになっちゃってる。
とはいえ、小さい頃の努力の結晶だから燃やすのも忍びないのよね。そもそも耐火魔法かけてあるから燃えないし。
そんな感じで集めた荷物をバッグにこれまたポイポイと放り込んで、荷造り完了。
マジックバッグなのでこのくらいの量は軽い軽い♪
本当はベッドも机も全部お気に入りだけど、屋敷の備品を持って行くのはちょっとなあ……と考えたところで閃いた。
「ーー自分のものなら、備品でもなんでも持って行っていいよね?」
だったらちょうどいいのがあったんだったわ!
自分の思いつきにルンルンと上機嫌になりながら部屋の中に転移門を展開させ、私はお目当ての場所に座標を定めて移動した。
登城用の豪奢なドレスを脱ぎ、簡素なワンピースに編み上げブーツ、魔道士のローブに帽子を身につける。ローブの下には斜めがけの小さな革のバッグ。
これは私が魔法の訓練をするときの格好だ。ついでに髪もアップでまとめてもらった。
「今日は長めに訓練するから夕食は要りません。遅くなるだろうし湯あみも自分で済ませるから、みんなもう下がっていいわ」
「「「承知いたしました、お嬢様」」」
メイド達が声を揃えて部屋を辞したのを確認して、扉の鍵を閉める。
よし、これで当分誰にも邪魔されない。
マスターキーはお父様しか持っていない、“解錠魔法”を使ってきそうなお兄様も仕事中。
こちらの都合関係なく押し入ってきそうな妹も今日はお茶会だし、ウォルターは技術で開けられても私の許可がなければ入室することはない。
つまり、明日の朝までは時間が自由に使える。
貴族の家、それも公爵家の令嬢が急に一人で出掛ける、食事は抜き、湯あみの手伝いも不要だなんて普通だとありえないらしいけど、ここは魔術師の巣窟ラミレス家。
『魔法を極めるため』という理由があればなんだって許される。なんて便利。
まあ型破りな家に馴染めず、お母様はお家を飛び出されてしまったらしいけど……それはおいといて。
「さてっと。始めちゃいますか!」
始めるのはもちろん、家出の準備。
とりあえずクローゼットを開いて中の服をポンポン取り出し、床に積み上げる。
一番重要なのは宮廷魔道士の制服。これが結構な魔法効果が付与されている優れものなのだ。
防水・防汚・耐火・耐熱耐寒・自己修復機能に疲労軽減効果まで。
正直この一着で事足りるし、ドレスなんかは持っていったところで着る機会なんてないかも知れないけど。
ただ置いていったところで誰が着るわけでもないし、タンスの肥やしになるだけだったらとりあえず持って行こうかと。売っぱらえば旅費にはなるでしょ。
何より、たまには違う服も着たいもの! お洒落大事!
あとはお気に入りの杖を何本かと、宝石類はありったけ。外国でだってお金の代わりにできるし、魔法効果の付与には宝石が一番だからね。
化粧品……は要らないか。やり方も分からないし。あ、でも日焼け止めだけは入れておこう。
最後に机からペンと分厚い本を取り出す。
本の方は長年使い込んだ魔法の研究ノート。中には魔法陣とか魔道具のアイデア、古今東西の魔術のスペルがびっしり書いてある。
内容は大体覚えてるから不要っちゃ不要だけど、置いていったらマズいものナンバーワンだ。ちょーっと張り切りすぎて、悪用されたら国が何個滅びるか分からない危険アイテムになっちゃってる。
とはいえ、小さい頃の努力の結晶だから燃やすのも忍びないのよね。そもそも耐火魔法かけてあるから燃えないし。
そんな感じで集めた荷物をバッグにこれまたポイポイと放り込んで、荷造り完了。
マジックバッグなのでこのくらいの量は軽い軽い♪
本当はベッドも机も全部お気に入りだけど、屋敷の備品を持って行くのはちょっとなあ……と考えたところで閃いた。
「ーー自分のものなら、備品でもなんでも持って行っていいよね?」
だったらちょうどいいのがあったんだったわ!
自分の思いつきにルンルンと上機嫌になりながら部屋の中に転移門を展開させ、私はお目当ての場所に座標を定めて移動した。
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