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19。ステータスを確認しましょう
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異世界生活も早半月。
今日は馬車の上の人となっているシルヴィアーナですこんにちは!
ーーなんて挨拶したところで、今は誰もツッコんでくれないんだけどね。
はぁ……一人旅って寂しい。
コンテストの翌日。
約束通りヴィヴィアンに送ってもらった港町で、私は王都行きの商品を積んでいるという馬車を見つけて中に潜り込んだ。
本当なら町の市場とか露店とか、気になる場所はいっぱいあったんだけどーーのんびり観光、というわけにはいかなかったのだ。
「マジで全員巨人だったわ……ムリ、あれは無理。あそこでのんびり歩いていたら五分で踏みつぶされる自信ある」
そんな自信は要らないだろうと自分でも思うけどね。久しぶりに生命の危機を感じたよ……。
ということで町は早々に退散して、さっさと王都に移動することにしたのだ。
ヴィヴィアンは馬車には乗れなかったから町でお別れになったんだけど、そのうち王都にも遊びに行くと言ってくれた。
ただ『アンタ、ちっちゃいかラ見つけられるか不安だワ』っていうから、脚に通信用の魔道具を付けてさせてもらうことに。
表面をちょっと加工して薔薇の浮かし彫りを入れてから渡したら、『あラ、なかなか気が利くジャない♪』とご機嫌で受け取ってくれて一安心。これでいつでもヴィヴィアンと連絡が取れるし、私としても大満足だ。
ーー魔道具の元の用途が仮保釈中の犯罪者の居場所特定であることは、この場合言わぬが花である。
そんな感じで、また会えるという気軽さからサクッと別れてもう三日。
ーーヒマである。
「う~、船で遭難ではなくなったし、ちゃんと目的地に向かっているから気分的にはマシだけど……誰とも喋れないとやっぱり暇だよ~」
実家だと、こっちの都合なんて関係なく押しかけてくる妹と隙あらば構おうとしてくるお父様&お兄様、それにいつもウォルターが横にいてくれたから、話し相手に事欠くなんて初めての経験だ。
自然、独り言が多くなってしまう。
「ヴィヴィアンはしばらくお仲間さん達のところでゆっくりするって言ってたから、邪魔しちゃいけないよねぇ。コテージを収納した時に手に入った本は粗方読んじゃったし、他に読むもの……あ。」
本とはまた違うけど、そういえばこれの確認してなかったな。
「『ステータスオープン』」
その言葉とともに空中に透明なパネルが浮かんで、上に文字が表示される。
この画面には基本的なステータスから使える魔法やスキルなんかが書かれるけど、魔法の項目がとにかく長ったらしくなるから、読んでいるといつも眠くなってくる。
羊を数えるよりも効果的なので、寝付けない時にボンヤリ眺めてそのまま寝落ち、とかよくやったっけ。
もちろん今は寝たいわけじゃないから、まずは必要なとこだけ確認しておく。
「『前回確認時からの差分と重要項目のみ表示』」
範囲を指定してやれば、パネル上の文字が随分とスッキリした。
【名前】シルヴィアーナ・ラミレス
【年齢】13歳
【HP MP】624/624 856.9M/857M
【特殊スキル】『全言語理解』
【神授】『魔女』『時空神の加護(中→大)』
「この『全言語理解』っていうのがユリウスの言っていた翻訳スキルよね? ヴィヴィアン達と話せたのもこれのおかげか~」
普通に異世界の人たちと会話できるスキルかと思っていたら、まさかの鳥とも話せるスキルとは。
動物と話ができるってお伽話の定番だし、世の子供達の浪漫よね!
まぁ私はもうそこまで子供じゃないけど、これってすごく使えるスキルだ。
前からあった『時空神の加護』も強化されてるっぽい。ユリウス太っ腹だな~。
他は重要情報ってことで表示されているけど、そんなに変化ないかな。
あ、HPはちょっと上がった? 体力つけるのに走り込みしたのが効いたかな?
MPは相変わらず意味のわからない記号が後ろについてる。
MはMPのMだから『エム』って読むのはわかるんだけどーーなんで数字の後ろにつくんだろ?
これについては以前ユリウスに聞いたんだけど、ニッコリ笑って誤魔化された。
「世の中知らなくていいこともあるんだよ?」って、あれ絶対子供扱いされたわよね。
「MPの数字は前と変わらないかな……お父様は3000を超えてたから、やっぱり私ってまだまだだよね~……ってあれ?」
そこで、はたと気づく。
ーー 856.9M/857M?
現在MPが、最大MPを割っている……?
この三日間、ほとんど魔法を使っていないのに?
ーーMPは、魔法を使えば減る。当たり前だ。
でも、時間経過とともに回復する。
自身の回復力と、周囲の魔素が体に吸収されるから。
そして私の“魔女”のギフトの効果には、魔力の回復量増大と魔素の吸収効率向上もある。
だから今まではどんなに魔力を消費しても、三十分もすれば全回してたのに。
「ーーこれが、ユリウスの言ってた“治療“ってこと……?」
この世界なら、魔法を使えばちゃんと魔力が消費されて、減った分が補充されない。
つまり、魔力が過剰な状態から解放される。
「ってことは……この世界で魔法を使いまくればいいってことね!?」
なにそれ、何なのそれーーーー最高じゃない?!
ーー異世界転移万歳ッ!!
今日は馬車の上の人となっているシルヴィアーナですこんにちは!
ーーなんて挨拶したところで、今は誰もツッコんでくれないんだけどね。
はぁ……一人旅って寂しい。
コンテストの翌日。
約束通りヴィヴィアンに送ってもらった港町で、私は王都行きの商品を積んでいるという馬車を見つけて中に潜り込んだ。
本当なら町の市場とか露店とか、気になる場所はいっぱいあったんだけどーーのんびり観光、というわけにはいかなかったのだ。
「マジで全員巨人だったわ……ムリ、あれは無理。あそこでのんびり歩いていたら五分で踏みつぶされる自信ある」
そんな自信は要らないだろうと自分でも思うけどね。久しぶりに生命の危機を感じたよ……。
ということで町は早々に退散して、さっさと王都に移動することにしたのだ。
ヴィヴィアンは馬車には乗れなかったから町でお別れになったんだけど、そのうち王都にも遊びに行くと言ってくれた。
ただ『アンタ、ちっちゃいかラ見つけられるか不安だワ』っていうから、脚に通信用の魔道具を付けてさせてもらうことに。
表面をちょっと加工して薔薇の浮かし彫りを入れてから渡したら、『あラ、なかなか気が利くジャない♪』とご機嫌で受け取ってくれて一安心。これでいつでもヴィヴィアンと連絡が取れるし、私としても大満足だ。
ーー魔道具の元の用途が仮保釈中の犯罪者の居場所特定であることは、この場合言わぬが花である。
そんな感じで、また会えるという気軽さからサクッと別れてもう三日。
ーーヒマである。
「う~、船で遭難ではなくなったし、ちゃんと目的地に向かっているから気分的にはマシだけど……誰とも喋れないとやっぱり暇だよ~」
実家だと、こっちの都合なんて関係なく押しかけてくる妹と隙あらば構おうとしてくるお父様&お兄様、それにいつもウォルターが横にいてくれたから、話し相手に事欠くなんて初めての経験だ。
自然、独り言が多くなってしまう。
「ヴィヴィアンはしばらくお仲間さん達のところでゆっくりするって言ってたから、邪魔しちゃいけないよねぇ。コテージを収納した時に手に入った本は粗方読んじゃったし、他に読むもの……あ。」
本とはまた違うけど、そういえばこれの確認してなかったな。
「『ステータスオープン』」
その言葉とともに空中に透明なパネルが浮かんで、上に文字が表示される。
この画面には基本的なステータスから使える魔法やスキルなんかが書かれるけど、魔法の項目がとにかく長ったらしくなるから、読んでいるといつも眠くなってくる。
羊を数えるよりも効果的なので、寝付けない時にボンヤリ眺めてそのまま寝落ち、とかよくやったっけ。
もちろん今は寝たいわけじゃないから、まずは必要なとこだけ確認しておく。
「『前回確認時からの差分と重要項目のみ表示』」
範囲を指定してやれば、パネル上の文字が随分とスッキリした。
【名前】シルヴィアーナ・ラミレス
【年齢】13歳
【HP MP】624/624 856.9M/857M
【特殊スキル】『全言語理解』
【神授】『魔女』『時空神の加護(中→大)』
「この『全言語理解』っていうのがユリウスの言っていた翻訳スキルよね? ヴィヴィアン達と話せたのもこれのおかげか~」
普通に異世界の人たちと会話できるスキルかと思っていたら、まさかの鳥とも話せるスキルとは。
動物と話ができるってお伽話の定番だし、世の子供達の浪漫よね!
まぁ私はもうそこまで子供じゃないけど、これってすごく使えるスキルだ。
前からあった『時空神の加護』も強化されてるっぽい。ユリウス太っ腹だな~。
他は重要情報ってことで表示されているけど、そんなに変化ないかな。
あ、HPはちょっと上がった? 体力つけるのに走り込みしたのが効いたかな?
MPは相変わらず意味のわからない記号が後ろについてる。
MはMPのMだから『エム』って読むのはわかるんだけどーーなんで数字の後ろにつくんだろ?
これについては以前ユリウスに聞いたんだけど、ニッコリ笑って誤魔化された。
「世の中知らなくていいこともあるんだよ?」って、あれ絶対子供扱いされたわよね。
「MPの数字は前と変わらないかな……お父様は3000を超えてたから、やっぱり私ってまだまだだよね~……ってあれ?」
そこで、はたと気づく。
ーー 856.9M/857M?
現在MPが、最大MPを割っている……?
この三日間、ほとんど魔法を使っていないのに?
ーーMPは、魔法を使えば減る。当たり前だ。
でも、時間経過とともに回復する。
自身の回復力と、周囲の魔素が体に吸収されるから。
そして私の“魔女”のギフトの効果には、魔力の回復量増大と魔素の吸収効率向上もある。
だから今まではどんなに魔力を消費しても、三十分もすれば全回してたのに。
「ーーこれが、ユリウスの言ってた“治療“ってこと……?」
この世界なら、魔法を使えばちゃんと魔力が消費されて、減った分が補充されない。
つまり、魔力が過剰な状態から解放される。
「ってことは……この世界で魔法を使いまくればいいってことね!?」
なにそれ、何なのそれーーーー最高じゃない?!
ーー異世界転移万歳ッ!!
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