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1章
21。バイトは禁止だそうです
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ーーその後歩けるようになってからは、残りの部屋を一通り見学した。
日本の温泉施設かってくらい広いバスルーム(何故か檜風呂)、作りつけの本棚やシューズクローク、全室ウークインクローゼット完備の個室には綺麗にメイキングが施された広々ベット。
主寝室であろう部屋なんかキングサイズのベットが置いてあった。ーーここ誰が寝るんだろう。
「そりゃオマエが飼い主なんだから、一番広い部屋使うに決まってんだろ?」
「収納も一番広いですしね。女性はなにかと荷物も多いでしょうから」
……いえ、私は居候なので、何ならリビングのソファーで結構です……!
今更ながら敬語使っちゃうレベルで、全力で遠慮させてもらう。
こんな広いと落ち着いて寝れないし!
「へえ……広いと寝れないの?」
「確かにやたらと大きなベッドですからね」
ニヤニヤ、ニンマリ。妖しく笑う猫二匹。……うわ、イヤな予感。
「……夜一緒に寝てあげるとかの申し出だったら、もっと遠慮させてもらうから。どうぞお気遣いなく」
「あ、バレてた。残念ー」
「うーん、さすがに捻りがなさ過ぎましたかね?」
性懲りのない猫達だな、ほんと。イチイチ揶揄おうとするのヤメなさい。
「……でも、本当に遠慮させてもらうわ。荷物だってないんだし」
だって身に付けている衣服以外、本当に何も持ってない。
コテージを飛び出した時の服装そのままだ。
あの時はほとんど寝起きで、一応顔だけは洗って、みんなの朝ご飯準備しなきゃなーってキッチンに向かうところだった。
服装だって、ほとんど部屋着のようなもので。
コットンのロングスカートに半袖Tシャツ、朝はちょっと冷えるからとパーカーを引っ掛けただけの格好で出てきてしまった。
近所のスーパーまでなら行けるけど、小洒落たカフェとかには入れないくらいのラフな服装。
ーーそういえば私、着替えとかも持ってないのよね。昨日はそれどころじゃなくて忘れてたけど。
洗浄効果付きの魔法の水、なんて便利なものがあるから洗濯要らずではあるけれど……ダメだ、やっぱり着替えないと気分的に良くない。特に下着。
うん、どうにかして調達しよう。
「ねえ、私ってどこかでバイト……「ダメです」「却下」」
ーー即効ダメ出しされた。何故だ。
「……迷い子って、雇ってもらえないの?」
まあこっちに戸籍とかはないけど。現実の世界だってちょっとしたバイトくらいなら、履歴書一枚で採用されたりするのに。
「そうではなくて、必要ないってことです」
「衣食住の保証はするって言ったよな?」
あ、そんな事言ってたっけ?
うーん、言われてみれば、そう言ってた気もする。
けど、余分な服まで買ってもらっちゃうの申し訳ないような……飼い猫にタカるってのも外聞が良くないし。
「いいから、そんなの気にしないでください」
「そーだよっ!契約の範囲内だって!」
ええぇー。
……いいんだろうか。いや良くないよね。
まあ、できれば着替えは早めに買いたいし。
今日はこの後も不動産屋さんでの手続きもあってバイト探しもできないし。
とりあえず今は出してもらって、そのうち返せばいいかな?それなら自分でも納得できる。
「えーっと、じゃあとりあえずお願いします?」
ちょこっと頭を下げると、二人揃ってムズカシイ顔をされた。
あれ?こうじゃないの?
「とりあえずじゃなくて、普通にお願いしてください。あと、後から返そうとするのもナシですからね」
「ちゃんとオレら稼いでんだからな!それくらい全然出せるっての!」
変な遠慮とかするなよなっ!と念を押されてしまった。
なんで色々やる前からバレてるの。
私の考えってそんなに読みやすいんだろうか。
日本の温泉施設かってくらい広いバスルーム(何故か檜風呂)、作りつけの本棚やシューズクローク、全室ウークインクローゼット完備の個室には綺麗にメイキングが施された広々ベット。
主寝室であろう部屋なんかキングサイズのベットが置いてあった。ーーここ誰が寝るんだろう。
「そりゃオマエが飼い主なんだから、一番広い部屋使うに決まってんだろ?」
「収納も一番広いですしね。女性はなにかと荷物も多いでしょうから」
……いえ、私は居候なので、何ならリビングのソファーで結構です……!
今更ながら敬語使っちゃうレベルで、全力で遠慮させてもらう。
こんな広いと落ち着いて寝れないし!
「へえ……広いと寝れないの?」
「確かにやたらと大きなベッドですからね」
ニヤニヤ、ニンマリ。妖しく笑う猫二匹。……うわ、イヤな予感。
「……夜一緒に寝てあげるとかの申し出だったら、もっと遠慮させてもらうから。どうぞお気遣いなく」
「あ、バレてた。残念ー」
「うーん、さすがに捻りがなさ過ぎましたかね?」
性懲りのない猫達だな、ほんと。イチイチ揶揄おうとするのヤメなさい。
「……でも、本当に遠慮させてもらうわ。荷物だってないんだし」
だって身に付けている衣服以外、本当に何も持ってない。
コテージを飛び出した時の服装そのままだ。
あの時はほとんど寝起きで、一応顔だけは洗って、みんなの朝ご飯準備しなきゃなーってキッチンに向かうところだった。
服装だって、ほとんど部屋着のようなもので。
コットンのロングスカートに半袖Tシャツ、朝はちょっと冷えるからとパーカーを引っ掛けただけの格好で出てきてしまった。
近所のスーパーまでなら行けるけど、小洒落たカフェとかには入れないくらいのラフな服装。
ーーそういえば私、着替えとかも持ってないのよね。昨日はそれどころじゃなくて忘れてたけど。
洗浄効果付きの魔法の水、なんて便利なものがあるから洗濯要らずではあるけれど……ダメだ、やっぱり着替えないと気分的に良くない。特に下着。
うん、どうにかして調達しよう。
「ねえ、私ってどこかでバイト……「ダメです」「却下」」
ーー即効ダメ出しされた。何故だ。
「……迷い子って、雇ってもらえないの?」
まあこっちに戸籍とかはないけど。現実の世界だってちょっとしたバイトくらいなら、履歴書一枚で採用されたりするのに。
「そうではなくて、必要ないってことです」
「衣食住の保証はするって言ったよな?」
あ、そんな事言ってたっけ?
うーん、言われてみれば、そう言ってた気もする。
けど、余分な服まで買ってもらっちゃうの申し訳ないような……飼い猫にタカるってのも外聞が良くないし。
「いいから、そんなの気にしないでください」
「そーだよっ!契約の範囲内だって!」
ええぇー。
……いいんだろうか。いや良くないよね。
まあ、できれば着替えは早めに買いたいし。
今日はこの後も不動産屋さんでの手続きもあってバイト探しもできないし。
とりあえず今は出してもらって、そのうち返せばいいかな?それなら自分でも納得できる。
「えーっと、じゃあとりあえずお願いします?」
ちょこっと頭を下げると、二人揃ってムズカシイ顔をされた。
あれ?こうじゃないの?
「とりあえずじゃなくて、普通にお願いしてください。あと、後から返そうとするのもナシですからね」
「ちゃんとオレら稼いでんだからな!それくらい全然出せるっての!」
変な遠慮とかするなよなっ!と念を押されてしまった。
なんで色々やる前からバレてるの。
私の考えってそんなに読みやすいんだろうか。
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